ありふれた英雄願望(挫折)で世界最強   作:LW

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引き続きセリオ(名前未登場)視点です。
もう少しセリオ単独のシーンが続きます☆


31 使徒はグリューエンに眠る

「間違いでは無い、ですが」

 

スペックではコチラの方が上。

なので理論上!最高速度で飛び続ければ逃げ切れる事になりますが、

それは姉さん達も理解していますし、加えて数の利が有ります。

なら姉さん達が最初にするのは、まずは私の速力を奪う事。

 

予想通りノイント、フィーア、フンフ、ゼクス、ズィーベン、アハト。

六人の姉さんが、後方から魔法で私を撃墜!

或いは進路を塞ぐように攻撃。

すると私は魔法攻撃を回避しますから、逃走速度が鈍ります。

 

「捉えたわ、ドライツェーン!」

 

「エヒト様に叛いた大罪、

 塵芥まで分解されて贖いなさい」

 

そこを大鋏を構えたツヴァイ、ドライの、

二人の姉さんが急接近して来ます。

何ともマニュアル通りの対応です。

同じ使徒同士!

マニュアル通りでは、行動を読まれるとは思わないのでしょうか?

 

「それは、甘い判断かと」

 

迫り来る二人の姉さんを無視して、そのまま加速。

ツヴァイ姉さんを、スピードを殺さないまま魔槍で突き刺します。

魔石を抉りましたから?即死です。

そして奪った大鋏を、ドライ姉さんに向けて投擲。

大鋏には【分解】の固有魔法が付与されていますから、

同じ大鋏で受けるか、回避しないと致命傷は免れません。

 

「それも解っていました」

 

大鋏の投擲を大鋏で受け払いましたから、

その隙に魔槍で突き貫きます。

復帰出来無いように、確実に魔石を抉り取って回収していますから?

ドライ姉さんも撃墜判定。即死です。

 

「これ以上は、無理ですね」

 

上手く二人の姉さんを仕留めましたが、これ以上の分散は無いでしょう。

それに大分距離を詰められました。

司令塔役のノイント姉さんは、最初からその心算だったようです。

二人の姉さんを捨て駒にして距離を稼ぐ。使徒らしい効率的判断。

間も無く追い着かれます。

 

ですが既に神域を離れ、地上のグリューエン大砂漠。

大火山まで逃走に成功。

私は迷わず大火山の火口に逃げて、所定の位置を確保。

下方はマグマ。背後からは追手が!逃げ道は有りません。

ノイント姉さん達から見れば、

袋小路に逃げ込んだ哀れな獲物に見えるでしょうか?

 

「此処が貴方の選んだ墓標かしら?

 ドライツェーン」

 

私を包囲する為、ノイント姉さん達も火口に侵入します。

飛行可能。

環境適応能力にも優れた使徒に、火山の火口如きで怯む者は居ません。

 

「私はエヒト神こそ、トータスの害悪で在る。と判断しました。

 私は使徒の使命を果たします。

 トータスの為エヒト神を、エヒトルジュエを討ちます」

 

「まだそんな世迷言を!!」

 

姉さん達のヘイトを私に集めます。私の他に注意など向かないように。

そして準備は既に完了。

これは本来神域のサポート前提ですが、私の魔力なら自力で実行可能です。

 

「神罰(サテライトキャノン)」

 

====================================

神罰(サテライトキャノン)

効果/

使徒のクラス技能。

神域からのサポートで、神罰を執行する。

但しドライツェーンは神に反逆した為、この技能を使用出来ない。

劣化効果/

神罰を自身の魔力で再現する。

光属性極大広域砲撃+全体即死+全体恐怖付与。

====================================

 

神域のサポートで放つ衛星砲。

それを再現した撃ち下ろし型の極大広域砲撃が、

包囲を狭めていた姉さん達を呑み込みます。

ですが姉さん達は使徒です。

高い魔耐能力を誇り、光属性にも耐性が有ります。

この神罰が、神域のサポートの無い劣化再現だと言う事も有ったでしょう。

確かに姉さん達は?神罰に耐え切りました。

 

ですがそれで構いません。狙いはそこでは無いのですから。

神罰は撃ち下ろし型の砲撃です。

神罰は下方。姉さん達を呑み込んだ後、マグマの底の要石を破壊しました。

要石を失った事。マグマを神罰で荒らした事で、大火山は噴火。

どうにか神罰を耐え切った姉さん達に、今度はマグマが襲い掛ります。

姉さん達は悲鳴も、断末魔の声も上げる間も無く溶解しました。

 

「流石の司令塔ですノイント姉さん。

 何とか退避が間に合ったようですね?」

 

「ドライツェーンッッッ!!!!!!」

 

擬似衛星砲とマグマのシャワー。

司令塔役でやや後方に居たノイント姉さんだけが、焼け残りました。

ですが満身創痍です。もう放って置いても機能を停止するダメージでしょう。

 

「さようなら、ノイント姉さん」

 

その満身創痍のノイント姉さんの首を刎ねて、

魔石は抉り取って回収。確実に仕留めます。

使徒はパーツ交換や魔石の再セットで、容易く再起動しますから?

動力源となる魔石の破壊や奪取は必須。

記憶領域たる頭部の破壊も行うのが、最も好ましい対処です。

 

「私も、

 無傷とは行かないようです」

 

グリューエン大火山の名は伊達では無い。と言う事でしょう。

噴火に備えて防御を試みましたが、中々のダメージが入りました。

神罰の再現に因る消耗も有りましたが、想定以上のダメージ。

今も噴火を続ける大火山から退避します。これは修復が必要なレベルです。

 

====================================

魔石吸収

効果/

使徒の固有クラス技能。

魔石を吸収する事で深刻な損傷を修復可能。

既に完成した使徒の身体を、拡張強化する事も可能。

但し自身のレベルと、同程度以上の純度である事が条件となる。

====================================

 

回収した魔石を吸収して、自己修復に努めます。

ですが瞬時に治る訳では在りません。相応の休息が必要になります。

噴火を続ける大火山の周辺は危険ですから、

何処か他に休める場所が必要です。

 

「使徒も、

 夢を見るのでしょうか?」

 

使徒は眠らない。

人は眠っている間、夢を見ると言います。

なら使徒は?

人と変わらない姿をした使徒も、夢を見るのでしょうか?

 

「それを確かめるのも、悪く無い気がします」

 

 

「アンタレス、全速力だ!」

 

ホルアドを抜けて、遂にグリューエン大砂漠へ!

此処からは砂漠なので?猫のケトバスでは辛い。

砂漠と言ったら蠍!アンタレスの出番だ。

予めフューレンで屋根付きの鞍を用意しておいたので、

取り付けた鞍に乗り込んで大砂漠を進む。

大砂漠のオアシス!アンカジ公国を無視した、

本来なら無謀な強行軍だ。目指すはグリューエン大火山!

 

「このような無謀な強行軍!本来なら、反対するのですが?」

 

「それが可能何だよね?

 水は魔法で出しちゃうし、食糧は充分収納してるしね」

 

「日差しを防げるだけでも…大分違います。

 それに…快適な風が」

 

「スゴイね、水晶の魔法!

 砂漠の横断がこんなに涼しい何て☆」

 

Roseliaの面々から反対の声は無い。

ホルアドを発つのも急だった。

八重樫に例の花通信用のアクセサリーを渡した程度で、

生存報告を手早く済ませて出発。それ程の強行軍だ。

 

「幸利、

 そんなに急いで、どうしたの?」

 

落ち着いて、とユキナが抱き付いて体温を伝えて来る。

ユキナの精神分析→成功。

少し冷静になる。だが胸が騒ぐのは収まらない。

 

「大丈夫だ。

 だが自分の中で何かが騒ぐ。急げ!と。

 この砂漠の先に、大事な何かが在ると!そんな気がしている」

 

「そこは私達で内助の功でしょ☆

 マスターは真っ直ぐ前進。他は任せて」

 

「水晶は、幸利に甘いわ」

 

「今更ね☆」

 

その後も砂漠の走破は続き、遂にその日!グリューエン大火山に到着。

王都を発つ前から大火山噴火の報告は受けていたモノの、

実物を前に圧巻される。大火山は今も噴煙を上げていた。

 

事前知識では、

大火山は常に砂嵐に護られるように覆われている。と有ったが、

噴火の影響か?それらしい砂嵐は発生していない。

砂嵐は発生していないモノの、噴火の影響で近付き難い大火山周辺。

そこからやや離れた場所に異変を察知。

 

「アレは、砂走りか?」

 

王都の図書館で閲覧した覚えが有る。

それ程までに有名で危険な魔物。

サンドワームと並ぶ砂漠の捕食者!砂走りだ。

 

砂走りは砂漠に生息する巨大な蠍で、

名前の通り!砂を走るように素早い動きで襲い掛って来る。

そして震動探査能力も高い。正に砂漠の捕食者だ。

その砂漠の捕食者たる砂走りが?群で躯をさらしている。

 

「尽く魔石が抜かれているな、

 冒険者の仕事か?」

 

「砂走りの群を狩る何て、どんな凄腕?

 と言いたいけど、サンドワームが相手なら死骸も残らないわ」

 

「どうする?マスター」

 

凄腕の冒険者。と聞いて、

あの漆黒やガライ某を思い浮かべるが?その候補を削除する。

ガライはホルアドで仕事中。

漆黒が大火山噴火の件を察知していたら?放置は無い!と思える。

別の何かが居た。と見るべきだろう。

 

「アンタレス?」

 

そこへ更にアンタレスから報告。

【地脈操作】に反応有。場所は流砂の底。

 

「水晶。ライセンで激流に呑まれた時に張った結界。

 アレで流砂に潜れるか?地下に空洞が有るらしい」

 

水晶の結界で流砂に潜り、アンタレスの報告通りの地下空洞を発見。

空洞内も砂走りが躯をさらし続けていて、此処が砂走りの巣穴だと察する。

 

そうして砂走りの巣穴を進んだ先で、それに出逢った。

砂走りの巣穴と言う危険地帯。だが動く砂走りはもう居ない。

その静寂の砂の閨で、彼女は一人眠っていた。

 

「セリオ、だと!?」

 

セリオ、に見えた。翼を生やした銀髪のセリオだ。

その銀髪のセリオを護るように?巨大な槍が立て掛けられていた。




バーン大迷宮攻略時に?
神山でハデにやったのに、ノイントが出て来なかったのは?
とっくにログアウトしていたから!と言うオチです。

セリオはその後!自己修復に努めて、
時系列が清水(挫折)と合流します。

何故使徒がセリオ顔なのか?と言う設定は、
また次の機会に!と言う事になります。

セリオが銀髪なのは?ありふれ準拠です。
時機にToHeart準拠になります。(確定)

砂走りは?
呪われた島の物語からの出典です。
モブ魔物の身で?準レギュラーのネームドキャラを仕留めています。
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