ありふれた英雄願望(挫折)で世界最強   作:LW

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此処でその頃のハジメルート!
香織イベントです☆


35 貴方の事が好きだから

「アイツ、これを予想してたんじゃないだろうな?」

 

「ユキトシは、

 危険なウィルスが!とか、地元だから?とか言ってた」

 

「どうでも良い戯言じゃないのか?

 ゲーマーの直感だった!と言われた方が納得出来る」

 

面倒な残念ウサギのシアを始め、

ハウリア族の案内でハルツィナ樹海に足を踏み入れる。

道中森の亜人の国、フェアベルゲンでも揉め事になったが?

問題無く先に進んだ。

 

だが問題無く進めたのはそこまでだ。

ハルツィナ樹海を突破して、大迷宮の入口らしき大樹まで到着はした。

大樹は枯れていたが?そこにはそれらしい石碑も有って、

大迷宮の入口らしさを漂わせていた。しかし、だ。

 

四つの証

再生の力

紡がれた絆の道標

全てを有する者に新たな試練の道は開かれるだろう

 

石碑には見覚えの有る窪みが有って、

オルクスで手に入れたクリア証の指輪を嵌めると?

↑のテキストが浮かび上がって来た。

 

「突入制限!

 【四つの証】ってのは、大迷宮のクリアの証の事だろうな?

 しかも4つだと!後半戦攻略推奨の大迷宮か!!」

 

「なら【再生の力】は?」

 

「幸利が手に入れた情報通りなら?

 神代魔法に再生魔法ってのが有った筈だ。多分それだろう。

 見ての通り大樹は枯れてるし、

 再生魔法で大迷宮の入口を再生して、中に入るギミックじゃないのか?」

 

「ハジメ、凄い!」

 

「ふっ、歴戦のゲーマーを舐めるなよ?

 モニター内なら、何度も世界を救って来た」

 

まぁ、このリアル異世界召喚で?

世界を救う気など?当然無い!オレは世界を救わない。

日本に帰る。ただそれだけだ。

今は恋人になったユエも一緒に連れて行く。

そんな願いを付け加えて置こう。

 

「どうしたの?ハジメ」

 

ふとユエに視線を移す。

日本で平和に暮らしていたら、まず縁も無かっただろう。

それが今はオレの恋人だ。

 

「いや、ユエと恋人同士になったんだな。と思ってな?」

 

「ん///

 私はハジメの恋人。私はハジメの月」

 

「ユエ」「ハジメ」

 

ユエの名前を呼んで抱き寄せる。

ユエの柔らかさが心地良い。

金の髪の触り心地も良かった。暫くそのままでいたくなる。

 

「ハジメ///

 くすぐったい」

 

「嫌だったか?」

 

「ん///

 ハジメなら、良い」

 

暫く至福の時を堪能していた訳だが?

此処は樹海の奥地だろうと人目が有る。詰り邪魔者は存在する。

 

「ちょおっとおぉぉぉっっっ!!!!!!

 何を突然イチャツキ出してるんですかぁぁぁっっっ!!!!!!」

 

「ヲイコラ、残念ウサギが!

 お前には空気を読む能力が無いのか?」

 

「ん、残念過ぎ」

 

「私が悪いんですかぁぁっっ!!?

 探索中にイチャツキ出したのは、おふたりの方なのに!」

 

残念なウサギが実にウザイ。

仕方無いので探索に戻る。

 

「それでですね!

 この【紡がれた絆の道標】って言うのは、

 亜人族の助けって意味じゃないかと思うんですよ!

 亜人族の助けが無いと、此処まで来るのも難しいですから」

 

「そうか?それにしては【紡がれた絆の道標】の文字が、

 【四つの証】と【再生の力】の下に書いて有るのが気に入らないな」

 

「どう言う事ですか?」

 

「さっき言ったように【四つの証】と【再生の力】は、

 大迷宮に入る為の条件だろうう。それで、だ」

 

「ふむふむ」

 

「大樹に到着して、この碑文を見つけてこの条件を提示された。

 最初に提示された上二つが、大迷宮に入る為の条件なら?

 其処から再度、大樹に到達する為の条件を提示するか?

 【紡がれた絆の道標】って言うのは、大迷宮の試練に関する内容じゃないか?」

 

「なら、どんな試練が?」

 

「さぁな?それより、得られるモノは此処までだろう。撤収だ。

 さっさと他の大迷宮へ向かう」

 

「何処へ行くの?」

 

「手近な処から、ライセン大峡谷だろうな?

 幸利曰く、腐れ外道が棲息する物理トラップ満載の大迷宮だ」

 

「あそこは、上手く魔法が使えない」

 

「それを言うなら、オレの魔力動作の武器も同じだ。

 対策が要るな?」

 

「私は対策済!

 期待して欲しい」

 

「頼もしい相棒だ。

 なら行くか、ライセン大迷宮へ!」

 

 

ハルツィナ樹海での探索を終えて、ブルックの町まで戻って来た。

ライセン大峡谷へは、此処から向かう。

シア以外のハウリア族は樹海に置いて来た。

舎弟にして下さい!とか寝言を言うから、鍛錬を怠るな!と言い付ける。

 

「南雲君!

 南雲君、だよね?」

 

ブルックの町は、黄昏の夕陽に包まれていた。

其処にトータスでは珍しい黒く長い、

綺麗な髪を風に靡かせた神官が佇んでいる。

 

オレはこの神官を知っていた。

記憶に残る最後の姿よりも、

目の前に居るコイツの方が、神官服姿が似合っている。

コイツなりに実戦を潜り抜けて来たんだろう。

以前より凛々しく、単純に綺麗になったと言うべきか?

あぁ、あれ以来になるのか?

 

「白崎か、久しぶりだな?」

 

「南雲君ッッ!!!」

 

次の瞬間、白崎に抱き着かれた。抱き着かれて泣かれてしまう。

勿論今のオレなら反応出来たが?白崎の抱擁を拒絶し無かった。

 

「良くオレだと解ったな?

 結構変わった心算だが」

 

魔物肉を喰らって、Lvは上り多くの力を手に入れた。

だが生き地獄を味わい続け、髪は白くなり身に纏う空気も変わった筈だ。

生き抜く為に、厨二臭い装備も迷わず使っている。

ユエに服飾のセンスが無ければ、もっと酷い事になっていただろう。

 

「解るよ。

 変わって何か無い。南雲君は、南雲君だから」

 

「そう言う白崎は変わったな?」

 

「えっ、そうかな?」

 

「随分と神官服姿が似合うようになった。

 立派になったな?」

 

「ッ!

 それは反則だよ!ズルイよ。許さないん、だから」

 

また白崎に胸で泣かれた。白崎は泣いてばかりだ。

何故オレの居場所が解ったのか?それはもう察しが付いている。

幸利に渡したGPSを、白崎が手にしていたからだ。

もう幸利から生存報告は聞いていたらしい。

 

「本当に、南雲なのか?」

 

今になって気付いたが?勇者コスの天之河も一緒だった。

天之河が囁くように呟いた言葉の方が、正当な評価だろう。

 

「お帰りなさい、南雲君」

 

「あぁ、そうだな?

 素直に頷けないが」

 

オレは白崎の元へ、クラスメイト達の元へと戻る心算は無い。

元からクラスメイトに友人ってヤツは居なかった。

ゲーマー仲間の幸利ぐらいだっただろう。

異世界に来てからパーティーを組んだ仲間達も、

幸利と仲の良かった園部以外のヤツは?名前も出て来ない。

 

オルクスの過酷な環境が、生きる為に不必要なモノを削り落していた。

今のオレに有るのは?

日本へ帰ると言う意志と、共に奈落を生き抜いた仲間の事だけだった。

 

「だからオレは行く。

 七つの大迷宮を攻略して日本へ帰る。

 あぁ、安心しろ。人数制限とかが無いようなら?

 オマエラも連れて帰ってやる」

 

「違う!

 そうじゃないの!そうじゃなくて」

 

「じゃあ何だ?

 これが最速帰還のルートだと思うが?」

 

「南雲君。私達は、

 私は迷惑なのかな?」

 

白崎は、日本に居た頃から良くオレに構って来た。

だが白崎は美人だから、

オレに構うとクラスの男共の嫉妬が湧く。

筆頭は檜山と、其処に居る天之河だ。

檜山は解り易く暴力で、天之河は正義面で正論を吐いて来る。

 

白崎に構われるのは、それ自体悪く思ってはいない。

だが学生生活を送る上で、余りにもデメリットが大きい。

迷惑だと、そう思っていた。

 

「私が南雲くんを護るよ」

 

だが覚えている。

オルクスに初めて潜る前夜、白崎はそう言った。

まだあの地獄を知らない、弱かったオレとそう約束した。

そう、だからこれは義理だろう。

 

「白崎。オレは強くなった。

 あのオルクスの奈落を生き抜いて、強くなった。

 もう護って貰う必要は、無い」

 

今度はオレが白崎を護ろう。

白崎を無事、日本へ送り帰そう。今のオレなら出来る筈だ。

だからクラスメイト達の元へ戻る心算も、白崎を連れて行く心算も無い。

ただ待っているだけで良い。それで日本へ帰れる。

 

 

「銃なのか!?

 ひ、卑怯だぞ!!」

 

「お前も、オレが使えない剣や魔法が使える。それは卑怯じゃないのか?

 それに!先に剣を抜いたのはお前だ天之河」

 

ハジメが知り合いらしい神官の子を拒絶して、

その神官の子と一緒だった金ピカが急に怒り出した。

怒って剣を抜いたら、それより速くハジメに撃たれた。

ハジメのドンナーは金ピカが剣を持っていた腕を貫いて、

今は神官の子の手当を受けている。

 

「イイだろう。ならそのまま剣を捨てろ。

 それならオレも銃は使わない。拳同士の殴り合いに付き合ってやる」

 

「このっ、調子に乗るなっ!!」

 

金ピカはきっと神官の子が好き。これはただの嫉妬。

決闘?が始った。お互い拳だけの殴り合い。

ハジメがこんな勝負をする何て、珍しいと思う。

でも、やっぱり勝つのはハジメだった。

金ピカは一方的に殴られて、

最後は頭を掴まれて地面に叩き付けられた。起き上がる様子も無い。

 

「ハジメ」

 

「どうした?ユエ」

 

決闘だったらしい出来事が終ったから、ハジメの腕を取る。

ハジメは私の恋人。そう主張する。神官の子は泥棒猫に格上げ!

 

ハジメ?そんな顔で拒絶しちゃダメ!

そんな顔で拒絶しても、女は騙せない。あの泥棒猫はハジメを諦めない。

 

「南雲君。強くなったんだね?

 それに、もう隣りに立つ人も出来たんだ」

 

泥棒猫が次に何を言う心算なのか解った。

ギュっとハジメの腕を掴む。

 

「それでも私は南雲君の事が、

 ハジメ君が好き。

 だからハジメ君の力になりたい。ハジメ君と一緒に行きたい。

 ダメ、かな?」




この作品のハジメは?
腕と目が健在なので、原作よりSAN値も健在でややマイルド仕様!
だから天之河との決闘にも応じましたし、香織への対応もマトモです。

これを読んで?少しでも香織に脈が有るように観えたら嬉しい限り。
私はユエ派ですが☆
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