どんなクロスキャラが居てもおかしく無い事に気付いたよ!
さすエヒです。カミサマ☆
「………清水。大丈夫?」
「あぁ、大丈夫だ。問題無い」
園部の声と、
繋がれた手の温もりで正気に戻った。
余りの詰みゲー展開に、SANチェックが入ったようだ。
きっと園部は精神分析持ちに違い無い!(錯乱)
「救済さえ終われば帰してくれるかもしれない。……どうですか?」
「そうですな。エヒト様も救世主の願いを無下にはしますまい」
最後の晩餐が出来そうな別の部屋に案内されて、
告げられた教皇だか神官長だかの、詰みゲーの説明は以下の通り↓
1/
今回の件はやはり異世界召喚。
召喚者は彼等が信仰するエヒト神であり、彼等に送還などの手立ては無い。
2/
異世界トータスは、人と亜人と魔人の住む世界であり、人と魔人は戦争中。
劣勢の人類を救う為、自分達は援軍として召喚された。
召喚された神の使徒として、人類に勝利を!バックアップはするとの事。
3/
天之河が楽観論を謳っているが?戦争に勝っても、日本に還れる保証は無い。
やはり詰みゲーだった。
大体どうして、平和な日本の一般学生を召喚するかな?
自衛隊か、在日米軍のプロを召喚しろ!と言いたい。
ハッキリ言って職業軍人を召喚すれば?
フィジカルな戦闘能力や実戦経験の他にも、
現代兵器のファンタジー世界持ち込みが望める。
自分がエヒト神なら、情け容赦無く人員込みで原潜を召喚する。
勿論核の搭載艦を!である。
エヒト神は、本気で人類を勝たせる心算か?
それとも核爆撃より、一般学生に価値が有るとでも?
「………どう思う?」
「どうしようも無い。
詰みゲー確定だが、神の使徒とやらの使命放棄もキツイ。
使命を放棄した役立たずまで、バックアップしてくれるとは思えない」
と、此処からは小声で伝える。
だが戦争の駒として、延々と戦う心算は無い。
暫くは訓練と言う名のチュートリアル期間を設けるらしい。
そこで異世界で生きるすべを習い、離脱の準備を進める。
戦いたい奴は戦えば良い。
顔も名前も知らない奴等の為に、命を賭けて人殺しを続ける。
それは尊く立派だ。だが覚悟が無い。
魔人とやらは、日本人の認識的に恐らく人型種族だ。
人の姿をした者達を、何処まで殺し続けられるか見物だな?
それ以前に、
あの教皇率いる聖教教会に逆らえば、普通に人間との戦争も在り得る。
異端認定とかな?悪名高い魔女裁判の仲間だ。
宗教が巨大な権力を握っていた危険な時代。お約束だろ?
と、こんな事を考察デキる時点で?まだ最悪の手前だ。
召喚と同時に洗脳や記憶改竄。思考誘導で奴隷兵。
即座に戦場送りになるよりは、まだましな方。
「洗脳!?」
「………初手から洗脳は有効な手段だ。
違和感を抱く機会が無い」
他に思い付くパターンは?
別の場所に浚われたクラスメイトが居て、
そのクラスメイトの存在を、既に忘れている可能性だ。
自身の学生証を取り出す。
清水幸利。
自分の名前だ。その裏面には、
南雲ハジメ。園部優花。の名前がメモってある。
「………それは?」
「友人リストだ。
こんな時の為の点呼リストでもある」
取り出した学生証に気付いた園部が問い質して来る。
記憶は、人にとって最も大切な自身だと思っている。
これを侵す事は最も許されない。
この学生証のメモは?ガチで記憶改竄対策の一つだ。
「清水が、
本気で記憶改竄対策とかしちゃうヤツなのは解った」
今まで手を離さなかった園部が?
手を離してヤレヤレポーズを取る。選択を間違えた!?
「………でも、
私に何か遭ったら、捜してくれる心算だったの?」
†
教皇イシュタルの御高説は終り、教会の外に出る。
此処は聖教教会の総本山。神山の頂に在った。
これから麓のハイリヒ王国へ赴き、今度は国王と謁見するらしい。
神の使徒降臨の報告と、快く戦争参加を表明した報告だろう。
着々と使命は果たされるって事だ。
だがそれも束の間。他のクラスメイト達は、
初めて見る異世界の、神山から見下ろせる光景に目を奪われていた。
此処が地球上の外国で、これが観光か何かなら?と言った処だ。
「幸利」
だがその最中に目を、意識を奪って行ったのは園部だった。
神山の教会を背に、園部は宣言する。
「今から私の事は優花、と呼びなさい。
私も名前で、幸利って呼ぶ事にしたから」
「解った、優花。
………コレで良いか?」
名前呼びイベント!
世の中最初から、名前呼びを許すヒロインも珍しくは無いが?
今まで名字呼びだった相手を、
名前で呼べるようになるのは、萌えるモノが有る。
リアルでは、更に得難い展開。躊躇は無い。
「///
アッサリ言うな、バカ!」
†
神山を下り、麓のハイリヒ王国に入国。
そこで国王との謁見。
他にも王女やら幼い王子やら、国の重鎮やらの紹介。
その辺りは唯一の大人(笑)の畑山先生や、
既にリーダーと目されつつ在る天之河が主立って対応する。
面倒を進んで引き受けてくれるのは、楽で良い。
こう言うのはクラス委員時代に、無駄に体験した。
謁見とその後の晩餐会を終えて、与えられた部屋に下がる。
一人一部屋の個室だった。
オーソドックスな中世ファンタジー世界の文明Lvを考慮すると、
悪く無い部屋だと思う。
だが寝る前に個室を出る。
貫徹も珍しく無いゲーマーには?まだ早い時間だった。
「………幸利」
「優花もまだ起きていたか」
部屋割りは男女で別フロアだったが、
共用スペースのラウンジの外、バルコニーに優花が居た。
既に就寝用のネグリジェにガウンを羽織ったダケの姿だったが、
特に寒そうな素振りは無い。
名前呼びの一件の時とは違い、もう落ち着いているようにも見えた。
勿論此処で、ネグリジェ姿の優花をガン見する愚は犯さない。
真のゲーマーたる者、いつでも心のCGモードで回想可能!(嘘)
「眠れ無くて、ね」
暫く無言の時が過ぎる。
だが、何か話が有るのは察していた。
「………幸利は離脱するって言ったよね?
皆と別れてどうするの?」
「天之河の言い分は、アテの無い楽観論だ。教皇の回答もな?
相手は強制召喚を実行するようなカミサマだ。そもそもアテにナラナイ。
別の手段を探すべきだ」
「………それこそ、アテは有るの?」
此処は異世界。
探すべきは異世界転移。
難易度は途方も無く高い。
その上!確実に手札を持つ、神の掌を離れる選択を選ぼうとしている。
無謀と笑うべき選択だ。
「無い。
だが、往かなくてはナラナイ」
「………どうして?」
「何もしない者に、望んだイベントはやってこない。
手を伸ばさない者に、つかめるモノは無い!」
一陣の風が吹く。
優花の髪が流されて、リアル一枚絵が彩られる。
優花は少し呆然として、やがて笑った。
「意外。
幸利はゲーマーだから、ファンタジーな異世界で永住する!
とか言い出すかと思った」
その時の優花が浮かべる表情は、
笑顔。と言うより、安堵に近かったのかもしれない。
「ゲーマーだが、ファンタジー世界に住みたいと思った事は無い。
好き好んで、文明の劣るセカイに住むとか!ナイワ~。
此処がSF系の世界なら、まだ考慮するが?」
と素直に答えると、全力で笑われた。
こんなに笑う優花は初めて見る。
「………幸利。
往く時は声を掛けなさい。私も往くから」
「まずはレベリングから、だがな?」
異世界転移初日、夜。
パーティー参加イベント発生。
詰みゲーにしては、幸先の良いスタート。
異世界転移初日の夜。
割と眠れない奴も多いと思う。
共用スペースのラウンジって?人が集まりますかね?