ありふれた英雄願望(挫折)で世界最強   作:LW

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突然ですが?オリキャラ視点です。

神山のバーン大迷宮は聖教教会の内部ですから、
運悪くクリアしてしまった教会関係者も居るのでは?
と言うキャラコンセプトです。


20 神山制圧作戦

「聖女レティシア。汝に新たな試練を与える」

 

「はい、教皇猊下」

 

何も知らない自分。何も知ろうとしなかった自分。

ただ神に祈りを捧げていた自分。ただそれだけで満たされていた自分。

滑稽ですね。今ならそれが理解出来ます。

 

神山の聖教教会、教会施設の地下深く。

そこに新たな未踏破区画が発見されたと、教皇猊下から告げられました。

そこで私に、調査の命が下されます。

魔物退治の経験なら有りました。けれど未踏破の施設探索など初めてです。

これも試練。全ては御心のままに。

 

そこに絶望が眠っている事を、まだ私は知らない。

 

未踏破区画の調査が始ります。

未踏破区画は一部崩落が有り、今回の新区画発見に到ったと聞いています。

本来の入口は別に有るらしく?そこは封印されたままだと。

新しく繋がったルートから、未踏破区画に入ります。

 

そこで私は真実を知る事に。

まず調査隊の他のメンバーが倒れました。

皆盛んに、一心不乱に神に祈りを捧げています。

それはもう狂っているかのよう。いえ、もう狂っていたのかもしれない。

無理も無い。

未踏破区画の調査が始り奥に進むに連れて、

直接頭に流れ込んで来る。

今まで知らなかった世界の記憶が。

 

人類と魔人と亜人の戦争の記憶。

互いに殺し合い憎しみ合う、血と汗と涙と鋼の記憶。

けれど時として手を取り合うも、

一部の愚か者の手で血の時代に戻る。その繰り返し。

それを、その愚かな歴史を!神は天上より愉し気に見下ろしていました。

それが神の正体だと!この記憶は語ります。

 

「嘘だ。嘘だ嘘だ嘘だぁぁぁっっっ!!!!!!」

 

けれどその記憶は余りに鮮明で、

救いを求める声が、無残に散って行く命が、何も護れ無かった慟哭が、

それが真実で在ると告げていました。

 

「あああぁぁぁァァァッッッ!!!!!!」

 

認めてしまった。これは真実で在ると。

そしてまた流れ込んで来る記憶。流れ込む力。

私は立ち上がる。

気付けば金の髪は灰に、肌は白く堕ちていました。

 

「嫌な記憶。嫌な世界。

 皆死んでしまえば良いのに」

 

そう口にするも、今日も生きる為に戦う。

寝床から起き上がって戦仕度を整える。

今日は近隣住民から、魔物退治の依頼が入っています。

破戒聖女の出番です。

 

 

「待たせたかしら?」

 

「体感的には待った気がしない。

 ユキナの私服姿を妄想している内に、本人が来たからな?」

 

「そう、それでどうかしら?」

 

「知的な落ち着いた感じが良いと思う。

 似合っている」

 

「ありがとう、

 じゃあ行きましょう?」

 

ユキナと手を繋いで王都を行く。

泊まっている宿は同じだと言うのに、デート風に待ち合わせて外出。

だが残念ながらデートでは無い。水晶ともコネクト済。

今日はこれから神山の大迷宮、バーン大迷宮攻略の時間だ。

 

「それで。神山に行くのよね?」

 

「あぁ、素直に正面からゴンドラで行く。

 上の方では既に手を打って在る。

 下からは目立たないように、カップル設定で行く」

 

「カ、カップル///」

 

「昨日も説明しただろうに」

 

とは言うモノの、テレるユキナが可愛い。

昨夜は色々だった。

まさか大迷宮探索の誘いを、プロポーズのお誘いだと誤認されているとか!

誤認とは言え、ユキナはその心算で誘いを受けた。

そして前回の追手の一件で、

ユキナへの気持ちは自覚してしまっていた。

今日は朝までユキナと一緒だった。一緒に色々と確かめ合った。

 

「本当に良かったのか?」

 

神山へのゴンドラに乗る。

上まで偽装に付き合って貰うだけで、

大迷宮まで付き合わせる心算は無かった。

繋いだ手が、無意識に強くなる。茶番だった。

この手を離す心算など無い癖に。

それがもう伝わっているのだろう、ユキナは微笑む。

 

「私を置いて行く心算かしら?

 ユキナは渡さないって、言ってくれたのに?

 今もこうして、離す気なんてないのに?」

 

それでも危険なのが大迷宮攻略だ。

それでも危険なのが、これからの旅でもある。

だがこの笑顔を、これからも向けられていたいのだと自覚する。

 

「あぁ、もう離す気なんてない。

 ユキナを連れて行く。これからずっとだ」

 

「バカね、最初からそう言えば良いのに」

 

ユキナを抱き寄せて、口付けを交わす。

この時点で感じ慣れた魔力と視線を感じていたが、

直ぐにどうでも良くなって、口付けを続ける。

ユキナの感触の方が大事だった。

 

「昨日は違うって言ってたけど、

 本当になったわね?」

 

 

「ご、ごめんね?本当に」

 

一同を代表して謝るリサ。と言うか全員居る。

魔力は感じていた。

どうやら先に、ゴンドラに乗り込んで張っていたらしい。

 

「幸利も気付いていたの!?」

 

「途中で気付いてはいた。

 だがユキナの感触を優先した。後悔はしていない!」

 

「///」

 

結局Roseliaが勢揃いしてしまう。

大迷宮の攻略を、

デートを覗く気分でやらせる訳には行かないが、

もうゴンドラは頂上に着く頃だった。

 

「よろしいですか?マネージャー。

 今回の件は本当に申し訳ありません。

 ですが、確認しておきたい事が有ります」

 

「サヨは気付いたか?」

 

「これがただのプロポーズの覗きなら、

 私達が謝っておめでとう、と言えば終りです。ですが」

 

「そこから先は着いてからだ。

 その方が解り易い」

 

もうユキナだけでは無く、Roselia全員を巻き込んでいる。

準備の空き時間にバンド活動をやっていたのが、やはり大概だったようだ。

だが間違いだったとは思いたくない処である。

 

神山の頂上に到着。

ゴンドラを操作していた神官は、直ぐに異変に気付いた。

気付いて直ぐに黙る。いや喋れなくなった。

 

「全員、離れるなよ?」

 

「これは何なの?」

 

神山の頂上は緑の霧に覆われていた。

そこに何の表情も浮かべていない神官達が佇んでいる。

どう見ても非常事態だろう。犯人が此処に居なければ、だが?

 

「御苦労、アリア」

 

虚空に声を掛けると、植木鉢サイズの浮遊する花が姿を現す。

従属目録の登録従魔のアリアだ。

この一ヶ月。麓の王都でバンド活動をやっている間、

神山の頂上にアリアを放っていた。

頂上に行く者に憑けて、神山全域をアリアの支配下に入れた。

神山の神官達は、皆アリアの花洗脳の支配下!これで教会の妨害は封じた。

因みに花は?如何にも怪しく頭から生やしてなどいない。

小さい花を、口の中に咲かしている。これなら簡単に気付く事は無い。

 

情報も抜いている。神山の教会施設には、封印区画なるモノが在るらしい。

そこがバーン大迷宮である事が濃厚。

封印区画に向かいながら、未だ状況を飲み込めない面々に事情を説明する。

 

「詰りマネージャーは異世界召喚された神の使徒で、

 元の世界に戻る手掛りを求めて王都にやって来た。

 その手掛りは神山に有って、手加減無しの強行策を取った。

 と言う事ですか?」

 

「王都にはユキナを迎えに来たのがメインだが、

 大体そんな感じだな?」

 

「教会が、

 エヒト神が戦争を影から操って、愉しんでいると言うのは?」

 

「突然で信じられないだろうが事実だ。

 だから強行策も迷わず取った」

 

サヨは絶句している。

聖教教会は世界規模の大宗教だ。

それが突然!諸悪の根源だと言われても、厳しいだろう。

 

「幸利、これでどうかしら?」

 

「水の防護膜か」

 

ユキナは自分の水魔法でアリアの胞子から身を護っていた。

ユキナもかなり強くなった。

何故かライブを成功させる度にガンガンLvが上がって行く。

観客動員数が多ければ、多い程経験値が入っている感じだ。

歌姫の特性的な、何かなのか?

 

「ユキナさんは聞いていたんですか?」

 

「海人族はエヒト神を信仰している訳じゃないけど、

 それでも神の存在は信じているもの、

 サヨの気持ちも解らないとは言わないわ」

 

「なら、どうしてです?」

 

「私は幸利に着いて行くと決めたから、

 それに、歌は何処でも歌えるでしょう?」

 

「………ユキナさんは、

 変な処がヒナに似ています」

 

 

封印区画に着く前、

異世界召喚で最初に訪れた祈りの間(仮)を通り掛る。

そこに教皇イシュタルが居た。

他の神官同様、アリアの花洗脳に囚われている。

 

「教皇イシュタルか」

 

コイツは必ず敵になる。此処で確実に始末するべき。

だが既に花洗脳の支配下だ。何かの役に立つかもしれない。

即座に殺すべきか?利用方を考えるべきか?迷い処だった。

 

「幸利?」

 

「あぁ、今行く」

 

だが何にしても、ユキナ達の前で殺すのはまだ早い。

祈りの間(仮)を出てから、アリアに教皇の殺害を命じて置いた。

今頃は花が、頭を突き破って死んでいるだろう。

 

封印区画に着く。

封印の名の通り、扉は固く閉ざされている。

だが御丁寧な事に?解放条件がしっかりと記されていた。

 

「他の大迷宮を二つ以上クリア、か。

 オルクスとライセンのクリア証で行ける」

 

ライセン大迷宮をクリアしていなければ、無駄足だった計算になる。

だがそもそも、神山に大迷宮が有る事を聞き出したのもミレディからだ。

 

「余りミレディに感謝したくない処だ」

 

「ミレディ?」

 

「真性の腐れ外道だ。感謝の必要は無い」

 

オルクスとライセンのクリア証で、封印を解く。

バーン大迷宮は試練の挑戦者を受け入れる為、その扉を開いた。

 

「此処からが、真のバーン大迷宮だろう。

 覚悟は良いか?と訊かれて、たった今想定した以上の覚悟が必要だ。

 それでも行くか?」

 

「えぁ、私は幸利に着いて行く。

 そう決めたから」

 

ユキナの力強い決意を聞く。

他のRoseliaのメンバーからも、引き返す者は居ない。

バーン大迷宮の攻略が始った。




ユキナの私服姿は?
寝そべり友希那(大)にも使われている、白いヤツです。

音で戦闘に参加する以上!
戦闘では5人全員揃えないと行けない事に気付きました。

前回のミハイル同様、
敵のネームドキャラが、死ぬ時はサックリ死にます。
教皇イシュタル、今回でログアウトです。
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