月の聖杯戦争RTA   作:ぴんころ

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Part4

 幕間の物語とかいうロスにしかならないイベントは全力で回避していくけれど三回戦のアリーナとかいう隠し通路が多すぎて投げ出したくなる難所を迎えてトントンになるだろうRTAはーじまーるよー。

 

 はい、まずは今回最初のイベントとしてやってくる幕間の物語……ユリウスのアサシンとのイベントをこなしましょう。ここは愛歌ちゃん様の転移魔術によってあっさりと抜けることができます。ですが、実はここで引っかかっておかないと五回戦までユリウスという名前を知ることはなく、それどころか三回戦の後のラニ・凛救出イベントが発生しない可能性すらあります。あれはユリウスのことを知っていたからこそ視聴覚室を覗こうとしたわけですしね。

 とはいえ、馬鹿正直にアサシンと戦ってやる必要はありません。閉じ込められるのと同時に転移魔術で脱出しましょう。そうすれば向こうはこちらのことを脅威とみなしてくれます。凛ちゃんに助けられたなら、これでフラグは立ちました。あとはいつものように三回戦も走るだけです。今のところガバらしきガバは一つも出ていないので、このまま突っ切りたいものですね。

 

 

 さて、三回戦の対戦相手はありすです。ひらがな表記でありすなので間違えないようにしましょう。端末に連絡が来るよりも先に掲示板にたどり着いていたホモですが、どうやら私の知らない間に端末に連絡が来ていたようですね。相手であるありすもそこにいます。見た目は幼い少女ですが、ここまで勝ち残って来たということはその実力は本物。油断はフヨウラ!

 

 というわけで、今日も今日とて遠坂ちゃんを頼りましょう。頼れるのは彼女程度です。情報を得るためには敵であっても媚を売りましょう。とは言っても今回の相手に関しては凛ちゃんは何も情報を持っていないようです。役に立ちませんね。普通に考えたら、一回戦で消える多くの人物の情報を持っていないのはともかくとしても勝ち残って来るような連中についての情報を持ってないのは致命的だと思います。

 

 一日目には何があろうと暗号鍵を入手することはできません。というのも、相手の情報を得るために鬼ごっこを行うことになるのですが、その際に最終的に相手が呼び出したジャバウォックがレベル99なのです。それが道を塞いでいる以上、こちらは先に進むことができなくなるのです。一部ユーザーはこのタイミングでジャバウォックを倒すことを成し遂げるらしいですし、そもそも愛歌ちゃん様ならば負けることはないと思いますが、これはRTAなのでロスになると分かり切った行動をする必要はありません。

 

 ちなみに、このタイミングでありすのサーヴァントがわかります。有志の手によってありすのサーヴァントがナーサリーライムではない場合もすでに発覚していますが、今回はナーサリーライムでない場合はリセットです。というのも、ナーサリーライムでない場合のありすのサーヴァントというのは『ジャンヌ・ダルク・オルタ・サンタ・リリィ』です。もう一度言います、スパムです。

 ナーサリーライムの場合は全ての行動が確定していますが、スパムの場合は逆に全ての行動に規則性がありません。スキル三種類とアタック・ガード・ブレイクの三種類の合わせて六つ、そこに宝具を加えて合計七つ、それぞれランダムに配置されています。117649通りの組み合わせなんて判断できるわけありませんし、そもそも公開される手は三手だけです。無理です。さらにそこに『絶対に真名にたどり着けないサーヴァント』なわけで、宝具のタイミングもつかめません。そんなのと戦うのはジャバウォックの分のロスをはるかに超える厳しさです。そういうわけでナーサリーライムじゃないとダメだったんですね。

 というわけで撤退です。撤退したところでマトリクス『バーサーカー?』を取得しました。どう考えてもまずサーヴァントに見えない……それは今更ですね、UMAとかもサーヴァントになってるんですし。とりあえず、ナーサリーではなくジャバウォックをサーヴァントだと思ったホモくんは見当違いなマトリクスを取得しましたが、一切役に立たないので気にしなくていいです。戦いをしていたならばSE.RA.PHから警告が出ないことでサーヴァントではないとわかるのでしょうが、今回はそもそも戦わなかったので関係ないですね。

 

 

 さて、二日目に入りました。二日目は自由行動の前にサイバーゴーストについての情報をレオから得られます。が、それはこのRTAにおいては関係ありません。まず相手の情報を探りにかかります。そこらへんで出会ったありすとかくれんぼをしましょう。かくれんぼと言いながらアリーナの前に一切隠れることなく立っています。そこで見つけたら、今度は宝探しだと言って『ヴォーパルの剣』を探してくればジャバウォックをどかすことができると教えてくれました。

 本来ならばここで凛ちゃんに話を聞きに行き、そこでヴォーパルの剣が何かを尋ねて、ラニのところでマラカイトが必要と言われて、遠坂凛から『ルビーと交換』という条件を出され、そこから購買部のNPCに桜弁当と交換なら、と言われるのですが、今回は愛歌ちゃん様なのでそこの一連の流れをオールカットして愛歌ちゃん様が錬成してくれます。やったぜ。すぐにでもジャバウォックを倒しに行きましょう。愛歌ちゃん様の作ったヴォーパルの剣はラニの作ったものより強いぜ!

 とはいえ、ここまで頑張ったのに意味がありませんでした。愛歌ちゃん様からあの怪物はサーヴァントではないということを教えてもらえますから。でもしょうがありません。警告が出ませんでしたからね。倒し終えたのでちゃんと暗号鍵を取ってから帰りましょう。こういう強敵を倒すと、それだけで安堵して暗号鍵の存在を忘れて帰りかねませんからね(一敗)。

 

 今度は三日目です。今回は珍しく、三日目から第二層が展開されていますので、ありすの呼び出しに従ってそちらに向かいましょう。情報を得るためですからね、こんな幼女と遊ぶのが楽しいわけないじゃないですか。楽しんでたらホモの名を返上しないといけません。

 今日やらなければならないことは『名無しの森』についての情報を得ることと、できる限りのマップ作成です。というのも、今日に関しては『名無しの森』が生成されたことによってこの階層のエネミーは全て存在が消滅させられているからレベル上げもできず、ありすとの追いかけっこを時間制限以内に成功しなければゲームオーバーになるのです。そこまで時間制限が厳しいわけではありませんが、ちょっと試走の最中にミスしたので、安定をとって普通に追いかけます。三回行き止まりに追い詰めれば終わりなのでちょっと急いで走りましょう。

 

 

 走り回っておめおめと逃げ帰った翌日。ようやく落ち着いたので前日の最後に取得した紙を確認します。『あなたの名前はなあに?』と書かれていることを確認したら、一応凛ちゃんに相談しに行きましょう。ここで凛ちゃんに相談しないとありすがサイバーゴーストであることにたどり着けません。ありすが固有結界を使用したということを相談しましょう。

 さて、相談をしたらもう問題ありません。アリーナに向かいましょう。アリーナに向かえばホモの伝家の宝刀を放ちます。さあ、皆さんご一緒に──

 

 

 ──フランシスコ……ザビ!?

 

 

 よし、これでノルマは達成です。ただのロスですが気にしてはいけません。固有結界が解除された以上、もう何も恐れることはありません。エネミーを撃破しながら先に進み、レベル上げに今日は勤しみましょう。三回戦のこれからのイベントを考えると、もうアリーナで行われるイベントがないのでいつ暗号鍵を取得しても問題はないです。なので忘れないうちに拾っておきましょう。

 

 ……そういえばまだエネミーの説明をしていませんでしたね。ですが、そろそろエネミーの行動パターンを文字に起こすのがめんど……難しくなってきました。動きが複雑すぎる。

 というわけで、今回は旨味なエネミーについてだけご紹介します。まずは第一層からエントリーした鳥型エネミーこと『WHEATHER DRIVE』くん。彼は三手目に直前のものとは違う二択を入れてくるのですが、50%の確率で外れることを除けばとても経験値が美味しい敵です。見つけ次第狩って焼き鳥にしてやりましょう。

 第二層は蜂型のエネミーこと『EARTHCALL』だけがまず味です。それ以外の二種類はうま味なので色々と狩って、レベル上げに勤しみましょう。ここの基準は18です。

 

 では、そろそろ先ほどまで展開されていた固有結界についても説明をします。名無しの森という名前については先ほどちょろっと口にしましたが、その効果は『名前を忘れてしまう』というものです。名前を忘れるだけ、と思われるかもしれませんが実際には名前を忘れることで自己を定義するものが消滅し、それに伴ってだんだん存在そのものが消失していくという悪魔的なものなのです。 

 

 名無しの森とかいうどう考えても重要すぎるワードを手に入れたので、これを学園に戻ってからしっかり調べてマトリクスを3にしま……せん。この三回戦に限ってはマトリクスを最大まで埋める必要がないのです。ジャンヌ・ダルク・オルタ・サンタ・リリィの可能性の際に説明をしましたが、この三回戦に関してだけは相手の行動は完全に固定されています。マトリクスなんて必要ないんだよ!

 

 なので、ここからは完全にただのレベル上げなので99倍速で終わらせます。

 

 

 ………………

 

 

 …………

 

 

 ……

 

 

 

 はい、というわけで当日です。五日目は本来ならば凛ちゃんから『ありすは最初から死んでいる少女なのではないか』という考えをもらえます。そしてその後、魂の改竄を行ってくれる教会にいる、蒼崎橙子から話を聞くことでキャスターかバーサーカーか、固有結界という存在と強大な戦闘能力のそぐわなさについて教えてもらえます。さらにそこにありすが落としていった鏡文字の文章。それらがナーサリーライムの真名に近づけてくれます。

 六日目は本当にただの確認でしかありませんでした。ですので特筆するべきことは何もなくアリーナでのレベル上げです。結果、今の愛歌ちゃん様はレベル20です。魔力はすでにBランクまで上がっているので、まず間違いなく倒せるでしょう。

 

 では、今回の相手であるナーサリーライムについて説明します。彼女は本来明確な形を持たないサーヴァント。英語の「わらべうた」。実在の人物を英霊としたものではなく、実在する絵本の総称。

 イギリスで子供達に深く愛されたこのジャンルは、多くの子供達の夢を受け止めていった絵本のジャンルは、一つの概念として成立、その結果として「子供たちの英雄」という概念としてサーヴァントとなりました。のちにルイス・キャロルという著名な作家を生み出す下地になったものでもあります。

 サーヴァントが固有結界を作るのではなく、固有結界そのものがサーヴァントであり、あの少女の形をかたどっているというある種の特殊事例。

 「物語」であるため本来決まった形は無く、マスターの心を映し、マスターが夢見た形の疑似サーヴァントを作り上げる、そんなサーヴァント。

 

 では、なぜそんな彼女がありすと同じ姿をしているかといえば、それはありすが「お友達が欲しい」と夢見ていたから。

 彼女は現実ではすでに死んでいる、いわゆるサイバーゴースト。生前の国籍は第二次世界大戦末期のイギリス。ナチスドイツの空爆によって瀕死の重傷を負い余命幾ばくも無い状態に陥ったが、魔術回路が確認されたために強制的に延命させられ、数年間に及び研究用実験に使われた後に肉体は絶命。しかし、精神は繋げられたネットに残り続け、電脳魔として生き続けることになった少女。

 ネット上を彷徨い続けていた彼女がこのムーンセルにやってきたのは『人がたくさんいて楽しそうだった』から。参戦した理由は自分と似たマスター……つまり肉体を持たないホモくんとお話ししてみたかったから。

 

 

 ……人物背景重すぎませんか?

 

 

 気を取り直してナーサリーライムとの戦闘です。

 彼女の宝具『永久機関・少女帝国(クイーンズ・グラスゲーム)』はゲーム的にいうならば体力の全回復。その本質は詠唱によって行われる時間の巻き戻し。ただしあくまで巻き戻し繰り返しを行うだけであり、時間を操るとされる第五魔法とは違い自身とその召喚物にしか効果は適用されません。

 そして、巻き戻し繰り返しをするために行動パターンは全て決められているのです。

 

 

 1ターン目。スキル、アタック、アタック、ガード、ガード、ブレイク。

 2ターン目。ブレイク、スキル、アタック、ガード、アタック、ガード。

 3ターン目。アタック、ブレイク、スキル、ガード、ガード、アタック。

 4ターン目。ガード、ガード、ブレイク、スキル、アタック、アタック。

 5ターン目。ガード、アタック、ガード、ブレイク、スキル、アタック。

 6ターン目。アタック、ガード、ガード、アタック、ブレイク、スキル。

 7ターン目。アタック、ブレイク、スキル、ガード、ブレイク、スキル。

 8ターン目。ガード、ブレイク、アタック、ブレイク、ブレイク、スキル。

 

 そしてその直後に宝具発動。よって合計四十八回の行動で倒し切らないと削り落とされます。

 

 スキルに関しても全てが固定で、1ターン目のスキルは補助スキルの『白の女王さまのなぞなぞ』。

 2ターン目のスキルはガードで軽減可能な攻撃スキルの『冬の野の白き時』。

 3ターン目のスキルは攻撃スキルで対ガードスタンの効果付き、つまりガードしても軽減できない上にガードするとスタンする『三月兎の狂乱』。

 4ターン目のスキルは3ターン目と同じ。

 5ターン目のスキルは2ターン目と同じ。

 6ターン目のスキルは1ターン目と同じ。

 7ターン目の3ラウンドのスキルは2ターン目と同じで、6ラウンド目のスキルは3ターン目と同じ。

 8ターン目の6ラウンドのスキルは2ターン目と同じでその直後に宝具です。

 

 

 こちらのレベルが十分であれば普通に倒しきれます。もしも全手わかりきった状態で倒しきれなかったなら、それはリセット案件ですからね。そんなことにはなりません(三敗)。

 勝利した後に学園に戻ってくるとレオくんからのお出迎えです。ホモからしたら嬉しいはずのお出迎え。ここで彼が参戦理由を語ってくれますが、正直どうでもいいです。

 

 今回はもうちょっとだけ続きます。具体的には幕間その2。ヒロインを決める選択肢です。え? ヒロインは愛歌ちゃん様だろって? 私もそう思います。ですが、これがシナリオなのでね、しょうがないことなのです。では、分岐点イクゾー!(デッデッデデデデ! カーン!)

 

 

 今回の分岐点は凛とラニの戦いです。ここで彼女たちのどちらを助けるのかを選ぶことでこの作品の協力者が決まります。RNとRN、どっちを選ぶか悩みますね。その決戦日、ユリウスが視聴覚室で何かをしているのを見かけたので、俺も仲間に入れてくれよーって感じに行きましょう。友達ですからね(まだ友達とは言ってない)。視聴覚室に入ったら機械に触りましょう。そしたら勝手に機械が決戦場を映し出してくれます。

 では垂れ流しとなります。このRTA中唯一の休憩時間です。トイレに行ったりと色々しておきましょう。ただ、のんびりしていると普通にムービーが終わったりしています。少し急ぎましょう(五敗)。

 

 この勝負は凛ちゃんが勝利するようです。やはり型月が誇るFateシリーズの元祖ヒロインは格が違いますね。決着まで見たら帰りましょう。まあ、『このままいけば』の話なんですがね。そんな簡単にはいきません。そもそも『このままいけば』がちゃんと成立するなら、岸波フランシスコホモとかいう男がここまで勝ち残ってるはずがありません。

 

 ラニの体は爆弾になっているらしく、聖杯が手に入らない場合は聖杯を破壊するように指示を受けていたようです。これも凛ちゃんがどうにかしてくれるはずなんですが、何を思ったのかホモくんは助けたいと思ったようですね。愛歌ちゃん様の可愛らしい嫉妬が見られますが、正直こっちは冷や汗ものです。そんなことを考えるぐらいならと監禁されたらRTAはリセットでしたからね。

 

 さて、それでは選択の時です。一体どちらを助けるのかは──

 

 

 次回です。というわけで今回はここまで。ご視聴、ありがとうございました。


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