皆大好き、雫さんの初出番も有り!
雫って?オリ主ヒロイン率高く無いですかね??
「………此処まで、か」
本日。朝帰りと言うヤツを、初めて体験した。
相手は歌姫。銀髪の海人族。
名前も知らない。出逢ったばかりの女だった。
気を抜くと、意識があの夜に戻りそうになる。
あの熱。あの感触。そして美しい嬌声。無中で歌姫を求めた。
気付けば朝。亜人街のその手の宿に居た。
宿に歌姫を連れ込んだのは覚えている。自分の意思だ。
ステータスプレートに輝く精神支配無効の文字。
自分が操られていた!と言う事も無い。
ガチで魅了されて、初対面の歌姫をホテルに連れ込んだ。
ゲス枠確定!と自分に失望。
起きて見れば所持金が無い!と言うヤボなオチも無い。
歌姫の姿だけが無かった。
残ったのはシーツの温もりと、鮮烈な夜の記憶だけ。
「………約束通り大迷宮から生きて帰って、
また歌姫に会う。それからで良い」
メルド団長には、キッチリ注意を受けた。
体育会系のペナルティは無い。解っているなら良いと。大人だった。
優花には?逆に心配された。理由が理由だけに、アレな気分になる。
そして告げられた。
オルクス大迷宮にて、実戦訓練を開始する!と。
†
それから日を掛けて、
オルクス大迷宮を擁するホルアドに到着する。
ホルアドは大迷宮目当ての冒険者と、鉱山の採掘で賑わう宿場町だ。
それは静かなゴールドラッシュを思わせる人の熱だった。
「ホルアドか。悪く無い」
「幸利は、機嫌が良さそうね?」
幸利。そう呼ばれて歌姫の事を、あの夜の事をまた思い出してしまう。
これだから童帝は!←もう非童帝です☆
だが顔に出さないよう努力して応える。
「………活気ってヤツか?
こう言うのも悪く無い。これもファンタジーの醍醐味だ」
町に入った後は、騎士団御用達の宿へ。
そこで一泊して翌日、オルクス大迷宮へ赴く予定だ。
大半のクラスメイトは初めての旅疲れか?
直ぐに休んだが、時間はまだ昼上り。コチラは優花と町に繰り出す。
「☆☆」
やはり優花も女だった。
露天のアクセサリーショップで、目を輝かしている。
宝石店のような貴石は無い。
アクマで冒険者相手のアクセサリーショップだ。
何らかのアーティファクトだと謳っている。
が、アーティファクトにしては安い。
ただのアクセサリーだと思った方が良い。
「………これ、良いと思わない?」
「何だ?身代わりの腕輪??
うわっ、パチモノ臭いステキなレア度!確かめる手が無いし!?」
これをデザインで選んだのか?
一瞬南雲を連れて来れば良かった!と思った。
アイツなら錬成師の鉱物系鑑定とかで、
パチモノかどうか鑑定出来たかもしれない。
だが目の前の優花の笑顔を見て、それはダウトだと判定。
同部屋で既に休んでいる南雲に合掌。
これは自分で判断しなければならない。
だがアテは無い。もう別に良いか!と判断する。
「………店主。これを貰おう」
「えっ、良いの!?」
自称/身代わりの腕輪を購入して優花に渡す。
名前の通り、致死ダメージを一度だけ身代わりしてくれる腕輪らしい。
本物だったら?まず在り得ない値段である。
「………稼げる男だからな?余裕だ」
「一体いつの間に?」
言うまでも無く例のファイトマネーだ。
だがヤボな事は当然言わない。町の練り歩きを続ける。
「………ねぇ、何が在ったの?
私達が訓練で忙しかった時に」
早速腕輪を装備した優花が、心配。と言う感じの声で訊いて来る。
これはアレだ。初めての人殺しの方を悟られたか?
断じてもう一つの初めてをクリアした方では無いよな?
「………越えるべき壁を越えた。
ただそれだけだ」
ベラベラ話す内容でも無いだろう。クールに答える。
だが、優花は納得しなかった模様。
「………それに幸利。
変わったよね?」
「ぐはっっ!!!」
何か確信が有りそうな一言。もう一つの方もバレた!?
女と言うイキモノは鋭い。都市伝説じゃ無かった!
†
「………暫く席を外そう」
「ゴメンね?清水君」
微妙な空気のまま昼の散策は終って、夜になる。
もう寝るか?と言う時に、南雲を訪ねてネグリジェ姿の白崎が現れた。
冷静に席を外す。何やらシリアスな空気だ。
いくらネグリジェ姿でも?夜這いでは無いだろう。サル思考を除外。
と言うか?
白崎程の美人のネグリジェ姿を視認しても、特に劣情が湧かない。
これが余裕と言うヤツか!自分も変わったモノである。
はっ!優花にこれを悟られたのか!?
「………決戦前夜に一人とか。
イベントを逃したんだな?カワイソウに」
「うわっ、何その同情の視線!?
それに清水君も一人でしょ?」
「こっちは空気を読んで来ただけだ」
宿のテラスで佇む八重樫を発見。
八重樫は確か白崎と同室だった筈。本来外に居る理由は無い。
白崎は今!
南雲(ハジメ)と始めているかもしれないがな!(笑)
「………今度は何?」
「いや、流石は八重樫。と思っただけだ」
八重樫は白崎と違って、まだ普段着のままだ。
普段着と言っても?何とも懐かしいYシャツ姿だ。
Yシャツ姿で寛がれると、それはそれでエロい気がする。
気がするが、直接的なネグリジェ姿よりはマシだろう。
流石は八重樫!ガードが堅い。
それは悪い要素では無い。
コチラはラッキースケベ否定派である。
エロはエロい事をするシーンだけで良い!(断言)
するとやはり、白崎のアレは夜這い!?
「何かどうしようも無い事を考えている気がするわ」
「女の勘ってヤツか?
どうしてこう、女は鋭いのか」
「………女が鋭いんじゃなくて、男がヌケてるのよ。
優花と何か在ったの?」
やはり鋭いと思う。女が、では無く?八重樫がだが。
で、時間も空いているので?八重樫に昼の散策時の出来事を話した。
最後に、やはり鋭いと思わないか?と訊いたら呆れられた。
「だから男はヌケてるのよ。
特に何も無いのにプレゼントとか!悟られるわ」
「そこか!そこで既にダウトか!?」
ヤレヤレ、と。八重樫に苦笑される。
そんな仕方無いモノを優し気に見る八重樫は、
確実に一枚絵のワンシーンだった。此処は挿絵を挿すべき!
「でも、実際清水君は変わったと思う。
清水君はもっと、他人に興味が無い人だと思ってた」
「………否定はしない」
自分はその類の人間で間違い無い。
だが、イベント皆無は流石にどうかと思う。
「そこは否定する!
やっぱり清水君は、清水君かな?」
「………なぁ八重樫。
ついでにちょっと聴きたいんだが?」
「それをアッサリ私に相談する?
………まぁいいわ」
此処までで、かなり好感度を稼いだ。
八重樫→清水では無く、八重樫←清水をである。
だから八重樫に相談した。歌姫の件だ。
「それで清水君は、その歌姫さんの事が好きなの?」
「好きだとか嫌いだとかじゃなくてな?
………心の占有率を、突然増やされて困惑している感じだ」
「それ、絶対狙ってやったと思う。
住みたかったのよ、清水君の心に。
特別に、なりたかったのよ。きっと」
「………だが、歌姫とはアレが初対面だった。
どうしてそこまで?」
「それは清水君が探してあげて?
捕まえちゃいなさい。きっと待ってる」
思い浮かぶのは、歌姫の単独ライブ。
美しい歌声。何より楽しそうだった。
こうして歌える事が、何よりも嬉しい。喜びが伝わって来る歌だった。
やはり男はダメなのだろう。それしか解らない。
テキスト化しない心など、いくら読もうとしても読めはしない。
やはり会うしか無い。会って話をしよう。正攻法だ。
「………さて、そろそろ寝たい訳だが?
八重樫、最後に頼みが有る。気配感知、使えるな?」
「何、このシリアスな空気は?
使えるけど、それが?」
「部屋に戻る前に調べて欲しい。
南雲達が、ハジメていないかどうか?をだ」
暫くの間、何を言われて居るのか解ら無かったようだが?
やがて頬が染まる。解って貰えたらしい。
「ちょっ!?何を言い出すのよ!!」
「ドアを開けた瞬間、今まさにハジメる処だったらトラウマ物だろう?
今後に差し支える。友人としても、パーティーとしてもダウトだ。
此処は気を使ってやる処だろう」
「だからって、私に技能まで使って覗けと!?」
「コチラにはサーチ系は魔力感知だけだ。
それでは、騎○位とお馬さんごっこ(全年齢)の区別すら出来ない」
「態々伏字!?18禁?18禁なの!?
しかも何が在ったらお馬さんごっこ(全年齢)が始るの!?
そこはせめてマッサージネタでしょ!?」
「念の為と言うヤツだ。
お馬さんでも、マッサージでも同じだ。頼む」
その後八重樫を説得して調べさせた。
ハジメていないか、本当に興味は無いのか?と堕とした。
無事眠れた。とだけ言っておこう。
雫の乙女チックさを少しは表現出来たかな?
勿論雫は、優花の気持ちを把握していますが?
空気の読める娘なので、余計な事は言いません。
相談もしっかり聞いてくれました。