絶対に死んではいけないACfa   作:2ndQB

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もう初めの投稿から2年が過ぎました。カタツムリ更新ですが頑張っていきます。



第28話

主人公視点

 

 

「オライ!オライ!」

 

……ねぇちょっと。

 

「オライ!オライ…あーそこそこ!その辺に置いて!」

 

ねぇ何?何やってるのこの人?

 

今現在、ガソリンスタンドのお兄さんみたいな声で指示を出しているのは言わずもがな、トラブルメーカーのマーシュさん。そんなマーシュさんの指示通り何人かの作業服着た運搬屋さん(?)がどんどん『室内』に荷物を抱えて入って来る。

何だあれ。マッサージチェアみたいな物まで運んでんだけど……

 

お、そうそう。今この『室内』が何処かと言うと。

 

「おい、またマーシュさんが何か始める気だぞ」

「うむ……今回はまた荷物が多いが」

「ゼンさんの私物じゃないか?」

 

「うわー…隊長。何か知っています?」

「……。知らんな」

「アミアミダ!」

「アミちゃんは知っているみたいですね!うーん、でも私は言葉がちょっと……」

 

 

食堂。

 

ええ、まごうことなき食堂です。何時も通り皆さんと昼食摂りに来たら既に色々運び込まれてたんですけど。何これ。

 

それにしてもアミダさん周りに溶け込みすぎじゃね?

姿を見せてからまだ日が浅いにも関わらず、もう誰も突っ込まないし。女性のよしみなのか特にアイラちゃんと仲良くなってんだけど……アミちゃんってアダ名?

 

「それはそこ!はい皆も机を隅に寄せて!ああ、一つは中央に残してから!ハイハイハイ!」

 

手を叩いて俺らにも指示をだすマーシュさん。小学校の先生かよ。ここ食堂だよね?

前々から思ってたけど研究室的な場所じゃ無いよねここ。

 

突っ立ってても仕方がないので長い机と椅子を皆ではしっこ寄せる……お昼ご飯どうするのさ。

 

「リンクス。こんな形だが、そちらと共に作業できる事を光栄に思う」

「……見ない顔だな。エドガー等とは別部隊の者か?此方こそ光栄だ」

「ふふ……やはり噂とは違う。しかし、あなたの様な者が机寄せとは。何とも奇妙な光景だよ」

 

『噂』って何ですかねぇ。私、気になります。

……いやー。でも、こうしてまだ見ぬ人達と知り合いになれるのは良い機会だとおm……

 

「足を踏むな足を!」

「お前の立ち位置が悪いんだが!?」

「君達!喧嘩はやめたまえ!この僕。アブ・マーシュとの約束を忘れたのかい?」

 

「……ハァ」

「隊長?何か元気無いみたいですけど……」

 

うん賑やかだね!給食時間の終わりを思いだすね!実際には始まってすらないけど!

あと何かエドガーさんがさっきから元気無いんだよね。どうしたんだろうか?

 

そのままガヤガヤと荷物運びやら会場設営的な事だったりが進む……が、しかし、事はそう簡単には終わらなかった。

 

――――カツカツカツカツッッ!!!

 

突如ドアの外から足音(ヒールか?)が響いて来る……室内は騒がしいのに何故か良く耳に通る音だ。ああ、これはアレですね。あのお方がいらっしゃいますね……しかも絶対に

 

「き、来た!これは怖いぞ……っ!」

 

激怒している。

 

これは怖いぞじゃないでしょマーシュさん!何を他人事みたいに……あれ、エドガーさんが何かぶつぶつ呟いているんですけど。しかも天上見上げながら。ちょっとちょっと、本当にどうしたの……

 

――――バァン!!!

 

ついに勢い良く開かれた扉。そして

 

 

 

「……何を、しているんですか……?ん……?」

 

 

 

そこに立つクッソ怖い顔した美人さん。フィオナ・イェルネフェルト。うっわこれマーシュさん死ん……

 

「エドガー君が!」

「!」

「エドガー君も共犯なんだ!」

 

な、何だってーー!?

 

誰もがマーシュさんの死を確信したその時、衝撃的な事実が彼の口から飛び出した。

エドガーさんが共犯!?一体どう言う事なんだ、室内の者達の視線がエドガーさんに集まる。そんなエドガーさんの顔はと言うと……

 

 

「……!?」

 

 

驚愕の色に染まっていた。いや、あなたちょっと驚きすぎじゃない?何があったんだよ、この中で誰よりも驚いてるじゃん。そういやさっきから元気が無かったのはこの為……

 

「……えー、自分は」

「エドガー君は僕の計画を知っていながら、黙秘していたんだ!これはいけない事だよ……!そうだよねエドガー君……!」

 

これはいけないってどの口が言ってるんですかね?

それにエドガーさんの言い分に被せてくるとは必死すぎる……確かに今日のフィオナちゃんは迫力が段違いだけれども。一人(怒られるの)は嫌なんだろうけれども。

 

「……そうだったんですか?エドガー・アルベルト?」

 

にっこり微笑みながらエドガーさんに質問するフィオナちゃん。くそ怖ぇ。暗黒微笑じゃないよ、もはや深淵微笑だよこれ。深淵を覗込む時、深淵に覗かれてる感じの目(意味不明)だよ……

 

「ん"ん"……??」

 

フィオナ姉貴、額に青筋がピクピクのピクニックやないかい。美人が怒ると怖い説は本当だった。

 

その余りの迫力に、ゴクリ。と静まり返った室内。エドガーさんの答えは ……

 

 

「いえ、知りません。一切」

 

 

や、やった……!

 

ぶっちゃけ事前のテンションから察するに、確実にマーシュさんの言う『黙秘』説は真実だろう。だが、ここで一手……!

 

毅然とした態度で「何も知りません」を貫く事によって、マーシュさんへのヘイトを上げにかかったのだ。下手な言い訳をするよりも、エドガーさんの場合はこれで充分……彼の人柄、人望はAAA+(推定)なのだから……!

 

対するは何時も変な事ばっかしてるマーシュさん。結果は火を見るより明らかだろう。

 

「との事ですが……?」

「そ、そんな……」

 

膝から崩れ落ちる"天才"。日頃の行いの差が明暗を分けたか……

 

「ふ……フフ……」

 

しかし……何かがおかしい。マーシュさんから笑みが ……

 

「とでも、言うと思ったかい?この程度、想定の範囲内だよぉ!ヒャハァ!」

 

うわメッチャ聞いたことある台詞!じゃない、この期に及んで一体何をするつもりだ!

するとマーシュさんは白衣の胸ポケットからボタンのついた長方形の何かを取り出した。そのボタンの内一際大きなのを押すと……

 

『今度、ゼン君の戦っているところを皆で見よう!』

『……どう言う事でしょうか』

『その時のお楽しみさ!まあ、楽しみにしていてくれたまえよ……あっ、フィオナちゃんにはその時まで言わないでね。怒られちゃうからさ!』

『……ええ』

 

こ、これはァ!!音声会話記録!!つまり長方形のそれはボイスレコーダーだったと言う訳だ。き、汚い...!いや悪賢いと評価すべきか。さすがの頭脳だ……ここまでの流れを予め想定する事など容易いとでも言うのか。

 

「フフ……エドガー君。あの時、君は退出する為に一度僕に背を向けたね?瞬間、ボイスレコーダーを仕込んだのさ。その後咄嗟に『思い出した様に』話かけたのも演技!」

「くっ……!」

「そう、最初から勝負は決まっていたのさ……君が僕の部屋を訪れた時点で!」

 

すげぇ。

 

けどもう何なの。無駄に頭脳戦みたいになってんだけど。マーシュさんアナタちょっと能力の無駄遣いしすぎでは?

 

「それから!」

「マーシュさん?結局は全て貴方が画策した事ですよね……?」

「これら!僕の足掻きが無意味なものになるであろう事もっ!最初から全て予測ずm……痛い痛い!!!フィオナちゃん痛いよ!!!」

 

頭にアイアンクローかまされるマーシュさん。足掻くな、運命を受け入れろ。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

「それで?これは一体何の騒ぎですか?」

 

マーシュさんに『お説教』した手をパンパンと叩きつつ、質問....尋問するフィオナちゃん。地面に倒れているマーシュさんは、そこでガバッと立ち上がると元気良く 答えた。

 

「良くぞ聞いてくれたね!これはゼン君の戦いを見る為のシミュレーション装置を運んで居たのさ!」

 

ジャジャーン。みたいに手をヒラヒラさせるマーシュさん。反省してねぇなコレ……いや、それにしても。

 

「……シミュレーション、か」

「ああ、言葉の通りだよ。ちょっと君が戦闘しているのを生で見てみたくてねぇ...実戦とは行かないまでも、さ」

「ふむ……」

「もちろんただとは言わないよ。君の"名無し"ちゃん……武装が一つ欠けてるよね?それを君にプレゼントしちゃおう!悪く無い案だと思うけど、どうだい?」

 

おいマジか。

 

このままじゃお仕事出来ないしどうしようかと思ったけど、思わぬ救いの手が!

でもネクスト用パーツよ?いくらマーシュさんとは言え個人で何とかなる代物じゃ無いんじゃ……

それに実際に決めるのは俺じゃ無くて、『上』の方。この場だとフィオナちゃんに相当する。

 

「……貴方は、何を考えてるのです?」

「心配せずとも、僕はフィオナちゃん達の味方さ!」

「貴方が味方な事は重々承知の上での質問なのですが……はぁ。少し上層部と連絡を取ります」

 

そう言ってフィオナちゃんは携帯端末を取り出す……武装の一致って何の事だろうか。

 

「終わりました……要約すると『リンクスに聞け』と」

「へぇ……?それまた随分と消極的な……で、ゼン君の意見は?」

「構わん」

 

即答。ええ、即答です。武装が必要だし、そのシミュレーションとやらも経験してみたいからね。

マーシュさんはその答えに満足そうに頷くと、更に運ばれた巨大なスクリーンやらヘルメット的な何かやら、その他諸々の機材をテキパキと準備。

 

作業服の方々の手助けもあり、あっという間に室内は簡易研究室と化した。

 

「まあ、こんなとこかな?」

 

室内の中心には椅子2つ(内一つは例のマッサージチェアらしきもの)が備えつけられた一つの長机があり、その上にには数台のモニターが。更にはプロジェクターらしき物に加え、例のヘルメットも置かれており、地面にはアレ……CPU本体?がモニターと同じ台数設置。

 

コンセントがいっぱいあると思った。(小学生並のry)

 

後は、壁のはしに巨大なスクリーンが掛けてある。

 

「おい昼飯取って来たか?」

「ああ、まあ設置してる内にな……」

「俺はまだ……」

 

俺もまだです。ってか多分終わるまで食べれません。

 

これは周りの人の会話だ。プレートを片手にワイワイ立ち話している……そう、この感じ。

まさしく映画館。まあ椅子とかはほぼ全て後ろに寄せたんで俺やマーシュさん以外は地べたに座るか立つしか無いんだけど。

 

「じゃあゼン君はここに座って! あと、これも」

 

言われるがままに指定場所へ移動する。ちなみにマッサージチェア(※恐らく違う)がある所である。そしてマーシュさんから手渡されたのはヘルメットと、AMS接続の端子そっくりの……ってか本物じゃないこれ?

 

データ収集にはやはり繋ぐ必要があるのか。ネクスト機本体の知識は予め備わってるんだけど……それ以外はさっぱりだ。色々と勉強になります。

 

そして俺がマッサージチェア(※違います)に座ると同時、室内の照明が消えた。そこでふと、皆がどんな感じなのか気になるので後ろを振り向く。そしたら

 

「がが、がんばって下さい!アミちゃんと応援してますっ!」

「アミアー!!」

「俺達も楽しみにしてますよ!ね!?隊長!」

「クック……まあ、『頑張れ』としか言えんな」

 

「リンクス、刮目させてもらう」

「さて、どれ程の力か……」

「しかし我々は幸運だな。直で上位リンクスの――――」

 

これだよ。言っとくけどこんなんじゃ無いから。十人単位で人が居るから。いつの間に来たのか、スーツ姿のお偉いさんっぽい人もちらほら見かけるし……結構なぎゅうぎゅう詰めだ。

 

やっべえ緊張してきた。軽く引き受けちゃったけど、不味ったか ……

 

「フフ……皆楽しみみたいだねぇ。まあ、僕もそうだけど。準備が良いならAMSを接続、それも被っちゃって!」

「……まあ、精々頑張らせてもらう」

 

ええい、ままよ!

 

俺はヘルメットを被ると、首筋の接続部位にAMSを接続した。視界は黒に染まっている……が、次の瞬間。吐き気に襲われ、目前にノイズの様な物が走る―――――

 

 

 

――――――と共に、視界が"開けた"。

 

 

 

「「「おおお……」」」

 

 

 

その瞬間、背後からどよめきが聞こえた……恐らくはあのスクリーンに俺の視界がそのまま映っているのだろう。まあ、外のガヤガヤが聞こえたのは本当にその一瞬だけで、もう何も聞こえなくなったんだけど……

 

いや……正直メチャメチャびっくりしてます。今俺の目前には何と、あの"旧ピースシティエリア"が存在していたのだ。砂、そしてそれに埋まったビル郡……まんまワンダフルボディと戦った時のと同じ様な風景。

 

そしてネクスト機の感覚……

 

うわっ、やっべえ超リアルだぞ。フルダイブ型とか言う奴か?一体どう言う技術なんだよ……これゲームとか作ったら絶体楽しい奴じゃん。

 

これでアーマードコアやりたい。(錯乱)

 

《ゼン君》

 

うわっ! マーシュさんからの通信だ……これそのまま話せば良いのかな?

 

《調子はどうかな?》

《良好だ》

 

どこかで聞いた事のあるようなやり取りをする。

よし、大丈夫そうだな……とにかく今はマーシュさんの指示に集中しなければ。

 

 

《それは良かった……じゃあ、少し説明するよ》

《ああ》

《君には数回の戦闘をこなしてもらう。相手はAI……とは言え本人の行動パターンから分析された機動、戦術を繰り広げる。無いとは思うけど、油断はしない方が良いんじゃないかな?》

《了解》

《じゃあ早速……まずは》

 

よし一戦目。気合い入れてこう。

 

《ベルリオーズ君から》

 

はい?ベルリ……え、ちょ待っ

 

 

――――――ピッ

 

 

そんな電子音と共に、視界の左端付近に38040と言う数字が現れる。この数字見て何か分かった人は良く訓練されたレイレナードファン。これは最新レギュレーション(1.40)でのアリーヤフレーム一式の総AP値だ。

 

レーダーの端には赤い点が。動きは無いけど、AIの投入が完了したらしい。

最初からベルリオーズさん……ネクスト『シュープリス』とか飛ばしすぎでしょ!

 

《では……開始っ!》

 

そんなマーシュさんの通信と同時、俺レーダーに映った赤い点を目視。姿の見えない相手の動きに注意を払いつつ、ビル群の間を駆けていく……予定だったのだが。

 

《む……!》

 

開始直後に、その赤い点が高速で自機に接近。対応を余儀なくされる。

やがてビルの影から姿を現したそれは、いつかのオープニングで見た機体そのもの。ライフル二挺に、通常より延長されたバレルのグレネードを背負った、今はなき旧レイレナードの"英雄"。

 

……威圧感パネェ!と、とにかく引き撃ちっ!引き撃ちDA!

 

と言う訳で様子見を兼ねて引き撃ちを決行。相手も此方の発砲とほぼ同時にライフルを発射。どうやら初めの突撃は単に早めに距離を詰めたかっただけらしく、結果的には中距離での射撃戦に。

 

シュープリスはビル群を上手く利用しながら立ち回っており、中々弾丸を被弾させる事が出来ない....堅実な戦い方だ。AP・機体防御的には向こうに分がある為、こうなってくると此方は攻めざるを得ない。

 

ここで戦術を切り替え、シュープリスとの距離を詰めにかかる……基本的に使用したく無いQBを交えつつ。 そしてついにビル一つを挟むところまで追い付いたその時、

 

 

事件は起こった。

 

《.....!!》

 

シュープリスが 、攻めに転じたのだ。

 

突如ビルの陰から姿を現した相手は、此方に向かいQBを発動。それを見て理解出来るのは『互いの距離を限りなく無くそうとしている』と言う事。

瞬間。脳裏に過ったのは、スプリットムーンの"月光"。ブレードで斬りかかる際のアクション。

 

やっ……ばいっ……!『シュープリスの0距離突撃』は、不味い!"アレ"が、来る……ッ!

 

咄嗟に右腕部を折り曲げ、構えたライフルを"縦に"する。

そしてそこにはしる多大な衝撃……そう、シュープリスの行った行動。それはズバリ 『ライフルで、直に突き刺しに来た』のだ。

 

AC4のオープニングを参照にすると分かりやすいだろう。一機のノーマルがそれによりコア部分を貫かれているシーン……まさしくそれだ。

 

《……ッ!》

 

間一髪で防いだものの、機体のウェイト差で軽く押し飛ばされる。直ぐ様体勢を建て直すが……くっそマジかよ。グレネード構えてるんですけど……ぉ……っ!

発射されたグレネード弾をサイドのQBで回避。爆風のダメージを僅かに受けるが、何とか直撃を避ける。

 

一旦距離を取り、減衰したPA膜の回復・状況整理の為一つのビルの影に身を隠す……そして一息。

 

《ふー……》

 

つっえぇ……これってAIだよね?ベルリオーズさんとんでも無いんですけど。この分じゃ本人とかどんだけだったんだよって話になるんですが。

っつーか今更ながら、この世界は基本的に俺の知っているネクスト機の常識が通用しない。ライフルで串刺しにして来たり、スプリットムーンが壁蹴りしてたのもそうだし。

 

くぅ……俺のとこの常識だと連続QBだったり、二段だったり出し放題。機動戦なんか軽々出来るってのに、ここじゃあ一発QB吹かすだけでも苦しくて大変だ。全然上手いこといかない……

 

 

…………んん?

 

 

待てよ?ここって、『仮想空間』だったよね。余りにも色々リアル過ぎて忘れてたけど、一応のところ現実世界の俺には肉体的な負担は一切無い訳であって。

思い起こせば、心なしかブーストやQB時の感覚も現実時に比べて大分マシな気が ……

 

《……"動く"か》

 

 

そうと決まれば、と即座に行動を起こす。

その場で機体を浮かし、身を隠したビルの屋上まで持っていく。そこでレーダーを確認、更に高所からの目視でシュープリスの姿を捉えると同時

 

 

 

――――――ドッ

 

 

 

前方への二段クイックブーストを始動とした

 

 

 

――――――ドドドドヒャアッッ!!!!

 

 

 

五連続でのQBを発動。普段では考えられない推力でシュープリスに接近……いや、『交差』する。さらに次の瞬間には反転→左→前→の順にQBを発動、実質8連続でのQBだ……よし。

 

完全に相手のバックを取った。さて、この時点で感覚的な問題はどうなのかと言うとーーーーー

 

 

 

《クックック…… 》

 

 

 

いや普通に苦しいんだけど。

 

我、中々の苦しみを感じておる。何これどうなってんだよ。

普通はパターン的に、『やっぱり仮想空間だったら平気だったぜ!』ってなるだろ!

やっぱり脳が直接的に苦しみを感じ取ってしまうんですかね……

 

か、仮想空間内ですらこんな苦しみを味わうなんて……でも……ふ、ふは……ふはは!

 

 

 

《ハッハ、ハーッハッハァ!!》

 

 

 

でももう止められないんだな、これが。だって一度『機動』し始めたんだ。

このまま一気にカタをつけないと、この苦しみが無駄になる。俗に言う、『コンコルドの過ち』みたいなアレである。そして、久方ぶりの『何時もの動き』に我ながらテンションMAX。多分アドレナリン出まくってるよ今。

 

 

あ、あびゃあ~、苦しいのに楽しすぎるぅ~。誰か止めてぇえぇえぇ~!!

 

 

 

 

 


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