生存報告&フラグ回収回!
視点は?
雫→ガライ(オリキャラ)→清水(挫折)となります。
大迷宮攻略は足踏みを続けている。
まずは人数の不足。
前回の60層への転移事故。崩落。そして初めての犠牲。
もう一度大迷宮に挑もうと言うクラスメイトは、確実に数を減らしていた。
それでも大迷宮に挑む事を決めた光輝率いる勇者パーティーは、
次の難題に直面する。
前回60層で起きた崩落で、地下渓谷が通行不能。
突貫で橋を架け直す必要が出て来た。
でも魔物が出て来る場所で復旧作業は出来ないから、
60層を制圧する事なったと、メルド団長から聞いている。
「冒険者を雇う、ですか?」
「そうだ。
橋の復旧の為に60層を制圧する事は話したと思うが、
戦力が足りない。
工兵や職人、資材を運ぶ者やその護衛も要る。
幸いホルアドの冒険者ギルドは、快く応じてくれた」
と言っていたメルド団長の顔は苦い。
きっと相応の代価を払ったんだと思う。
光輝は笑顔を浮かべて、まるで気付いていないだろうな?と言う顔。
ボランティアか何かだと思っていそう。
「あっ………」
集められた冒険者、
オルクス大迷宮に日夜潜り続ける人達。
その中に、あの人が居た。
†
「魔人との戦争は近いと、もう多くの者が感じている筈。
だと言うのに?」
「それが依頼だ。
なぁに、それだけ期待してるって事だろう」
樹海でバケモノと遭遇した護衛依頼の後、
ウータイと共にホルアドまで流れて来ると、
ギルドで指名依頼が入った。
指名して来たのはホルアドの冒険者ギルドの支部長だ。
と言ってもロア支部長は仲介役で、
大元の依頼人はハイリヒ王国であり、その糸を引いているのは教会だろう。
だが支部長室に通されて聞かされた依頼内容は?
耳を疑うような呆れた内容だった。
「滅多に到達する者も居ない大迷宮の橋の復旧。
こんな時期に使う人と金か?
それに今回集まった冒険者達も、60層など拝んだ事も無いだろう?」
「だろうな?
だがその為のお前だ、ガライ」
王国からの依頼は、オルクス大迷宮60層の地下峡谷の橋の復旧。
橋の復旧を行う工兵や職人だけでは無く、
資材の運搬も必要となり、その護衛も要る。これは大事。
あの橋を復旧出来る人数を容易く送り込める程、60層は甘く無い。
故にロア支部長の策はこうだ。
まず30層の転移陣前で中継のキャンプを張る。
30層までなら、難易度は圧倒的に下がる。
此処までなら到達出来る冒険者も多いだろう。
そこから転移陣を使って、人材と資材を60層に直接送り込む。
「オルクス大迷宮の最深到達者は、
お前だったな?」
「………」
手にはめた指輪を見る。
大迷宮の攻略を示す光りは3つ灯っている。
これは30層。60層。90層の攻略を示すモノだ。
これを使えば今回問題になっている60層処か、
復旧などしなくても、転移陣で90層まで行けるのだが?
その心算は無い。ギルドに報告もしていない。
人類の最深到達階層は?今も変わらないままだ。
「転移陣が開けるだけだ。
60層の階層主が湧き続ける」
「その為の冒険者。
その為のお前だ」
指輪に光りが灯っても、
指輪に認証されていない者を大量に連れて行っては、
その度に階層主が湧く。
それを排除し続けろとロア支部長は言う。
「不可能か?」
「今更ベヒモスに負ける気は無いが、
いくらでも足枷が居る状態での戦いが続く事になる。
面倒な話だ」
他の冒険者達がアテになる気がしない。
確実にアテになるのはウータイだけだろう。
「♪♪♪」
「仲が良いな?オマエラ」
面倒な依頼に憂鬱になり、無意識にウータイの頭を撫でる。
支部長からの指名依頼!断るのは難しい。
「あぁ、修行中の神の使徒。
勇者サマ達も復旧に参加するらしい」
「………それこそアテにならない。
護衛対象が増えるだけだ」
†
「懐かしきホルアド、と言う程でも無いか」
フューレンで漆黒と言うビッグネームに遭遇した後、
何の問題も無く素材は集まり化粧品も補充。
直ぐにフューレンを発ち、やがてホルアドに到着!順調な旅路だ。
強いて問題を挙げるなら?
水晶とユキナで両腕に花をやっていて、周囲の視線を集めている事だろう。
こうした無駄に問題が起きそうな行為は(普段は)控えている訳だが?
今回は気にしていない。ホルアドも素通りの予定だ。
何より!両腕に花を堪能しないでどうする?
「オルクス攻略の拠点。だったのよね?」
「そうだな?
まぁ潜ってばかりで、散策はして無いも同じだったが」
ユキナの声が近い。腕を組んでいるのだから当然である。
例のブルックでの一件から、距離が更に縮まった気がする。
旅の間も、重度の猫トリップを発症していない。
「と言いつつ、マスターの初デートはホルアドだった!まる」
「それを今!暴露するか?」
水晶の揶揄う声も、反対側から聞こえて来る。
コネクトの際に記憶を覗ける水晶に、隠し事は出来無い。
もうとっくに開き直った現実である。
「………確か優花。だったかしら?」
「園部優花。
マスターと唯一仲の良かったクラスメイト。勿論女子枠☆」
「唯一とか言われるとアレだな?」
と言う訳で隠し事の類はしていない。
ユキナにも、日本での出来事を話す機会は充分に有った。
「なら、他に誰か居たの?」
「女友達なら、八重樫とか八重樫とか白崎とかだな」
「マスター?
同じ名前が二回出ているわ」
他に名前が出ない!
薄情な話だが、優花のパーティーに居た他の女子メンバーの名前が出ない。
それ程までにオルクスの奈落は過酷だった!とも言う。
因みに八重樫はコミュ力高めの友人が多いタイプで、
白崎はハジメ繋がりの交友関係だ。特別の仲では無い。
「そう、ならいいわ」
「チェックを入れるなら、優花一択ね☆」
これがフェクションの幻想と謳われたイチャコラモードか!?
両サイドから伝わって来るふたりの感触が幸せです!
「………全く、公衆の面前で」
「まぁまぁ、流石にアレを止めるのは悪いよ」
後ろから続く他のRoseliaの面々からは?
呆れやら諦めやらの波動が突き刺さる。だが!
「でも…随分急いでます…よね?」
「リンリン!?」
「………リンコさん。やりますね」
「勇者だ。勇者が居るよ」
そこに勇者リンコ降臨☆
イチャコラモードの中!通常会話を挿し込んで来る。
流石は勇者!両サイドにラスボスとメインヒロインが居ても怯まない!!
しかも動きがフリーである事を活かし、
手を後ろに組んで、覗き込む上目遣いポーズ!
これで恐らく他意の無いナチュラルスタイル!やってくれる奴である。
「そうだな?
グリューエンではロマンが、恐らく待っている」
「前にも…言っていました。
火山が好き…何ですか?」
「グリューエン大火山は噴火した。
王都を発つ前の事だ。これは重要イベントだと判断すべきだろう。
だから急いでいた。と言う訳だ」
アリアの花通信は、既にグリューエン大火山を擁するアンカジを押さえている。
大都市のフューレンですら?まだ噴火情報は入っていない様子だった。
流石はファンタジー、情弱である。まだ一番乗りが充分狙えそうだ。
「し、清水君!?」
などと不穏な事を考えていた所為か?
八重樫の事を噂していた所為か?当の本人と町中でバッタリ遭遇☆
マズイな、完全にロックされた。素通りの予定が!
「………八重樫か、
今日もポニテが決まっていて何よりだ」
†
「あれは凄かった。本当に」
「八重樫の口から、男の話を聞く事になるとは」
八重樫とバッタリ再会して、生存報告をした後。
結局!例の騎士団御用達の宿まで連行される事になった。
他のクラスメイトにも生存報告を!との事。
宿に連行される道中、クラスメイトの近況も聞かされていた。
表層60層での水晶の砲撃。橋の崩落。初の犠牲者。
クラスメイトの団結は分断されて、いくつかのグループに!
その一つ!積極的に神の使徒の使命を果たし、
日本への帰還の道を拓こうとする勇者パーティー。
天之河は相変わらずらしい。
だが表層60層の橋が崩落した事で、経験値稼ぎは足踏みを始める。
それを打開するために冒険者が雇われて、頭角を現した。
ガライとウータイ。
黒ランクの刀使いと、兎人族の亜人の二人組。
湧き続ける表層60層のベヒモスをワンパンで仕留めたり、
ジャイアントスイングで放り投げたりしているらしい。
八重樫的には?刀使いの評価が高いようだ。刀の冴えの話が長い。
これはハジメ達と交戦した要注意人物と符合する相手だ。
名前も一致。殆ど確定情報。
今もオルクスの表層60層で、橋の復旧作業に従事しているとの事。
因みに八重樫達クラスメイトは、半舷休息で町に戻っていたらしい。
「それを言うなら、清水君の方でしょ?
例の歌姫さんは捕まえたの?って訊くまでも無いかな」
両腕に花で、更にRoseliaのメンバーが後に続く状況。
だが八重樫の視線は、ユキナをしっかり捉えていた。
「良く解ったな?」
「何と無く、ね?
何処か無茶をしそうな感じがしたから」
本当に察しが良い。
リサと意気投合しそうな気がする。
「それで、今まで何をしていたの?」
「七つの大迷宮を巡る神代魔法を求める旅!だな?
後はバンド活動だ」
橋の崩落の後、オルクスの奈落で世界の真実を知る。
異世界召喚を実行したカミサマが、全ての黒幕!
そこで日本に帰還する手段を神代魔法に求めた。
だがユキナとの再会を優先して王都に戻り、
バンドを組む事に、と言う辺りで八重樫の思考が空転する。
「色々と詰め込み過ぎでしょ!
世界の真実とかカミサマとかの件もそうだけど、
そこでどうしてバンド活動に繋がるの!?」
「ユキナの笑顔を見ていたくなった。
Roseliaと過ごすのも悪く無いと思った。それだけだ」
シリアスモードに移行。
両腕に花状態を解除して、しっかり八重樫に向き直る。
八重樫の視線も強い。
「清水君は、日本に戻らない心算なの?」
「そうは言っていない。
だが日本とユキナなら、ユキナを選ぶ」
神代魔法をコンプリートして、
帰還の手札を手に入れても?ユキナを連れて行けないかもしれない。
連れて行けても、ユキナに日本での生活は厳しいかもしれない。
その時は躊躇わない。トータスに残る。
ユキナを手放すような事はしない。
因みに此処で、水晶の心配はしていない。
何か心配する事が在るの?と言う感じだ。
連れて行けるかどうか?きっと何とかする。
生きて行けるかどうか?元々日本在住者だ。
戸籍?資金?世間体?どうとでもなる!
「そう、もう決めたのね。
………優花の処にも、顔を出しなさいよ?」
「優花もホルアドに来ているのか?」
オルクスで初の犠牲(誤報)を出した時、
クラスメイト達はバラバラになった。
死にたく無い。解り易い行動だ。
勇者パーティーのように、使命の続行を選んだ者は少ない。
多くが王都に留まる事を選んだ。現代の社会問題と同じヒキコモリである。
それでも優花は立ち上がった。
勇者パーティーのように前線には立てないが、何かしたい!と。
今は畑山先生と、後方支援に従事しているらしい。
「今気付いた訳だが、また同じ説明をする事にならないか?」
以前も世話になった騎士団御用達の宿に到着した。
予想通りエンドレスで生存報告をする事に!
意外だったのは、自分の生存が随分と喜ばれた事だ。
だがメインイベントは?白崎の件だろう。
「清水君!
南雲君は!南雲君は一緒じゃないの!?」
「落ち着け白崎、
別行動中だがハジメも無事だ」
迎えに行く!と言って聞かないので、
オルクスを出る際に受け取ったGPSを渡した。
運が良ければ樹海から戻ったハジメ達と、ブルック辺りで合流出来るだろう。
「香織、どうして」
「解らないのか?好きだからだ。
どうしようもなく、白崎はハジメの事が好き何だ」
天之河がアレだったので、バッサリ教えた。
結局天之河も、白崎に同行してブルック方面に旅立つ事になる。
この後香織は?
場所がブルックに代わっただけで、原作通り告白→パーティーinです。
天之河の惨敗イベントも発生します。
但し香織のパーティーinが原作より早いので、
香織もライセンに同行します。香織の強化フラグです。
次回から遂に!グリューエン大迷宮編。
新規ヒロイン登場☆