香織イベントです☆
「アイツ、これを予想してたんじゃないだろうな?」
「ユキトシは、
危険なウィルスが!とか、地元だから?とか言ってた」
「どうでも良い戯言じゃないのか?
ゲーマーの直感だった!と言われた方が納得出来る」
面倒な残念ウサギのシアを始め、
ハウリア族の案内でハルツィナ樹海に足を踏み入れる。
道中森の亜人の国、フェアベルゲンでも揉め事になったが?
問題無く先に進んだ。
だが問題無く進めたのはそこまでだ。
ハルツィナ樹海を突破して、大迷宮の入口らしき大樹まで到着はした。
大樹は枯れていたが?そこにはそれらしい石碑も有って、
大迷宮の入口らしさを漂わせていた。しかし、だ。
四つの証
再生の力
紡がれた絆の道標
全てを有する者に新たな試練の道は開かれるだろう
石碑には見覚えの有る窪みが有って、
オルクスで手に入れたクリア証の指輪を嵌めると?
↑のテキストが浮かび上がって来た。
「突入制限!
【四つの証】ってのは、大迷宮のクリアの証の事だろうな?
しかも4つだと!後半戦攻略推奨の大迷宮か!!」
「なら【再生の力】は?」
「幸利が手に入れた情報通りなら?
神代魔法に再生魔法ってのが有った筈だ。多分それだろう。
見ての通り大樹は枯れてるし、
再生魔法で大迷宮の入口を再生して、中に入るギミックじゃないのか?」
「ハジメ、凄い!」
「ふっ、歴戦のゲーマーを舐めるなよ?
モニター内なら、何度も世界を救って来た」
まぁ、このリアル異世界召喚で?
世界を救う気など?当然無い!オレは世界を救わない。
日本に帰る。ただそれだけだ。
今は恋人になったユエも一緒に連れて行く。
そんな願いを付け加えて置こう。
「どうしたの?ハジメ」
ふとユエに視線を移す。
日本で平和に暮らしていたら、まず縁も無かっただろう。
それが今はオレの恋人だ。
「いや、ユエと恋人同士になったんだな。と思ってな?」
「ん///
私はハジメの恋人。私はハジメの月」
「ユエ」「ハジメ」
ユエの名前を呼んで抱き寄せる。
ユエの柔らかさが心地良い。
金の髪の触り心地も良かった。暫くそのままでいたくなる。
「ハジメ///
くすぐったい」
「嫌だったか?」
「ん///
ハジメなら、良い」
暫く至福の時を堪能していた訳だが?
此処は樹海の奥地だろうと人目が有る。詰り邪魔者は存在する。
「ちょおっとおぉぉぉっっっ!!!!!!
何を突然イチャツキ出してるんですかぁぁぁっっっ!!!!!!」
「ヲイコラ、残念ウサギが!
お前には空気を読む能力が無いのか?」
「ん、残念過ぎ」
「私が悪いんですかぁぁっっ!!?
探索中にイチャツキ出したのは、おふたりの方なのに!」
残念なウサギが実にウザイ。
仕方無いので探索に戻る。
「それでですね!
この【紡がれた絆の道標】って言うのは、
亜人族の助けって意味じゃないかと思うんですよ!
亜人族の助けが無いと、此処まで来るのも難しいですから」
「そうか?それにしては【紡がれた絆の道標】の文字が、
【四つの証】と【再生の力】の下に書いて有るのが気に入らないな」
「どう言う事ですか?」
「さっき言ったように【四つの証】と【再生の力】は、
大迷宮に入る為の条件だろうう。それで、だ」
「ふむふむ」
「大樹に到着して、この碑文を見つけてこの条件を提示された。
最初に提示された上二つが、大迷宮に入る為の条件なら?
其処から再度、大樹に到達する為の条件を提示するか?
【紡がれた絆の道標】って言うのは、大迷宮の試練に関する内容じゃないか?」
「なら、どんな試練が?」
「さぁな?それより、得られるモノは此処までだろう。撤収だ。
さっさと他の大迷宮へ向かう」
「何処へ行くの?」
「手近な処から、ライセン大峡谷だろうな?
幸利曰く、腐れ外道が棲息する物理トラップ満載の大迷宮だ」
「あそこは、上手く魔法が使えない」
「それを言うなら、オレの魔力動作の武器も同じだ。
対策が要るな?」
「私は対策済!
期待して欲しい」
「頼もしい相棒だ。
なら行くか、ライセン大迷宮へ!」
†
ハルツィナ樹海での探索を終えて、ブルックの町まで戻って来た。
ライセン大峡谷へは、此処から向かう。
シア以外のハウリア族は樹海に置いて来た。
舎弟にして下さい!とか寝言を言うから、鍛錬を怠るな!と言い付ける。
「南雲君!
南雲君、だよね?」
ブルックの町は、黄昏の夕陽に包まれていた。
其処にトータスでは珍しい黒く長い、
綺麗な髪を風に靡かせた神官が佇んでいる。
オレはこの神官を知っていた。
記憶に残る最後の姿よりも、
目の前に居るコイツの方が、神官服姿が似合っている。
コイツなりに実戦を潜り抜けて来たんだろう。
以前より凛々しく、単純に綺麗になったと言うべきか?
あぁ、あれ以来になるのか?
「白崎か、久しぶりだな?」
「南雲君ッッ!!!」
次の瞬間、白崎に抱き着かれた。抱き着かれて泣かれてしまう。
勿論今のオレなら反応出来たが?白崎の抱擁を拒絶し無かった。
「良くオレだと解ったな?
結構変わった心算だが」
魔物肉を喰らって、Lvは上り多くの力を手に入れた。
だが生き地獄を味わい続け、髪は白くなり身に纏う空気も変わった筈だ。
生き抜く為に、厨二臭い装備も迷わず使っている。
ユエに服飾のセンスが無ければ、もっと酷い事になっていただろう。
「解るよ。
変わって何か無い。南雲君は、南雲君だから」
「そう言う白崎は変わったな?」
「えっ、そうかな?」
「随分と神官服姿が似合うようになった。
立派になったな?」
「ッ!
それは反則だよ!ズルイよ。許さないん、だから」
また白崎に胸で泣かれた。白崎は泣いてばかりだ。
何故オレの居場所が解ったのか?それはもう察しが付いている。
幸利に渡したGPSを、白崎が手にしていたからだ。
もう幸利から生存報告は聞いていたらしい。
「本当に、南雲なのか?」
今になって気付いたが?勇者コスの天之河も一緒だった。
天之河が囁くように呟いた言葉の方が、正当な評価だろう。
「お帰りなさい、南雲君」
「あぁ、そうだな?
素直に頷けないが」
オレは白崎の元へ、クラスメイト達の元へと戻る心算は無い。
元からクラスメイトに友人ってヤツは居なかった。
ゲーマー仲間の幸利ぐらいだっただろう。
異世界に来てからパーティーを組んだ仲間達も、
幸利と仲の良かった園部以外のヤツは?名前も出て来ない。
オルクスの過酷な環境が、生きる為に不必要なモノを削り落していた。
今のオレに有るのは?
日本へ帰ると言う意志と、共に奈落を生き抜いた仲間の事だけだった。
「だからオレは行く。
七つの大迷宮を攻略して日本へ帰る。
あぁ、安心しろ。人数制限とかが無いようなら?
オマエラも連れて帰ってやる」
「違う!
そうじゃないの!そうじゃなくて」
「じゃあ何だ?
これが最速帰還のルートだと思うが?」
「南雲君。私達は、
私は迷惑なのかな?」
白崎は、日本に居た頃から良くオレに構って来た。
だが白崎は美人だから、
オレに構うとクラスの男共の嫉妬が湧く。
筆頭は檜山と、其処に居る天之河だ。
檜山は解り易く暴力で、天之河は正義面で正論を吐いて来る。
白崎に構われるのは、それ自体悪く思ってはいない。
だが学生生活を送る上で、余りにもデメリットが大きい。
迷惑だと、そう思っていた。
「私が南雲くんを護るよ」
だが覚えている。
オルクスに初めて潜る前夜、白崎はそう言った。
まだあの地獄を知らない、弱かったオレとそう約束した。
そう、だからこれは義理だろう。
「白崎。オレは強くなった。
あのオルクスの奈落を生き抜いて、強くなった。
もう護って貰う必要は、無い」
今度はオレが白崎を護ろう。
白崎を無事、日本へ送り帰そう。今のオレなら出来る筈だ。
だからクラスメイト達の元へ戻る心算も、白崎を連れて行く心算も無い。
ただ待っているだけで良い。それで日本へ帰れる。
†
「銃なのか!?
ひ、卑怯だぞ!!」
「お前も、オレが使えない剣や魔法が使える。それは卑怯じゃないのか?
それに!先に剣を抜いたのはお前だ天之河」
ハジメが知り合いらしい神官の子を拒絶して、
その神官の子と一緒だった金ピカが急に怒り出した。
怒って剣を抜いたら、それより速くハジメに撃たれた。
ハジメのドンナーは金ピカが剣を持っていた腕を貫いて、
今は神官の子の手当を受けている。
「イイだろう。ならそのまま剣を捨てろ。
それならオレも銃は使わない。拳同士の殴り合いに付き合ってやる」
「このっ、調子に乗るなっ!!」
金ピカはきっと神官の子が好き。これはただの嫉妬。
決闘?が始った。お互い拳だけの殴り合い。
ハジメがこんな勝負をする何て、珍しいと思う。
でも、やっぱり勝つのはハジメだった。
金ピカは一方的に殴られて、
最後は頭を掴まれて地面に叩き付けられた。起き上がる様子も無い。
「ハジメ」
「どうした?ユエ」
決闘だったらしい出来事が終ったから、ハジメの腕を取る。
ハジメは私の恋人。そう主張する。神官の子は泥棒猫に格上げ!
ハジメ?そんな顔で拒絶しちゃダメ!
そんな顔で拒絶しても、女は騙せない。あの泥棒猫はハジメを諦めない。
「南雲君。強くなったんだね?
それに、もう隣りに立つ人も出来たんだ」
泥棒猫が次に何を言う心算なのか解った。
ギュっとハジメの腕を掴む。
「それでも私は南雲君の事が、
ハジメ君が好き。
だからハジメ君の力になりたい。ハジメ君と一緒に行きたい。
ダメ、かな?」
この作品のハジメは?
腕と目が健在なので、原作よりSAN値も健在でややマイルド仕様!
だから天之河との決闘にも応じましたし、香織への対応もマトモです。
これを読んで?少しでも香織に脈が有るように観えたら嬉しい限り。
私はユエ派ですが☆