ありふれた英雄願望(挫折)で世界最強   作:LW

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今回も帝国側の視点で続きます。

余談ですが先日!初めてねんどろいど(友希那)を購入しました。
顔パーツの交換で表情が変わる訳ですが?
ハッキリ言って、友希那を分解しているような微妙な気分に!
早く組み直してあげなくては!と思ったよ☆


23 かつて家族だった兎たちへ

「アアアァァァッッッ!!!!!!」

 

ウータイの暴風の如き攻撃が白髪を襲う!

だが白髪も上手く捌いている。致命打を避け、他は防御で凌ぐ。

防御技能も持っているようだし、あの籠手自身の防御力も高そうだ。

 

何より白髪の命を繋いでいるのは、戦闘経験だろう。

勘でウータイの攻撃を回避しているフシが有る。

どれ程の戦闘経験。どれ程の修羅場を潜って来たのか?と言った処だ。

 

ウータイの攻撃が、ステータス頼りと言うのも要因の一つだろう。

元々ウータイは脆弱な兎人族だ。

いくらステータスが鬼畜でも、戦闘技術的な技能が無い。

正に力任せの暴風!同格以上の相手に有利は取り難い。

 

「ウータイ!」

 

「アアアァァァッッッ!!!!!!」

 

だがやりようは有る。

白髪が防御したタイミングで指示を出す。

ウータイの【ミンナノウラミ】が発動!

防御姿勢の白髪に、防御無効ダメージが入る。

これはダイレクトヒット!だが白髪は崩れない。

予想外のダメージだろうに?大したモノだ。

 

「弓兵隊!ハウリア族を撃て!!」

 

白髪の視線が一瞬、金髪少女に向いたのを見逃さない。

崖の上の奴隷狩り部隊に指示を出す。

ハウリア族へ三段射ちで連続斉射!

これを護るのは、後方に残った金髪少女だ。

 

金髪少女の魔法の冴えは見事だった。

此処がライセン大峡谷だと忘れてしまいそうになる。

だがハウリア族全体を護りながら、白髪の援護は出来ないだろう。

その内に白髪を仕留める!

 

「このバーサーカー女が!」

 

白髪の飛び道具のアーティファクトは脅威だった。

だがウータイの怨念装甲は貫け無い。

 

「無駄だ白髪」

 

白髪は隙を見て、

コチラにも飛び道具のアーティファクトで攻撃して来る訳だが、

その攻撃を回避する。

既に飛び道具の攻撃は、直線だと言う事も解っている。

ならば攻撃のタイミングで回避は可能!敏捷には自信が有る。

 

「まだ手は有るか、白髪?」

 

現状では白髪は手詰まり。

だが白髪の目は、微塵も折れていない。

まだ手札が有るのか?或いは諦めが悪いだけか?

両方だな?自身の勘がそう告げた。

 

「姉さん!

 シンシア姉さん、ですよね?」

 

「………」

 

さて再開だ。と言う処で、銀髪のハウリアがそう告げた。

銀髪が話し掛ける相手はウータイ。

ウータイも同じ兎人族。そう言う事も有るだろう。

思わぬ再会!と言うヤツだ。

 

「姉さん?」

 

「アアアァァァッッッ!!!!!!」

 

だがウータイは止まらない。

ウータイは自らの意思で戦場に立っている。

例え戦場で家族に出遭っても、ウータイは躊躇わない。

怨念の力に踊らされている訳では無い。これはウータイの覚悟だ。

 

「下がれ、シア!」

 

銀髪を狙ったウータイの攻撃は、何とか白髪が防ぎ切る。

だが攻撃はマトモに入った。後どれ程持つ?

対する銀髪のコチラを見る目は険しい。無理も無い。

無理も無いが、見当違いだ。

 

「姉さんに、何をしたんですか!」

 

「期待通りの事は何も無い。

 やったのは別のヤツだ。もうウータイ自身がケリを付けた。

 コチラがやったのは、生き残れる道を示しただけだ。

 だからウータイも従っている」

 

 

帝国でウータイを買った魔術師は、

腕の立つ死霊術師(ネクロマンサー)だった。

ネクロマンサーは、ウータイの才能に気付いた。

ウータイは怨念吸収体質だった。霊媒体質とも触媒体質とも言える。

天職:墓守の者が稀に発現する体質らしい。

怨念が籠る場所、或いは人物に近づくだけで怨念を吸収する。

吸収して、力を増大させて行く。

その力をネクロマンサーは、触媒として活用出来る。

 

だから調子に乗ったのだと、後の暴走事件の調査団は判断した。

ウータイを次々と古戦場に連れ回して、そこで怨念を吸収し続けさせた。

ネクロマンサーは大いに喜んだだろう。

貴重な触媒がアホのように貯まるからだ。

 

だが流石に限界は存在する。

限界を超えた怨念はウータイから零れ出した。

零れ出した怨念の濁流は、最初にネクロマンサーを焼き尽した。

その後舵を失くしたウータイは暴走。

怨念の衝動に従い、近くに在る者から屠り始めた。

 

討伐隊も組まれた。

だが敗れたのは討伐隊の方だった。

無理も無い。ウータイの力を把握している今なら、理解出来る。

 

自身にも討伐依頼が来る。

暴走する亜人の討伐依頼!

依頼が来た時点で、既に討伐隊は敗走している。

ギルドの空気は重い。これは絶望の空気だ。

たった一人の亜人の暴走に因る絶望。

 

此処で滅びるのが帝国の宿命か?

今まで亜人奴隷を浪費し続けた罰か?

亜人奴隷達は、帝国など滅んでしまえ!と昏い喜びに震えているのか?

 

「関係無いか、

 討伐対象を斬る。それが冒険者の仕事だ」

 

そっと愛刀を撫でる。

コイツの出番かもしれない。

自分の知る限り最も危険で、最も妖しい刀だ。

 

戦場は嵐の通り道のようだった。

生ける暴風が荒れ狂い、今も破壊の限りを尽している。

この暴風自身が一人の亜人。滅びの災禍。

 

「コイツ、抑えようとしているのか?」

 

「………」

 

だが戦闘が始って直ぐに気付いた。

この暴風は恐ろしい破壊力だが、殺意に欠けている。

しかも抑えようとしているフシが在る。まだ意識が?

 

「なら行けるな?

 起きろ、骨喰宗近」

 

切札となる愛刀を抜刀する。

骨喰宗近。

確実に妖刀の類である。

抜刀と同時に所有者を支配しようと試み、

更に無形の触手を伸ばし、周囲を次々と支配下に置こうとする。

 

妖刀の支配は、いつものように自力で抑え付けて活用する。

無形の触手は荒れ狂う暴風を支配しようと、伸びて襲い掛る。

やがて触手は檻となり、暴風を捕えた。

 

「………」

 

「コイツが暴風の正体か」

 

治まった暴風の中から現れたのは、一人の亜人の女。

強者では無い。ただの脆弱な女に見えた。

 

こうして事件は解決して、問題の亜人の殺処分も決定。

無理も無い。それだけの被害が出た。

だが未曾有の依頼達成者の権限で、問題の亜人を生きたまま引き取る。

コイツには被害を抑えようとする意思が有った。

生ける災害となる事を拒み続けた。だから妖刀の支配が及んだ。

コイツには、抗い続けた報酬を受け取る権利が有る。

 

「ならオマエは、今日からウータイだ」

 

「………」コクコク。

 

ウータイは暴走の後遺症なのか?

或いは何か処置を施されていたのか?言葉を失くしていた。

自身の名前も訊き出す事が出来無かった。

だから新しい名前も付けた。ウータイと言う名前は、その時付けた。

意思の疎通は出来る。問題無い。

 

 

「無駄話が過ぎたな?」

 

互いの間が微妙な空気になる。

ウータイが自身の意思で戦っているのか、判断が難しいのだろう。

当事者のウータイから直接訊く事が出来ないからな?

だがその困惑に付き合う義理は無い。

それにどうやら白髪も同じ意見らしい、戦闘体勢を取る。

 

「ハジメ!」

 

だが離れた場所で、

話を聞いていなかった金髪少女が事態を動かした。

響き渡る爆音、爆裂系の魔法。崖の上から!

どうやら金髪少女が、

大峡谷の中だと言うのに大技を放ったらしい。大したモノだ。

 

「しかもこの威力、

 偶然か?狙ったのか?」

 

駆け着けて合流した金髪少女を見る。

何とも絶妙の威力だ。

今の爆裂魔法で、崖の上の奴隷狩り部隊は戦闘不能。

そう戦闘不能!まだ生きている可能性が有る威力だ。

救援に行くか?見捨てて戦闘続行か?

大峡谷の分解作用で偶然威力が弱まったと考えるのは、如何にも温い。

白髪の苦戦を察して、交戦理由を崩しに来たのか?

 

「良いパートナーだ、白髪」

 

「当然だな」

 

コチラは雇われの指揮官。

此処で部隊を見捨てては依頼は失敗!どうやら退くしかないようだ。

だが隙は見せない。切札の愛刀を示して問う。

 

「続けるか?」

 

「退きたいのはそっちだろう?行けば良い。

 シアの姉とやらと一緒でも、追いはしない」

 

白髪もかなりのダメージの筈だが隙は見せない。当然だった。

だが今回は、白髪の申し出を受けるとしよう。

 

「ガライだ。

 冒険者をやっている」

 

「ハジメ、南雲ハジメだ」

 

「ユエ」

 

「シアです!

 シンシア姉さんの妹的妹ですぅ☆」

 

何か一部、おかしな単語を聞いた気がする。

それに南雲ハジメ!コイツが生死不明だった神の使徒か?

 

「まぁいい、撤退だ!ウータイ」

 

「………」

 

これで奴隷狩り部隊の護衛依頼は終了。

部隊も思ったよりは生き残りが居た。とだけ記して置く。

バケモノと遭遇戦など!避けたいモノだ。

 

 

オリキャラ&クロスキャラ設定

 

6/ウータイ(シンシア・ハウリア)

元ハウリア族の兎人族。オリキャラ。

今回の奴隷狩りとは別口の奴隷狩りに捕まり帝国へ!

その経緯は作中で語られた通り。

 

シアとは血の繋がりは無く、シアの姉的存在。

シンシアの名前の中にシアの名前が!

と言う名前ネタで仲良くなった経緯が有り、

固有魔法の件でいつも泣いてばかりだったシアをナデポしていた。

ハウリア族だった頃から無口キャラで、実は余り変わっていない。

 

怨念を暴走させた件で救ってくれた事。

殺処分される筈だった処を拾ってくれた事。

生きる場所を用意してくれた事。

ウータイの忠誠心は既にカンスト済。

ガルヴェイラ(ガライ)の子を産みたいな♪とポヤポヤしている。

戦闘後の閨は?ウータイの密かなご褒美。

 

ステータス頼りの戦いしか出来無いとは言え、そのステータスが高い。

生存系の技能も多く積んでいて、とにかくしぶとい。

対ハジメ戦では?ドンナーやシュラークではダメージが入らない堅さで、

限界突破や、もっと大型兵器の投入が必要となる。

その反面バフ系の超強化キャラなので、強化解除や技能封印に弱い。

↑水晶とは相性最悪!瞬殺確定案件である。

 

帝国が樹海に本気で侵攻するなら、亜人の協力が必要なのでは?

と言う疑問がウータイのキャラコンセプトです。

故郷を裏切っても、帝国に協力する亜人が必要となりました。

やはり帝国にも勝ち目が無いと面白くないので☆




お察しの方も居ると思いますが?
ウータイのキャラメイクに、FFのトン○リ要素を+しました。
本人は弱いが厄介。的なキャラにしたかったからです。

骨喰宗近も、某他作品出演の妖刀です。
ガルヴェイラ(ガライ)の直接戦闘回で、詳細は公開予定。
名前だけで出演作品に気付いた人は居ます?
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