居場所   作:おたふみ

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六話

翌日の昼休みも殴られた。

昨晩、考え事をして寝不足だったのに殴られたのでフラフラする。

「アンタ、大丈夫?」

廊下で川崎に肩をつかまれた。

「痛っ!!」

「えっ…」

「な、なんでもない」

教室に入り席に着く。

「アンタ、なんでもない痛がり方じゃなかったよね」

「転んだんだよ」

「普通に転んで、あんなところケガするのかよ」

「間抜けな転び方したんだよ」

「嘘も大概にしなよ」

すると、大岡と大和が絡んできた。来るなよ、お前ら…。

「なんだ、次は川崎か?」

「海老名さんにフラれてもう新しい恋か」

「どういうことだい?」

川崎が聞き直している時、話を聞いていた戸塚が割って入って来る。

「大岡君と大和君と八幡でトイレに入って、二人だけ先に出て来たよね?どういうこと?」

「戸部の告白の邪魔したから、お灸をすえてやったのさ」

「アンタら、比企谷を殴ったってことかい?」

ヤバイ!川崎も戸塚も殺気立ってる。

「いいんだ。川崎、戸塚、俺に関わると…」

「イヤだね」

「イヤだ」

言い切る前に断られた。

「どうなんだい?比企谷を殴ったのかい?」

「あぁ、そうだ」

「ちょっと待つし!」

炎獄の女王・三浦が来た。

「海老名に告白ってどういうことだし!それに戸部も告白しようとしてたって」

由比ヶ浜、葉山、戸部、海老名さんの顔が曇る。川崎はそれを見逃さなかった。

「由比ヶ浜、アンタなんか知ってるね?」

「結衣、どうなん?」

「え、え~と…」

マズイ!

「由比ヶ浜、答えるな!守秘義務だ!」

「う、うん…」

「葉山と戸部…、それに海老名も気まずそうな顔してたね」

よく見てるな、川崎…。

「隼人、戸部、どういうことだし!なんで、あーしだけ知らないの?」

「海老名さん、何か知ってるの?」

戸塚が優しく問いかける。

「なんの騒ぎだ!チャイムはもう鳴ったぞ!」

しまった!午後イチは現国だった!

「平塚先生、放課後に今騒いでるメンバーを奉仕部に集めてください。話があります」

「うむ、わかった。いいか、お前達」

渋々といった感じで頷く。平塚先生があっさりと了承したのも驚きだ。

「では席着きなさい。授業を始める」

 

放課後、奉仕部の部室に集まったのは、川崎・戸塚・葉山・戸部・海老名さん・大岡・大和、それに平塚先生に奉仕部三人。

「これはどういうことなのかしら?」

「えっと…」

怪訝な雪ノ下に困惑する由比ヶ浜を遮り、川崎が話し出す。

「それは私から話すよ。平塚先生、それでいい?」

「川崎に任せよう」

川崎、頼むから余計なことは言わないでくれ…。

 


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