情け容赦無い無双の時間です。
「アンタレス、マジ強い」
『そのアンタレスを使役しているマスターも、
大概だと思うけど?』
アンタレスの破竹の進撃は続いた。
回転歯車に始り、
矢が放たれようが、槍が突き出されようが?
何かしたか?とばかりに突破した。
壁や天井が崩れて、押し潰しに来た事も在ったが?
やはりアンタレスはノーダメージ!
何処ぞの映画のような鉄球も転がって来たが、
その鉄球よりも、更に凶悪な尾で振り払われた。
アンタレスの尾は?
シュタル鉱石製の生体装甲と同硬度のハンマーと化している。
あの高硬度/超重量の鈍器でボコられたら、どれだけダメージが入るか?
ならばこれはどうだ!とばかりに、
溶解液らしき物を撒き散らす鉄球も転がって来た。
だが此処でアンタレスの固有魔法が発動!
【地脈操作】土属性のフィールドを操作出来る。
ライセン大迷宮は石造りの迷宮だが、石は石!土属性だ。
パチンコ台のハズレのような穴を即席で作り、
溶解液鉄球を穴に落とした。ざまぁ!と思った瞬間である。
その後もトラップは続いた。
落とし穴はそもそも人型を対象にしているのか、
アンタレスの巨体では、サイズ違いで落下のしようが無い。
階段が突然!坂になるトラップも来た。
だがアンタレスが、器用に八本の足で踏み止まる。アンタレス偉い!
「ライセン大迷宮は魔術師の扱いが不遇な分、
物理が優遇されている気がして来た」
『オルクス大迷宮とはコンセプトが違うのかも?
クリア推奨技能的なヤツ?』
「かもな?
この調子だと、七ヶ所全てが違うパターンもアリか」
と言っている内に、次のトラップが来た。
怪しいプールの出現である。
この通路を進むには、何とかしてこのプールを渡る必要が有る。
だがこのプールは怪しい。最低でも毒入りは確定。
アンタレスの圧倒的硬度に対抗して、溶解液系の恐れも在り得る。
此処がライセン大峡谷では無いなら、
魔法でプールを凍結させるシーンになるが、
此処は分解作用が働くライセン大峡谷だ。
『私が凍結する?』
「それでも良いがアンタレス、どうだ?」
アンタレスに指示を出す。
【地脈操作】発動。どうやら見つけたらしい。
「ブチ破れ」
【地脈操作】で見つけた場所に、アンタレスの鋏を突き刺す!
すると大迷宮の壁が崩れて穴が開き、その向こうに別の通路が広がっていた。
『壁が思ったよりも薄かったの?』
「アンタレスが動く時の震動音や、
【地脈操作】の感触が何かおかしいと感じた。
恐らくライセン大迷宮は、時限生成型のダンジョンだ」
†
『時限生成型?』
「大迷宮の部屋や通路をブロックにして、
パズルのように組み立てる。
だから壁を破ると、直ぐ隣に別の通路が有った。
それを一定の時間で組み換えてるって事だ」
『それってゴール出来るの?』
「組み換えているだけならパターンを読むなり、
裏技を使えば行ける。今やった壁破りとか、床貫きだな?
リカバーが速いと、それもアウトになるが」
『マスターの懸念はそこじゃないのね?』
「時限自動生成なら何とでもなる。
問題は時限手動生成の方だ。
管理者のキマグレ一つで、
ゴールの手前まで行っても、容易く道は閉ざされる」
『管理者?』
「看板の幼女臭い文字を忘れたのか?
この大迷宮には、管理者が居る」
その後も探索は続いた。
次々と罠を掻い潜り、不利を悟れば壁を破壊して進む。
そうしている内にらしい場所に出た。
城の謁見の間のような部屋だ。
周囲には王を護る近衛兵のように騎士鎧がズラリと並び、
足元にはお約束の赤絨毯が敷かれていた。
『謁見の間ね?
如何にも鎧が動き出しそう☆』
「様式美と言うヤツだ。王道に至るテンプレ。
嫌いじゃ無い。こんな時じゃなければ、だが?」
本来なら、動き出す前に騎士鎧をブチ壊せ!と指示を出す処だ。
だが敢て前に進み出て、空席の玉座に礼を取る。
あたかも王に謁見を求めるようにだ。
相手のノリに合わせたロールプレイング!
「ライセン大迷宮の王よ、道中の歓迎は実に熱烈だった。
だがそれも此処まで、これ以上無益な歓迎を続けると言うなら?
無慈悲なる蹂躙戦。無双を始めると、此処に宣言する!」
やって見せろ!とばかりに、やはり騎士鎧の近衛兵が動き出す。
だが戦闘行動を取られる前にアンタレスが、
ハンマーのような尾で騎士鎧を薙ぎ払う!
「さぁて王様、
宣言はした。返答は如何に?」
空の玉座の後ろには扉が有る。
本来ならこの扉の先がゴール。またはラスボスの間へ!と言う処だろう。
だが時限手動生成。管理者のキマグレ一つで、
その鉄板は守られる!と言う保証は無くなる。
全て管理者の匙次第。だから今度はコチラが煽った。
「………これが答えか、
宣言はしたからな?」
扉を開けた先に在った光景は、
落とし穴にハメられて、大迷宮に入らされたスタート地点。詰り入口。
スタート地点に戻る罠だった。と言う事だろう。
御丁寧な事に、いつも通りの煽り文句の看板も新設して有るが?
それももうどうでも良い。宣言は済ませたからだ。
「理不尽には更なる大理不尽を!と言う良い言葉が有る。
水晶。こんな時に使える手札は、有るか?」
『有るわ☆』
†
「なんなの、これはぁぁっっ!!!」
その時、全ての勝敗が決した。
ライセン大迷宮から、一切の魔力が枯渇した。減衰では無く枯渇。
如何にライセン大迷宮が物理トラップの宝庫でも、魔力駆動の要所は有る。
それは大迷宮の司令官の命令系統。迷宮の手動生成の命令手段だ。
時限自動生成の手段もやはり存在したらしい。
だが管理者のキマグレで動く手動生成を完全に封じた。
管理者の正体、ゴーレムも魔力駆動だったからだ。
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技能:
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真名看破・啓示・世界の裁定・枯渇結界
・コネクト・アルマノクス召喚・永劫の誓い・生成魔法・言語理解
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枯渇結界(マギアコナトス)
世界から魔力が失われようとも、魔術師は魔法を忘れられ無かった。
ならば世界もまた、魔力を求めよう。
効果/
マギアコナトスの裁定者(ルーラー)の固有クラス技能。
魔力が枯渇した結界世界、マギアコナトスを限定創造する。
このマギアコナトスでは、
アルマノクスを駆る選ばれし魔術師以外は、一切の魔力行使が不能となる。
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アルマノクス召喚
効果/
水晶の固有技能。
水晶のアルマノクス、ドロセラノクターンを召喚可能。
但しマギアコナトス外での運用には、莫大な魔力を消費する。
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ライセン大迷宮の全域が、枯渇結界マギアコナトスに囚われた。
その瞬間から、ライセン大迷宮は沈黙した。
物理稼働のトラップは?確かにまだ生きていた。
だが此処は既にマギアコナトスの中。水晶の掌の中だ。
トラップの配置。稼働範囲。配置変換可能範囲。全てが掌握された。
それは大迷宮その物も変わらない。
大迷宮の構造。構造変換パターン。構造変換可能範囲なども全てだ。
重ねよう、ライセン大迷宮は沈黙した。
位置情報的には?やはり謁見の間の奥だった。
そこに玉座の間が有る。
玉座の間は、何ともSF系に出て来そうな動力区画のような場所だ。
本来なら神代魔法の重力魔法で、
ブロックなども浮遊するそれらしい神秘空間だった筈だが、
マギアコナトスに囚われた事で、一切の魔力が枯渇した。
ブロックや、配置されていた護衛の騎士鎧は全て墜落。沈黙。
本来ならこの玉座の間で待ち受けるボスの、
大型の騎士鎧のゴーレムも、稼働不能となっている。
この大型ゴーレムが、ライセン大迷宮の管理者。
解放者ミレディ・ライセンの記憶を、AIのように残した存在だった。
「その初めて見るゴーレムの力?
魔力が一切使えない!このゴーレムまで動けない何て!!」
結界内で一切の魔力を枯渇させるマギアコナトス。
そのマギアコナトスで、自由に魔力を行使可能なアルマノクス。
水晶のアルマノクス、ドロセラノクターン。
アニメ通りのドロセラノクターンが、
身動き一つ出来ないミレディ・ライセンのゴーレムを見下ろしている。
まぁアニメと違う点を述べるなら?
ドロセラノクターンの内部が、当然のように複座になっている事だ。
水晶が操縦する後ろに、新たに複座シートが設けられている。
そこに座っている訳だが?特等席で観戦出来るだけで、
特に出来る事は無い。文字通りの観戦モードである。
「魔術師が見続けた千年の夢、
貴方も堕ちてしまったの、もう眠りなさい。
オーバードスペル【忘れられない記憶】」
ドロセラノクターンの周囲に展開された、無数の杖状の浮遊砲台群。
その一つ一つが魔力を求め、敗れた千年の夢の欠片。
その全てを操り、滅びの砲火とする。
それが水晶のオーバードスペル。【忘れられない記憶】
滅びの砲火は放たれる。
魔力が枯渇し封じられて身動き一つ出来ないミレディ・ゴーレムに、
情け容赦無く光りの砲撃が降り続いた。
水晶得意の全方位からの飽和砲撃だ。
やっている事は、
前回おふざけでファン○ル♪とか言っていたアレと、
全く同じ術式だが、出力と飽和密度のケタが違う。
しかも今はローブを纏った魔術師形体なので、
最終形体の全力状態では無い。これからまだ上が有る。
正にラスボスの貫禄である。
だがミレディ・ゴーレムはそこまで耐え切れ無かった。
ミレディ・ゴーレムは蒸発して消滅した。欠片の一つも残らない。
判定を待つ必要も無い、水晶の圧倒的勝利だ。
戦いを終えたドロセラノクターンは、最奥のブロックゲートの前に着地。
そこで召喚は解除。ドロセラノクターンを還す。
マギアコナトスで掌握した大迷宮の情報では、
このブロックゲートの先が、ミレディ・ライセンの私室。
神代魔法/重力魔法の修得場所になるらしい。
強制突入させられた大迷宮だが、
クリアしたからには、貰える物は貰って行く。
「行きましょう、マスター」
「そうだな?まだ最後の仕上げが残っている」
サソリモドキの固有魔法に、
名前は無かったと思うので?らしいのを付けました。
作中の枯渇結界マギアコナトスは?
原作のマギアコナトスとは性質がまるで逆ですが、
最終回後にもし、マギアコナトスが残っていたらこうなるのでは?
と言う独自解釈です。
水晶のオーバードスペルも、名前からの独自解釈です。
今までの千年の戦いで、敗北して消滅した魔術師達。
届く事の無かった魔術師達の記憶を使役する!的な?
次回はクリアリザルト!
ミレディと何も話して無いですから☆