ありふれた英雄願望(挫折)で世界最強   作:LW

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久々の投稿です☆
生存報告&フラグ回収回!

視点は?
雫→ガライ(オリキャラ)→清水(挫折)となります。


29 ホルアドの勇者

大迷宮攻略は足踏みを続けている。

まずは人数の不足。

前回の60層への転移事故。崩落。そして初めての犠牲。

もう一度大迷宮に挑もうと言うクラスメイトは、確実に数を減らしていた。

 

それでも大迷宮に挑む事を決めた光輝率いる勇者パーティーは、

次の難題に直面する。

前回60層で起きた崩落で、地下渓谷が通行不能。

突貫で橋を架け直す必要が出て来た。

でも魔物が出て来る場所で復旧作業は出来ないから、

60層を制圧する事なったと、メルド団長から聞いている。

 

「冒険者を雇う、ですか?」

 

「そうだ。

 橋の復旧の為に60層を制圧する事は話したと思うが、

 戦力が足りない。

 工兵や職人、資材を運ぶ者やその護衛も要る。

 幸いホルアドの冒険者ギルドは、快く応じてくれた」

 

と言っていたメルド団長の顔は苦い。

きっと相応の代価を払ったんだと思う。

光輝は笑顔を浮かべて、まるで気付いていないだろうな?と言う顔。

ボランティアか何かだと思っていそう。

 

「あっ………」

 

集められた冒険者、

オルクス大迷宮に日夜潜り続ける人達。

その中に、あの人が居た。

 

 

「魔人との戦争は近いと、もう多くの者が感じている筈。

 だと言うのに?」

 

「それが依頼だ。

 なぁに、それだけ期待してるって事だろう」

 

樹海でバケモノと遭遇した護衛依頼の後、

ウータイと共にホルアドまで流れて来ると、

ギルドで指名依頼が入った。

指名して来たのはホルアドの冒険者ギルドの支部長だ。

と言ってもロア支部長は仲介役で、

大元の依頼人はハイリヒ王国であり、その糸を引いているのは教会だろう。

 

だが支部長室に通されて聞かされた依頼内容は?

耳を疑うような呆れた内容だった。

 

「滅多に到達する者も居ない大迷宮の橋の復旧。

 こんな時期に使う人と金か?

 それに今回集まった冒険者達も、60層など拝んだ事も無いだろう?」

 

「だろうな?

 だがその為のお前だ、ガライ」

 

王国からの依頼は、オルクス大迷宮60層の地下峡谷の橋の復旧。

橋の復旧を行う工兵や職人だけでは無く、

資材の運搬も必要となり、その護衛も要る。これは大事。

あの橋を復旧出来る人数を容易く送り込める程、60層は甘く無い。

 

故にロア支部長の策はこうだ。

まず30層の転移陣前で中継のキャンプを張る。

30層までなら、難易度は圧倒的に下がる。

此処までなら到達出来る冒険者も多いだろう。

そこから転移陣を使って、人材と資材を60層に直接送り込む。

 

「オルクス大迷宮の最深到達者は、

 お前だったな?」

 

「………」

 

手にはめた指輪を見る。

大迷宮の攻略を示す光りは3つ灯っている。

これは30層。60層。90層の攻略を示すモノだ。

これを使えば今回問題になっている60層処か、

復旧などしなくても、転移陣で90層まで行けるのだが?

その心算は無い。ギルドに報告もしていない。

人類の最深到達階層は?今も変わらないままだ。

 

「転移陣が開けるだけだ。

 60層の階層主が湧き続ける」

 

「その為の冒険者。

 その為のお前だ」

 

指輪に光りが灯っても、

指輪に認証されていない者を大量に連れて行っては、

その度に階層主が湧く。

それを排除し続けろとロア支部長は言う。

 

「不可能か?」

 

「今更ベヒモスに負ける気は無いが、

 いくらでも足枷が居る状態での戦いが続く事になる。

 面倒な話だ」

 

他の冒険者達がアテになる気がしない。

確実にアテになるのはウータイだけだろう。

 

「♪♪♪」

 

「仲が良いな?オマエラ」

 

面倒な依頼に憂鬱になり、無意識にウータイの頭を撫でる。

支部長からの指名依頼!断るのは難しい。

 

「あぁ、修行中の神の使徒。

 勇者サマ達も復旧に参加するらしい」

 

「………それこそアテにならない。

 護衛対象が増えるだけだ」

 

 

「懐かしきホルアド、と言う程でも無いか」

 

フューレンで漆黒と言うビッグネームに遭遇した後、

何の問題も無く素材は集まり化粧品も補充。

直ぐにフューレンを発ち、やがてホルアドに到着!順調な旅路だ。

強いて問題を挙げるなら?

水晶とユキナで両腕に花をやっていて、周囲の視線を集めている事だろう。

こうした無駄に問題が起きそうな行為は(普段は)控えている訳だが?

今回は気にしていない。ホルアドも素通りの予定だ。

何より!両腕に花を堪能しないでどうする?

 

「オルクス攻略の拠点。だったのよね?」

 

「そうだな?

 まぁ潜ってばかりで、散策はして無いも同じだったが」

 

ユキナの声が近い。腕を組んでいるのだから当然である。

例のブルックでの一件から、距離が更に縮まった気がする。

旅の間も、重度の猫トリップを発症していない。

 

「と言いつつ、マスターの初デートはホルアドだった!まる」

 

「それを今!暴露するか?」

 

水晶の揶揄う声も、反対側から聞こえて来る。

コネクトの際に記憶を覗ける水晶に、隠し事は出来無い。

もうとっくに開き直った現実である。

 

「………確か優花。だったかしら?」

 

「園部優花。

 マスターと唯一仲の良かったクラスメイト。勿論女子枠☆」

 

「唯一とか言われるとアレだな?」

 

と言う訳で隠し事の類はしていない。

ユキナにも、日本での出来事を話す機会は充分に有った。

 

「なら、他に誰か居たの?」

 

「女友達なら、八重樫とか八重樫とか白崎とかだな」

 

「マスター?

 同じ名前が二回出ているわ」

 

他に名前が出ない!

薄情な話だが、優花のパーティーに居た他の女子メンバーの名前が出ない。

それ程までにオルクスの奈落は過酷だった!とも言う。

因みに八重樫はコミュ力高めの友人が多いタイプで、

白崎はハジメ繋がりの交友関係だ。特別の仲では無い。

 

「そう、ならいいわ」

 

「チェックを入れるなら、優花一択ね☆」

 

これがフェクションの幻想と謳われたイチャコラモードか!?

両サイドから伝わって来るふたりの感触が幸せです!

 

「………全く、公衆の面前で」

 

「まぁまぁ、流石にアレを止めるのは悪いよ」

 

後ろから続く他のRoseliaの面々からは?

呆れやら諦めやらの波動が突き刺さる。だが!

 

「でも…随分急いでます…よね?」

 

「リンリン!?」

 

「………リンコさん。やりますね」

 

「勇者だ。勇者が居るよ」

 

そこに勇者リンコ降臨☆

イチャコラモードの中!通常会話を挿し込んで来る。

流石は勇者!両サイドにラスボスとメインヒロインが居ても怯まない!!

しかも動きがフリーである事を活かし、

手を後ろに組んで、覗き込む上目遣いポーズ!

これで恐らく他意の無いナチュラルスタイル!やってくれる奴である。

 

「そうだな?

 グリューエンではロマンが、恐らく待っている」

 

「前にも…言っていました。

 火山が好き…何ですか?」

 

「グリューエン大火山は噴火した。

 王都を発つ前の事だ。これは重要イベントだと判断すべきだろう。

 だから急いでいた。と言う訳だ」

 

アリアの花通信は、既にグリューエン大火山を擁するアンカジを押さえている。

大都市のフューレンですら?まだ噴火情報は入っていない様子だった。

流石はファンタジー、情弱である。まだ一番乗りが充分狙えそうだ。

 

「し、清水君!?」

 

などと不穏な事を考えていた所為か?

八重樫の事を噂していた所為か?当の本人と町中でバッタリ遭遇☆

マズイな、完全にロックされた。素通りの予定が!

 

「………八重樫か、

 今日もポニテが決まっていて何よりだ」

 

 

「あれは凄かった。本当に」

 

「八重樫の口から、男の話を聞く事になるとは」

 

八重樫とバッタリ再会して、生存報告をした後。

結局!例の騎士団御用達の宿まで連行される事になった。

他のクラスメイトにも生存報告を!との事。

 

宿に連行される道中、クラスメイトの近況も聞かされていた。

表層60層での水晶の砲撃。橋の崩落。初の犠牲者。

クラスメイトの団結は分断されて、いくつかのグループに!

 

その一つ!積極的に神の使徒の使命を果たし、

日本への帰還の道を拓こうとする勇者パーティー。

天之河は相変わらずらしい。

 

だが表層60層の橋が崩落した事で、経験値稼ぎは足踏みを始める。

それを打開するために冒険者が雇われて、頭角を現した。

ガライとウータイ。

黒ランクの刀使いと、兎人族の亜人の二人組。

湧き続ける表層60層のベヒモスをワンパンで仕留めたり、

ジャイアントスイングで放り投げたりしているらしい。

八重樫的には?刀使いの評価が高いようだ。刀の冴えの話が長い。

 

これはハジメ達と交戦した要注意人物と符合する相手だ。

名前も一致。殆ど確定情報。

今もオルクスの表層60層で、橋の復旧作業に従事しているとの事。

因みに八重樫達クラスメイトは、半舷休息で町に戻っていたらしい。

 

「それを言うなら、清水君の方でしょ?

 例の歌姫さんは捕まえたの?って訊くまでも無いかな」

 

両腕に花で、更にRoseliaのメンバーが後に続く状況。

だが八重樫の視線は、ユキナをしっかり捉えていた。

 

「良く解ったな?」

 

「何と無く、ね?

 何処か無茶をしそうな感じがしたから」

 

本当に察しが良い。

リサと意気投合しそうな気がする。

 

「それで、今まで何をしていたの?」

 

「七つの大迷宮を巡る神代魔法を求める旅!だな?

 後はバンド活動だ」

 

橋の崩落の後、オルクスの奈落で世界の真実を知る。

異世界召喚を実行したカミサマが、全ての黒幕!

そこで日本に帰還する手段を神代魔法に求めた。

 

だがユキナとの再会を優先して王都に戻り、

バンドを組む事に、と言う辺りで八重樫の思考が空転する。

 

「色々と詰め込み過ぎでしょ!

 世界の真実とかカミサマとかの件もそうだけど、

 そこでどうしてバンド活動に繋がるの!?」

 

「ユキナの笑顔を見ていたくなった。

 Roseliaと過ごすのも悪く無いと思った。それだけだ」

 

シリアスモードに移行。

両腕に花状態を解除して、しっかり八重樫に向き直る。

八重樫の視線も強い。

 

「清水君は、日本に戻らない心算なの?」

 

「そうは言っていない。

 だが日本とユキナなら、ユキナを選ぶ」

 

神代魔法をコンプリートして、

帰還の手札を手に入れても?ユキナを連れて行けないかもしれない。

連れて行けても、ユキナに日本での生活は厳しいかもしれない。

その時は躊躇わない。トータスに残る。

ユキナを手放すような事はしない。

 

因みに此処で、水晶の心配はしていない。

何か心配する事が在るの?と言う感じだ。

連れて行けるかどうか?きっと何とかする。

生きて行けるかどうか?元々日本在住者だ。

戸籍?資金?世間体?どうとでもなる!

 

「そう、もう決めたのね。

 ………優花の処にも、顔を出しなさいよ?」

 

「優花もホルアドに来ているのか?」

 

オルクスで初の犠牲(誤報)を出した時、

クラスメイト達はバラバラになった。

死にたく無い。解り易い行動だ。

勇者パーティーのように、使命の続行を選んだ者は少ない。

多くが王都に留まる事を選んだ。現代の社会問題と同じヒキコモリである。

 

それでも優花は立ち上がった。

勇者パーティーのように前線には立てないが、何かしたい!と。

今は畑山先生と、後方支援に従事しているらしい。

 

「今気付いた訳だが、また同じ説明をする事にならないか?」

 

以前も世話になった騎士団御用達の宿に到着した。

予想通りエンドレスで生存報告をする事に!

意外だったのは、自分の生存が随分と喜ばれた事だ。

だがメインイベントは?白崎の件だろう。

 

「清水君!

 南雲君は!南雲君は一緒じゃないの!?」

 

「落ち着け白崎、

 別行動中だがハジメも無事だ」

 

迎えに行く!と言って聞かないので、

オルクスを出る際に受け取ったGPSを渡した。

運が良ければ樹海から戻ったハジメ達と、ブルック辺りで合流出来るだろう。

 

「香織、どうして」

 

「解らないのか?好きだからだ。

 どうしようもなく、白崎はハジメの事が好き何だ」

 

天之河がアレだったので、バッサリ教えた。

結局天之河も、白崎に同行してブルック方面に旅立つ事になる。




この後香織は?
場所がブルックに代わっただけで、原作通り告白→パーティーinです。
天之河の惨敗イベントも発生します。

但し香織のパーティーinが原作より早いので、
香織もライセンに同行します。香織の強化フラグです。

次回から遂に!グリューエン大迷宮編。
新規ヒロイン登場☆
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