エクストラらしい無茶ぶり設定です☆
「チッ、また運良くクリティカルとは行かないか」
前回オルクスで自由落下を経験した時には?
幸利の提案で、激突の瞬間を狙って地面を錬成した。
地面を柔軟に錬成して、命を拾うプランだった。
今よりも遙かに弱かったあの頃。
そんな無茶な錬成の成功は、間違い無く奇跡だった。
だがこうして生きている。
なら今回はどうだ?
この頃より圧倒的に強くなって、備えも有った。
だがこんなアクシデントに必要なのは?
備えやステータスでは無く、幸運なのかもしれない。
落下中!一緒に墜ちた魔物に、運悪く妨害された。
前回とは違い、助けるべき仲間が居た。
分解作用をまだ甘く見ていた。理由は色々有る。
何にしても、前回程の奇跡は起き無かった。
命が拾えて仲間も無事だったが、落下の際に激突のダメージを受けた。
錬成のタイミングが、少し遅かったらしい。
「ハジメ君!」
致命傷には程遠いダメージだ。そう言っても、香織は止めようとしない。
分解作用の効果範囲内では、魔力消費もキツイだろうに?
「こんな事しか出来無いから、私に任せて」
軽傷をしっかり治して、しっかりユエにも睨まれて、
↑後で香織と密着していたのに気付いた。
シアが目を覚ました処で、探索を再開する。
「随分と雰囲気が違うな?」
「神殿、なのかな?」
床を崩されて墜ちた場所は?今までの迷宮内とは違う雰囲気だった。
香織の言う通り、確かに神殿か教会らしさは有る。
だが広かった。巨人の神殿か?と言う程広い。
人間用とは思えない天井の高さ!神ってのは、これで通常サイズか?
「広いけど、
霊廟、だと思う」
「ユエ?」
霊廟と言うのは、要は死体安置所。墓所の事だ。
詳しく訊こうとしたが、ユエは一人で先に進んで行く。
「道が解るのか?」
「死気がどんどん酷くなってる。
多分ゴールは其処」
ユエの言葉通り、それらしい場所に着く。
其処には如何にも怪しい柩が安置されていた。
怪し過ぎて、調べるのを躊躇うLvだ。
「ヲイ、ユエ!」
だがユエは、躊躇う事無く柩を開けた。
躊躇いが無さ過ぎて、止める暇が無かった。
「アイル。
アイルマンカー、聞きたい事が有る」
柩の中には、柩らしく死体が安置されていた。
だが片方の手首が無い。
この手首の欠損を見て、謁見の間で遭遇した骨の手を連想したが?
真相は解ら無かった。突然骨の手が襲って来る様子も無い。
ユエは迷う事無く、死体に血を垂らした。
指先から血が出ている。
死体が目を覚ました。
ただ眠っていただけだと主張するように、死体が起き上がる。
例の欠損した筈の手首も再生していた。コイツも吸血鬼か?
付け加えるならコイツは、たった今身に纏う服も新調した。
同じ魔法を使えるから解る。今のは生成魔法だ!
コイツ、神代魔法を息をするかのように使いやがる!
「封印は既に解けていました。
アレーティアが血を流す事は無かった」
「どう見ても、死体だった」
「手立ては有った。
と言って置きましょう」
「ん、答えてアイルマンカー。
貴方は、私を裏切ったの?」
「あぁ、三百年前の件ですか。
アレはディンリード卿の決定です。アレーティアに封印処置を施す。と」
「じゃあ、アイルは」
「私を裏切っていないの?」とユエの声が、希望が聞こえて来るようだ。
だがその希望が届く事は無い。真実は残酷だった。
「余程娘が可愛いかったのでしょう。まさか封印処置で済ませようとは、
私は滅殺処分を進言したのですが」
「アイル?何を、言って」
「アレーティア。貴方は何れ全てを奪われ、全てを失ってしまう。
そうなる前に、貴方が貴方で居られる内に殺します。
それがアレーティアの為だと、そう判断しました」
呆然とするユエ。コイツは敵だ!
そう声を上げるより速く銃を抜く!
銃を抜いて引鉄を引くより早く、それは貫いていた。
それは巨大な剣だった。
到底人間に扱えるサイズでは無い巨人の剣が、
アイルマンカーとやらを貫いていた。
余りのサイズの違いに、斬られたのでは無く潰されていた。
潰されてミンチに、ただの血溜まりになっている。
「ふぅ、上手く行って良かった。
流石に死体の無い場所だからアンデットも発生して無いし、助かったよ」
現れたのは巨大な人型のゴーレム。
そのゴーレムから、幼女らしい声が聞こえる。
たった今突然投擲された巨人の剣も、このゴーレムの仕業だ。
恐らくこのゴーレムが、ライセン大迷宮の主。ミレディ・ライセン!
この霊廟とやらが広かったのも、
このゴーレムを運用する為か!と直ぐに思い至った。
「うっあああぁぁぁっっっ!!!!!!」
そして何も終ってなどい無かった。
ミンチの血溜まりになっても、アイルマンカーはまだ生きていた。
生きて、分解作用の中で平然と魔法を使って来る。
ミレディ・ライセンの大型ゴーレムの下半身が、いきなり氷漬けになった。
今のはユエの迅雷魔法か!?
「熱烈な歓迎です。はしたないですよ?
ミレディ・ライセン」
†
「このおぉぉっっ!!!」
ミレディ・ゴーレムが内側から氷を自力で破って、
既に人型にまで戻ったアイルマンカーに、剣戟を加える!
しかし巨人の剣に負けない巨大な氷の盾が現れて、剣戟を防ぎ切る。
防ぎ切って、次に現れた無数の氷の槍がミレディ・ゴーレムを貫く!
「今のは迅雷魔法じゃ無いよな?」
「今のは装甲魔法」
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装甲魔法
効果/
装甲の役割を果たす囮の魔法が、本命の魔法を包んで防護する。
分解作用の効果内で、通常出力の魔法発動が可能。
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「【真月結界】捕えました」
氷の槍でミレディ・ゴーレムをノックバックさせると、
その隙にアイルマンカーの結界が完成する。丸く月のような結界だった。
オレ達を含めて、この場に居る全員が結界に囚われる。
「相変わらずのバケモノだよね?
何度殺しても平然と復活して来る!不死王何て呼ばれるのも納得だよ」
「不死王などと、名乗った覚えは無いのですが」
その後もアイルマンカーとミレディ・ゴーレムの戦いは続く。
此処からは、同じ神代魔法同士の激突となった。
「キミに重力魔法を教えた覚えは、無いんだけど?」
「もう過去に何度も見ています。模倣は可能です」
見え無い何かが、重力の渦が激突し合いミレディ・ゴーレムを捉える。
そう言えば上の謁見の間で、
骨の手が床をブチ抜いた時!身体が重くなった感覚が有った。
「【重双】(バルジ)」
重力の渦が、双つの逆回転の重力の渦がミレディ・ゴーレムを捉えた。
捉えて胴体を捩り切る。
ミレディ・ゴーレムの上半身は、
それでも剣を投擲しようとしたが、剣を持つ腕ごと潰された。
「在り得ないよ、そんな魔力何処から?
キミはとっくに魔力切れで死んでいる筈!
本当にバケモノか、この人外ネクロマンサー!!」
「私はバケモノでもネクロマンサーとも、
ただのカイロスキーパーです」
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アイルマンカー ■■■■歳 男 レベル:■■■
天職:カイロスキーパー
筋力:■■■■■
体力:■■■■■
耐性:■■■■■
敏捷:■■■■■
魔力:■■■■■
魔耐:■■■■■
技能:
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劫の眼・カイロスの時計・真月結界・因果流転
・迅雷魔法・装甲魔法
・生成魔法・重力魔法・魂魄魔法・空間魔法・再生魔法・変成魔法
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劫(アイオン)の眼
効果/
カイロスキーパーのクラス技能。
時間観測/干渉が可能。時間干渉耐性↑
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カイロスの時計
効果/
カイロスキーパーの固有クラス技能。
魔力で保存した記憶を、
別の時間軸の自身へ転写可能。条件発動で自動転写も可能。
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真月結界
効果/
吸血鬼族の固有魔法。
真なる月の結界は、吸血鬼の力を解放する。
真円の結界を形成する事で、猟犬の捕縛が可能。
また内部に潜む事で、猟犬の追跡から逃れる事も出来る。
吸血鬼の全ステータス↑自動再生↑魔力回復↑
ティンダロスの猟犬の捕縛可能。ティンダロスの猟犬の追跡を無効。
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因果流転
狂った因果は流転を始め。
死は生に、生は死へ
効果/
アイルマンカーの固有技能。
アンデット自動作成。恐怖付与。即死無効。
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装甲魔法は?
15で清水(挫折)が使っていた多殻魔法と同じ理屈の魔法です。
アイルマンカーの名前の元ネタに気付いた方は?
某魔術士の旅の熟練ユーザーだと思います☆
↑名前を貰っただけで、クロス要素は皆無です。