ありふれた英雄願望(挫折)で世界最強   作:LW

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と見せ掛けてイベントも発生。

サブタイトルは階(きざはし)と読みます。


26 銀の階Ⅰ

ブルックに着いて色々と細かい事を済ませると、

そうだライブをしよう!と言う話になる。

特に理由は無い。強いて言うなら、ユキナ達が本当に奏者だからだろう。

 

と言う訳で?準備を整えるのがマネージャーの仕事だ。

公園広場の場所を確保して、使用許可も取る。

後からグダグダと横槍が入ると面倒だからだ。

生成魔法で野外ステージも作った。やはり生成魔法は錬成師スキルだと思う。

水晶は照明魔法のチェック。舞台によって照明も変わるからな?

 

「平和なモノだな?」

 

自分はいつから社会復帰していたのか?と言う展開。

インドアゲーマーの自分が随分遠くまで来たモノだ。だが、

 

「悪くは無い」

 

と呟く自分に苦笑。

アイツ等とならまだ続けても良い。

そう思っている自分が、最も意外だった。

Roseliaの幕が上がる。

 

舞台は問題無く終り、今回も上々の稼ぎを上げる。

自分達で旅費を稼ぐのは重要だ。

アイツ等善性の存在だから、寄生生活を良しとしない。

まぁその方面の心配はしていないが?

 

「異世界でバンド活動か?意外だな」

 

「ハジメ」

 

舞台が終り観客が掃けた処で、白髪黒衣が現れる。

片目に何処ぞの戦闘民族のようなモノクルを付けて、

腕には如何にもギミックを仕込んでいそうな籠手を装備!

言うまでも無くハジメだった。

ユエと、初見のウサギも居る。残念そうなウサギだ。

 

「厨二病が再発したのか!?」

 

「バイクに躊躇いなく、

 厨二ネームを付ける奴に言われたくないな?」

 

友人同士の軽いジャブを交わし、再会を喜び会う。

情報交換と互いの面通しも行う。

 

「そっちの銀髪が例の歌姫か、

 無事合流出来たようだな?」

 

「あぁ、色々在った。

 勢いでバンド活動を始めたり、

 初の魔人キルをしたり、告白までした。本当に色々だ」

 

「色々とシャッフルし過ぎだろう!

 バンドはまだしも、初キルと告白を混ぜるな。

 一瞬初キス自慢かと思ったぞ?」

 

「盛大に空耳。

 それとタイミングがおかしいだろ」

 

その自慢を始めるなら、

ホルアドに着いた辺りが妥当なタイミングだろう。

と言っても自慢を始めるような精神状態では無かったが。

 

「バンドと告白に挟むからだ。

 オレはハジメ、南雲ハジメだ」

 

「ん、ユエ。

 ハジメの女」

 

「シアです!

 ハジメさんの愛玩奴隷☆」

 

「オイコラ、初対面の相手にそれは止めろ。

 ユエはまだしも、愛玩奴隷ってのは何だ?」

 

確かに奴隷的な首輪は付けている。

オルクスを出て、速攻で夜の遊びを覚えたか?

特にサヨの周辺温度が↓気がする。

だが結構本気で嫌そうな顔。これはウサギの残念発言だな。

 

「ユキナよ、

 Roseliaのボーカルを担当しているわ」

 

「サヨです。

 御覧になっていたかもしれませんが、ギターを担当しています」

 

「リサだよ、よろしくね☆」

 

「リンコです…よろしく…お願いします」

 

「アコだよ!」

 

この後アコの厨二挨拶が進むモノの、耳に入る事は無い。

挨拶の後、さり気無く腕を取って来るユキナの感触の方が大事だからだ。

 

「ハジメ」

 

「そこで張り合わなくても良いからな?

 それとシアは調子に乗るな」

 

張り合わなくても~と言いつつ、

ユエの抱擁をハジメが拒む事は無い。

しかしもう片方の腕で、抱き付こうとするシアを撃墜していた。

 

「ハジメさん!

 もう少し私にも、優しくしてくれても良いと思います!!」

 

「いやユエはオレの恋人で、

 お前はただの残念ウサギだからな?

 むしろユエと同列に並べろとか、その方が図々しいだろ」

 

「でもほら、ほらあぁぁぁっっっ!!!!!!」

 

「中々面白いウサギを拾ったようね☆」

 

ハジメの言い分は正論である。誠実とも言う。

だが残念ウサギことシアが指す先には、

ユキナとは逆の腕を取る水晶の姿が!

どうやらシアを面白い玩具だと認識したらしい。

 

 

「それで大迷宮を二つ攻略済か、流石だな?

 他の大迷宮の情報を入手したのもデカイ」

 

「オルクスを出て早々、

 必須の案内を手に入れたのも大したドロー力だと思うが?」

 

樹海では、亜人の案内が必須である。と言うのが常識らしい。

大迷宮の入口と思われる大樹周辺は、

常時霧が発生しているらしく、特に必要となるようだ。

 

と言ってもこれは所謂正攻法の話だ。

要は大樹に到着すれば良い話なので、案内無しでも手段は有ると思われる。

パッと思い付くだけでも、森を焼く。空から攻める。結界で閉ざす。

などが浮かぶ訳だが?正攻法で行けるなら選ぶ手段では無い。

 

「ライセン大迷宮では、生き残りの解放者と接触か。

 問題はクリア報酬の鉱石だな?

 これは例の通信に適した鉱石だぞ!

 その腐れ外道が、感応石や遠透石を独占したんじゃないだろうな」

 

腐れ外道は錬成師では無い。

意図的に有用な鉱石を独占した訳では無い。とは思っている。

だがライセン大迷宮に配置された騎士鎧の数を思うと、

結果的に有用な鉱石を独占した形になるのは間違い無い。

 

「そっちは帝国の奴隷狩りと交戦だろ?

 ウサギの姉の墓守と、ガライとか言う冒険者の刀がヤヴァイと」

 

帝国は傭兵が興した国であり、戦意が高い。

亜人も奴隷兵として運用している。

ハジメ達が遭遇したのも、そんな奴隷狩り部隊の一つだろう。

 

「シアの姉、今はウータイと名乗っていた。

 天職は墓守。この墓守について何か解るか?」

 

実際にウサギの姉!

ウータイと戦ったハジメはそちらが気になるようだが、

ガライと言う冒険者の方も気になる。

何故冒険者が部隊の指揮を?余程部隊運用が上手いのか?

帝国の常識?実力主義らしいのは聞いているが。

 

「話を訊く限り、墓守の固有クラス技能を発現しているわ。

 怨念吸収。怨念を吸収して、基礎ステータスを爆発的に上昇させる。

 限界値は有る筈だけど、ハジメと戦える時点でかなりのモノね?

 だけど技能に因る底上げなら、強化解除か技能封印に弱い筈。

 私なら確殺ね☆」

 

「流石は水晶。やっぱり知識チート」

 

水晶はステータスの高さや、スキルのチートぶりも鬼だが?

単純に長命種なので、知識量も豊富である。

 

「それで王都では、

 ユキナを追って来た魔人と戦闘か。どうだった?」

 

「アレ自体はどうと言う事も無い。

 問題は、アレが王都に居た。と言う点だろう」

 

「王都の結界だな?

 魔人はもう、易々と結界を突破出来るのか?或いは!と言った処か」

 

「神は邪神で教会は狗。

 色々と問題だが、手引きが有ってもおかしく無い」

 

「その教会のバーン大迷宮では、聖女とやらが鏖殺か。

 関わって大丈夫か?」

 

「放置の方が危険だと判断した。

 教会の全てを相手取るにも、手札が足りていない」

 

教会関係者。詰り信者だけを選んで殺すぐらいなら?

それこそ聖女のように、鏖殺した方が手間が少ない。

 

「それで幸利達はグリューエンに行く訳だな?」

 

 

「あの、ユキナさん。で良いんですよね?」

 

「えぇ、シア。だったわね」

 

幸利達が難しい話をしている間、同じように置いて行かれたのか?

兎人族の、シアが話し掛けて来る。

でも雑談が目当てでは無いのは直ぐに解った。シアも銀髪だったから。

 

「もしかしてユキナさんも、ですよね?」

 

「そうね。見ての通りよ」

 

亜人にとって、銀髪は固有魔法発現の証。

そして故郷の掟で追放されるのも同じ。

同じ筈なのだけど、でもシアの家族は違った。

シア一人を追放する事無く一族総出で同行した。

羨ましく何か無い。と言ったら嘘でしょうね?

故郷を追われて、それなりの苦労はして来た心算だから。

 

「でもそれがどうしたの?」

 

「ユ、ユキナさん」

 

きっとシアに悪気は無い。

自分と同じ銀髪の私を見て、勝手に共感した。顔を見れば解るわ。

そして仲良くなれると思った。同じ銀髪だから。

 

 

グリューエンに向かうコチラとは異なり、ハジメ達は樹海に向かう。

既にハウリア族を率いているので、これは確定。再び別行動となる。

 

ハジメは既に渡したライセン大迷宮のクリア報酬の鉱石で、

今度こそマトモな通信機を作る!と言うが、

それはアリアの花通信で解決している案件だった。

 

「オィオィ、オレにお花に向けてお喋りしろと?

 オレは恋する乙女か!?」

 

「そこまで気にする事か?

 普段はユエに渡して置くとかでも良いだろう?」

 

ハジメ的に?花に話し掛けるのはアウトらしい。

一晩時間をくれ!通信機を作る!!とまで言って来た。

だがただの通信機では、アリアの花通信には勝てない。

アレは花を中継して世界規模の通信を可能にする代物だ。

それこそ通信衛星でも造らない限りは!一晩では厳しいだろう。

 

「それにこう言うタイプも有る」

 

だがハジメの言うように、花に話し掛けるのが怪しいのも事実。

と言う訳で既に対応済だ。

アリアの花を生きたまま、アクセサリーに加工した。

ブローチ。ペンダント。イヤリング。腕輪型など。

これなら通信しても、独り言で済む。

 

「アクセサリー型か、まぁこれなら」

 

「ユ、ユキナさん」

 

ハジメが納得し掛けた処で、それは聞こえて来る。

シアの困惑気味の声。そのシアに背を向けて走り去るユキナ。

どうやら目を離した隙にトラブルらしい。

 

「行って来る。

 他を宿まで頼む」

 

ハジメに他のRoseliaのメンバーの事を頼んで、直ぐにユキナを追う。

水晶は当然のような顔で着いて来る。時は夕闇の黄昏。

 

「アテは有るの?」

 

「大丈夫だ。問題無い」

 

丁度ハジメと話していたネタだが、

アリアの花を加工したアクセサリーは?

Roseliaのメンバー全員に渡して有る。

これならイザと言う時に連絡が取れるし、位置も特定可能だ。

だが今回はそれも必要無かったらしい。

 

「歌が聴こえる。ユキナの歌だ」

 

黄昏のブルックにユキナの歌が響く。

だが初めてユキナと逢った時と同じように、道行く者は誰も反応しない。

昼の路上ライヴとはまるで違う反応。【界境の歌姫】だ。

 

「ユキナからオーダーだ。行くとしよう」




本作ではハジメは目も腕も健在なので、
スカ○ター型(笑)眼鏡と、籠手型アーティファクトを装備しています。

シアが同じ銀髪の亜人と出逢ったら?
仲良くなりたくて近づくと思います。
しかしユキナは、独りで故郷を追放された設定です。反発必至。
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