神山のバーン大迷宮は聖教教会の内部ですから、
運悪くクリアしてしまった教会関係者も居るのでは?
と言うキャラコンセプトです。
「聖女レティシア。汝に新たな試練を与える」
「はい、教皇猊下」
何も知らない自分。何も知ろうとしなかった自分。
ただ神に祈りを捧げていた自分。ただそれだけで満たされていた自分。
滑稽ですね。今ならそれが理解出来ます。
神山の聖教教会、教会施設の地下深く。
そこに新たな未踏破区画が発見されたと、教皇猊下から告げられました。
そこで私に、調査の命が下されます。
魔物退治の経験なら有りました。けれど未踏破の施設探索など初めてです。
これも試練。全ては御心のままに。
そこに絶望が眠っている事を、まだ私は知らない。
未踏破区画の調査が始ります。
未踏破区画は一部崩落が有り、今回の新区画発見に到ったと聞いています。
本来の入口は別に有るらしく?そこは封印されたままだと。
新しく繋がったルートから、未踏破区画に入ります。
そこで私は真実を知る事に。
まず調査隊の他のメンバーが倒れました。
皆盛んに、一心不乱に神に祈りを捧げています。
それはもう狂っているかのよう。いえ、もう狂っていたのかもしれない。
無理も無い。
未踏破区画の調査が始り奥に進むに連れて、
直接頭に流れ込んで来る。
今まで知らなかった世界の記憶が。
人類と魔人と亜人の戦争の記憶。
互いに殺し合い憎しみ合う、血と汗と涙と鋼の記憶。
けれど時として手を取り合うも、
一部の愚か者の手で血の時代に戻る。その繰り返し。
それを、その愚かな歴史を!神は天上より愉し気に見下ろしていました。
それが神の正体だと!この記憶は語ります。
「嘘だ。嘘だ嘘だ嘘だぁぁぁっっっ!!!!!!」
けれどその記憶は余りに鮮明で、
救いを求める声が、無残に散って行く命が、何も護れ無かった慟哭が、
それが真実で在ると告げていました。
「あああぁぁぁァァァッッッ!!!!!!」
認めてしまった。これは真実で在ると。
そしてまた流れ込んで来る記憶。流れ込む力。
私は立ち上がる。
気付けば金の髪は灰に、肌は白く堕ちていました。
「嫌な記憶。嫌な世界。
皆死んでしまえば良いのに」
そう口にするも、今日も生きる為に戦う。
寝床から起き上がって戦仕度を整える。
今日は近隣住民から、魔物退治の依頼が入っています。
破戒聖女の出番です。
†
「待たせたかしら?」
「体感的には待った気がしない。
ユキナの私服姿を妄想している内に、本人が来たからな?」
「そう、それでどうかしら?」
「知的な落ち着いた感じが良いと思う。
似合っている」
「ありがとう、
じゃあ行きましょう?」
ユキナと手を繋いで王都を行く。
泊まっている宿は同じだと言うのに、デート風に待ち合わせて外出。
だが残念ながらデートでは無い。水晶ともコネクト済。
今日はこれから神山の大迷宮、バーン大迷宮攻略の時間だ。
「それで。神山に行くのよね?」
「あぁ、素直に正面からゴンドラで行く。
上の方では既に手を打って在る。
下からは目立たないように、カップル設定で行く」
「カ、カップル///」
「昨日も説明しただろうに」
とは言うモノの、テレるユキナが可愛い。
昨夜は色々だった。
まさか大迷宮探索の誘いを、プロポーズのお誘いだと誤認されているとか!
誤認とは言え、ユキナはその心算で誘いを受けた。
そして前回の追手の一件で、
ユキナへの気持ちは自覚してしまっていた。
今日は朝までユキナと一緒だった。一緒に色々と確かめ合った。
「本当に良かったのか?」
神山へのゴンドラに乗る。
上まで偽装に付き合って貰うだけで、
大迷宮まで付き合わせる心算は無かった。
繋いだ手が、無意識に強くなる。茶番だった。
この手を離す心算など無い癖に。
それがもう伝わっているのだろう、ユキナは微笑む。
「私を置いて行く心算かしら?
ユキナは渡さないって、言ってくれたのに?
今もこうして、離す気なんてないのに?」
それでも危険なのが大迷宮攻略だ。
それでも危険なのが、これからの旅でもある。
だがこの笑顔を、これからも向けられていたいのだと自覚する。
「あぁ、もう離す気なんてない。
ユキナを連れて行く。これからずっとだ」
「バカね、最初からそう言えば良いのに」
ユキナを抱き寄せて、口付けを交わす。
この時点で感じ慣れた魔力と視線を感じていたが、
直ぐにどうでも良くなって、口付けを続ける。
ユキナの感触の方が大事だった。
「昨日は違うって言ってたけど、
本当になったわね?」
†
「ご、ごめんね?本当に」
一同を代表して謝るリサ。と言うか全員居る。
魔力は感じていた。
どうやら先に、ゴンドラに乗り込んで張っていたらしい。
「幸利も気付いていたの!?」
「途中で気付いてはいた。
だがユキナの感触を優先した。後悔はしていない!」
「///」
結局Roseliaが勢揃いしてしまう。
大迷宮の攻略を、
デートを覗く気分でやらせる訳には行かないが、
もうゴンドラは頂上に着く頃だった。
「よろしいですか?マネージャー。
今回の件は本当に申し訳ありません。
ですが、確認しておきたい事が有ります」
「サヨは気付いたか?」
「これがただのプロポーズの覗きなら、
私達が謝っておめでとう、と言えば終りです。ですが」
「そこから先は着いてからだ。
その方が解り易い」
もうユキナだけでは無く、Roselia全員を巻き込んでいる。
準備の空き時間にバンド活動をやっていたのが、やはり大概だったようだ。
だが間違いだったとは思いたくない処である。
神山の頂上に到着。
ゴンドラを操作していた神官は、直ぐに異変に気付いた。
気付いて直ぐに黙る。いや喋れなくなった。
「全員、離れるなよ?」
「これは何なの?」
神山の頂上は緑の霧に覆われていた。
そこに何の表情も浮かべていない神官達が佇んでいる。
どう見ても非常事態だろう。犯人が此処に居なければ、だが?
「御苦労、アリア」
虚空に声を掛けると、植木鉢サイズの浮遊する花が姿を現す。
従属目録の登録従魔のアリアだ。
この一ヶ月。麓の王都でバンド活動をやっている間、
神山の頂上にアリアを放っていた。
頂上に行く者に憑けて、神山全域をアリアの支配下に入れた。
神山の神官達は、皆アリアの花洗脳の支配下!これで教会の妨害は封じた。
因みに花は?如何にも怪しく頭から生やしてなどいない。
小さい花を、口の中に咲かしている。これなら簡単に気付く事は無い。
情報も抜いている。神山の教会施設には、封印区画なるモノが在るらしい。
そこがバーン大迷宮である事が濃厚。
封印区画に向かいながら、未だ状況を飲み込めない面々に事情を説明する。
「詰りマネージャーは異世界召喚された神の使徒で、
元の世界に戻る手掛りを求めて王都にやって来た。
その手掛りは神山に有って、手加減無しの強行策を取った。
と言う事ですか?」
「王都にはユキナを迎えに来たのがメインだが、
大体そんな感じだな?」
「教会が、
エヒト神が戦争を影から操って、愉しんでいると言うのは?」
「突然で信じられないだろうが事実だ。
だから強行策も迷わず取った」
サヨは絶句している。
聖教教会は世界規模の大宗教だ。
それが突然!諸悪の根源だと言われても、厳しいだろう。
「幸利、これでどうかしら?」
「水の防護膜か」
ユキナは自分の水魔法でアリアの胞子から身を護っていた。
ユキナもかなり強くなった。
何故かライブを成功させる度にガンガンLvが上がって行く。
観客動員数が多ければ、多い程経験値が入っている感じだ。
歌姫の特性的な、何かなのか?
「ユキナさんは聞いていたんですか?」
「海人族はエヒト神を信仰している訳じゃないけど、
それでも神の存在は信じているもの、
サヨの気持ちも解らないとは言わないわ」
「なら、どうしてです?」
「私は幸利に着いて行くと決めたから、
それに、歌は何処でも歌えるでしょう?」
「………ユキナさんは、
変な処がヒナに似ています」
†
封印区画に着く前、
異世界召喚で最初に訪れた祈りの間(仮)を通り掛る。
そこに教皇イシュタルが居た。
他の神官同様、アリアの花洗脳に囚われている。
「教皇イシュタルか」
コイツは必ず敵になる。此処で確実に始末するべき。
だが既に花洗脳の支配下だ。何かの役に立つかもしれない。
即座に殺すべきか?利用方を考えるべきか?迷い処だった。
「幸利?」
「あぁ、今行く」
だが何にしても、ユキナ達の前で殺すのはまだ早い。
祈りの間(仮)を出てから、アリアに教皇の殺害を命じて置いた。
今頃は花が、頭を突き破って死んでいるだろう。
封印区画に着く。
封印の名の通り、扉は固く閉ざされている。
だが御丁寧な事に?解放条件がしっかりと記されていた。
「他の大迷宮を二つ以上クリア、か。
オルクスとライセンのクリア証で行ける」
ライセン大迷宮をクリアしていなければ、無駄足だった計算になる。
だがそもそも、神山に大迷宮が有る事を聞き出したのもミレディからだ。
「余りミレディに感謝したくない処だ」
「ミレディ?」
「真性の腐れ外道だ。感謝の必要は無い」
オルクスとライセンのクリア証で、封印を解く。
バーン大迷宮は試練の挑戦者を受け入れる為、その扉を開いた。
「此処からが、真のバーン大迷宮だろう。
覚悟は良いか?と訊かれて、たった今想定した以上の覚悟が必要だ。
それでも行くか?」
「えぁ、私は幸利に着いて行く。
そう決めたから」
ユキナの力強い決意を聞く。
他のRoseliaのメンバーからも、引き返す者は居ない。
バーン大迷宮の攻略が始った。
ユキナの私服姿は?
寝そべり友希那(大)にも使われている、白いヤツです。
音で戦闘に参加する以上!
戦闘では5人全員揃えないと行けない事に気付きました。
前回のミハイル同様、
敵のネームドキャラが、死ぬ時はサックリ死にます。
教皇イシュタル、今回でログアウトです。