ついでにオリキャラも!
「到着したか」
それなりの道程を経て、ハイリヒ王国王都に到着する。
道程はまぁ順調だった。
魔物の襲撃も有ったが?ザコばかりだ。
他の護衛連中は充分優秀だったし、コチラも遅れを取る心算は無い。
帝国は実力が全て。ザコ相手に下手は無い。
だが魔物に活性化の兆候も在るように思える。
魔人との本格的な戦争も近いのかもしれない。
それ故の神の使徒!と言う話に繋がる。
帝国にも存在する聖教教会に神託が下った。
偉大なるエヒト神が人類を憐れんで、
異なる世界より新たなる神の使徒を召喚した!と。
場所はハイリヒ王国の神山。
たった今到着した王都に有る、聖教教会の総本山だ。
詰りコチラは帝国の使者。
お偉い神の使徒サマの御尊顔を拝む仕事だが?本来の仕事は別だ。
神の使徒サマが?本当に使える連中なのか確かめるのが仕事。
「ではガルヴェイラ様。手筈通りに」
「此処では冒険者ガライだ。
呼び名を間違えるなど、初歩的なミスを犯してくれるなよ?」
「承知致しました。ガルヴェイラ様」
本当に解っているのか?使節団の代表は馬車に戻る。
コチラはもう一介の冒険者。黒ランクのガライでしか無い。
が、そう思っていない者も居る。
帝国は実力主義の国。
だが実力とは、武力を指す言葉では無い。
騎士の実力とは武力だろう。だが指揮官の実力は統率力となる。
では国の中枢たる皇族の実力とは何か?
それは政を司る政治力であり、
周囲を納得させる解り易い武力であり、それらを複合したナニかだ。
コチラはそれが面倒で城を出た。
継承権が低く、帝位を狙えないだろう事も理由の一つ。
城を出て、己の武力一つを頼りに冒険者になった。
そこで概ね成功を収めた。黒ランクまで成り上り、実力で富も得た。
だが因果なモノだ。
城を出ても今度は冒険者として雇われて、国の為に働く事に。
挙句、ガルヴェイラ様は冒険者の立場から国を支える心算だ!
と評価される始末。その所為で、あの代表のような奴も居る。
冒険者としての名はガライ。
本名をガルヴェイラ・D・ヘルシャー。
帝国の第六帝位継承者と呼ばれていた事も有る。
†
王都の城に通される。
問題の神の使徒は、オルクス大迷宮で鍛錬に励んでいたらしい。
だが此処で問題発生。
その鍛錬の最中、神の使徒に犠牲者を出す事に。
教会や王国は口を閉じているが?既に帝国の影が情報をつかんだようだ。
幸い、神の使徒の代表格は全員無事との事。
だがこれだけでも?神の使徒が無敵の存在では無い事が透けて見える。
どうやら仕事は、キッチリやる必要が在るようだ。
神の使徒との謁見が叶うまで、まだ時間が有る。
謁見の細かい算段は代表や文官連中に任せて、
コチラは許された範囲で、城を散策する。
暇潰しでは無く、イザと言う時の備えだ。
どうにも教会相手に、
神に盲目的な王国の中で、気を抜く心算は無かった。
「これは………」
城の散策中。態々城の中庭で剣を振る少女を見掛ける。
悪く無い剣筋だった。悪くは無い。
だがその剣には、迷いを感じさせる。
「誰!?」
「スマナイ。ジャマをしたか?
少し見せて貰っていた。悪くない剣だった」
コチラに気付いた彼女が振り返る。
黒髪のポニテ少女だ。が、違和感は有る。
何故城の中庭で鍛錬をしていた?
城に務める女性兵も居るには居るだろう。が、空気が違う。
これは、いきなりのアタリだろうか?
「………見掛けない顔。
もう一度言うわ。誰?」
「確かに初見だろう。ならどうする?
その剣で取り押さえるか?」
得物を抜く。
王国では、コレが剣だと解らない錬成師も多い。
余りに華奢な作りだからだ。ナマクラの玩具だと断じてしまう。
「まさか、刀!?」
「詳しいな?
とある異国の騎士の剣、刀。
コレは帝国製の複製品に過ぎないが」
本物の刀は、もっと美しく妖しいモノだ。
魔性の魅力を兼ね揃えている。
いや、今は刀の魅力を語る時では無いだろう。
「ここまでか、やはり剣に迷いが有る」
「………貴方は」
何度か剣を合わせたが、答えは変わらない。
迷いが剣に出ている。もう良いだろう。
彼女の剣を弾き飛ばして、首元に得物を突き付ける。
「名はガライ、黒ランクの冒険者だ。
今回は帝国の使節団の護衛として雇われている」
勝利を収めた処でコチラの身分を明かす。
刀も下げる。視線がチラリと動いた。
「私は雫。八重樫雫。
それにしても、帝国の?」
「直ぐにまた会う事になるだろう。
なぁ、使徒サマ?」
その後の謁見で、神の使徒サマ達とも会った。
予想通りあのポニテ少女、雫も神の使徒の一人だった。
神の使徒サマ達は皆自分より若く、未熟に見えた。
代表の勇者と戦う事にもなったが、甘く温く若かった。
典型的な戦いを知らない善人だ。偽善者とも未熟者とも言う。
将来的にはまだ伸びるかもしれないが?それだけだ。
それだけで戦争に勝てる訳では無い。
実際に戦った自分の評価だ。間違っていない自信が有る。
「浮かない顔だ」
謁見の後。
帝国歓迎の宴。または人類団結の宴。
宴は他の者に任せて、一人佇む雫に近づいた。
†
「代表の勇者が敗北したから。
では無いな、他の悩みだ」
「………ガライ。だったよね?」
雫は一人、人気の無いバルコニーに佇んでいた。
こう言う処も無防備だと思われる。
やはり勇者の言うように?平和な国の出身なのだろう。
「今回の件で、帝国は一応の協力体制となる。
やがて戦争が始る。
その中心となるのはお前達、神の使徒だ」
「………そうね」
一瞬。雫の身体が震えた事を見逃さない。
やはりな、と思うも?無理も無い。とシフトする。
「だがその戦いは、神の威光を示すモノにはならないだろうな?
雫。お前達は、
神の使徒では無い。ただの人間だ」
決定的な言葉を告げる。
それが雫と接し、勇者と戦った答えだった。
「………まさか初対面の、
帝国の人に指摘される何てね?」
「お前達を神輿に魔人達と戦う。
神の威光が示される事も無い。それはただの戦争だ」
「………ただの戦争」
「帝国は実力主義の国だ。
戦って、戦い続けて平和と自由を勝ち取り続けた。
だが次の戦争は、
お前達を神輿にした次の戦争は、良くないモノになる。
そう感じた」
「………」
「雫。お前達は戦うべきじゃ無かった。
少なくとも早過ぎた。そう言う事だろう」
「………何で、今になってそんな事を言うの?」
雫は力無く、コチラの胸に頭を預けた。
それはきっと、雫が溜め続けたモノだ。
「香織がずっと起きないの、南雲君が戻ら無かったから。
優花が部屋から出て来ないの、清水君が戻ら無かったから。
皆だって口にしないけど、傷付いてる」
報告に有った犠牲者の件だろう。
南雲に清水か。
「私達は何も解って無かった。覚悟何て無かった。
それでも戦った。だから失敗したのね?」
「帝国に来い。
お仲間の友人も呼びたい奴は呼べば良い。
無駄飯を食わせる心算は無いが、居場所は用意しよう」
「………どうして?」
「使い潰されて無駄死にさせるには惜しいと思った。
何処かお前が気に入った。理由はそれだけだ」
「私は………」「シズシズ!」
手応えは在った。誘いは上手く行く筈だった。
だが運命と言うヤツは、コチラを裏切って行く。
雫の友人が目を覚ましたらしい。香織と言っただろうか?
バルコニーにやって来た、他の小柄な使徒サマがそう言っていた。
†
「香織は信じてるって、南雲君がまだ生きてる事を」
「だからオルクス大迷宮を攻略するって言ってた。
私は、香織の力になりたいと思ってる」
「ありがとう。
私達をただの人間だって、言ってくれて。
ありがとう。
戦うなって、言ってくれて」
「でも、今度は自分の意思で戦うよ。
もう失くしたくないから」
もうこれは止められないヤツだと、認めざるを得ない。
これはそう言う流れだ。
「解った。それが雫の決断なら」
それで限界だろう。
最後に餞別代りに、手持ちの刀を渡した。
「気が変わったら、それを持って来ると良い。
これでもそれなりに成功した帝国の冒険者だ。力になろう」
「ありがとう。
大事にするから」
予想以上に嬉しそうな顔だった。
雫は刃物マニアの気が?
いや、手元に良い得物が無いのかもしれない。
こうしてハイリヒ王国の訪問。使節団護衛の依頼は完了した。
何とも心残りな結末だった。
どうやら想像以上に、雫の事を気に入っていたらしい。
「ガルヴェイラ様。次の依頼の件ですが?」
「………帝国に戻る事無く、次の依頼か?」
「はい。フェアベルゲンにて奴隷狩りの指揮を!と」
「コチラはただの冒険者何だが?」
「名目上は、奴隷狩りの指揮官の護衛依頼となります。
ですが陛下は?ガルヴェイラ様に指揮を任せよ!と」
「………亜人奴隷が、まだ必要か?
奴隷は帝国に溢れているだろうに」
「それだけ魔人との戦争が近い。と言う事でしょう」
戦争が近いか、何とも嫌な流れだ。
次の戦争は、一体誰が望んだ戦争か?
「ま、直接戦うアイツじゃない事は確かだろうよ」
†
オリキャラ&クロスキャラ設定
4/ガルヴェイラ・D・ヘルシャー(ガライ)
元帝国第六帝位継承者。現黒ランク冒険者。オリキャラ。
出奔した元帝位継承者。現在は黒ランク冒険者として活躍中。
継承権は既に放棄したモノの?その実力を皇帝にも評価されており、
時折皇帝からの依頼を受ける事も。
出奔した後も冒険者として大成して、実力で富を築いた。帝都に屋敷持ち。
雫や他のクラスメイトを、余裕で囲える資産を保有している。
但しハーレムは持っていない。管理が面倒との事。
あの皇帝なら、何人子供が居てもおかしく無いよね?と言う話。
原作ではフューレンのイルワ支部長が?
当初、報酬に黒ランクを!と言っています。
これは一般的に黒ランクが最高位であり、銀と金は規格外の領域。
または国の管理下に有る特別な存在である。と言う解釈です。
得物は何にするか検討しましたが?
雫の気を惹く為に刀に!(笑)
ヤヴァイ妖刀保持者。だが正気の所業。
最終戦の天之河より強い設定で、
現地人の人間の中では、最強クラスとなります。
オジサンでは雫を口説け無かったので?
若いイケメン戦士を出して見た☆これなら行ける!
と言うキャラコンセプトです。
この辺りが?最も雫が弱っていた時期だと思います。
好機☆←オリキャラ挿し込み!
アニメ版最終回の、刀を抱いて微笑む雫を視ていると?
普通に、頼りになる男に惚れそうなタイプに見える☆
帝国で刀が出回っているのは、オリジナル設定です。