ありふれた英雄願望(挫折)で世界最強   作:LW

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ライセン大峡谷攻略方を検討!
シアも身体強化とか使っているので、これで行けると思う。


15 大迷宮強制突入

「出番だ、グラ!」

 

早速、専用バイクのグラを召喚する。

受け取ったオルクスの指輪は正常発動して、

召喚陣からグラが、その姿を現す。

 

「良し!まずはライセン大峡谷を抜けて、

 最寄りのブルックだ。そこから街道沿いに王都へ向かう」

 

「解放者の住処で凡その世界地図も手に入れたから、

 ナビゲートも行けるわ。安心してマスター☆」

 

「流石だ水晶、頼りになる」

 

水晶が頼りになるのはいつもの事。もう色々と慣れた。

水晶は横座りで乗り込み、グラはコチラで操縦する。

 

「こう言うのも、悪くないわね☆」

 

久々の外の世界、バイクでツーリング。

風を切る感覚も悪く無いのだろう。

だがやはり、無粋な輩も居る。ライセン大峡谷在住の魔物達だ。

首が二つの某レックス系や、

プテラノ系の翼竜など、恐竜系がメインと思われる。

ライセン大峡谷は恐竜の住処なのか?

 

だが悲しい事に世の中には、

理不尽には更なる大理不尽を!と言う言葉が有る。

ライセン大峡谷で、強者として君臨していただろう恐竜達は?

更なる強者たる、後部シートに座る水晶に無双されていた。

久々の外で機嫌が良いのだろう。楽しそうな無双ぶりだった。

 

「次はマスターもやって見る?」

 

「………グラは止めないと行けないが、

 試さない訳にも行かないか」

 

水晶にコネクトを頼んで、次の襲撃はコチラで対応する。

グラも一旦収納済だ。戦闘に巻き込まれて大破するようでは?

今後の移動速度に、深刻な悪影響が出る。

 

「魔術師が近接戦とか、

 進んでやりたい戦法では無いな?」

 

ライセン大峡谷では魔法を出した瞬間から、

魔力が分解されて減衰現象が発生する。

なら、魔法を外に出さなければ良い。

 

「「ギャオオォォッッ!!!」」

 

二つの首が同時に、断末魔の声を上げる。

成功したようだ。

接近して対象となる相手に直接触れる。

直接触れて、零距離で対象の体内で魔法を発動させる。

これなら力押しでは無くても、通常通りの魔法効果が見込める。

双頭は体内を【棘影】でズタズタにされて、崩れ落ちた。

 

「次は翼竜。対空戦か」

 

双頭の魔石を回収している内に、三体の翼竜が接近して来る。

対空戦となると、先程の近接体内攻撃は使い辛い。

だが向こうも遠距離攻撃手段が無い限り、

降下してコチラに近づかないと行けない。なら手段は有る!

 

届きそうな距離になった処で、ステータスにモノを言わせて跳躍!

三体の翼竜に次々と飛び乗る!

飛び乗った際に、足から魔法発動。

やはり体内で魔法を発動させて、三体の翼竜を仕留める。

 

「このジャンプ戦法、やはり無理が有る気がする。

 次は多殻魔法を試して見るべきか?」

 

 

結局あの後も戦って試した訳だが、多殻魔法にも問題点は残った。

多殻魔法は?魔法を多殻層に構成した物で、

ライセン大峡谷の分解作用も、多殻層の外層から作用が働く事が解っている。

詰り外層を囮に、内層の本命を対象に命中させる魔法だ。

だが結局は結構な魔力消費と、チャージが必要になる。

力押しとどちらがマシか?と言う話だ。

 

それにライセン大峡谷の魔物の弱さも気になる。

アクマでオルクス大迷宮の奈落と比べて、の話になるが?

この大峡谷は、オルクスで言う処の表層に当たる部分かもしれない。

大峡谷の分解作用は確かに面倒だが、奈落の過酷さに比べればマシな部類。

此処は真の大迷宮では無い。そう思わせた。

 

「はい、マスター☆」

 

「あぁ、いつも助かる」

 

結構な距離を走った気がするが、まだライセン大峡谷の中。

今夜は此処で野営となる。

オルクス大迷宮でそうだったように、

今日も水晶が寝床を用意して、もう飲み慣れた栄養補給飲料を受け取る。

 

町に着けば、久々の普通の食事となる訳だが?

それは水晶手製の栄養補給飲料より美味いのか?と言う程のハマリ具合だ。

水晶作のウォーターベッドは、宿のベッドより確実に上等だと思う。

 

「どうしたの?マスター」

 

「いつもそうだが、水晶は凄い奴だと思ってな?

 町に着いても、水晶の補給飲料やベッドを忘れられる気がしない」

 

「今は材料が無いから出ないけど、

 普通の料理も出せるから」

 

「それは楽しみにしておこう」

 

毎回同じ栄養補給飲料を出していた事を、気にしていたのか?

少し拗ねた感じだ。気にする事は無い。と補給飲料を飲む。

 

「水晶さんの事、しっかり刻まれてる?」

 

「あぁ、そうだな?」

 

準備を終えて寝床に入る頃には、いつものようにその気になっていた。

水晶の事が欲しくなる。求めたくなる。

水晶は、やはり今夜も拒まない。

 

「………これは、何だ?」

 

だがいつもと違う事が一つ。

魔力感知に反応有。微弱だが突然現れた感じだ。それも近い。

流石に色々と中断して、感知元へ偵察に向かう。

そこで見つけたのがそれだった。

 

【おいでませ! ミレディ・ライセンのドキワク大迷宮へ♪】

 

端的に言えば看板だった。

書いて有る事をそのまま信じるなら、大迷宮の案内板だろう。

しかも夜間仕様なのか?電飾のような灯りまで有る。

魔力感知に反応が出たのは、この灯りだろうと推察。

 

だがこの軽さは何だ?本当に自分の知る大迷宮か?

この如何にも幼女臭い丸文字は、近隣住民のイタズラでは?と疑いたくなる。

だが此処はライセン大峡谷の谷底だ。近隣住民など居ない。

或いは、未確認の少数部族的な亜人が住んで居るのかも?

と意味の無い想像を膨らませてしまう。

 

「どう思う?」

 

「………敢てシリアスに判定するなら、本物だと思うわ。

 まずは【ミレディ・ライセン】のファーストネームの存在。

 ライセンの名前は一般的にも伝わっているようだけど、

 ミレディの方はそうじゃない。

 それにこの灯り、イタズラに使う玩具じゃないでしょう?」

 

「確かにそうだな」

 

「それに問題はこれの真贋より、

 どうするか、でしょう?」

 

そうだった。突然の展開で、それが飛んでいた。

確かに大迷宮の攻略は重要だ。

しかも未発見の大迷宮の発見は、更に重要事項となる。

だがコチラは歌姫に逢う為、急いで王都に向かう身!

悠長に大迷宮の攻略は出来ない。

 

「………こんな時に残念だが、後回しだ。

 此処は王都の帰りにっ!!」

 

「マスター!!」

 

王都の帰りにチャレンジしよう。

と足を一歩、看板の前から引いた。だがそこに地面の感触が無かった。

落とし穴。

そう認識した時には、既に落とし穴の中だ。

水晶のコネクトは間に合った。

だから水晶とはぐれる事も、トラップに因るダメージも無い。

 

だが随分長々とパチンコ台の玉のように転がされて、

気付いた時には、大迷宮の中と思われる場所に転がっていた。

その上最初に目に入ったのは、あの看板だった。

いや正確には違う。彫られている文字がだ。

 

【あれぇ帰っちゃうの?遊んで行ってよ♪

 断っても招待するけどね☆うぷぷ♪】

 

何だろう?久々にガチギレしそうだ。

この急いでいる時に強制イベントだと!

ダンジョンをクリアして、町に戻ってセーブしようとしたら?

いきなりリヴァイアサンに襲われて、

強制ダンジョン(セーブ不可)に入るハメになって以来の案件である。

 

「さっさとクリアして脱出する。

 あの日と同じだ」

 

さてライセン大迷宮では、どんな凶悪な魔物が来るのか?

と構えていたが、やって来たのは物理トラップだ。

オルクス大迷宮の天然系ダンジョンとは違い、

如何にも人工物系ダンジョンのライセン大迷宮を進んでいると、

ガコンと何か嫌な音がして、何か嫌な予感がした。

 

完全な物理トラップ!

魔力反応が無い為?魔術師の身では事前感知が難しく、

盗賊系の罠解除などのスキルも無い。

上手く首と腹を狙って来る回転歯車に、どう対処するのが正しいのか?

 

「御苦労、アンタレス」

 

コチラも物理で突破する!

この一ヶ月!

奈落で新たに従属目録に登録した従魔を解凍召喚!

鉱石系甲殻蠍型のアンタレス。

召喚も問題無く行えた。

記憶領域(体内)で魔力を使う分には、分解作用の影響も出ない。

 

即応召喚されたアンタレスは、

自慢の硬度で二枚の回転歯車を容易く防いだ。頼もしい頑強さである。

更に同じく頑強な鋏で、回転歯車を叩き潰す!

その後になってから不意打ちで三枚目の回転歯車が、

頭上からギロチンの如く降って来たモノの、

アンタレスの甲殻を貫く事は無かった。本当に硬い。

 

アンタレスは蓄積する魔力次第で、

硬度が増すシュタル鉱石の生体装甲を持つ。

その生体装甲を、コネクトした水晶の魔力で活性化させている。

するとどれ程の硬度になるか?結果は見ての通りだ。

 

因みにこのアンタレスは?

ユエが封印されていた部屋の番人と、同タイプの魔物らしい。

細部が違うらしいが、ハジメもユエも驚いていた。

曰く、まだ別のヤツが居たのか!と。

奈落の90階層を越えた辺りで、生息していたが?

と返したら、うわぁと言う顔になった。

 

「さぁてライセン大迷宮!

 最速クリアしてやるから、楽しみに待ってろ!!」




ライセン大峡谷の分解作用ですが?
シアも身体強化とか問題無く使っている感じですし、
魔法の体内発動も行けると思います。

多殻魔法の解釈も、
全て分解される訳でも無い処を考慮すると、行けるかと。

ユエの封印部屋に居たサソリモドキが、
普通に繁殖して、他にも居た!と言うのはオリジナル設定です。
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