ありふれた英雄願望(挫折)で世界最強   作:LW

17 / 39
皆さんお待たせしました!
情け容赦無い無双の時間です。


16 枯渇結界マギアコナトス

「アンタレス、マジ強い」

 

『そのアンタレスを使役しているマスターも、

 大概だと思うけど?』

 

アンタレスの破竹の進撃は続いた。

回転歯車に始り、

矢が放たれようが、槍が突き出されようが?

何かしたか?とばかりに突破した。

壁や天井が崩れて、押し潰しに来た事も在ったが?

やはりアンタレスはノーダメージ!

 

何処ぞの映画のような鉄球も転がって来たが、

その鉄球よりも、更に凶悪な尾で振り払われた。

アンタレスの尾は?

シュタル鉱石製の生体装甲と同硬度のハンマーと化している。

あの高硬度/超重量の鈍器でボコられたら、どれだけダメージが入るか?

 

ならばこれはどうだ!とばかりに、

溶解液らしき物を撒き散らす鉄球も転がって来た。

だが此処でアンタレスの固有魔法が発動!

【地脈操作】土属性のフィールドを操作出来る。

ライセン大迷宮は石造りの迷宮だが、石は石!土属性だ。

パチンコ台のハズレのような穴を即席で作り、

溶解液鉄球を穴に落とした。ざまぁ!と思った瞬間である。

 

その後もトラップは続いた。

落とし穴はそもそも人型を対象にしているのか、

アンタレスの巨体では、サイズ違いで落下のしようが無い。

階段が突然!坂になるトラップも来た。

だがアンタレスが、器用に八本の足で踏み止まる。アンタレス偉い!

 

「ライセン大迷宮は魔術師の扱いが不遇な分、

 物理が優遇されている気がして来た」

 

『オルクス大迷宮とはコンセプトが違うのかも?

 クリア推奨技能的なヤツ?』

 

「かもな?

 この調子だと、七ヶ所全てが違うパターンもアリか」

 

と言っている内に、次のトラップが来た。

怪しいプールの出現である。

この通路を進むには、何とかしてこのプールを渡る必要が有る。

だがこのプールは怪しい。最低でも毒入りは確定。

アンタレスの圧倒的硬度に対抗して、溶解液系の恐れも在り得る。

 

此処がライセン大峡谷では無いなら、

魔法でプールを凍結させるシーンになるが、

此処は分解作用が働くライセン大峡谷だ。

 

『私が凍結する?』

 

「それでも良いがアンタレス、どうだ?」

 

アンタレスに指示を出す。

【地脈操作】発動。どうやら見つけたらしい。

 

「ブチ破れ」

 

【地脈操作】で見つけた場所に、アンタレスの鋏を突き刺す!

すると大迷宮の壁が崩れて穴が開き、その向こうに別の通路が広がっていた。

 

『壁が思ったよりも薄かったの?』

 

「アンタレスが動く時の震動音や、

 【地脈操作】の感触が何かおかしいと感じた。

 恐らくライセン大迷宮は、時限生成型のダンジョンだ」

 

 

『時限生成型?』

 

「大迷宮の部屋や通路をブロックにして、

 パズルのように組み立てる。

 だから壁を破ると、直ぐ隣に別の通路が有った。

 それを一定の時間で組み換えてるって事だ」

 

『それってゴール出来るの?』

 

「組み換えているだけならパターンを読むなり、

 裏技を使えば行ける。今やった壁破りとか、床貫きだな?

 リカバーが速いと、それもアウトになるが」

 

『マスターの懸念はそこじゃないのね?』

 

「時限自動生成なら何とでもなる。

 問題は時限手動生成の方だ。

 管理者のキマグレ一つで、

 ゴールの手前まで行っても、容易く道は閉ざされる」

 

『管理者?』

 

「看板の幼女臭い文字を忘れたのか?

 この大迷宮には、管理者が居る」

 

その後も探索は続いた。

次々と罠を掻い潜り、不利を悟れば壁を破壊して進む。

そうしている内にらしい場所に出た。

城の謁見の間のような部屋だ。

周囲には王を護る近衛兵のように騎士鎧がズラリと並び、

足元にはお約束の赤絨毯が敷かれていた。

 

『謁見の間ね?

 如何にも鎧が動き出しそう☆』

 

「様式美と言うヤツだ。王道に至るテンプレ。

 嫌いじゃ無い。こんな時じゃなければ、だが?」

 

本来なら、動き出す前に騎士鎧をブチ壊せ!と指示を出す処だ。

だが敢て前に進み出て、空席の玉座に礼を取る。

あたかも王に謁見を求めるようにだ。

相手のノリに合わせたロールプレイング!

 

「ライセン大迷宮の王よ、道中の歓迎は実に熱烈だった。

 だがそれも此処まで、これ以上無益な歓迎を続けると言うなら?

 無慈悲なる蹂躙戦。無双を始めると、此処に宣言する!」

 

やって見せろ!とばかりに、やはり騎士鎧の近衛兵が動き出す。

だが戦闘行動を取られる前にアンタレスが、

ハンマーのような尾で騎士鎧を薙ぎ払う!

 

「さぁて王様、

 宣言はした。返答は如何に?」

 

空の玉座の後ろには扉が有る。

本来ならこの扉の先がゴール。またはラスボスの間へ!と言う処だろう。

だが時限手動生成。管理者のキマグレ一つで、

その鉄板は守られる!と言う保証は無くなる。

全て管理者の匙次第。だから今度はコチラが煽った。

 

「………これが答えか、

 宣言はしたからな?」

 

扉を開けた先に在った光景は、

落とし穴にハメられて、大迷宮に入らされたスタート地点。詰り入口。

スタート地点に戻る罠だった。と言う事だろう。

御丁寧な事に、いつも通りの煽り文句の看板も新設して有るが?

それももうどうでも良い。宣言は済ませたからだ。

 

「理不尽には更なる大理不尽を!と言う良い言葉が有る。

 水晶。こんな時に使える手札は、有るか?」

 

『有るわ☆』

 

 

「なんなの、これはぁぁっっ!!!」

 

その時、全ての勝敗が決した。

ライセン大迷宮から、一切の魔力が枯渇した。減衰では無く枯渇。

如何にライセン大迷宮が物理トラップの宝庫でも、魔力駆動の要所は有る。

それは大迷宮の司令官の命令系統。迷宮の手動生成の命令手段だ。

時限自動生成の手段もやはり存在したらしい。

だが管理者のキマグレで動く手動生成を完全に封じた。

管理者の正体、ゴーレムも魔力駆動だったからだ。

 

====================================

技能:

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

真名看破・啓示・世界の裁定・枯渇結界

・コネクト・アルマノクス召喚・永劫の誓い・生成魔法・言語理解

====================================

====================================

枯渇結界(マギアコナトス)

世界から魔力が失われようとも、魔術師は魔法を忘れられ無かった。

ならば世界もまた、魔力を求めよう。

効果/

マギアコナトスの裁定者(ルーラー)の固有クラス技能。

魔力が枯渇した結界世界、マギアコナトスを限定創造する。

このマギアコナトスでは、

アルマノクスを駆る選ばれし魔術師以外は、一切の魔力行使が不能となる。

====================================

====================================

アルマノクス召喚

効果/

水晶の固有技能。

水晶のアルマノクス、ドロセラノクターンを召喚可能。

但しマギアコナトス外での運用には、莫大な魔力を消費する。

====================================

 

ライセン大迷宮の全域が、枯渇結界マギアコナトスに囚われた。

その瞬間から、ライセン大迷宮は沈黙した。

物理稼働のトラップは?確かにまだ生きていた。

だが此処は既にマギアコナトスの中。水晶の掌の中だ。

トラップの配置。稼働範囲。配置変換可能範囲。全てが掌握された。

それは大迷宮その物も変わらない。

大迷宮の構造。構造変換パターン。構造変換可能範囲なども全てだ。

重ねよう、ライセン大迷宮は沈黙した。

 

位置情報的には?やはり謁見の間の奥だった。

そこに玉座の間が有る。

玉座の間は、何ともSF系に出て来そうな動力区画のような場所だ。

本来なら神代魔法の重力魔法で、

ブロックなども浮遊するそれらしい神秘空間だった筈だが、

マギアコナトスに囚われた事で、一切の魔力が枯渇した。

ブロックや、配置されていた護衛の騎士鎧は全て墜落。沈黙。

 

本来ならこの玉座の間で待ち受けるボスの、

大型の騎士鎧のゴーレムも、稼働不能となっている。

この大型ゴーレムが、ライセン大迷宮の管理者。

解放者ミレディ・ライセンの記憶を、AIのように残した存在だった。

 

「その初めて見るゴーレムの力?

 魔力が一切使えない!このゴーレムまで動けない何て!!」

 

結界内で一切の魔力を枯渇させるマギアコナトス。

そのマギアコナトスで、自由に魔力を行使可能なアルマノクス。

水晶のアルマノクス、ドロセラノクターン。

アニメ通りのドロセラノクターンが、

身動き一つ出来ないミレディ・ライセンのゴーレムを見下ろしている。

 

まぁアニメと違う点を述べるなら?

ドロセラノクターンの内部が、当然のように複座になっている事だ。

水晶が操縦する後ろに、新たに複座シートが設けられている。

そこに座っている訳だが?特等席で観戦出来るだけで、

特に出来る事は無い。文字通りの観戦モードである。

 

「魔術師が見続けた千年の夢、

 貴方も堕ちてしまったの、もう眠りなさい。

 オーバードスペル【忘れられない記憶】」

 

ドロセラノクターンの周囲に展開された、無数の杖状の浮遊砲台群。

その一つ一つが魔力を求め、敗れた千年の夢の欠片。

その全てを操り、滅びの砲火とする。

それが水晶のオーバードスペル。【忘れられない記憶】

 

滅びの砲火は放たれる。

魔力が枯渇し封じられて身動き一つ出来ないミレディ・ゴーレムに、

情け容赦無く光りの砲撃が降り続いた。

 

水晶得意の全方位からの飽和砲撃だ。

やっている事は、

前回おふざけでファン○ル♪とか言っていたアレと、

全く同じ術式だが、出力と飽和密度のケタが違う。

しかも今はローブを纏った魔術師形体なので、

最終形体の全力状態では無い。これからまだ上が有る。

正にラスボスの貫禄である。

 

だがミレディ・ゴーレムはそこまで耐え切れ無かった。

ミレディ・ゴーレムは蒸発して消滅した。欠片の一つも残らない。

判定を待つ必要も無い、水晶の圧倒的勝利だ。

 

戦いを終えたドロセラノクターンは、最奥のブロックゲートの前に着地。

そこで召喚は解除。ドロセラノクターンを還す。

マギアコナトスで掌握した大迷宮の情報では、

このブロックゲートの先が、ミレディ・ライセンの私室。

神代魔法/重力魔法の修得場所になるらしい。

強制突入させられた大迷宮だが、

クリアしたからには、貰える物は貰って行く。

 

「行きましょう、マスター」

 

「そうだな?まだ最後の仕上げが残っている」




サソリモドキの固有魔法に、
名前は無かったと思うので?らしいのを付けました。

作中の枯渇結界マギアコナトスは?
原作のマギアコナトスとは性質がまるで逆ですが、
最終回後にもし、マギアコナトスが残っていたらこうなるのでは?
と言う独自解釈です。

水晶のオーバードスペルも、名前からの独自解釈です。
今までの千年の戦いで、敗北して消滅した魔術師達。
届く事の無かった魔術師達の記憶を使役する!的な?

次回はクリアリザルト!
ミレディと何も話して無いですから☆
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。