このオチを思い付いて、ライセン編は始りました。
サブタイトルは?
グランベルム11話風味です。
「やっほー、さっきぶり!ミレディちゃんだよ!」
ブロックゲートを潜り、抜けた先でそれは待っていた。
ローブを纏った小柄な人型ゴーレム。
マギアコナトスで掌握した事前情報で知っていたが、
そうで無くとも最初の一言で解る。
こいつがライセン大迷宮の管理者、解放者ミレディ・ライセンだ。
「調子に乗るな、ボケが!」
「ぶべらっっ!!!」
そしてあの煽り看板の作り主であり、
王都へ急ぐ処だと言うのに、大迷宮に強制突入させやがった腐れ外道である。
情け容赦無くミニ・ミレディの足を払って転倒させた処で、
頭部を踏み潰して黙らせる。
「こっちも暇人じゃない。まずは神代魔法とクリア証を渡せ」
「いたたたた、
その前に訊いて良いかな、何の為に神代魔法が欲しいの?」
「基本故郷に還る為だ。
既にオルクス大迷宮を攻略して、そちらの事情も把握している。
例のカミサマに異世界から強制召喚された。
今は解放者の神代魔法をアテにして、旅をしている」
「あの腐れ神を殺してくれないの?」
「異世界から強制召喚をやらかすカミサマだ。
妨害や再召喚の危険性は把握しているし、決戦も考慮している。
だがまずは帰還の手札だ」
それでひとまず納得したのか、
神代魔法の重力魔法はふたりともゲットして、クリア証の指輪も受け取った。
「結晶精霊何て、規格外の助っ人が居たんだね?
適正は間違い無くMAX!主君の方も中々のモノだよ?」
「それはどうも、なら次は情報だ。
他の大迷宮の正確な位置を吐いて貰う。
それと手に入る神代魔法の内容もだ」
「………それぐらいなら良いけど、
神代魔法は目当ての物じゃなくても、全て集める事を勧めるよ?
それが主君の願いに通じる筈だから」
「答えを全て言う気は無しか。
喋り過ぎると、他のクリア判定に影響が出るパターンか?」
他の大迷宮の位置は訊いた。手に入る神代魔法の内容もだ。
全て手に入れるのが推奨展開なら、全てを巡る必要が出て来る。
「王都の神山にも大迷宮が有るのか、だが聖教教会の総本山。
あのカミサマを信仰する宗教だ。別に構わないか」
これから行く王都の神山にも、大迷宮が有るのが解ったのは大きい。
やはり情報は大事だと実感させられる。
「他のクリア報酬の鉱石類は良く解らないな。
サンプルにいくつか持って行って、後はハジメ待ちだな?」
「ハジメ?」
「仲間の錬成師だ。
後で此処にも攻略に来るだろう」
「へぇ、他にも挑戦者が来るんだ!
それは楽しみかな☆」
チャライポーズを取ってやる気を出すミニ・ミレディ。
だがそう簡単には行かない。
「悪いがそうは行かない。お前は今日、此処で終る。
そうなればライセン大迷宮の試練は時限自動のみ、難易度激減だ」
神代魔法修得の魔法陣を起動させる為、
既にマギアコナトスは解除済。魔法が使える。
討ち漏らしが無いように、使う魔法は【陽影】既にキルゾーン内。
「ちょっ何で!?」
「言っただろう?試練の難易度を下げる為だ。
それに大迷宮では命のやり取りをして、勝ったのはコチラ。
詰り勝者が敗者に何をしても、当然の権利!
歴戦の解放者たる者、戦場の理を知らないとは言わないな?」
「ま、待ってよ!私は」
「まだ生きたい、か?
人の姿を捨ててまで生きて、何をしたいと?」
ミレディの言い分は、
要するに腐れ神をブン殴りたい。殺したい。仇を討ちたい。一矢報いたい。
このままで終りたくない。それに尽きる。
世界に等しい神に反逆して、人の姿を捨ててまで在り続けた。
終らせる事が出来無かった物語を、終らせる為に。
エンディングまでプレイするのは大事だ。嫌いじゃ無い。
魔法を解除する。
「主君?」
「なら取引だ。
条件を飲むなら、見逃してやる」
「聞かせて」
「もしカミサマとやり合うハメになったら、
一矢と言わず、二矢でも三矢でも止めを刺しても良いから参戦しろ。
ちょっと肉壁になりに来い、ミレディ・ライセン」
†
「酷い目に遭った」
何とか無事に地下水路から脱出する。
やはりミレディは腐れ外道!それを再確認した。
腐れ外道のミレディは、結局取引に応じた。
カミサマとの最終決戦には、必ず馳せ参じる!とテンションを上げていた。
仮定の話だ。と言っても応じない。終いには、
「戦うよ。主君が主君である限り、君は神殺しを為す」
「主君は主君の思った通りに生きればいい。君の選択がきっと、
この世界にとっての最良だから」
などとシリアスモードに移行する始末。
最後に出口は何処だ?と訊くと、ヤツは躊躇わずその紐を引いた。
「大峡谷の外まで出る直通ルートだよ♪
町も近くだから感謝してね☆」
オィそれは!と思った時はもう手遅れ。
マギアコナトスの情報掌握で、それの存在は把握していた。
だがこのタイミングで!と言うのは在っただろう。油断である。
床の感触が消失して落下!その上激流に飲まれる。迷宮排出のトラップ。
助かったのは、いつも通り水晶のおかげだ。
咄嗟に結界を張って護ってくれた。本当にいつも助かっている。
「下手に女を口説いた罰かも?
少し妬けるわ☆」
「止めろ。アレは趣味範囲外だ」
「………なら、私は範囲内?」
まさか本当に妬いたとでも?水晶が?
だが確かに水晶から、不安の影を感じる。
「水晶を手放すとか、欠片も在り得ないからな?」
正直アレが口説きに入るのか?とか、
毎晩やる事をやっているのにか?とか、
言いたい事は有った訳だが?
目の前で少し不安の影を宿した水晶を見ると、何も言えなくなる。
だから言葉の代りに、水晶の唇を塞いだ。
もう夜には何度もした行為だが、何処か新鮮な気持ちになる。
「///」
中々見れない水晶のテレ顔レアショットです!
うん、またしたくなって来た☆
水晶を顎クィして、キス体勢に入る。抵抗は無い。
良し、行こう!と言う処だったが?
「わっわっ、何!? 何ですか、この状況!?お外なのに!」
「あら?貴方達………」
何やら観客の声が聞こえて来る。
そう言えばミレディは、町の近くに出る。と言っていたか?
結局観客の人達から、
やはり此処がブルックの町の近くだと確認。
町まで戻る処らしく、同行させて貰う事に。
「さて、どうするか?」
町の入口には検問が有る。
何でも?身分証になるステータスプレートのチェックが入るらしい。
プレートは有る。が、水晶の分は無い。当然である。
ハッキリ言って、水晶の正体をバカ正直には話せない。
神結晶の結晶精霊とか!無駄な争いの元である。
此処は穏便に、適当な事情説明でOKだろう。
或いは水晶に頼んで、検問担当者に幻術や暗示を掛けるのもアリだ。
「一番スマートなヤツで良いだろう。
水晶。暫くコネクトを頼む」
「町に入ったら、ショッピング!
ウィンドウじゃ無い方ね☆」
「………先に資金を調達してからだ。
金が無いと何も買えない」
一番スマートな人数減らしで行く事にする。
幸い此処まで一緒だったキスシーンの観客一同は、
住民用の入口の方に行って別れている。
並んでいた外部の人間用の列を一旦離れて、
コネクトを済ませてから、列の最後尾に戻る。
検問は問題無く通過。
レベル:100は流石に無駄に目立つかと思って、半分の50に隠蔽。
基礎ステータスも適当に半分にして、スキルは全て隠した。
その後まずは冒険者ギルドに向かう。
手持ちの魔石やら魔物素材やらを売却して、資金を得る為だ。
因みにギルドに向かう前に、コネクトは人気の無い場所で解除。
久々の町到来で、水晶の機嫌は↑↑である。
ギルドでの換金も問題無く終った。資金ゲット!
ついでに何かと特典の付く、冒険者の登録も済ませる。
ステータスプレートにその旨が登録された。ビギナーの青ランクだ。
その日はギルドの(多分歴戦の)受付から勧められた、
風呂付きの宿で休む。
やはり風呂やベッドは、水晶手製の方が上等である。
食事は流石に久々の異世界飯に喜びを覚えた。
夜は念の為、防音結界を頼む。
異世界の宿の壁が、どれだけ信頼を置けるか?と言う話だ。
色々とやる事が有り、結局は流れて翌日。
今日は旅の準備と、水晶のショッピングに付き合う日だ。
「行きましょう?
楽しみね☆」
「マズイな、
これ確実に長大なヤツだワ☆」
ミレディをこの時点で勧誘するだけのオチ。
大迷宮を出た後、
水晶が不安がったのは演技です☆(笑)