暫く合流回が続きます。
「行ったか、帝国も侮れないな」
オルクスの奈落で地獄を経験した。
その地獄を生き抜き、這い上がって強くなった心算だった。
だが外の世界には?まだまだバケモノが居るらしい。
あぁ言ったバケモノこそ、魔人と戦えば良いと思う。
「ハジメ!大丈夫?」
「あぁ、まだ神水が有って助かった。
何だあの防御貫通技は!」
途中までは何とか捌けていた。
だがあの防御貫通、いや防御無効か?アレを貰ってから辛くなった。
力押しのバーサーカーかと思ったら、面倒な技能を積んでやがる!
「おい、シア!
お前の姉はガチでバケモノ何だが、何か心当たりは?」
「姉さんがあんなに強い筈ないんですが、ひ弱だったぐらいで」
「アレの何処がひ弱だ!!」
言語理解の技能が死んだか?
それとも戦闘の後遺症でオレの耳が死んだのか?と言いたい。
シアからは実の姉では無く、いつも一緒だった姉的な人だとか?
シンシア姉さんの名前の中に私の名前が有って、
それが仲良くなったキッカケだとか?
訊いていない特に意味の無い情報ばかり聞かされ続けた。本当にウザイ。
「じゃあアイツの言っていた通り、帝国で!って事か」
「姉さんの才能ですか、確かに姉さんの天職は墓守でしたが」
その墓守の天職に関してシアを始め、
他のハウリア族の奴等も心当たりは無いらしい。使えねぇ!
「こう言う時に水晶が居ると助かるんだがな?」
「水晶は知識もチート」
幸利は絶対!こう言う処で楽をしていると思う。
ついでに言うなら、
神水の残量を気にする必要が無いのは?酷いチートである。
「アレはオレから頼める空気じゃねぇ」
「ん、アレは愛妻弁当の領域」
例の栄養ドリンクも神水製だ。
神水ってレアアイテムじゃ無かったのか?って感じだよ!
「まぁ居ない奴には頼れないからな?止めだ。
それより無駄に疲れた。先に町に行く」
ハウリア族の奴等が居るからな?
先に樹海の件を片付ける心算だったが、もう疲れた。
町に行って異世界飯を食って休みたい。宿は風呂付きだ!これは譲れない。
「バーサーカー女以外にも、
あの刀がな?」
直接戦ったバーサーカー女ばかりに目が行くが、
あのガライとか言う冒険者もマズイ。
何がマズイかと言うと、アイツが持っていた刀だ。
アレはマズイ。マズイ物だと、オレの錬成師としての勘が告げていた。
†
最寄りのブルックの町に着く。
ハウリア族の奴等は、町から離れた場所に置いて来た。
亜人を人間の町に入れるのは、色々と面倒だからだ。
だがシアだけは一緒だった。妙に懐かれている。
因みにシアは、亜人奴隷枠で検問を突破した。無難な選択である。
「さて、さっさと食糧調達を済ませて宿に行くぞ?
風呂に入って寝る」
まず冒険者ギルドに行って換金も済ませた。
冒険者登録も済ませて、歴戦の受付嬢?からお勧めの宿も訊いた。
なら後は休むだけだ!さっさと食糧調達も済ませる。
「ハジメ?」
「GPSが反応した。
幸利が近くに居るらしい」
宿に急ぐ中、コンパス型のGPSが反応した。
近くに幸利が居る。
宿に行くのは中断して、幸利を捜す。
捜している内に町の大通りに出る。人口密度が増えた。
にしてもいくら大通りとは言え、人口が多過ぎ無いか?
それに何か盛り上がっている空気だ。何かの見世物でも始るのか?
大道芸?サーカス?と思っていた訳だが違った。
「何か、見覚えが有るんだがな?」
GPSの反応は、更に人口密度が増える方向に続いた。
やがて公園広場らしい場所に出る。
そこにそれが有った。まずは野外ステージらしき物だ。それは良い。
これから何か始るらしいからな?特に問題は無い。
問題はそのステージに飾られた、見慣れた異国の文字。
「何て書いてあるんでしょう?」
「うぅん、読めない」
樹海出身で文字の読み書きも怪しい気がするシアは勿論、
元王族で充分な教養も有る筈のユエもギブアップ案件なその文字は、
どう見てもアルファベットに見えた。
「R・o・s・e・l・i・a。
読み方はRoseliaか?」
久々に見るアルファベットを読み上げると、
タイミング良くステージが上がる。
魔法の演出なのか?急に辺りが暗くなり、
それに反してライトで照らされるステージ。
そこにいつの間にか五人の奏者が立っていた。
銀髪のボーカルをセンターに、それぞれ異なる楽器を手にしている。
そしてRoseliaの舞台が始った。
「此処は本当に異世界か?と言う無駄に凝った演出!
覚えの有る魔力!それにバンド名のアルファベット!
アイツの仕業だな?」
良く確かめて見ると?
トータスの文字で小さく、ロゼリアとルビが入っている!
とかどうでも良い事に気付いたのは、全ての演奏が終った後の話だ。
†
「ブルックに戻って来た訳だが?」
此処に戻るまで色々有った。
本当に色々有った。まずは聖女のお誘いの件は?
「あの狂った神を、教会を全て滅ぼしてしまいましょう?」
「無策で挑む相手じゃない」
神は更にグレードが違うが、
教会を殲滅するのも面倒な案件である。
聖教教会は国の垣根すら越えた世界宗教だ。
今回のように教皇を一人二人処理しても、教会そのモノが潰れる事は無い。
直ぐに次の有力者が後を継ぐだけだろう。
勿論信者を鏖殺するのは現実的では無い。手間が掛り過ぎる。
教会を滅ぼすなら、信仰を殺す必要が有る。
幸い神の正体は悪辣な邪神!これを暴き広めて、信じさせれば良い。
だが当然これは難しい。
トータスの大半の人間は聖教教会の信者で、エヒト神を善神だと信じている。
一ヶ月の間!
バンド活動で苦楽を共にしたサヨ達も、言葉だけでは信じられ無かった。
大迷宮の経験を経て、ようやく常識と言う名の偽りをブレイクした訳だ。
無論世界の信者全員に大迷宮を突破させる!と言うのは更に非現実的。
そんな面倒な手段を取る必要は無い。
「では策は有る。と?」
一番マトモな策は?新しい健全な宗教を広める事だろう。
それで旧い宗教を廃れさせる。
使えない者を排除して使えそうな駒を頭にする。
自分でやると面倒なので、やりたい奴を捜してやらせる。
「ではその時に声を掛けて下さい。絶対ですよ?」
こうして面倒そうな聖女と敵対する事無く別れた訳だが、
やはり不安は有る。コイツを放置して大丈夫か?と言う案件だ。
そして不安は的中!神山を無事脱出した後、
聖女が神山に居た教会関係者を鏖殺した事を知る。
神山に魔物が!と言う事で片付けたらしい。まぁ誤りでは無い。
想定通り、それで聖教教会が滅びる事は無かった。
「これは?」
「持って行け、それで連絡出来る」
神山制圧作戦で見事な働きを見せたアリアは、王都に残して来た。
次の仕事を頼む為だ。
やはり花洗脳は有用!次の手も打つ事に決めた。
それとアリアに関して面白い事が解っている。
元々従属目録の登録従魔とは繋がりが有り、
念話のような情報のやり取りが可能だった。
だが距離に限界が有る。
だからアリアの神山制圧が終るまで、王都で待機していた訳だが?
そこで異変に気付く。
本来念話が届かない距離から情報が入って来たからだ。
これはアリアの胞子が風に乗り、想定外の距離までばら蒔かれた所為だ。
そこで芽吹いたアリアの花達が中継塔となり、
遠方で咲いた他の花からも情報が届くようになった。
それは通信網の開設だった。
今もブルックから王都のアリアと情報交換が可能であり、
リアルタイムで指示が出せる。
因みに聖女にもアリアの花を渡した。
携帯電話のように直接話せる訳では無いが、
アリアを通して他人と連絡を取るのにも使える。
聖女の放置は危険!と判断したからだ。
不利益な行動をガンガン取られるとアレなので?
何か有ったらそれで連絡を寄こせ、とは確かに言った。
結果あの聖女は、毎日同じ時間に定時連絡を入れて来るようになった。
長電話やメール狂の類である。
しかしアレで人付き合いが上手いのか?ウザイと感じる前に連絡は終る。
話の内容も王都の近況を把握するのに有用だった。無価値と言う事は無い。
この連絡を寄こす相手は、本当にあの狂人か?と言いたい。
電話越しだとマトモに見える人種なのかもしれない。最近ではそう思っている。
「にゃ~~にゃ~~」
あぁ、一番の問題はこれだった。
色々と現実逃避の回想を巡らせていたが、
仕方無く(精神的に)猫化したユキナに向き直る。どうしてこうなった?
†
オリキャラ&クロスキャラ設定
5/聖女レティシア(更新)
聖教教会の聖女。神&教会抹殺聖女。オリキャラ。
王都で別れる際に、清水(挫折)から連絡用の花を受け取る。
今まで神&教会抹殺計画を相談出来る相手など居なかった。
居る筈も無い話し相手が出来た事で、聖女の精神は快復傾向に!
聖女様に笑顔が戻った!そう噂される程に、聖女の精神は快復する。
元々民の為に戦い続けた聖女!笑顔が戻るとアッサリ求心力も戻った。
世の中色々とチョロイ。美人は得である。
更に聖女に仕える者達の中で、新しい噂が!
聖女様が、いつも同じ花を見て微笑んでいる!と言う噂だった。
もしや聖女様に男が!あの花は男からの贈り物!?と噂は飛躍する。
レティシアはヒロインキャラでは無い予定ですが?
↑ミニイベントが浮かんだので、書いて見る事に。
レティシアは王都での協力者ポジです。次の王都イベントに続きます。
>「アレはオレから頼める空気じゃねぇ」
水晶がハジメ達にも神水を補給すると?
香織の存在意義が危険なので、頼み難い空気を作りました。
レティシアに渡したアリアの花は、鉢植えになりました。
頭には生えて無いです☆