ありふれた英雄願望(挫折)で世界最強   作:LW

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今回はミレディと話すだけの回。
このオチを思い付いて、ライセン編は始りました。

サブタイトルは?
グランベルム11話風味です。


17 たとえ物語が終らなくても

「やっほー、さっきぶり!ミレディちゃんだよ!」

 

ブロックゲートを潜り、抜けた先でそれは待っていた。

ローブを纏った小柄な人型ゴーレム。

マギアコナトスで掌握した事前情報で知っていたが、

そうで無くとも最初の一言で解る。

こいつがライセン大迷宮の管理者、解放者ミレディ・ライセンだ。

 

「調子に乗るな、ボケが!」

 

「ぶべらっっ!!!」

 

そしてあの煽り看板の作り主であり、

王都へ急ぐ処だと言うのに、大迷宮に強制突入させやがった腐れ外道である。

情け容赦無くミニ・ミレディの足を払って転倒させた処で、

頭部を踏み潰して黙らせる。

 

「こっちも暇人じゃない。まずは神代魔法とクリア証を渡せ」

 

「いたたたた、

 その前に訊いて良いかな、何の為に神代魔法が欲しいの?」

 

「基本故郷に還る為だ。

 既にオルクス大迷宮を攻略して、そちらの事情も把握している。

 例のカミサマに異世界から強制召喚された。

 今は解放者の神代魔法をアテにして、旅をしている」

 

「あの腐れ神を殺してくれないの?」

 

「異世界から強制召喚をやらかすカミサマだ。

 妨害や再召喚の危険性は把握しているし、決戦も考慮している。

 だがまずは帰還の手札だ」

 

それでひとまず納得したのか、

神代魔法の重力魔法はふたりともゲットして、クリア証の指輪も受け取った。

 

「結晶精霊何て、規格外の助っ人が居たんだね?

 適正は間違い無くMAX!主君の方も中々のモノだよ?」

 

「それはどうも、なら次は情報だ。

 他の大迷宮の正確な位置を吐いて貰う。

 それと手に入る神代魔法の内容もだ」

 

「………それぐらいなら良いけど、

 神代魔法は目当ての物じゃなくても、全て集める事を勧めるよ?

 それが主君の願いに通じる筈だから」

 

「答えを全て言う気は無しか。

 喋り過ぎると、他のクリア判定に影響が出るパターンか?」

 

他の大迷宮の位置は訊いた。手に入る神代魔法の内容もだ。

全て手に入れるのが推奨展開なら、全てを巡る必要が出て来る。

 

「王都の神山にも大迷宮が有るのか、だが聖教教会の総本山。

 あのカミサマを信仰する宗教だ。別に構わないか」

 

これから行く王都の神山にも、大迷宮が有るのが解ったのは大きい。

やはり情報は大事だと実感させられる。

 

「他のクリア報酬の鉱石類は良く解らないな。

 サンプルにいくつか持って行って、後はハジメ待ちだな?」

 

「ハジメ?」

 

「仲間の錬成師だ。

 後で此処にも攻略に来るだろう」

 

「へぇ、他にも挑戦者が来るんだ!

 それは楽しみかな☆」

 

チャライポーズを取ってやる気を出すミニ・ミレディ。

だがそう簡単には行かない。

 

「悪いがそうは行かない。お前は今日、此処で終る。

 そうなればライセン大迷宮の試練は時限自動のみ、難易度激減だ」

 

神代魔法修得の魔法陣を起動させる為、

既にマギアコナトスは解除済。魔法が使える。

討ち漏らしが無いように、使う魔法は【陽影】既にキルゾーン内。

 

「ちょっ何で!?」

 

「言っただろう?試練の難易度を下げる為だ。

 それに大迷宮では命のやり取りをして、勝ったのはコチラ。

 詰り勝者が敗者に何をしても、当然の権利!

 歴戦の解放者たる者、戦場の理を知らないとは言わないな?」

 

「ま、待ってよ!私は」

 

「まだ生きたい、か?

 人の姿を捨ててまで生きて、何をしたいと?」

 

ミレディの言い分は、

要するに腐れ神をブン殴りたい。殺したい。仇を討ちたい。一矢報いたい。

このままで終りたくない。それに尽きる。

 

世界に等しい神に反逆して、人の姿を捨ててまで在り続けた。

終らせる事が出来無かった物語を、終らせる為に。

エンディングまでプレイするのは大事だ。嫌いじゃ無い。

魔法を解除する。

 

「主君?」

 

「なら取引だ。

 条件を飲むなら、見逃してやる」

 

「聞かせて」

 

「もしカミサマとやり合うハメになったら、

 一矢と言わず、二矢でも三矢でも止めを刺しても良いから参戦しろ。

 ちょっと肉壁になりに来い、ミレディ・ライセン」

 

 

「酷い目に遭った」

 

何とか無事に地下水路から脱出する。

やはりミレディは腐れ外道!それを再確認した。

 

腐れ外道のミレディは、結局取引に応じた。

カミサマとの最終決戦には、必ず馳せ参じる!とテンションを上げていた。

仮定の話だ。と言っても応じない。終いには、

 

「戦うよ。主君が主君である限り、君は神殺しを為す」

 

「主君は主君の思った通りに生きればいい。君の選択がきっと、

 この世界にとっての最良だから」

 

などとシリアスモードに移行する始末。

最後に出口は何処だ?と訊くと、ヤツは躊躇わずその紐を引いた。

 

「大峡谷の外まで出る直通ルートだよ♪

 町も近くだから感謝してね☆」

 

オィそれは!と思った時はもう手遅れ。

マギアコナトスの情報掌握で、それの存在は把握していた。

だがこのタイミングで!と言うのは在っただろう。油断である。

床の感触が消失して落下!その上激流に飲まれる。迷宮排出のトラップ。

助かったのは、いつも通り水晶のおかげだ。

咄嗟に結界を張って護ってくれた。本当にいつも助かっている。

 

「下手に女を口説いた罰かも?

 少し妬けるわ☆」

 

「止めろ。アレは趣味範囲外だ」

 

「………なら、私は範囲内?」

 

まさか本当に妬いたとでも?水晶が?

だが確かに水晶から、不安の影を感じる。

 

「水晶を手放すとか、欠片も在り得ないからな?」

 

正直アレが口説きに入るのか?とか、

毎晩やる事をやっているのにか?とか、

言いたい事は有った訳だが?

目の前で少し不安の影を宿した水晶を見ると、何も言えなくなる。

だから言葉の代りに、水晶の唇を塞いだ。

もう夜には何度もした行為だが、何処か新鮮な気持ちになる。

 

「///」

 

中々見れない水晶のテレ顔レアショットです!

うん、またしたくなって来た☆

水晶を顎クィして、キス体勢に入る。抵抗は無い。

良し、行こう!と言う処だったが?

 

「わっわっ、何!? 何ですか、この状況!?お外なのに!」

 

「あら?貴方達………」

 

何やら観客の声が聞こえて来る。

そう言えばミレディは、町の近くに出る。と言っていたか?

 

結局観客の人達から、

やはり此処がブルックの町の近くだと確認。

町まで戻る処らしく、同行させて貰う事に。

 

「さて、どうするか?」

 

町の入口には検問が有る。

何でも?身分証になるステータスプレートのチェックが入るらしい。

プレートは有る。が、水晶の分は無い。当然である。

 

ハッキリ言って、水晶の正体をバカ正直には話せない。

神結晶の結晶精霊とか!無駄な争いの元である。

此処は穏便に、適当な事情説明でOKだろう。

或いは水晶に頼んで、検問担当者に幻術や暗示を掛けるのもアリだ。

 

「一番スマートなヤツで良いだろう。

 水晶。暫くコネクトを頼む」

 

「町に入ったら、ショッピング!

 ウィンドウじゃ無い方ね☆」

 

「………先に資金を調達してからだ。

 金が無いと何も買えない」

 

一番スマートな人数減らしで行く事にする。

幸い此処まで一緒だったキスシーンの観客一同は、

住民用の入口の方に行って別れている。

並んでいた外部の人間用の列を一旦離れて、

コネクトを済ませてから、列の最後尾に戻る。

 

検問は問題無く通過。

レベル:100は流石に無駄に目立つかと思って、半分の50に隠蔽。

基礎ステータスも適当に半分にして、スキルは全て隠した。

 

その後まずは冒険者ギルドに向かう。

手持ちの魔石やら魔物素材やらを売却して、資金を得る為だ。

因みにギルドに向かう前に、コネクトは人気の無い場所で解除。

久々の町到来で、水晶の機嫌は↑↑である。

 

ギルドでの換金も問題無く終った。資金ゲット!

ついでに何かと特典の付く、冒険者の登録も済ませる。

ステータスプレートにその旨が登録された。ビギナーの青ランクだ。

 

その日はギルドの(多分歴戦の)受付から勧められた、

風呂付きの宿で休む。

やはり風呂やベッドは、水晶手製の方が上等である。

食事は流石に久々の異世界飯に喜びを覚えた。

 

夜は念の為、防音結界を頼む。

異世界の宿の壁が、どれだけ信頼を置けるか?と言う話だ。

 

色々とやる事が有り、結局は流れて翌日。

今日は旅の準備と、水晶のショッピングに付き合う日だ。

 

「行きましょう?

 楽しみね☆」

 

「マズイな、

 これ確実に長大なヤツだワ☆」




ミレディをこの時点で勧誘するだけのオチ。

大迷宮を出た後、
水晶が不安がったのは演技です☆(笑)
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