GANTZ『焔』   作:マジカル☆さくやちゃんスター

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第42話 こッちもそーとーなバケモン揃いだよ

 巨人の宇宙船に連れて行かれた人々は、文明人としては一切扱われない。

 まず最初に衣服を溶かされて生まれたままの姿にされ、男女の区分けすらなく雑に洗浄機へ放り込まれる。

 流れるプールのような水流を抜けた先では観賞用の個体と食用の個体に分けられ、食用の個体は血抜きをされてラインに乗せられる。

 その後は巨人の酒のツマミになるかペットの餌にされるか……まあ、どちらも大して変わらないだろう。

 運よく生き残り組に入っても身の安全が保障されるわけではない。

 生き残った個体は巨人のコロニーの中へ運ばれ、そこで観賞用としてガラスケースの中へ閉じ込められ、あるいは裕福層のペットにされる。

 どちらにせよ、文明を持つと認めた相手に対する仕打ちではない。

 それもそのはずで巨人達は地球人を文明人などと考えていないのだ。

 ただの現地の虫……自分達が移住しようとした星に、先に住み着いて巣をあちこちに築いていた害虫という認識でしかない。

 何とも横暴なものだが、例えば人間が空き地に家を建てようとしたとして、そこにネズミやゴキブリ、シロアリが大繁殖していたらまずは駆除するだろう。

 巨人にとっては地球人とは、その程度の存在でしかないのだ。

 

 だがその油断こそ人類が反撃を行う隙となる。

 ほむら達はガンツの転送によって宇宙船内に侵入し、水流の前に立っていた。

 水に流されて人々が次の区画へ運ばれていくが、その先に何があるのかは全員が理解しているらしく必死に抵抗している。

 玄野達は人々の姿を見付けるや一斉に行動し、人々を水から拾い上げ始めた。

 すると見張りらしきスーツを着た巨人が何か喚きながら姿を現す。

 だがそれと同時にほむらが左腕を薙いだ。

 すると彼女の持つ盾からガンツソードの刃だけが飛び出して伸び、巨人の首をノータイムで斬り落とす。

 役目を終えた刃は再び元の長さに戻り、盾の中へと消えて行った。

 続けてほむらはZガンを構え、巨人に追い打ちをかけて死体を押し潰す。

 

「お、おい暁美……その盾、どーなッてンだ?」

「手品よ」

 

 玄野の質問に適当に答え、続けてZガンで水流の先の通路を破壊する。

 すると瓦礫が落ちて進路を塞ぎ、これ以上誰かが次の区画へ流される事がなくなった。

 それからしばらくは捕まっている人々を引き上げる作業だ。

 やがてそれが終わった所でほむらは玄野に声をかけた。

 

「玄野さん、私はここから別行動を取るわ」

「別行動ッて……どうしてだ?」

「見て」

 

 ほむらの単独行動宣言に玄野が訝しむが、ほむらは視線で区画の隅を示した。

 そこには人くらいならば通れそうなダストシュートに似た穴があった。

 人が通るには少し位置が高いが、何とかよじ登れないほどでもない。

 

「あそこ、人間くらいなら通れそうだわ。

何人かはそれに気付いてあの穴からの脱出を試みたとしても不思議はない」

「そ、そうか。あの先にまだ生き残ッた人がいるかもしれない!

だッたら俺達も一緒に……」

「いえ、まだあそこが何処かに繋がっているという保証はない。

最悪、あの先は罠や焼却炉とかの可能性だってある。

もしそうだった時は、私一人の方がまだ動きやすい」

 

 玄野が同行を申し出るも、ほむらはそれを却下した。

 あの先に何があるか分からない以上は一人の方が動きやすい。

 ほむら一人だけならば罠があったとしても自力で切り抜ける事が出来る。

 それに魔法少女の力を使うにも人目がない方がやりやすかった。

 ここまで来れば別に魔法少女の事を秘密にしておく理由もないのだが……説明が何となく面倒だ。

 玄野は魔法少女の事は知らないが、しかしほむらの実力は知っている。

 そして彼女の言う通りにもし罠だった場合はむしろ自分達は足を引っ張るだろうという事も分かっていた。

 

「わかッた……死ぬなよ、暁美」

「玄野さんもね。また後で会いましょう」

 

 玄野が差し出した手を軽く叩き、ハイタッチを交わしてほむらは走り出した。

 跳躍してダストシュートへ入り、バイクを出して搭乗……狭い通路を駆ける。

 この通路はサイズから見ても巨人が通る為のものではない。

 恐らくは排水路か何かなのだろう。

 少し進むと進行方向に得体の知れない人間大の虫を視認し、盾からレーザー砲を出して先制攻撃で消滅させた。

 人間は……いるにはいた。

 ただし全て、物言わぬ死体だ。

 彼等はここから逃げようとして、途中であの虫に襲われて死んでしまった人達だろう。

 気になるのは死体は共通して身体の一部が異常に腫れたように変質している事だ。

 あの虫の持つ毒か何かにやられたのだろうか。やはりあの虫には近付かない方がよさそうだ。

 

(……出口!)

 

 進んだ先に光が見えてきた。

 念のために一度バイクを停めて物陰に身を隠す。

 それから小声でガンツへと指示を出した。

 

「ガンツ、私の姿を見えなくして」

 

 ガンツに指示を出せる今ならばスーツの有無に関係なくステルスする事が可能だ。

 ねぎ星人の時などもスーツを着ていない人間達が一般人に見えなくなっていたのと同じように、ガンツならば自在に周波数を変える事が出来る。

 ほむらの姿が背景に溶け込み、その状態で出口の先を覗き込んだ。

 出口の先にあったのは、未来的な街並みだ。

 まるでSF映画や、あるいは未来を描いた漫画に出てきそうな高度な技術力で創られた街並みが広がっており、ここが宇宙船の中だとはとても思えない。

 建造物は全てが巨人サイズであり、まるで自分が小人になったような気分にさせられる。

 恐らく巨人は本質的には地球人とそう大きな差はないのだろう。

 外見とサイズにさえ目を瞑れば彼等の生活はまるで地球人のようで、町のベンチには孫らしき子供を連れた老婆の姿も見える。

 ほむらはそこに、かつて同じ部屋にいた老婆のカヨと亮太の姿を思い出していた。

 他にもジョギングをしている老人やペットを連れた若者の姿もあり、種族は違えど平和な日常だと思わされた。

 ……ただしそれも、ペットの巨大犬が貪っている餌が攫われた人々の残骸でなかったら。

 そして道行く人々が街頭テレビで地球人の必死の抵抗を嘲笑しながら観戦していなければの話だ。

 

(……玄野さん達は連れて来なくて正解ね)

 

 巨人達の所業に嫌悪感を覚え、今すぐに撃ち殺してしまいたい衝動に駆られるがそれは冷静な行動ではない。

 ここで無暗に殺しても騒ぎを起こすだけで、巨人側の軍人が出て来てしまうだろう。

 銃の引き金を引きたい気持ちを抑えて再びバイクに跨り、まずは生き残りの人間を探す事にした。

 

「……こっちね」

 

 手の中でダークオーブが光り、人の反応をキャッチする。

 すぐに舵を切って人間の生命反応を目指してバイクを走らせた。

 そうして辿り着いたのはどこかの建物の中だ。

 中央には巨大なガラスケースがあり、展示用なのか大勢の人間が一糸まとわぬ姿で捕まっていた。

 ほむらはまずXガンのマルチロックオンで建物内にいる全ての巨人の脳を照準に入れた。

 彼等を生かしたまま人々を解放すれば騒がれるだろうし、邪魔されるかもしれない。

 故に抹殺は必須だ。

 引き金を引くと巨人達がバタバタと倒れ、驚く人々の前でステルスを解除した。

 そしてXガンでガラスを破壊して皆に呼びかける。

 

「ここから脱出したい人は付いてきて!」

 

 ほむらがそう言うと、裸の人間達は次々とガラスケースから走り出した。

 男女関係なく全裸なので少し目のやり場に困るが、今はそんな事を言っている場合ではないだろう。

 

「助かッたのか……?」

「女の子?」

「何で服着てるンだ……?」

「軍の人?」

 

 何か口々に騒いでいるが、一々話をしている暇など無い。

 ほむらはバイクを収納して歩き出し、その後を人々が続いた。

 建物から出ると当然のように目立つが、ほむらは進路上にいた巨人をZガンで圧殺しながら進んでいく。

 すると周囲の巨人は怯んだように距離を取り、歩きやすくなった。

 

「はははッ! ざまーッ!

死んでやがンの! このでけークソ共が!

おらおらッ! 何とか言ッてみろよ! よえーよえーッ!」

「ちょッと亮ちゃん! やめなッて!」

 

 後ろの方で捕まっていたうちの一人が巨人の死体を蹴って騒ぎ始めた。

 有無を言わさず捕まって鬱憤が溜まっていたのだろうが随分と判断力の足りていない男のようだ。

 彼女らしき女性が止めているが、それでも蹴りをやめない。

 だが次の瞬間、亮ちゃんと呼ばれていた男が別の巨人に踏み潰された。

 重そうなスーツを着こんだ巨人は恐らく軍人だろう。

 ほむらはすぐにそちらにZガンを向けて連射し、巨人を圧殺した。

 

「余計な事をしてないでちゃんとついてきて! 私から離れた人まで助けられるほど手は空いてないわよ!」

 

 一人死んでしまったが、これで皆も危機感を抱いてくれたようだ。

 まだ助かってなどいない。安心するには早すぎる。

 そんな当たり前の事すら一人死ぬまで自覚出来ない平和ボケぶりには、流石に少しばかり呆れるしかない。

 ほむらはそのまま巨人達を牽制しながら来た道を戻り、排水路を逆走して流れるプールまで戻った。

 (実際はプールなんて生易しいものではないが、とりあえずそう呼ぶ事にする)

 しかし問題はここからだ。

 どうやって空を飛ぶこの宇宙船から、この大勢の人間を逃がせばいいのか……。

 飛行ユニットで一人一人運ぶのは論外として、せめて大勢乗せられる入れ物でもあればいいのだが。

 そこまで考えた所で、ほむらは水流を更に逆走する事を決めた。

 壁をレーザー砲で破壊して無理矢理戻り、その先にあった檻に目を付ける。

 人々は元々、あの檻に閉じ込められてここまで運ばれて来た。

 ならば逆走すれば必ずアレがあると思ったのだ。

 

「皆、この中に入って」

「ええ……?」

「またそれに入るの?」

「どうして……」

「早くしなさい。嫌なら置いていくわ」

 

 どよめきが起こるが、ほむらは有無を言わさずに人々を指示に従わせた。

 ほとんど無理矢理詰め込んでしっかりと檻を閉め、それから飛行ユニットとYガンを盾から出して、檻に向けてYガンを発射した。

 すると当然のようにYガンから発射されたアンカーが檻に絡みつき、光のワイヤーで縛ってしまう。

 更にアンカーは地面に刺さり……ほむらは、魔力で強化された腕力で地面から無理矢理アンカーを引き抜き、飛行ユニットへしっかり結び付けた。

 念の為一つだけ持って来ていたが、やはりYガンは優秀なサポート武器だ。

 色々な用途で役に立つ。

 そしてほむらは、飛行ユニットを発進させて空を飛んだ。

 

 

 人々を救助しても戦いは終わりではない。

 宇宙船の中から無事に(一人死んだが……)人々を救助したほむらは、再び宇宙船へと戻っていた。

 しかし町の様子が先程とは明らかに違う。

 あちこちで悲鳴があがっているし、巨人が山ほど死んでいる。

 

 (……他に誰かいる?)

 

 ほむらは目を細めて巨人と戦っている者を見る。

 ガンツソードが伸びては巨人を叩き斬り、またすぐに別の巨人を血祭りにあげる。

 どうやら町を襲撃しているのはかなりの手練れのようだ。

 更に注視すると、それはほむらもよく知る黒いロングヘアの美男子……和泉紫音だった。

 姿を見かけなかったが、どうやら彼は既に宇宙船に乗り込んでいたらしい。

 しかし妙だ、と思う。

 和泉にしては冷静さが足りない。目につくもの全てを剣で叩き斬るその姿にはスマートさがなく、後先をまるで考えていないように見えた。

 こんな街中で目立つような戦いをしては、すぐに息切れしてやられてしまうだろうに、一体何を考えているのか。

 軍人でもない巨人などいくら虐殺しても勝敗の天秤は大して傾きやしない。

 案の定、すぐに巨人側の軍人が出て来て和泉は苦戦を強いられていた。

 

「……仕方ないわね」

 

 Xガンで軍人達の脳をマルチロックオンし、一斉に破壊する。

 すると軍人が一斉に倒れ、辺りが悲鳴に包まれた。

 ほむらはすぐに飛行ユニットを出して乗り込み、和泉の前まで走らせてから停止する。

 

「乗りなさい!」

「……! 暁美ほむら……!」

 

 ほむらの指示に対し、和泉は一瞬驚きを見せるもののすぐに飛行ユニットの輪の上に乗り込んだ。

 流石に判断力は大したもので、動きは速い。

 ほむらはすぐに飛行ユニットを浮上させ、巨人の町を飛ぶ。

 驚く巨人、騒ぐ巨人、手を伸ばして来る巨人……その中から邪魔になりそうな巨人を素早くZガンで圧殺し、更に高く飛翔してガンツ(玉男)にステルスを起動させるべく声を発した。

 

「ガンツ! もう一度ステルス!」

 

 しかし、何の変化もない。

 妙だ、と思いながらほむらは舌打ちを噛み殺した。

 恐らくだが、ガンツの方に何かトラブルが発生したと見ていいだろう。

 敵によるハッキングか、あるいは場所を特定されて攻撃を受けたか……。

 ともかく、ここから先はガンツに頼った戦い方は出来ないと考えた方がよさそうだ。

 思考を切り替え、和泉へ声をかける。

 

「貴方らしくない戦いだったわね、和泉紫音。

あれではすぐに息切れして死んでいたわよ」

「……それでも構わない」

 

 和泉の無謀な戦いを咎めるほむらだったが、しかし和泉の返答はどこか捨て鉢であった。

 今の彼からは生きようという意思も、以前までの自信も感じられない。

 まるで自棄になった時の美樹さやかのような、すぐにでも死んでしまいそうな気配がある。

 

「何かあったの?」

「……涼子……死んだンだ……俺の彼女……」

「……そう」

「最初は成り行きで付き合ッてたけど……いつの間にか、本気で好きになッてた……」

 

 和泉の無謀な戦いの理由は恋人が巨人のせいで死んだからのようだった。

 少し意外だ、とほむらは思う。

 和泉はどちらかといえば自分以外の命など何とも思っていないタイプであるように思っていた。

 恋人や親兄弟が死んでも自分さえよければ顔色一つ変えない冷血漢であるようなイメージを抱いていたのだ。

 実際それは間違いではない。

 和泉は自分さえよければ、それこそ罪のない人間を大量虐殺するような事だって平気で出来てしまう人間で、良心のタガが先天的に外れている。

 善悪の区別も知識としては知っているし、普段は紳士的で魅力的な人物を演ずることも難しくない。

 だが本当の意味で他人と共感する事はなく、彼の中では本質的には善も悪もないのだ。

 しかしどうやら、そんな彼でも一部の気に入った者に対しては愛情や執着を示すらしい。

 故にこそ、それが奪われた時の衝動は計り知れない。

 今の彼には最早計画性など欠片もなく、自らが破滅するまで激情に身を任せる事しか出来ないのだ。

 

「奴等を殺す……殺してやる……一匹残らず」

 

 ほむらは何も言わなかった。

 元々和泉紫音は誰かに説得されて行動を変えるタイプではない。

 ましてや今の彼は自滅に向かって突き進む、導火線に火のついた爆弾だ。

 他人に何かを言われても止まりはしないだろう。

 

「なら、尚更あんな所で暴れている場合じゃないでしょう。

この居住区にいるのは非戦闘員よ。

いくら倒しても敵の戦力が減るわけじゃない」

「非戦闘員などいない……仕掛けてきた時点で、全員が殺すべき敵だ」

「それには同意しないでもないけど、やり方があるって言ってるのよ。

今はまず敵の戦力を減らす事が重要でしょ」

 

 ほむらと和泉を乗せた飛行ユニットは居住区を過ぎ、高速道路のような道が交差しているエリアへ入った。

 ここが巨人の町というのもあるが、本当に広い。

 あちこちを車らしき乗り物が走り、巨人達が行き来している。

 この全てと一々戦うなど馬鹿げている。どう考えてもこちらが息切れするだけだ。

 とにかく、この宇宙船の司令部か何かを見付けて頭を叩かなければ、いかに今のほむらが過去最強の力を得ているといっても人類に勝ち目はないだろう。

 そう考えてグリップを握り、飛行ユニットの速度を上げて街頭テレビの前を通過して行った。

 

 

 

 ほむらが通り過ぎた街頭テレビの中では、巨人の兵士と戦う地球人達の決死の反抗が映し出されていた。

 その映像の中で戦っているのは玄野達だ。

 まるでCGで作られたような歪な化け物を相手に黒スーツの戦士達が必死に戦っているが、その戦況は決していいものではない。

 玄野達より先に人々を救いに来たチームはほぼ全滅し、玄野達の仲間である大阪の眼鏡も片足を失って倒れている。

 それを発見した北海道チームの矢沢年男が足をきつく縛って止血しているが眼鏡はもう戦闘不能だろう。

 

「また……転送して……もらえますかね……」

「転送か……なンか……ちょッと今……難しい、みたいだな」

 

 部屋に戻れば怪我も治る。

 その事を期待して眼鏡が問いかけるが、矢沢の答えはあまりいいものではなかった。

 そもそも、彼等がここにいること自体が既におかしいのだ。

 ほむらと別れた一行は一度、地上に戻すようにガンツに呼びかけたのだが何を間違えたのかこんな、敵だらけの場所に送られてしまった。

 残念ながらもう、ガンツは正常に機能していないと考えていいだろう。

 

「もう……みんな……死ぬンですかね……?」

「……そう、かもな……。

でも……捨てたもンじゃないかもだぜ。

あッちはバケモンだけど……こッちもそーとーなバケモン揃いだよ」

 

 矢沢がそう言うと同時に、彼の言葉を証明するようにメンバーの一人であるメアリー・マクレーンが蹴りで怪物を砕いた。

 更にそれと同時に東京チームのJJが正拳で怪物を殴り飛ばし、後ろから襲い掛かってきた怪物を振り向き様の一撃で打ち砕いた。

 そうしてから彼はメアリーへ親指を立てて、フレンドリーに話しかける。

 

「well done! Let's do our best in this way!」

「ねえッ英語喋れないッつッたよねッ!? 何? 嫌がらせッ!?

アンタが日本語喋れる事もうみンな知ッてるンだけど!」

 

 戦闘の最中なのに、妙に余裕のあるやりとりだ。

 そんな彼等から離れた位置では玄野と加藤がソードで敵を次々と蹴散らし、東郷の射撃が僅かな狂いもなく怪物を仕留めていく。

 桜丘の蹴りが東郷に近付こうとした敵を粉砕し、ホイホイの剛腕が纏めて敵を枯れ木のように薙ぎ倒し、空へ吹き飛ばした。

 アキラは吸血鬼の力で生成したマシンガンを両手で連射して敵を寄せ付けず、兄と背中合わせになって互いの隙を補っている。

 

「殺せる! 大丈夫だ! 俺達ならやれる!

まだいけるなァ! アキラッ!」

「ああッ! 兄貴こそヘマすンじゃねーぞッ!」

 

 長年仲違いしていたが、それでもやはり兄弟だからなのだろうか。

 玄野とアキラの息はピッタリであり、確かな絆を感じさせた。

 

「こう見えても俺は……銀行員やッとるンやッ!」

 

 そして誰よりも多く敵を蹴散らしているのが大阪チーム最強の七回クリア改め、八回クリアの男、岡八郎だ。

 ハードスーツの愚鈍そうな外見とは裏腹に俊敏に動き、肘の刃で次々と敵を斬り裂き、掌から発射されるレーザーで纏めて怪物を消し飛ばす。

 

「銀行に強盗が入ッた時はなァ……ピストルの弾丸を目で受け止めたンやッ!」

 

 嘘か本当かよく分からない事を言いながら、一際巨大な怪物へ殴りかかった。

 肘から炎を発して拳を加速して一撃で叩き割り、そして跳躍。

 天井に張り付いていた最も不気味で、危険そうな敵を躊躇なく殴り飛ばす。

 怪物はこれに対し、吹き飛びながらも不可視の念力で岡を攻撃した。

 だがハードスーツの防御力を突破するには至らず、岡の立っている地面が抉れただけだ。

 そのまま岡は正面から念力を受けつつ前進し、怪物の足を殴って破壊した。

 怪物が体勢を崩して倒れ込むと、それに合わせて逆立ちして怪物の腹を蹴り上げる。

 そして足で投げ飛ばして距離を空け、掌にエネルギーをチャージ……ビーム砲を連射した。

 

「なンなンだよアイツら……ほンッとに……よく、こンな奴等が集まッてきたな……」

 

 矢沢が呆れたように、それでいて感心するように言う。

 それと同時に岡八郎が怪物を完全に消滅させ、この場での脅威は消えてなくなった。




キャラの台詞を書く度に、思います。
ガンツの二次創作が少ない理由ってガンツ節が面倒だからなのでは……。

【機能停止したガンツ】
敵のハッキングを受けた。玉男、画面外で無事死亡。
一応対策させていたので、ハッキングからの強制転移コンボを受けたのは直前にガンツに転送を指示していた玄野達だけ。
ほむらはこの先、ガンツの援護なしで戦わなければいけない。
まあ四次元シールドがある今、なくてもあまり変わらないが……。

【Yガン再評価】
荷物運びに優秀!
Yガン「解せぬ」

【ピストルの弾丸を目で受け止めたンや】
岡の元ネタの俳優の台詞。
ちなみにこのSSの岡は多分、私服の下にスーツを着ていて銃弾を目で止めた。

【8回クリアの男】
大阪の牛鬼の点数+ラストミッションでちゃっかり100点獲得していた岡八郎さん。
原作でレイカを殺した奴も始末して絶好調。
玄野曰く『こいつをここで倒さないと後で全滅させられる』と言うほどの怪物だが、岡の敵ではなかった。

【メアリーをいじるJJ】
原作の風とメアリーのようにフラグが立つ事はなさそうだ……。
英語はグーグル翻訳で「よくやった! この調子で頑張ろう!」と適当に入力しただけなので合っているのかは分からない。
ちなみに同じ文章なのにグーグル翻訳とエキサイト翻訳で出て来る文章が違う。
グーグルだと『well done! Let's do our best in this way!』なのに
エキサイトだと『I did well! I'll exert myself in this condition!』になってしまう。
ちなみに再翻訳するとこうなる。

グーグル:このようにがんばりましょう
エキサイト:私はりっぱにやった! 私はこの条件において努力する!

グーグルJJの方はともかく、何でエキサイトJJはメアリーに向かって自画自賛してるの……。
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