もう少しオルクスに居ますけど☆
戦いは始った。
カラフルな六つの首。
これで六つの首全てが、同じ攻撃しかして来ないようなら?
それはそれで笑える処だが、それは無かった。
此処は色通り、
赤が火属性。青が氷属性。緑が風属性。黄が土属性と続いている。
後ろで控える白と黒は何だ?何故後ろに居る?後衛タイプか?
このパターンだと白が光属性で、黒が闇属性か?
「白はヒーラーだ。先に潰せ!」
前衛を務める赤青緑に、在る程度ダメージを与えると?
後衛の白がカバーに入って回復。
ヒーラーの白を狙うと、黄が盾になって白を護る。黄はタンクか!
どうやら多頭竜は、六つの首がそれぞれ役割を決めているようだが?
範囲攻撃はどう対応する?黄一本で防げるのか?
「試してやる!【陽………」
「シャアァァァッッッ!!!!!!」
範囲攻撃を試してやろう!と言う処で、今まで沈黙していた黒が動いた。
コチラに在る程度近寄ると、恐らく何らかの魔法発動。
一瞬辺りが暗くなったかと思うと、そこに奈落の魔物が溢れていた。
そこに居るのは自分一人。
そして自分は、奈落の魔物に貪られ続ける訳だが?
直ぐにこれが幻覚の類だと気付いた。精神支配無効の効果だ。
『マスター』
これは水晶が居ない可能性。本来自分が辿る筈だった結末。
だがそれがどうした?
水晶は此処に居る。此処に居ると言うのに、
居なかった可能性を恐れて、震える道理は無い!
「迂闊に突出した愚を呪え!【陽影】」
「シャガァァァッッッ!!!!!!」
至近距離から【陽影】を喰らわせてやった。
黄のガードも、白のカバーも間に合わない。黒い首が溶解した。
「まとめてくたばれ!」
そこで勝敗は決した。
黒を助けようと、黄が白の元を離れたからだ。
その黄をユエが魔法で釘付けにして、
ハジメが対戦車ライフルにしか見えない得物。シュラーゲンを放った。
残った三色が白を護ろうとしたが、丸ごと四つの首が消し飛んだ。
後は護る者を喪った黄を、タコ殴りにして終った。
「ハジメ、魔石はどうだ?」
「鉱物系鑑定に反応が無いな。
デカブツだからな、奥の方に有るのか?」
「怪しいな、全て塵になるまで攻撃続行」
魔石の位置が特定出来ない。怪し過ぎる展開。
首を失った胴体も始末しようとしたその時!それは現れた。
残った胴体から、新しい七つ目の首。銀の首が現れた。
†
その後の戦いは、いやぁ銀の首は強敵でしたネ☆で終った。
うん強敵だった。ハジメやユエも大変だったし、
ハジメは追い詰められて、バトル漫画の主人公のように派生スキルに目覚めた。
ユエも健気だった。やっている事が、完全にヒロインだった。
だが水晶の登場で、全てのゲーム盤が返された。
「ダメよ、マスターをイジメちゃ☆」
うわぁ、何処かで見た事在るな~っと現実逃避。
ハジメも何処か遠い目をしている。
初見のユエは、ただただその魔力量を感じて硬直していた。
コネクトを解いて現れた水晶の周囲に、
杖状の浮遊砲台が無数に展開されている。
これは表層60階層でベヒモスを消滅させて、
橋まで崩して奈落へ墜ちる原因にもなったアレだ。
某宇宙世紀のファン○ル的なアレである。
「う~ん、じゃあ期待に応えて!ファンネル!!」
うおぃっっ!!!今、ファンネルって言った!
コッチは態々伏字にしたのに、ファンネルって言ったぞ!!
もう色々とアレだが?水晶の操る浮遊砲台が一斉に動いた。
無数の浮遊砲台が、全方位から光撃を放つ!
光撃は集い、やがて波濤となって銀の首を襲う。
いつかのベヒモスよりはもった方だろう。
だがやはり銀の首、多頭竜も光りの中で消滅した。
水晶の圧倒的勝利である。
「水晶さん、大勝利ぃ☆」
そうデスネ☆もうツッコミも入れまい。
何にしても、これで先に進める。
威容の存在感を放つ扉を見る。この先が、例の反逆者の住処なのか?
「扉を開けた先は楽園(エデン)だった。
と言うオチか?それともエリュシオンだったか?」
「………意味的には大差無いな。何にしても」
「此処が、反逆者の住処」
最終地獄ジュデッカの最奥。地獄の扉の先には楽園が在る。
そんな神話系の設定を思い出す展開だった。
今まで続いた天然系ダンジョンの先に在ったのは、
楽園だと言われれば信じてしまいそうな光景。
外の世界と比べても、損傷の無い太陽のような照明。
人気の無い平穏な別荘地のような水源や耕作地。
最後は悠然と佇む屋敷!何から何まで揃えた感じだ。
周囲の光景にも興味は在るが、やはり本命は屋敷の方だろう。
この様子では貴重なお宝の類も有りそうだが、本命は大迷宮の脱出路だ。
これで出口無しでは困る。
屋敷の下層エリアは、居住スペースだった。
寝室やドレスルーム。露天風呂や台所が有る。
その他諸々だ。やろうと思えば、此処で隠匿生活が送れそうだ。
流石は反逆者の住処!と言った処だろう。
上層はプライベートエリアだと思われる。
だが施錠されている。ハジメの錬成でも解錠不能だった。
これは、相手の方が格上である事を物語っている。
因みに水晶には頼っていない。まずは正攻法だろう。
そしてついに、それを見つけた。
最上層の部屋だった。
そこで物言わぬ骸骨が、コチラの来訪を待っていた。
床には大層な魔法陣。入って来い。そう誘っている。
「御指名が入ったな、どうする?」
「………全員で行くのは無いな、オレが行く」
「ハジメ」
「入らない訳にも行かない展開だな?
精神支配無効も在る。コチラも行こう」
「マスター、気を付けて」
水晶とユエに後詰を頼んで、ハジメと男二人で魔法陣に入る。
魔法陣が起動。
あぁ、これは何かチェックされてるパターンだな?
と言う感覚が頭を巡る。
やがてそれも治まると、そこに一人の男が佇んでいた。
「立体映像?記録魔法か?
そこの骸骨の奴だな?」
「試練を乗り越えよくたどり着いた。
私の名はオスカー・オルクス。この迷宮を創った者だ」
このオルクス大迷宮の創造者、オスカー・オルクスの記録。
そこで語られるのは反逆者。では無く、解放者としての戦いの記録。
「強制召喚をやらかすようなカミサマだ。
今更カミサマがラスボスだと言われても、驚きはしない」
「それに態々戦う必要も無い。
オレ達は日本に還る。それだけだ」
「帰還の手段を手に入れても、
この調子だと妨害や再召喚のおそれも有る。それはどうする?」
「妨害、再召喚。
妨害なら潰すだけだが、再召喚か」
「話は以上だ。聞いてくれてありがとう。
君のこれからが自由な意志の下にあらんことを」
そこで記録魔法は終了。
更に頭に情報が流れて来る。神代魔法/生成魔法の情報だ。
「神代魔法の生成魔法か、
これって錬成師の専用魔法じゃないか?」
「かもな?
だがこれで、自作のアーティファクトが行ける!」
「おぉっ!ついにICBM計画が!?」
「それは最終手段だ。
それにいきなりは無理だ。色々試さないとな?」
その後水晶とユエも魔法陣に入って生成魔法を修得。
だがアーティファクトの製造は、水晶でも無理との事。
出来るのはハジメ一人。やはり錬成師専用の魔法だと思う。
更に骸骨から回収した指輪で、上層の部屋も開放出来た。
そこで貴重な錬成素材の回収や、情報の読み解きを行う。
此処でもスーパー水晶タイム発動!
読書魔法を発動させて、資料を速攻で読み解く。
それによると、
先程神代魔法を修得した魔法陣で、大迷宮は脱出可能との事。
但し骸骨から回収した指輪が必須。
これは表層30階層のボスドロップと同様の物で、
コチラでも代用出来るらしい。
ボスドロップの指輪の方を確認して見ると、
いつの間にか4つの貴石全てが、淡く光っていた。
他にも手記らしき物を見つける。
そこには他の解放者に関する事が記されていた。
「他の解放者も大迷宮を造った。想像通りの流れだ。
そこに他の神代魔法も有ると」
「異世界転移が出来る神代魔法も有るかもな?
還るアテも出来た」
だが大迷宮の正確な場所までは記されていなかった。
これは自分の足で調べる事になるだろう。
グリューエン砂漠大火山。
ハルツィナ樹海。
ライセン大峡谷。
シュネー雪原の氷雪洞窟。
が候補地だ。
数が足りないのでまだ未発見か、秘匿されているか?になる。
「さて、今後の行動だが?」
解放者が保有する他の神代魔法を手に入れる。
その為に他の大迷宮を巡る。これは確定事項。
だがハジメは、此処で暫く錬成師の修行を積むと言う。
確かに此処は錬成師の工房だろう。しかも神代クラスだ。
これから世界を巡ろう!と言うシーンだ。
焦らず力を蓄えたいのも解る。
だが錬成師では無いコチラに、メリットは少ない。
ハジメの修行に付き合って、奈落でレベリングでもするか?
それとも先行して、大迷宮の探索に出るか?
「急ぐ事は無いだろう。コチラはその間、レベリングでもしよう。
完全踏破前だからな?まだ奈落にお宝が眠っているかもしれないし、
レアモンスターとも遭遇していないかもしれない」
「従属目録、それも在ったか」
ハジメがこれから作るアーティファクト。
それに期待している点も有る。
それがどんなファンタジーブレイカーになるか?楽しみだった。
「マスター、
歌姫に危機が迫っているわ」
ハジメの準備が整うのを待つ事、約一ヶ月後。
準備が整う前に、事態は動いた。
今回も水晶が無双したので、ハジメの両目は健在です。
これも両腕健在の件と同様!
眼帯型アーティファクトとかで、原作のパフォーマンスを再現します。
腕の件も、篭手型アーティファクトで充分行けるでしょう。
水晶が無双して終りましたが?
全員生成魔法をゲットしています。
そして歌姫イベント発動!
やっとこのシナリオが書ける!長かった☆