ありふれた英雄願望(挫折)で世界最強   作:LW

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此処で帝国編を挿し込みます。
ついでにオリキャラも!


11 帝国の使者

「到着したか」

 

それなりの道程を経て、ハイリヒ王国王都に到着する。

道程はまぁ順調だった。

魔物の襲撃も有ったが?ザコばかりだ。

他の護衛連中は充分優秀だったし、コチラも遅れを取る心算は無い。

帝国は実力が全て。ザコ相手に下手は無い。

 

だが魔物に活性化の兆候も在るように思える。

魔人との本格的な戦争も近いのかもしれない。

それ故の神の使徒!と言う話に繋がる。

 

帝国にも存在する聖教教会に神託が下った。

偉大なるエヒト神が人類を憐れんで、

異なる世界より新たなる神の使徒を召喚した!と。

場所はハイリヒ王国の神山。

たった今到着した王都に有る、聖教教会の総本山だ。

 

詰りコチラは帝国の使者。

お偉い神の使徒サマの御尊顔を拝む仕事だが?本来の仕事は別だ。

神の使徒サマが?本当に使える連中なのか確かめるのが仕事。

 

「ではガルヴェイラ様。手筈通りに」

 

「此処では冒険者ガライだ。

 呼び名を間違えるなど、初歩的なミスを犯してくれるなよ?」

 

「承知致しました。ガルヴェイラ様」

 

本当に解っているのか?使節団の代表は馬車に戻る。

コチラはもう一介の冒険者。黒ランクのガライでしか無い。

が、そう思っていない者も居る。

 

帝国は実力主義の国。

だが実力とは、武力を指す言葉では無い。

騎士の実力とは武力だろう。だが指揮官の実力は統率力となる。

では国の中枢たる皇族の実力とは何か?

それは政を司る政治力であり、

周囲を納得させる解り易い武力であり、それらを複合したナニかだ。

コチラはそれが面倒で城を出た。

継承権が低く、帝位を狙えないだろう事も理由の一つ。

 

城を出て、己の武力一つを頼りに冒険者になった。

そこで概ね成功を収めた。黒ランクまで成り上り、実力で富も得た。

だが因果なモノだ。

城を出ても今度は冒険者として雇われて、国の為に働く事に。

挙句、ガルヴェイラ様は冒険者の立場から国を支える心算だ!

と評価される始末。その所為で、あの代表のような奴も居る。

 

冒険者としての名はガライ。

本名をガルヴェイラ・D・ヘルシャー。

帝国の第六帝位継承者と呼ばれていた事も有る。

 

 

王都の城に通される。

問題の神の使徒は、オルクス大迷宮で鍛錬に励んでいたらしい。

だが此処で問題発生。

その鍛錬の最中、神の使徒に犠牲者を出す事に。

教会や王国は口を閉じているが?既に帝国の影が情報をつかんだようだ。

幸い、神の使徒の代表格は全員無事との事。

だがこれだけでも?神の使徒が無敵の存在では無い事が透けて見える。

どうやら仕事は、キッチリやる必要が在るようだ。

 

神の使徒との謁見が叶うまで、まだ時間が有る。

謁見の細かい算段は代表や文官連中に任せて、

コチラは許された範囲で、城を散策する。

暇潰しでは無く、イザと言う時の備えだ。

どうにも教会相手に、

神に盲目的な王国の中で、気を抜く心算は無かった。

 

「これは………」

 

城の散策中。態々城の中庭で剣を振る少女を見掛ける。

悪く無い剣筋だった。悪くは無い。

だがその剣には、迷いを感じさせる。

 

「誰!?」

 

「スマナイ。ジャマをしたか?

 少し見せて貰っていた。悪くない剣だった」

 

コチラに気付いた彼女が振り返る。

黒髪のポニテ少女だ。が、違和感は有る。

何故城の中庭で鍛錬をしていた?

城に務める女性兵も居るには居るだろう。が、空気が違う。

これは、いきなりのアタリだろうか?

 

「………見掛けない顔。

 もう一度言うわ。誰?」

 

「確かに初見だろう。ならどうする?

 その剣で取り押さえるか?」

 

得物を抜く。

王国では、コレが剣だと解らない錬成師も多い。

余りに華奢な作りだからだ。ナマクラの玩具だと断じてしまう。

 

「まさか、刀!?」

 

「詳しいな?

 とある異国の騎士の剣、刀。

 コレは帝国製の複製品に過ぎないが」

 

本物の刀は、もっと美しく妖しいモノだ。

魔性の魅力を兼ね揃えている。

いや、今は刀の魅力を語る時では無いだろう。

 

「ここまでか、やはり剣に迷いが有る」

 

「………貴方は」

 

何度か剣を合わせたが、答えは変わらない。

迷いが剣に出ている。もう良いだろう。

彼女の剣を弾き飛ばして、首元に得物を突き付ける。

 

「名はガライ、黒ランクの冒険者だ。

 今回は帝国の使節団の護衛として雇われている」

 

勝利を収めた処でコチラの身分を明かす。

刀も下げる。視線がチラリと動いた。

 

「私は雫。八重樫雫。

 それにしても、帝国の?」

 

「直ぐにまた会う事になるだろう。

 なぁ、使徒サマ?」

 

その後の謁見で、神の使徒サマ達とも会った。

予想通りあのポニテ少女、雫も神の使徒の一人だった。

神の使徒サマ達は皆自分より若く、未熟に見えた。

 

代表の勇者と戦う事にもなったが、甘く温く若かった。

典型的な戦いを知らない善人だ。偽善者とも未熟者とも言う。

将来的にはまだ伸びるかもしれないが?それだけだ。

それだけで戦争に勝てる訳では無い。

実際に戦った自分の評価だ。間違っていない自信が有る。

 

「浮かない顔だ」

 

謁見の後。

帝国歓迎の宴。または人類団結の宴。

宴は他の者に任せて、一人佇む雫に近づいた。

 

 

「代表の勇者が敗北したから。

 では無いな、他の悩みだ」

 

「………ガライ。だったよね?」

 

雫は一人、人気の無いバルコニーに佇んでいた。

こう言う処も無防備だと思われる。

やはり勇者の言うように?平和な国の出身なのだろう。

 

「今回の件で、帝国は一応の協力体制となる。

 やがて戦争が始る。

 その中心となるのはお前達、神の使徒だ」

 

「………そうね」

 

一瞬。雫の身体が震えた事を見逃さない。

やはりな、と思うも?無理も無い。とシフトする。

 

「だがその戦いは、神の威光を示すモノにはならないだろうな?

 雫。お前達は、

 神の使徒では無い。ただの人間だ」

 

決定的な言葉を告げる。

それが雫と接し、勇者と戦った答えだった。

 

「………まさか初対面の、

 帝国の人に指摘される何てね?」

 

「お前達を神輿に魔人達と戦う。

 神の威光が示される事も無い。それはただの戦争だ」

 

「………ただの戦争」

 

「帝国は実力主義の国だ。

 戦って、戦い続けて平和と自由を勝ち取り続けた。

 だが次の戦争は、

 お前達を神輿にした次の戦争は、良くないモノになる。

 そう感じた」

 

「………」

 

「雫。お前達は戦うべきじゃ無かった。

 少なくとも早過ぎた。そう言う事だろう」

 

「………何で、今になってそんな事を言うの?」

 

雫は力無く、コチラの胸に頭を預けた。

それはきっと、雫が溜め続けたモノだ。

 

「香織がずっと起きないの、南雲君が戻ら無かったから。

 優花が部屋から出て来ないの、清水君が戻ら無かったから。

 皆だって口にしないけど、傷付いてる」

 

報告に有った犠牲者の件だろう。

南雲に清水か。

 

「私達は何も解って無かった。覚悟何て無かった。

 それでも戦った。だから失敗したのね?」

 

「帝国に来い。

 お仲間の友人も呼びたい奴は呼べば良い。

 無駄飯を食わせる心算は無いが、居場所は用意しよう」

 

「………どうして?」

 

「使い潰されて無駄死にさせるには惜しいと思った。

 何処かお前が気に入った。理由はそれだけだ」

 

「私は………」「シズシズ!」

 

手応えは在った。誘いは上手く行く筈だった。

だが運命と言うヤツは、コチラを裏切って行く。

雫の友人が目を覚ましたらしい。香織と言っただろうか?

バルコニーにやって来た、他の小柄な使徒サマがそう言っていた。

 

 

「香織は信じてるって、南雲君がまだ生きてる事を」

 

「だからオルクス大迷宮を攻略するって言ってた。

 私は、香織の力になりたいと思ってる」

 

「ありがとう。

 私達をただの人間だって、言ってくれて。

 ありがとう。

 戦うなって、言ってくれて」

 

「でも、今度は自分の意思で戦うよ。

 もう失くしたくないから」

 

もうこれは止められないヤツだと、認めざるを得ない。

これはそう言う流れだ。

 

「解った。それが雫の決断なら」

 

それで限界だろう。

最後に餞別代りに、手持ちの刀を渡した。

 

「気が変わったら、それを持って来ると良い。

 これでもそれなりに成功した帝国の冒険者だ。力になろう」

 

「ありがとう。

 大事にするから」

 

予想以上に嬉しそうな顔だった。

雫は刃物マニアの気が?

いや、手元に良い得物が無いのかもしれない。

 

こうしてハイリヒ王国の訪問。使節団護衛の依頼は完了した。

何とも心残りな結末だった。

どうやら想像以上に、雫の事を気に入っていたらしい。

 

「ガルヴェイラ様。次の依頼の件ですが?」

 

「………帝国に戻る事無く、次の依頼か?」

 

「はい。フェアベルゲンにて奴隷狩りの指揮を!と」

 

「コチラはただの冒険者何だが?」

 

「名目上は、奴隷狩りの指揮官の護衛依頼となります。

 ですが陛下は?ガルヴェイラ様に指揮を任せよ!と」

 

「………亜人奴隷が、まだ必要か?

 奴隷は帝国に溢れているだろうに」

 

「それだけ魔人との戦争が近い。と言う事でしょう」

 

戦争が近いか、何とも嫌な流れだ。

次の戦争は、一体誰が望んだ戦争か?

 

「ま、直接戦うアイツじゃない事は確かだろうよ」

 

 

オリキャラ&クロスキャラ設定

 

4/ガルヴェイラ・D・ヘルシャー(ガライ)

元帝国第六帝位継承者。現黒ランク冒険者。オリキャラ。

出奔した元帝位継承者。現在は黒ランク冒険者として活躍中。

継承権は既に放棄したモノの?その実力を皇帝にも評価されており、

時折皇帝からの依頼を受ける事も。

出奔した後も冒険者として大成して、実力で富を築いた。帝都に屋敷持ち。

雫や他のクラスメイトを、余裕で囲える資産を保有している。

但しハーレムは持っていない。管理が面倒との事。

 

あの皇帝なら、何人子供が居てもおかしく無いよね?と言う話。

原作ではフューレンのイルワ支部長が?

当初、報酬に黒ランクを!と言っています。

これは一般的に黒ランクが最高位であり、銀と金は規格外の領域。

または国の管理下に有る特別な存在である。と言う解釈です。

 

得物は何にするか検討しましたが?

雫の気を惹く為に刀に!(笑)

ヤヴァイ妖刀保持者。だが正気の所業。

最終戦の天之河より強い設定で、

現地人の人間の中では、最強クラスとなります。

 

オジサンでは雫を口説け無かったので?

若いイケメン戦士を出して見た☆これなら行ける!

と言うキャラコンセプトです。




この辺りが?最も雫が弱っていた時期だと思います。
好機☆←オリキャラ挿し込み!

アニメ版最終回の、刀を抱いて微笑む雫を視ていると?
普通に、頼りになる男に惚れそうなタイプに見える☆

帝国で刀が出回っているのは、オリジナル設定です。
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