メイヴの鞭で叩かれると身体能力が倍に罵られると魔力が倍になるマスター 作:騎士見習い
前話と矛盾するとこあるかもね
カルデアで召喚された英霊の一人、レオナルド・ダヴィンチ。偉業通り、彼女はこのカルデアにおいて技術者としての要となっていた。そんな彼女は、カルデアで工房を持ち、日々、開発に取り組んでいるのだ。
「ダヴィンチ工房へようこそ。今日はこの手錠とロウソクがオススメだよ」
右手に手錠を持ち、左手に赤いロウソクを持つ偉人がそこにいた。
「どこにも需要がないのでいりません」
「恥ずかしがることはないよ。私も生前の芸術活動中は白い目で見られたものさ、だけど後悔はしてないよ。……自分に素直になろうシラズくん」
ポンっと肩に優しく置かれた手を一瞬で払い除ける。
「あらあら万能の天才が自ら製作したものを『いらない』だなんて偉くなったわね。そ、れ、に私がマスターのためを思って製作を依頼したのよ。……メイヴちゃん悲しいわ」
おいおい、と泣き真似をしながら諸悪の根源が堂々と目の前に登場した。例え泣き真似だろうと美少女がするとそれなりに破壊力と謎の後悔に襲われてしまう。
「大丈夫ですか?メイヴさん。……聞きましたよシラズさん、冬木で令呪を使って強制的に鞭で叩くように命じたそうですね。普通に最低です」
「いいのよマシュちゃん。マスターの役に立てるならサーヴァントとして本望だわ」
特異点修正後から姿が見えないと思っていたらマシュちゃんを味方にしてたのか。コイツは本当に俺のサーヴァントなのか常々疑問に思ってしまう。
「令呪は三画しかないんだよ?そんなのに使うわけないじゃん。マシュちゃんは騙されてるよ!」
「私が知らないと思ってるんですか!1日1画ずつ令呪が回復することを!!」
いや、そんな全力でゲームのヘルプみたいなことを言われても困ってしまう。
「マスターを責めないで!今でも思い出すわ……あの日の召喚を」
『汝の鞭は我が身体に、我が快楽は汝の罵倒に』
「そんな詠唱してないからね!悪質な記憶改竄やめてくれ」
召喚の場にいたダヴィンチちゃんが何も言わない辺りは100%今の状況を楽しんでるのだろう。このままだと泥沼化すると思った矢先、アナウンスが響き渡る。どうやら、次の特異点が観測されたらしく、俺たちは急いでDr.ロマンの元へ行った。
「みんな集まったようだね。次の特異点は百年戦争末期のフランス……。早速で悪いけどすぐにレイシフトしてほしい」
百年戦争中のフランス。あまり歴史には詳しい方ではないが、百年戦争というのは聞き覚えがある。何が起こるか分からない特異点だ、しっかりと準備をしなきゃな。
「それじゃ!私とマスターが1番乗りよ。いざ行かんフランス!」
「いや、ちょ待てって!」
どういう原理なのか鞭で亀甲縛りにされ、そのまま俺たちは周りの声を無視してレイシフトした。
☆
「なぁ、この状況に謝罪の一つもないのか?メイヴ」
フランスのどこにレイシフトされたのか分からないが、目の前には3人のサーヴァントがいた。感じる魔力からサーヴァント全員が狂化されていることが伝わってくる。圧倒的な絶望的状況
「大丈夫よ。私たちのプレイで相手を怯ませて脱出すれば問題ないわ」
人が了承する前にパチンッ!と背中に痛みが走る。この絶妙な痛みを与えるのは敵の攻撃ではなく、メイヴから繰り出されたものだ。
「露出プレイって知ってる?性欲猿さん?」
ビクビクッと意識に反して身体が反応してしまう。突然の魔力の高まりに3人のサーヴァントは臨戦態勢を取り始める。
「あらあら鞭で叩かれて、罵られて反応するなんて、どうしようもない変態ね!」
パチンッ!と二度目の鞭が背中に叩かれる。まだ身体能力、魔力の高まりに身体が付いていけず何とも言えない感覚が全身を包み込む。
「ほらほら抵抗なさいよ!こんな姿を敵に見られてるのよ!ん?」
「や、やめッ、んんッ〜!て、えぇ!」
魔力の高まりに怯んでいるのか、今の行為にドン引きしてるのか分からないが3人のサーヴァントは本能的に後ずさっている。お互いの状況は最悪だが、今が逃げるチャンスかもしれない!
「鞭だけじゃ足りないでしょ?私の足で踏んづけてあげるわ。光栄に思いなさい」
唇を舐め、悦楽な表情を浮かべながら尻にヒールをグリグリと突きつけられる。色っぽい吐息を吐きながら本能のままに動いてるように見える。
「お前!絶対に作戦忘れて夢中になってるだろ!!」
俺の言葉を無視しながら罵声、踏みつけと何回か繰り返すし、そろそろかしら、とメイヴの足が尻から離れる。
『私を愛し私が愛した思い人。
その愛が真ならば私を守りなさい!
突如、メイヴの手に一振りの剣が現れた、それはドリルのように捻れた刀身を持ち、天を貫くように螺旋を描いていた。
「その剣にふさわしい男になったら本来の姿で貸してあげるわ。私の愛しきマスター」
その剣を懐かしむように愛でながら俺の手に預ける。この剣が何なのかを知りたいが、メイヴの顔を見るとその気もなくなる。彼女のいう、ふさわしい男になればいずれは分かるのだろう。だから今はこの状況を打破する以外に方法はない。
本来の俺だったら剣を持つこともできなかったと思う。それを考慮して、さっきの行動を取ったのだと思いたい。たった一振り相手を薙ぎ払うかのように振ると、刀身が伸び、瞬く間に3人のサーヴァントを吹き飛ばす。
「完璧よ!マスター!さっ、退散しましょ。カモン!マイ・チャリオット」
車体だけが出現し、手綱が俺に絡まる。メイヴは何事もないように手綱を握る。
「もしかして馬のかわりですか?」
「私の足になれるのだから光栄なことよ。ハイヨッ!!」
バチンッ!と鞭の数倍の痛みが走り、背に腹は変えられないと思い全力で馬車を引く。身体能力が向上してるおかげで苦労なく走り出せた。
「主人に伝えなさい!並のプレイじゃ私のマスターは満足しないってね」
他人から見たら、俺たちは救世主ではなく悪人に見えるだろう。
☆
「追ってこないし、もう馬車は引かなくていいよな」
「ダメよ。さっきので魔力空っぽなの。当分は歩けないわ」
「何が空っぽだよ……。俺の魔力を容赦なく持ってっただろ、あんだけ増えてた魔力が全くないんだが」
「そんなこと言われてもメイヴちゃん知らな〜い」
ここで言い争っても結局負けることを知ってるから諦めて歩き出す。藤丸くんたちは無事にレイシフトできたのだろうかと心配しながら身体能力が元に戻るまで歩き続ける。
「まぁまぁ、見て見て藤丸、マシュ!人が馬の代わりをしてるわ」
とても明るい声が聞こえ、その方向を見ると今の状態を1番見られたくない彼らがいた。
「マリー。あれは一種のプレイと呼ばれるもので、一定数の人間には娯楽として提供されているんだよ。まぁ僕も見るのは初めてなんだけどね」
「そうなのね!ヴィヴ・ラ・フランス!とっても貴重な光景だわ」
動揺を隠しながら身体から手綱を外し、ゆっくりと歩きながら近く。無言でマシュちゃんは盾を構え始めるが刺激しないことと投降する意思を見せる。
「はじめまして。藤丸くんと同じマスターのシラズです」
「私はマリー・アントワネット、マリーでいいわ。こっちにいるのがアマデウスよ。ぷれい?中をお邪魔してゴメンなさいね」
「君の馬車を引く姿は芸術的だったよ。やっぱり未来は刺激的なものばかりだ」
フランス王妃と天才作曲家に壮絶な勘違いをさせているが自分から首を絞める必要はないので素直に受け止める。
「先輩気をつけてください。シラズさんも敵に狂化を受けてるかもしれません」
「ん〜それはないと思うけどな〜。あはは……」
どっちかというと俺よりもメイヴの方が狂化を受けてるだろ、本能の赴くままに行動してるしな。が、時間も惜しいため、先程の出来事を説明する。なんやかんやで情報集めのために街へ向かうことになった。
また馬車を引くのかと恐る恐るメイヴを見るが馬車は消えており、当の本人は青ざめていた。街まで歩きながら青ざめている原因を聞く。
「どうかしたのか?調子悪そうだけど」
「……。なんも」
拗ねているような初めて見る顔に謎の喜びを感じながら答える気配が全くないので強行手段を行う。
「令呪をもって命ずる。俺の質問に答えろ」
手の甲に刻まれている令呪が光だし、三画の一画の模様が薄くなる
「こんなことに令呪使うなんてバカなの!?絶対に言うわけ、アッ…ダメッ!言いたくないのにッ、」
胸元を腕で抱きかかえ、前屈みになったと思ったら甲高い声を上げと思ったら突然起き上がり細かく痙攣していた。
すう〜と指をさしたと思ったら、その方向にはマリーが立っていた。
「私、アイツ嫌いかも」
「それだけ?」
「あのキャピキャピしてるところ。中でも一番気にくわないのが、国のために私がいるって思ってるところ」
「愛国心は別に良いことなんじゃないか?」
「逆よ逆!自分のために国があると思わなきゃダメなのよ!女王っていうのは国で1番ワガママじゃなきゃいけないの!お分かり?」
メイヴとしての女王の在り方というものがあるっぽいが、俺みたいな平凡なマスターが、いつか理解できる日が来るのだろうか……。
「ああいう女の末路は信じてた者に裏切られて死ぬのが落ちって、ことよ」
マリーの結末を知っていたが俺は何も言わず、メイヴの頭に手を乗せ何となく撫でる。そのお礼と言わんばかりにヒールで足を踏まれ痛みに苦しんだ。
だいぶ勢いで書いてるので優しい気持ちで見てね