絶対に死んではいけないACfa   作:2ndQB

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自分はガチタンが好きです


第10話

部屋で寝てたらいきなり白衣纏った如何にも「私は研究者です」みたいな人に起こされる

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「ついて来てくれるカナ!?」ってものすごい嬉しそうに言われたので無言でついて行く

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その人が何か部屋の前で立ち止まるやいなや「ちょっとここで待っててねぇ」と言われたので待つ

                    ↓

「それでは、特別ゲストの―――リンクス、『ゼン』君!!お入り下さい!」←イマココ

 

……は?いや……何?何なの? 入って良いの?マジでポルナレフ状態なんですけど。

 

つーか何で名前知ってるの……はあああああ!分かった!コレあれだ!きっと自分の為のサプライズ歓迎会だ。となるとラインアーク移住計画は大成功したという訳ですね!

ふふふ、わざわざ気を遣ってくれなくても良いのに……まあ、やってくれると言うのなら楽しませて頂きますよ!うーむ、となるとやはり大事なのは第一印象だな。

 

歓迎会とは言え調子に乗ってる奴だとは思われないように、すんごく真面目な顔で行こう。

 

さて、開くぜ運命の扉ぁ!

 

open!!!

 

「……」

「……」

「……」

「……」

 

……おっほっほ~。なるほどね、そういう感じか。俺は間違えてどこでもドアを開いちまったみたいだ。だってあり得ないじゃん、歓迎会のはずなのにスーツ着たお偉いさんっぽい方々の居るお部屋に突撃隣の晩御飯しちゃったんだぜ?

 

それにしてもなんだこの仕打ち。のび〇君はしず〇ちゃんの入浴中にバスルームに入れるのになぜ自分は会議室に転送されるのか。これじゃ「ゼン君のエッチ―!!」とか出来なくね? いやむしろこんな知らない奴が会議中に入って来たら「え?誰?」ってならない? というか現になってません?

 

……あ、あばば。何!?何ナノ!何で自分がこんな場違いなところに!?た、たすけてドラえm

 

「やあ!ゼン君。いきなりで申し訳ない」

 

あ、アナタは、俺をここに連れてきた研究者っぽい人!

ふー、良かったー。とりあえず自分はどこでもドアをくぐり抜けた訳では無さそうだな。つまり、呼ばれた理由は歓迎会では無いと。となると。

 

「俺に何の用だ?」

「いやあ、君に聞きたい事があってね」

 

聞きたい事があるならさっきの2人きりの時に聞いて下しあ……何もこんなお偉いさんの前で質問しなくたって良いじゃないの。

 

「何だ?」

「単刀直入に聞こう!君がここに来た理由を話してくれないかい?」

「マーシュさん、一体何を……」

 

!? ここ、この声は。フィオナちゃんの声だ!すみません声の方向をチラ見させて貰います……

 

って、超美人やないか!金髪碧眼の美人さんやないか!確か設定だとリンクス戦争から10年ちょい位経ったらしいし、若くても三十代中盤~後半位らしいけど……すごく若々しく見える。誰だよオバサンとか言った人、ブッ飛ばしますよ!いやブッ飛ばされますよ!ホワイト・グリントに!

 

本当アナトリアの傭兵羨まC 

 

あと気になるんだけど、フィオナちゃんさっき「マーシュさん」って言ってたよね。

つまり自分と一緒に来たあの人がアブ・マーシュさんだったのか…す、凄い。凄すぎるよ。もうアレだからね?世間一般に例えるならば芸能人と直接お話ししてるレベルだからね?

サイン貰っとこうかな。『ゼン君へ』って色紙で。うわー、嬉しすぎて口がにやけるわ……

 

「ウフフ、楽しそうだねぇ」

 

すすすびばせんマーシュさん!

ううむ、それにしてもここに来た理由かぁ…ありのまま自分に起こった話をした場合どうなるのか。気になりますねぇ。それではシミュレーションをどうぞ。

 

『いやぁ。実は僕こことは違う世界にある日本でグーグーお休みしてて、突然目が覚めたと思ったら自分の愛用している機体に乗ってラインアークに降下していたんですよ!ちなみにさっき昼寝してたら神様に会って、この世界でしばらく頑張る様に言われました!ははは、参りましたね!』

 

やばいな、こいつぁ相当参ってますよ。

 

……いやマジ無理。冗談抜きで無理ですごめんなさい。こんな事言ったら即追い出し食らうに決まってる。リンクス云々以前に、人としてヤバい感じだよね。でも嘘をつくのもちょとイカンし。

 

となると、ここは。

 

「ああ、理由、か」

 

出来るだけ深刻そうに……

 

「帰れない……俺には、(平穏無事なアパート生活を)守れなかった。この世界にはもう、俺の帰れる場所は無いんだ。これでは、不足か?」

 

こんな感じで言い方を変える方針で行こう!ちょっとカッコつけすぎた感はあるけど、一応嘘はついていないしOKのはず……ああ、何かこんな時なのにアパートの自室を思い出してしまう。早くもホームシックですよ。

 

くっ、こんな暗い気持ではこの先やっていけないぞっ。これからは可能な限り思考をポジティブにもっていく様に努力しなければ。

 

「……なるほどねぇ」

 

何ですかねその反応は。「何言ってんだコイツ」みたいな?やっちまったか……うわ、たしかに考えてみたら凄い恥ずかしい事を言った気がするぞ。ま、まあ過ぎた事だし。今更黒歴史が増えたところで痛くも痒くも……いや、痒みくらいは感じます正直。

 

「私からも質問を」

 

おや。フィオナちゃんも質問あるの?

 

「何だ」

「ゼン、あなたがラインアークに移住する事になった場合ですが……今後、その身はラインアークの為に費やしてもらう事になります。よろしいので?」

 

さっきから何で皆さんそんな事聞くんだろう。いや、それは。

 

「構わん」

 

これは即答ですわ。あのね、そりゃそうでしょうが!来るだけ来て何もしないとか…それもう完全にNEETじゃないですか。英語表記だとちょっとカッコイイけど。

 

しかし『身を費やす』か。ネクスト機には乗らせてもらえないかもしれないし……あれか、雑用とかさせられるのかなー。いや別に全然構わないですよ?

自分で言うのも何ですが掃除とかメッチャ得意。昔は学校の掃除大会で毎回MVPもらってたし。

 

「受けた恩は返す。それは最低限の礼儀だろう」

「なるほど、やはりあなたは……」

 

んん?

 

「失礼しました。何でもありません」

 

気になる!そういう言いかけて止めるの一番気になる奴だから!

 

「と、言う事らしいねぇ。じゃあ、僕とゼンはここいらで失礼するよ」

「もう良いのか」

「ん、ああ。良いんじゃないかな?ここに居る人達なら、きっと君の受け答えで君がどういう人物かが理解できただろうしねぇ。後はラインアーク側の判断だよ」

 

はい?ラインアーク側の判断ってどういう……

 

……。

…………。

 

なるほどね、今更気きましたよ。これ、フィオナちゃんが昨日言ってた会議だ。

うふふ…ふはは…!!何と言う事でしょう。俺はそんな自分の居場所を決める重要な会議で『俺には守れなかった』だの『帰る場所は無い(キリッ』だのクソふざけた事を言ってしまったのか。

 

……なにこれメッチャ痛くも痒くもあるうううううああ!!

 

「ああ、そうだ。一つ個人的に聞きたいんだけど」

 

何ですマーシュさん?このダメダメな自分にどんな質問があるというのですか?

 

「君、ネクストに搭乗しての〝総戦闘時間〟はどれ位だい?」

 

ええ、戦闘時間ですか。この世界に来てからの戦闘時間なんてたかがしれてますよ……というか戦闘してませんしね。しかし0時間とは言えないよなぁ。

 

うーむ、こうなったらゲームのプレイ時間で良いですかね?えーと、AC4位から合わせると大体。

 

「8000時間程だ」

 

まあほぼ毎日やってますし。

……って何その皆様の鳩が豆鉄砲食らったみたいな顔。何で黙ってるの。ねぇ、不安なんだけど。

 

「……アッハッハ!!」

 

マーシュさんメッチャわろてますやんか。この世界においてはしょうもない時間でしたみたいな?考えてみたらネクスト機自体が開発されてから大分年数あるしな……こっちの世界では需要とかもあって大忙しだろうし。きっとそうだったんだろう。

 

「君もなかなか面白い冗談を言うねぇ」

 

いや冗談じゃないんです。もうやだ恥ずかしい…この世界での基準が分からないし。

 

「まぁ、な。ただ、それなりの時間とだけ言っておこうか」

 

とりあえずこんな感じで許してくだしゃい。

 

「それなりの、ねぇ……まあ、また今度詳しく聞かせて貰おうかな。じゃ、出ようか」

 

終わったか、2つの意味で。これは上手く行く可能性は望み薄ですわ。

本当にどーしよ。部屋に戻ったら今後の事考えなきゃなぁ……

 




誤字指摘感謝です。

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