ありふれた英雄願望(挫折)で世界最強   作:LW

30 / 39
久々の投稿です☆
生存報告&フラグ回収回!

視点は?
雫→ガライ(オリキャラ)→清水(挫折)となります。


29 ホルアドの勇者

大迷宮攻略は足踏みを続けている。

まずは人数の不足。

前回の60層への転移事故。崩落。そして初めての犠牲。

もう一度大迷宮に挑もうと言うクラスメイトは、確実に数を減らしていた。

 

それでも大迷宮に挑む事を決めた光輝率いる勇者パーティーは、

次の難題に直面する。

前回60層で起きた崩落で、地下渓谷が通行不能。

突貫で橋を架け直す必要が出て来た。

でも魔物が出て来る場所で復旧作業は出来ないから、

60層を制圧する事なったと、メルド団長から聞いている。

 

「冒険者を雇う、ですか?」

 

「そうだ。

 橋の復旧の為に60層を制圧する事は話したと思うが、

 戦力が足りない。

 工兵や職人、資材を運ぶ者やその護衛も要る。

 幸いホルアドの冒険者ギルドは、快く応じてくれた」

 

と言っていたメルド団長の顔は苦い。

きっと相応の代価を払ったんだと思う。

光輝は笑顔を浮かべて、まるで気付いていないだろうな?と言う顔。

ボランティアか何かだと思っていそう。

 

「あっ………」

 

集められた冒険者、

オルクス大迷宮に日夜潜り続ける人達。

その中に、あの人が居た。

 

†

 

「魔人との戦争は近いと、もう多くの者が感じている筈。

 だと言うのに?」

 

「それが依頼だ。

 なぁに、それだけ期待してるって事だろう」

 

樹海でバケモノと遭遇した護衛依頼の後、

ウータイと共にホルアドまで流れて来ると、

ギルドで指名依頼が入った。

指名して来たのはホルアドの冒険者ギルドの支部長だ。

と言ってもロア支部長は仲介役で、

大元の依頼人はハイリヒ王国であり、その糸を引いているのは教会だろう。

 

だが支部長室に通されて聞かされた依頼内容は?

耳を疑うような呆れた内容だった。

 

「滅多に到達する者も居ない大迷宮の橋の復旧。

 こんな時期に使う人と金か?

 それに今回集まった冒険者達も、60層など拝んだ事も無いだろう?」

 

「だろうな?

 だがその為のお前だ、ガライ」

 

王国からの依頼は、オルクス大迷宮60層の地下峡谷の橋の復旧。

橋の復旧を行う工兵や職人だけでは無く、

資材の運搬も必要となり、その護衛も要る。これは大事。

あの橋を復旧出来る人数を容易く送り込める程、60層は甘く無い。

 

故にロア支部長の策はこうだ。

まず30層の転移陣前で中継のキャンプを張る。

30層までなら、難易度は圧倒的に下がる。

此処までなら到達出来る冒険者も多いだろう。

そこから転移陣を使って、人材と資材を60層に直接送り込む。

 

「オルクス大迷宮の最深到達者は、

 お前だったな?」

 

「………」

 

手にはめた指輪を見る。

大迷宮の攻略を示す光りは3つ灯っている。

これは30層。60層。90層の攻略を示すモノだ。

これを使えば今回問題になっている60層処か、

復旧などしなくても、転移陣で90層まで行けるのだが?

その心算は無い。ギルドに報告もしていない。

人類の最深到達階層は?今も変わらないままだ。

 

「転移陣が開けるだけだ。

 60層の階層主が湧き続ける」

 

「その為の冒険者。

 その為のお前だ」

 

指輪に光りが灯っても、

指輪に認証されていない者を大量に連れて行っては、

その度に階層主が湧く。

それを排除し続けろとロア支部長は言う。

 

「不可能か?」

 

「今更ベヒモスに負ける気は無いが、

 いくらでも足枷が居る状態での戦いが続く事になる。

 面倒な話だ」

 

他の冒険者達がアテになる気がしない。

確実にアテになるのはウータイだけだろう。

 

「♪♪♪」

 

「仲が良いな?オマエラ」

 

面倒な依頼に憂鬱になり、無意識にウータイの頭を撫でる。

支部長からの指名依頼!断るのは難しい。

 

「あぁ、修行中の神の使徒。

 勇者サマ達も復旧に参加するらしい」

 

「………それこそアテにならない。

 護衛対象が増えるだけだ」

 

†

 

「懐かしきホルアド、と言う程でも無いか」

 

フューレンで漆黒と言うビッグネームに遭遇した後、

何の問題も無く素材は集まり化粧品も補充。

直ぐにフューレンを発ち、やがてホルアドに到着!順調な旅路だ。

強いて問題を挙げるなら?

水晶とユキナで両腕に花をやっていて、周囲の視線を集めている事だろう。

こうした無駄に問題が起きそうな行為は(普段は)控えている訳だが?

今回は気にしていない。ホルアドも素通りの予定だ。

何より!両腕に花を堪能しないでどうする?

 

「オルクス攻略の拠点。だったのよね?」

 

「そうだな?

 まぁ潜ってばかりで、散策はして無いも同じだったが」

 

ユキナの声が近い。腕を組んでいるのだから当然である。

例のブルックでの一件から、距離が更に縮まった気がする。

旅の間も、重度の猫トリップを発症していない。

 

「と言いつつ、マスターの初デートはホルアドだった!まる」

 

「それを今!暴露するか?」

 

水晶の揶揄う声も、反対側から聞こえて来る。

コネクトの際に記憶を覗ける水晶に、隠し事は出来無い。

もうとっくに開き直った現実である。

 

「………確か優花。だったかしら?」

 

「園部優花。

 マスターと唯一仲の良かったクラスメイト。勿論女子枠☆」

 

「唯一とか言われるとアレだな?」

 

と言う訳で隠し事の類はしていない。

ユキナにも、日本での出来事を話す機会は充分に有った。

 

「なら、他に誰か居たの?」

 

「女友達なら、八重樫とか八重樫とか白崎とかだな」

 

「マスター?

 同じ名前が二回出ているわ」

 

他に名前が出ない!

薄情な話だが、優花のパーティーに居た他の女子メンバーの名前が出ない。

それ程までにオルクスの奈落は過酷だった!とも言う。

因みに八重樫はコミュ力高めの友人が多いタイプで、

白崎はハジメ繋がりの交友関係だ。特別の仲では無い。

 

「そう、ならいいわ」

 

「チェックを入れるなら、優花一択ね☆」

 

これがフェクションの幻想と謳われたイチャコラモードか!?

両サイドから伝わって来るふたりの感触が幸せです!

 

「………全く、公衆の面前で」

 

「まぁまぁ、流石にアレを止めるのは悪いよ」

 

後ろから続く他のRoseliaの面々からは?

呆れやら諦めやらの波動が突き刺さる。だが!

 

「でも…随分急いでます…よね?」

 

「リンリン!?」

 

「………リンコさん。やりますね」

 

「勇者だ。勇者が居るよ」

 

そこに勇者リンコ降臨☆

イチャコラモードの中!通常会話を挿し込んで来る。

流石は勇者!両サイドにラスボスとメインヒロインが居ても怯まない!!

しかも動きがフリーである事を活かし、

手を後ろに組んで、覗き込む上目遣いポーズ!

これで恐らく他意の無いナチュラルスタイル!やってくれる奴である。

 

「そうだな?

 グリューエンではロマンが、恐らく待っている」

 

「前にも…言っていました。

 火山が好き…何ですか?」

 

「グリューエン大火山は噴火した。

 王都を発つ前の事だ。これは重要イベントだと判断すべきだろう。

 だから急いでいた。と言う訳だ」

 

アリアの花通信は、既にグリューエン大火山を擁するアンカジを押さえている。

大都市のフューレンですら?まだ噴火情報は入っていない様子だった。

流石はファンタジー、情弱である。まだ一番乗りが充分狙えそうだ。

 

「し、清水君!?」

 

などと不穏な事を考えていた所為か?

八重樫の事を噂していた所為か?当の本人と町中でバッタリ遭遇☆

マズイな、完全にロックされた。素通りの予定が!

 

「………八重樫か、

 今日もポニテが決まっていて何よりだ」

 

†

 

「あれは凄かった。本当に」

 

「八重樫の口から、男の話を聞く事になるとは」

 

八重樫とバッタリ再会して、生存報告をした後。

結局!例の騎士団御用達の宿まで連行される事になった。

他のクラスメイトにも生存報告を!との事。

 

宿に連行される道中、クラスメイトの近況も聞かされていた。

表層60層での水晶の砲撃。橋の崩落。初の犠牲者。

クラスメイトの団結は分断されて、いくつかのグループに!

 

その一つ!積極的に神の使徒の使命を果たし、

日本への帰還の道を拓こうとする勇者パーティー。

天之河は相変わらずらしい。

 

だが表層60層の橋が崩落した事で、経験値稼ぎは足踏みを始める。

それを打開するために冒険者が雇われて、頭角を現した。

ガライとウータイ。

黒ランクの刀使いと、兎人族の亜人の二人組。

湧き続ける表層60層のベヒモスをワンパンで仕留めたり、

ジャイアントスイングで放り投げたりしているらしい。

八重樫的には?刀使いの評価が高いようだ。刀の冴えの話が長い。

 

これはハジメ達と交戦した要注意人物と符合する相手だ。

名前も一致。殆ど確定情報。

今もオルクスの表層60層で、橋の復旧作業に従事しているとの事。

因みに八重樫達クラスメイトは、半舷休息で町に戻っていたらしい。

 

「それを言うなら、清水君の方でしょ?

 例の歌姫さんは捕まえたの?って訊くまでも無いかな」

 

両腕に花で、更にRoseliaのメンバーが後に続く状況。

だが八重樫の視線は、ユキナをしっかり捉えていた。

 

「良く解ったな?」

 

「何と無く、ね?

 何処か無茶をしそうな感じがしたから」

 

本当に察しが良い。

リサと意気投合しそうな気がする。

 

「それで、今まで何をしていたの?」

 

「七つの大迷宮を巡る神代魔法を求める旅!だな?

 後はバンド活動だ」

 

橋の崩落の後、オルクスの奈落で世界の真実を知る。

異世界召喚を実行したカミサマが、全ての黒幕!

そこで日本に帰還する手段を神代魔法に求めた。

 

だがユキナとの再会を優先して王都に戻り、

バンドを組む事に、と言う辺りで八重樫の思考が空転する。

 

「色々と詰め込み過ぎでしょ!

 世界の真実とかカミサマとかの件もそうだけど、

 そこでどうしてバンド活動に繋がるの!?」

 

「ユキナの笑顔を見ていたくなった。

 Roseliaと過ごすのも悪く無いと思った。それだけだ」

 

シリアスモードに移行。

両腕に花状態を解除して、しっかり八重樫に向き直る。

八重樫の視線も強い。

 

「清水君は、日本に戻らない心算なの?」

 

「そうは言っていない。

 だが日本とユキナなら、ユキナを選ぶ」

 

神代魔法をコンプリートして、

帰還の手札を手に入れても?ユキナを連れて行けないかもしれない。

連れて行けても、ユキナに日本での生活は厳しいかもしれない。

その時は躊躇わない。トータスに残る。

ユキナを手放すような事はしない。

 

因みに此処で、水晶の心配はしていない。

何か心配する事が在るの?と言う感じだ。

連れて行けるかどうか?きっと何とかする。

生きて行けるかどうか?元々日本在住者だ。

戸籍?資金?世間体?どうとでもなる!

 

「そう、もう決めたのね。

 ………優花の処にも、顔を出しなさいよ?」

 

「優花もホルアドに来ているのか?」

 

オルクスで初の犠牲(誤報)を出した時、

クラスメイト達はバラバラになった。

死にたく無い。解り易い行動だ。

勇者パーティーのように、使命の続行を選んだ者は少ない。

多くが王都に留まる事を選んだ。現代の社会問題と同じヒキコモリである。

 

それでも優花は立ち上がった。

勇者パーティーのように前線には立てないが、何かしたい!と。

今は畑山先生と、後方支援に従事しているらしい。

 

「今気付いた訳だが、また同じ説明をする事にならないか?」

 

以前も世話になった騎士団御用達の宿に到着した。

予想通りエンドレスで生存報告をする事に!

意外だったのは、自分の生存が随分と喜ばれた事だ。

だがメインイベントは?白崎の件だろう。

 

「清水君!

 南雲君は!南雲君は一緒じゃないの!?」

 

「落ち着け白崎、

 別行動中だがハジメも無事だ」

 

迎えに行く!と言って聞かないので、

オルクスを出る際に受け取ったGPSを渡した。

運が良ければ樹海から戻ったハジメ達と、ブルック辺りで合流出来るだろう。

 

「香織、どうして」

 

「解らないのか?好きだからだ。

 どうしようもなく、白崎はハジメの事が好き何だ」

 

天之河がアレだったので、バッサリ教えた。

結局天之河も、白崎に同行してブルック方面に旅立つ事になる。




この後香織は?
場所がブルックに代わっただけで、原作通り告白→パーティーinです。
天之河の惨敗イベントも発生します。

但し香織のパーティーinが原作より早いので、
香織もライセンに同行します。香織の強化フラグです。

次回から遂に!グリューエン大迷宮編。
新規ヒロイン登場☆
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。