ありふれた英雄願望(挫折)で世界最強   作:LW

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遂にエクストラボス登場!
エクストラらしい無茶ぶり設定です☆


38 不死王アイルマンカーⅢ

「チッ、また運良くクリティカルとは行かないか」

 

前回オルクスで自由落下を経験した時には?

幸利の提案で、激突の瞬間を狙って地面を錬成した。

地面を柔軟に錬成して、命を拾うプランだった。

 

今よりも遙かに弱かったあの頃。

そんな無茶な錬成の成功は、間違い無く奇跡だった。

だがこうして生きている。

 

なら今回はどうだ?

この頃より圧倒的に強くなって、備えも有った。

だがこんなアクシデントに必要なのは?

備えやステータスでは無く、幸運なのかもしれない。

 

落下中!一緒に墜ちた魔物に、運悪く妨害された。

前回とは違い、助けるべき仲間が居た。

分解作用をまだ甘く見ていた。理由は色々有る。

何にしても、前回程の奇跡は起き無かった。

命が拾えて仲間も無事だったが、落下の際に激突のダメージを受けた。

錬成のタイミングが、少し遅かったらしい。

 

「ハジメ君!」

 

致命傷には程遠いダメージだ。そう言っても、香織は止めようとしない。

分解作用の効果範囲内では、魔力消費もキツイだろうに?

 

「こんな事しか出来無いから、私に任せて」

 

軽傷をしっかり治して、しっかりユエにも睨まれて、

↑後で香織と密着していたのに気付いた。

シアが目を覚ました処で、探索を再開する。

 

「随分と雰囲気が違うな?」

 

「神殿、なのかな?」

 

床を崩されて墜ちた場所は?今までの迷宮内とは違う雰囲気だった。

香織の言う通り、確かに神殿か教会らしさは有る。

だが広かった。巨人の神殿か?と言う程広い。

人間用とは思えない天井の高さ!神ってのは、これで通常サイズか?

 

「広いけど、

 霊廟、だと思う」

 

「ユエ?」

 

霊廟と言うのは、要は死体安置所。墓所の事だ。

詳しく訊こうとしたが、ユエは一人で先に進んで行く。

 

「道が解るのか?」

 

「死気がどんどん酷くなってる。

 多分ゴールは其処」

 

ユエの言葉通り、それらしい場所に着く。

其処には如何にも怪しい柩が安置されていた。

怪し過ぎて、調べるのを躊躇うLvだ。

 

「ヲイ、ユエ!」

 

だがユエは、躊躇う事無く柩を開けた。

躊躇いが無さ過ぎて、止める暇が無かった。

 

「アイル。

 アイルマンカー、聞きたい事が有る」

 

柩の中には、柩らしく死体が安置されていた。

だが片方の手首が無い。

この手首の欠損を見て、謁見の間で遭遇した骨の手を連想したが?

真相は解ら無かった。突然骨の手が襲って来る様子も無い。

 

ユエは迷う事無く、死体に血を垂らした。

指先から血が出ている。

 

死体が目を覚ました。

ただ眠っていただけだと主張するように、死体が起き上がる。

例の欠損した筈の手首も再生していた。コイツも吸血鬼か?

 

付け加えるならコイツは、たった今身に纏う服も新調した。

同じ魔法を使えるから解る。今のは生成魔法だ!

コイツ、神代魔法を息をするかのように使いやがる!

 

「封印は既に解けていました。

 アレーティアが血を流す事は無かった」

 

「どう見ても、死体だった」

 

「手立ては有った。

 と言って置きましょう」

 

「ん、答えてアイルマンカー。

 貴方は、私を裏切ったの?」

 

「あぁ、三百年前の件ですか。

 アレはディンリード卿の決定です。アレーティアに封印処置を施す。と」

 

「じゃあ、アイルは」

 

「私を裏切っていないの?」とユエの声が、希望が聞こえて来るようだ。

だがその希望が届く事は無い。真実は残酷だった。

 

「余程娘が可愛いかったのでしょう。まさか封印処置で済ませようとは、

 私は滅殺処分を進言したのですが」

 

「アイル?何を、言って」

 

「アレーティア。貴方は何れ全てを奪われ、全てを失ってしまう。

 そうなる前に、貴方が貴方で居られる内に殺します。

 それがアレーティアの為だと、そう判断しました」

 

呆然とするユエ。コイツは敵だ!

そう声を上げるより速く銃を抜く!

銃を抜いて引鉄を引くより早く、それは貫いていた。

 

それは巨大な剣だった。

到底人間に扱えるサイズでは無い巨人の剣が、

アイルマンカーとやらを貫いていた。

 

余りのサイズの違いに、斬られたのでは無く潰されていた。

潰されてミンチに、ただの血溜まりになっている。

 

「ふぅ、上手く行って良かった。

 流石に死体の無い場所だからアンデットも発生して無いし、助かったよ」

 

現れたのは巨大な人型のゴーレム。

そのゴーレムから、幼女らしい声が聞こえる。

たった今突然投擲された巨人の剣も、このゴーレムの仕業だ。

恐らくこのゴーレムが、ライセン大迷宮の主。ミレディ・ライセン!

この霊廟とやらが広かったのも、

このゴーレムを運用する為か!と直ぐに思い至った。

 

「うっあああぁぁぁっっっ!!!!!!」

 

そして何も終ってなどい無かった。

ミンチの血溜まりになっても、アイルマンカーはまだ生きていた。

生きて、分解作用の中で平然と魔法を使って来る。

ミレディ・ライセンの大型ゴーレムの下半身が、いきなり氷漬けになった。

今のはユエの迅雷魔法か!?

 

「熱烈な歓迎です。はしたないですよ?

 ミレディ・ライセン」

 

 

「このおぉぉっっ!!!」

 

ミレディ・ゴーレムが内側から氷を自力で破って、

既に人型にまで戻ったアイルマンカーに、剣戟を加える!

しかし巨人の剣に負けない巨大な氷の盾が現れて、剣戟を防ぎ切る。

防ぎ切って、次に現れた無数の氷の槍がミレディ・ゴーレムを貫く!

 

「今のは迅雷魔法じゃ無いよな?」

 

「今のは装甲魔法」

 

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装甲魔法

効果/

装甲の役割を果たす囮の魔法が、本命の魔法を包んで防護する。

分解作用の効果内で、通常出力の魔法発動が可能。

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「【真月結界】捕えました」

 

氷の槍でミレディ・ゴーレムをノックバックさせると、

その隙にアイルマンカーの結界が完成する。丸く月のような結界だった。

オレ達を含めて、この場に居る全員が結界に囚われる。

 

「相変わらずのバケモノだよね?

 何度殺しても平然と復活して来る!不死王何て呼ばれるのも納得だよ」

 

「不死王などと、名乗った覚えは無いのですが」

 

その後もアイルマンカーとミレディ・ゴーレムの戦いは続く。

此処からは、同じ神代魔法同士の激突となった。

 

「キミに重力魔法を教えた覚えは、無いんだけど?」

 

「もう過去に何度も見ています。模倣は可能です」

 

見え無い何かが、重力の渦が激突し合いミレディ・ゴーレムを捉える。

そう言えば上の謁見の間で、

骨の手が床をブチ抜いた時!身体が重くなった感覚が有った。

 

「【重双】(バルジ)」

 

重力の渦が、双つの逆回転の重力の渦がミレディ・ゴーレムを捉えた。

捉えて胴体を捩り切る。

ミレディ・ゴーレムの上半身は、

それでも剣を投擲しようとしたが、剣を持つ腕ごと潰された。

 

「在り得ないよ、そんな魔力何処から?

 キミはとっくに魔力切れで死んでいる筈!

 本当にバケモノか、この人外ネクロマンサー!!」

 

「私はバケモノでもネクロマンサーとも、

 ただのカイロスキーパーです」

 

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アイルマンカー ■■■■歳 男 レベル:■■■

天職:カイロスキーパー

筋力:■■■■■

体力:■■■■■

耐性:■■■■■

敏捷:■■■■■

魔力:■■■■■

魔耐:■■■■■

技能:

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

劫の眼・カイロスの時計・真月結界・因果流転

・迅雷魔法・装甲魔法

・生成魔法・重力魔法・魂魄魔法・空間魔法・再生魔法・変成魔法

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劫(アイオン)の眼

効果/

カイロスキーパーのクラス技能。

時間観測/干渉が可能。時間干渉耐性↑

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カイロスの時計

効果/

カイロスキーパーの固有クラス技能。

魔力で保存した記憶を、

別の時間軸の自身へ転写可能。条件発動で自動転写も可能。

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真月結界

効果/

吸血鬼族の固有魔法。

真なる月の結界は、吸血鬼の力を解放する。

真円の結界を形成する事で、猟犬の捕縛が可能。

また内部に潜む事で、猟犬の追跡から逃れる事も出来る。

吸血鬼の全ステータス↑自動再生↑魔力回復↑

ティンダロスの猟犬の捕縛可能。ティンダロスの猟犬の追跡を無効。

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因果流転

狂った因果は流転を始め。

死は生に、生は死へ

効果/

アイルマンカーの固有技能。

アンデット自動作成。恐怖付与。即死無効。

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装甲魔法は?
15で清水(挫折)が使っていた多殻魔法と同じ理屈の魔法です。

アイルマンカーの名前の元ネタに気付いた方は?
某魔術士の旅の熟練ユーザーだと思います☆
↑名前を貰っただけで、クロス要素は皆無です。

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