ありふれた英雄願望(挫折)で世界最強   作:LW

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朝チュンスタートです。

皆大好き、雫さんの初出番も有り!
雫って?オリ主ヒロイン率高く無いですかね??


05 大迷宮攻略前夜

「………此処まで、か」

 

本日。朝帰りと言うヤツを、初めて体験した。

相手は歌姫。銀髪の海人族。

名前も知らない。出逢ったばかりの女だった。

 

気を抜くと、意識があの夜に戻りそうになる。

あの熱。あの感触。そして美しい嬌声。無中で歌姫を求めた。

 

気付けば朝。亜人街のその手の宿に居た。

宿に歌姫を連れ込んだのは覚えている。自分の意思だ。

ステータスプレートに輝く精神支配無効の文字。

自分が操られていた!と言う事も無い。

ガチで魅了されて、初対面の歌姫をホテルに連れ込んだ。

ゲス枠確定!と自分に失望。

起きて見れば所持金が無い!と言うヤボなオチも無い。

歌姫の姿だけが無かった。

残ったのはシーツの温もりと、鮮烈な夜の記憶だけ。

 

「………約束通り大迷宮から生きて帰って、

 また歌姫に会う。それからで良い」

 

メルド団長には、キッチリ注意を受けた。

体育会系のペナルティは無い。解っているなら良いと。大人だった。

優花には?逆に心配された。理由が理由だけに、アレな気分になる。

そして告げられた。

オルクス大迷宮にて、実戦訓練を開始する!と。

 

†

 

それから日を掛けて、

オルクス大迷宮を擁するホルアドに到着する。

ホルアドは大迷宮目当ての冒険者と、鉱山の採掘で賑わう宿場町だ。

それは静かなゴールドラッシュを思わせる人の熱だった。

 

「ホルアドか。悪く無い」

 

「幸利は、機嫌が良さそうね?」

 

幸利。そう呼ばれて歌姫の事を、あの夜の事をまた思い出してしまう。

これだから童帝は!←もう非童帝です☆

だが顔に出さないよう努力して応える。

 

「………活気ってヤツか?

 こう言うのも悪く無い。これもファンタジーの醍醐味だ」

 

町に入った後は、騎士団御用達の宿へ。

そこで一泊して翌日、オルクス大迷宮へ赴く予定だ。

大半のクラスメイトは初めての旅疲れか?

直ぐに休んだが、時間はまだ昼上り。コチラは優花と町に繰り出す。

 

「☆☆」

 

やはり優花も女だった。

露天のアクセサリーショップで、目を輝かしている。

 

宝石店のような貴石は無い。

アクマで冒険者相手のアクセサリーショップだ。

何らかのアーティファクトだと謳っている。

が、アーティファクトにしては安い。

ただのアクセサリーだと思った方が良い。

 

「………これ、良いと思わない?」

 

「何だ?身代わりの腕輪??

 うわっ、パチモノ臭いステキなレア度!確かめる手が無いし!?」

 

これをデザインで選んだのか?

一瞬南雲を連れて来れば良かった!と思った。

アイツなら錬成師の鉱物系鑑定とかで、

パチモノかどうか鑑定出来たかもしれない。

 

だが目の前の優花の笑顔を見て、それはダウトだと判定。

同部屋で既に休んでいる南雲に合掌。

これは自分で判断しなければならない。

だがアテは無い。もう別に良いか!と判断する。

 

「………店主。これを貰おう」

 

「えっ、良いの!?」

 

自称/身代わりの腕輪を購入して優花に渡す。

名前の通り、致死ダメージを一度だけ身代わりしてくれる腕輪らしい。

本物だったら?まず在り得ない値段である。

 

「………稼げる男だからな?余裕だ」

 

「一体いつの間に?」

 

言うまでも無く例のファイトマネーだ。

だがヤボな事は当然言わない。町の練り歩きを続ける。

 

「………ねぇ、何が在ったの?

 私達が訓練で忙しかった時に」

 

早速腕輪を装備した優花が、心配。と言う感じの声で訊いて来る。

これはアレだ。初めての人殺しの方を悟られたか?

断じてもう一つの初めてをクリアした方では無いよな?

 

「………越えるべき壁を越えた。

 ただそれだけだ」

 

ベラベラ話す内容でも無いだろう。クールに答える。

だが、優花は納得しなかった模様。

 

「………それに幸利。

 変わったよね?」

 

「ぐはっっ!!!」

 

何か確信が有りそうな一言。もう一つの方もバレた!?

女と言うイキモノは鋭い。都市伝説じゃ無かった!

 

†

 

「………暫く席を外そう」

 

「ゴメンね?清水君」

 

微妙な空気のまま昼の散策は終って、夜になる。

もう寝るか?と言う時に、南雲を訪ねてネグリジェ姿の白崎が現れた。

 

冷静に席を外す。何やらシリアスな空気だ。

いくらネグリジェ姿でも?夜這いでは無いだろう。サル思考を除外。

と言うか?

白崎程の美人のネグリジェ姿を視認しても、特に劣情が湧かない。

これが余裕と言うヤツか!自分も変わったモノである。

はっ!優花にこれを悟られたのか!?

 

「………決戦前夜に一人とか。

 イベントを逃したんだな?カワイソウに」

 

「うわっ、何その同情の視線!?

 それに清水君も一人でしょ?」

 

「こっちは空気を読んで来ただけだ」

 

宿のテラスで佇む八重樫を発見。

八重樫は確か白崎と同室だった筈。本来外に居る理由は無い。

白崎は今!

南雲(ハジメ)と始めているかもしれないがな!(笑)

 

「………今度は何?」

 

「いや、流石は八重樫。と思っただけだ」

 

八重樫は白崎と違って、まだ普段着のままだ。

普段着と言っても?何とも懐かしいYシャツ姿だ。

Yシャツ姿で寛がれると、それはそれでエロい気がする。

気がするが、直接的なネグリジェ姿よりはマシだろう。

 

流石は八重樫!ガードが堅い。

それは悪い要素では無い。

コチラはラッキースケベ否定派である。

エロはエロい事をするシーンだけで良い!(断言)

するとやはり、白崎のアレは夜這い!?

 

「何かどうしようも無い事を考えている気がするわ」

 

「女の勘ってヤツか?

 どうしてこう、女は鋭いのか」

 

「………女が鋭いんじゃなくて、男がヌケてるのよ。

 優花と何か在ったの?」

 

やはり鋭いと思う。女が、では無く?八重樫がだが。

で、時間も空いているので?八重樫に昼の散策時の出来事を話した。

最後に、やはり鋭いと思わないか?と訊いたら呆れられた。

 

「だから男はヌケてるのよ。

 特に何も無いのにプレゼントとか!悟られるわ」

 

「そこか!そこで既にダウトか!?」

 

ヤレヤレ、と。八重樫に苦笑される。

そんな仕方無いモノを優し気に見る八重樫は、

確実に一枚絵のワンシーンだった。此処は挿絵を挿すべき!

 

「でも、実際清水君は変わったと思う。

 清水君はもっと、他人に興味が無い人だと思ってた」

 

「………否定はしない」

 

自分はその類の人間で間違い無い。

だが、イベント皆無は流石にどうかと思う。

 

「そこは否定する!

 やっぱり清水君は、清水君かな?」

 

「………なぁ八重樫。

 ついでにちょっと聴きたいんだが?」

 

「それをアッサリ私に相談する?

 ………まぁいいわ」

 

此処までで、かなり好感度を稼いだ。

八重樫→清水では無く、八重樫←清水をである。

だから八重樫に相談した。歌姫の件だ。

 

「それで清水君は、その歌姫さんの事が好きなの?」

 

「好きだとか嫌いだとかじゃなくてな?

 ………心の占有率を、突然増やされて困惑している感じだ」

 

「それ、絶対狙ってやったと思う。

 住みたかったのよ、清水君の心に。

 特別に、なりたかったのよ。きっと」

 

「………だが、歌姫とはアレが初対面だった。

 どうしてそこまで?」

 

「それは清水君が探してあげて?

 捕まえちゃいなさい。きっと待ってる」

 

思い浮かぶのは、歌姫の単独ライブ。

美しい歌声。何より楽しそうだった。

こうして歌える事が、何よりも嬉しい。喜びが伝わって来る歌だった。

 

やはり男はダメなのだろう。それしか解らない。

テキスト化しない心など、いくら読もうとしても読めはしない。

やはり会うしか無い。会って話をしよう。正攻法だ。

 

「………さて、そろそろ寝たい訳だが?

 八重樫、最後に頼みが有る。気配感知、使えるな?」

 

「何、このシリアスな空気は?

 使えるけど、それが?」

 

「部屋に戻る前に調べて欲しい。

 南雲達が、ハジメていないかどうか?をだ」

 

暫くの間、何を言われて居るのか解ら無かったようだが?

やがて頬が染まる。解って貰えたらしい。

 

「ちょっ!?何を言い出すのよ!!」

 

「ドアを開けた瞬間、今まさにハジメる処だったらトラウマ物だろう?

 今後に差し支える。友人としても、パーティーとしてもダウトだ。

 此処は気を使ってやる処だろう」

 

「だからって、私に技能まで使って覗けと!?」

 

「コチラにはサーチ系は魔力感知だけだ。

 それでは、騎○位とお馬さんごっこ(全年齢)の区別すら出来ない」

 

「態々伏字!?18禁?18禁なの!?

 しかも何が在ったらお馬さんごっこ(全年齢)が始るの!?

 そこはせめてマッサージネタでしょ!?」

 

「念の為と言うヤツだ。

 お馬さんでも、マッサージでも同じだ。頼む」

 

その後八重樫を説得して調べさせた。

ハジメていないか、本当に興味は無いのか?と堕とした。

無事眠れた。とだけ言っておこう。




雫の乙女チックさを少しは表現出来たかな?

勿論雫は、優花の気持ちを把握していますが?
空気の読める娘なので、余計な事は言いません。
相談もしっかり聞いてくれました。
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