ありふれた英雄願望(挫折)で世界最強   作:LW

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バーン大迷宮の解放者は教会関係者らしいので、
悲惨な歴史をひたすら説いて来る感じにしました。

バーン大迷宮並びに、王都編も一先ず完結です。


21 破戒聖女

「今回はメンタルブレイクで来たか」

 

バーン大迷宮の攻略が始る。

攻略を始め奥に進むに連れて、大迷宮の試練は牙を剥いて来た。

 

それは延々と続く戦争の記憶だった。

憎しみ殺し合う、血と汗と涙と鋼の記憶。

それが実体験の如く、頭に直接流れ込んで来る。

 

だが此処でも精神支配無効は頑強だった。

本来目を反らしたくなる程の記憶も、戦争映画程度の難易度になる。

 

「これは相性有利が入ったか?」

 

『でしょうね?

 此処は余裕の有るマスターが、メンタル管理する場面じゃない?』

 

この調子では、水晶共々ヌルゲー展開である。

だが今回はユキナを始め、Roseliaのメンバーが居る。

このメンタルブレイクに対して、反応は如何に?

 

「ユキナ、無事か?」

 

「流石に来るモノがあるわ、

 でも幸利は平然としている感じね?」

 

「対抗スキルが有るからな?

 相性有利が入った。この手の精神干渉には強い」

 

「他の大迷宮でも、こんな感じだったの?」

 

「オルクスは全200階層の広大な大迷宮で、

 特に深層100階層は、生息する魔物が鬼畜な強さだった。

 ライセンは物理トラップ祭りでな?

 しかも時間経過で構造が変わる。

 腐れ外道の精神が形になったような大迷宮だ」

 

「さっきも言っていたわね?

 ミレディさん、だったかしら?」

 

「アレは腐れ外道で充分。

 ユキナに逢いに王都へ急いでいる時に、

 大迷宮に強制突入させたヤツだぞ?」

 

そう言ってユキナを抱き寄せる。

間に合わなくなって、この温もりがなくなっていたら?

と言うパターンは、余り考えたくない。

 

「そんなに、私に逢いたかったの?」

 

あの時の気持ちを言葉にするのは難しい。

ユキナを抱き締める力が強くなる。

 

「………その、何と言いますか」

 

「あぁうん、解るよ?

 私もちょっと、恋人欲しいなぁ~って思ったし☆」

 

「///」コクコク。

 

「うわっリンリンの首が凄い事に!」

 

いつの間にか視線が集まっていた。

特に隠していないので、当然の展開である。

 

「まぁおかげで、

 頭の疲れが何処かへ行きましたが」

 

「そうだね?

 普段なら、リア充爆発しろ!って感じだけど☆

 ありがとうユキナ♪」

 

「何故かしら?

 余り嬉しくないわ」

 

探索を再開する。

流れ込む記憶は止まらないモノの、足取りはマシになっていた。

記憶に対して、折り合いが付いたのかもしれない。

探索のスピードも上がる。

 

「大迷宮で通勤ラッシュか」

 

『この電車に、復旧の見込みは無いけど☆』

 

軽口に応えたのは、対抗スキルの有る水晶だけだった。

流石にRoseliaの面々は顔色を悪くしている。無理も無い。

大迷宮を進むと、開けた場所に出た。

大聖堂か何かの類だろう。

その大聖堂が、ゴースト系の魔物で通勤ラッシュを起こしていた。

数えるのがバカらしい数のゴーストである。

 

「これも大迷宮の試練なの?」

 

「いや、これはガチのゴーストかもしれない」

 

「ガチのゴースト?」

 

「これまで散々、神や教会の所業は見て来ただろう?

 その犠牲者が溜まって、今も此処に!と言うパターンかもな」

 

だが何にしても、先に進むには此処を通る必要が有る。

無双タイムかな?と言う処だが、ユキナの要望は楽器の用意だった。

 

「祓う心算か?

 悲惨な記憶が続いた後だが、背負う必要は無い」

 

「それは違うわ」

 

普段から楽器は、

オルクスの指輪の収納で預かっているので、此処で出すのも問題無い。

取り出したマイクを手に、ユキナは起つ。

そこに居るのは、起つべきステージを前にした歌姫の姿だ。

 

「解るの、此処は私達のステージだって。

 だから歌うわ、Roseliaの歌を」

 

突発ライブの準備が整い、Roseliaのステージが始る。

演奏が始り、色々と凄まじい事になった。

通勤ラッシュ状態のゴーストが、凄まじい勢いで昇天して逝く。

ハッキリ言って、あの演奏には退魔系の効果は無い筈。

本当に演奏だけで!通勤ラッシュのゴーストを祓っている。

 

「行かせない、

 此処から先はRoseliaの舞台だ」

 

中には元気にRoseliaの舞台に上がろうとした輩も居たが、

そういう輩はコチラで迎撃したり、凌いだりで近づけさせない。

だが大部分のゴーストがRoseliaの演奏で昇天して逝く。

ライブが終った頃には、大聖堂に静寂が戻る。

RoseliaのFULLCOMBO!達成である。

 

 

「もう二度目だからな?

 同じ話で盛り上がれない」

 

『マスターは元からでしょう?』

 

通勤ラッシュを祓った辺りで、大迷宮攻略は山場を越えた。

クリアは厳しいかと思われたRoseliaの面々も、神代魔法をゲット出来た。

やはり通勤ラッシュを祓った事が、大きく評価されたらしい。

今はバーン大迷宮の創設者、

ラウス・バーンの記録魔法から、真剣に世界の真実を聞いている。

 

だがコチラは水晶とふたり、

同じ話で盛り上がる事も無くクリア証の指輪を回収。

問題無く手にした神代魔法の具合を確かめていた。

 

「魂魄魔法か」

 

『魂や精神に作用する魔法みたいね?

 マスターとも相性が良さそう☆』

 

元々精神支配無効のスキル持ちだったからな?

そう言う事も有るかもしれない。

 

「幸利」

 

「ユキナ、もう話は終ったのか?」

 

「えぇ、皆は少し休んでいるわ」

 

「今回のライブは圧巻だった。

 アレは解ってやったのか?」

 

「いいえ。でも、やれる気がしたの」

 

「無茶をする」

 

「それでも、幸利は信じてくれたわ」

 

そしてユキナは、

自身のステータスプレートを取り出す。

 

====================================

ユキナ 17歳 女 レベル:100

天職:歌姫

筋力:200

体力:200

耐性:200

敏捷:200

魔力:12500

魔耐:6700

技能:

歌唱

・水属性適正[+発動速度上昇][+効果上昇][+魔力効率上昇][+魔力消費減少]

・水属性耐性[+水属性無効][+水属性状態異常耐性][+水属性状態異常無効]

・魔力感知・高速魔力回復・耐性貫通・蒼海の羅針盤

・ローレライの歌声・セイレーンの誘い・メロウの寵愛

・界境の歌姫・魂魄魔法

====================================

====================================

界境の歌姫

ただ一人の為に届けたい歌が在る。

歌は世界も越えて、清水幸利に届く。

効果/

ユキナの固有技能。

清水幸利限定の無制限通信。

この通信に音声系技能を乗せる事も可能。

====================================

 

「これを伝えに来たの、

 さっきのでカンストしたみたいね」

 

「通勤ラッシュの分か、早かったな。

 それと、これは固有スキルか?」

 

「幸利の為だけの歌よ」

『神山に昇った時に、ね』

 

別のユキナの声が、頭にも聞こえて来る。

この念話のようなヤツが、ユキナの固有スキルか?

そして意味有り気に唇に触れている辺り、

発現したのはゴンドラで告白した時だろう。

そのまま目を閉じて待ち態勢に入ったので、

迷う事無くユキナの唇を塞ぐ。

 

「態々この念話っぽいので促さなくても、

 キス待ちされたら、解るからな?」

 

「///」

 

こうしてバーン大迷宮の攻略は終った。

だが全てが終る事無く、アリアから緊急連絡が入る。

 

「侵入者が?」

 

『迷いが無い感じの動き、危険な相手ね』

 

何者かが神山に侵入!

支配下の神官達を躊躇い無く始末しつつ、奥に進んでいるらしい。

花洗脳も効果が無い。何らかの対抗スキル持ちと予想される。

 

謎の侵入者とは、祈りの間(仮)近くの回廊で接敵した。

それは血塗りの聖女だ。そう確信させた。

解り易く、返り血を浴びているからでは無い。

返り血を浴びて、愉し気に口を歪めていたからだ。

 

「見つけました。

 貴方の仕業ですね?」

 

「あぁ、そうだ」

 

血塗りの聖女は、

ユキナ達には興味が無い様子で、コチラだけに視線を向けて来る。

 

「教皇猊下も貴方が?」

 

「………そうだ」

 

これは嘘が通じないヤツだな?と悟ってアッサリ肯定。

すると回廊に聖女の狂笑が響く。

確実に不定の狂気を発症している。そんな笑いだった。

 

「素晴らしい。素晴らしいわ、アナタ」

 

聖女は花洗脳を受けて佇む神官に近づくと、無造作に顔をつかんだ。

すると神官は痙攣して、内側から爆ぜた。

返り血が飛び散り、聖女が更に赤く染まる。

 

「今のは、回復魔法か?」

 

「えぇそうです。私は反転回復と呼んでいます。

 ですがこれを見ても、顔色一つ変えずに分析ですか?

 お連れの方達は、顔色が悪いようですよ?」

 

ユキナ達には悪いが、

こんな危険人物を前に後ろは向けない。

それが解ったのか?やはり聖女は笑みを浮かべる。

 

「やはり良いわ、

 アナタ、お名前は何と言うのかしら?」

 

「テンプレだな?

 先に名乗れよ聖女様」

 

「レティシア。

 破戒聖女と呼ぶ人も居ます」

 

「幸利、清水幸利だ」

 

再び聖女の狂笑が響く。

待ち望んだ運命に出逢ったかのよう、そう思えた。

 

「ねぇユキトシ、

 あの狂った神を、教会を全て滅ぼしてしまいましょう?」

 

 

オリキャラ&クロスキャラ設定

 

5/聖女レティシア

聖教教会の聖女。やさぐれ聖女様。オリキャラ枠。

崩落により新たに発見された未踏破区画(バーン大迷宮)を調査して、

クリアしてしまった聖教教会の聖女様。

神と教会の真実を知り、信仰は死に絶えた。

精神の均衡を失い廃人になる筈だったが、

手に入れたばかりの魂魄魔法で、何とか精神を保っている。

 

精神的なショックで回復魔法をマトモに使えなくなってしまい、

回復を攻撃に転化した反転回復を使って戦う。

その残忍な戦闘スタイルから、破戒聖女と呼ばれる事に。

 

神と教会は滅ぶべきと判断してはいるが、

自分一人では到底不可能!と冷静な部分も残していた。

だが今回のようなチャンスに巡り合うと、平然と凶行に踏み切る。

魔物に憑かれていたので、何とでも言い訳は出来る!と言う判断。

 

因みに教皇を殺していなかったり、

対面で嘘を吐いていたりすると?気に入られる事無く戦闘開始!

反転回復の脅威を目撃する展開になった筈。

 

バーン大迷宮は聖教教会の内部に有る設定なので、

運悪くクリアしてしまった教会関係者も居るのでは?

と言うキャラコンセプトです。




此処までの事を神山でやったら、
ノイントが動くのでは?と思った方も居ると思います。
ですがノイントは動けませんでした。
真相はグリューエン大迷宮編で解る予定です。
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