GANTZ『焔』   作:マジカル☆さくやちゃんスター

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第6話 守るべきものなんて、私にはいらない

 てめえ達は今からこの方をヤッつけに行って下ちい。

 田中星人。

 特徴 強い。ちわやか。とリ。

 好きな物 とリ。カラス。

 口ぐせ ハァーハァーハァー。

 

 

 

 ほむらが転送されたのは、前回とはまた異なる住宅街であった。

 少し離れた位置には河が見え、近くには誰もいない。

 ほむらよりも先に西が転送されたはずだが、ステルス装置を使って姿を消したのだろう。

 前回といい、彼はどうも隠れているのが好きなようだ。

 実に効率的で、伊達に長く生き延びてないと思わされるが……ああいう戦いに慣れ過ぎてしまうと不意の事態に弱くなってしまう事もまたほむらは経験則で知っていた。

 かくいうほむらも、時間停止に頼りすぎて不覚を取った経験が何度かあるのだ。

 

「ほむら。レーダーで探索してみたんだけど、ここから北に200mの地点に四体ほど集まっているようだよ」

「……よく使い方を知っているわね」

 

 遅れて転送されて来たキュゥべえが、何やらレーダーのようなものを持ってほむらに話しかけてきた。

 見ると、確かにほむら達から少し離れた位置に四つ程反応が集まっているのが分かる。

 それにしてもキュゥべえは一体何故これの使い方を知っているのだろう。

 調べる姿など見た覚えがないが。

 

「人間の造り出した物なんて解析するのは簡単だよ」

「……そう」

 

 腑に落ちないものを感じながらも、どうせ聞いてもはぐらかされるだろうと思ったほむらはあえて何も言う事はなかった。

 少なくとも今の所は便利な事は間違いないし、何かおかしな素振りを見せればその時は撃ち殺してしまえばいい。

 ほむらにとってキュゥべえとはその程度の存在であり、逆にキュゥべえもまたほむらを利用しているだけだという事は分かっていた。

 

「それじゃ……行くわよ」

「他の皆とは合流しないのかい?」

「……必要ないわ。私一人の方が身軽よ」

「そうかい? 弾除けくらいにはなると思うんだけどなあ」

 

 現在、他のメンバーとほむらの間には埋めがたい差が存在している。

 だからこそほむらは、玄野達と連携しようとは考えていなかった。

 下手に一緒に行動しても、ただ邪魔になるだけだからだ。

 一緒に行動して……それで、情が湧くのが嫌だった。

 自分の手はいつだって小さくて、大事なものを拾いあげようとしては取り零して……。

 世界は優しくない。守りたい者を全て守れるなんて御伽噺の中だけの出来事で、現実はいつだって命の選択を迫られる。二兎を追ってその果てに何もかもを失う事だってある。

 ……大切なものを喪う痛みは、もう十分だ。もう嫌すぎるほどに味わってきた。

 ミッションはまだ二度目だが、それでもここがいつ死んでもおかしくない場所である事は分かった。

 そんな場所で大切なものなんて作っても、取り零すに決まっている。いつか喪うのが目に見えている。

 だったら最初からそんなものはない方がいい。

 心を氷で固めて、誰とも深く触れ合う事なく自分一人で戦えばいい。

 そうすれば、たとえいつかこの地獄の中で自分が死ぬとしても……少なくとも、あの痛みは受けずに済む。

 強がっているのに本当は寂しがりやな先輩を。悪ぶっているのに本当は優しい戦友を。真っすぐすぎて自ら破滅してしまう不器用な友を。そして何より大切な友達を……その全てを見殺しにして、自分一人だけが生き恥を晒して次の世界へと逃げる。

 そんなのはもう……嫌だ。もう耐えられない。

 だったら最初から一人でいい。大切なものなんて、ここでは作らない方がいい。

 

「もうこれ以上……守るべきものなんて、私にはいらない」

「だったら利用して捨て駒にすればいいじゃないか。囮にだって使えない事はない。

役に立たなくても敵の情報や動きを見る事は出来るだろう?

その方が効率的だと僕は思うんだけどなあ……人の考えは分からないよ」

「黙りなさい」

 

 Xガンの銃口をキュゥべえの顔に押し付けてグリグリと捩じる。

 すると流石にキュゥべえも本当に殺されかねないと悟ったのか、渋々口を閉ざした。

 それから右手にXガン。左手にYガンを持ち、ほむらは夜の住宅街を駆けた。

 ちなみに銃の名前は、銃口の形から加藤が名付けたものだ。

 民家の屋根から屋根を跳躍して跳び移り、月をバックに黒髪の少女が舞う。

 恐怖や緊張はない。感情のブレが文字通り命に関わる魔法少女にとって心の制御は必須技能だ。

 それが出来なければ数多の時間軸の美樹さやかと同じ末路を辿る事になる。

 狩りに徹したほむらは放たれた銃弾であり、心を鉄にして敵を撃ち抜くだけだ。

 

(……いた!)

 

 移動を開始してすぐ、ほむらはまるでロボットのような姿の異星人を発見した。

 テカテカとした光沢のある物質で造られた人形のようで、一昔前のデパートの屋上などに置かれてそうな外見だ。

 赤と白の縞模様の服を着て、駆動音を響かせながら道を歩いている。

 それが四体、規則正しく並んで歩いているのは不気味さを感じさせた。

 しかしほむらは勢いを落とさずに、それどころか更に勢いを付けて跳躍。

 最後尾にいた田中星人の背を踏みつけ、そのまま倒れた彼の背を足場に着地し、他三体の田中星人の真ん中に位置取った。

 

「!」

「!?」

 

 突然の事に反応が間に合わない左右の田中星人にそれぞれ、XガンとYガンを直撃させる。

 更に正面の田中星人に蹴りを放つも、こちらは避けられてしまった。

 ほむらに踏まれていた田中星人が起き上がる事でほむらは空に跳ね飛ばされるが、すぐに空中で回転して田中星人に発砲。Xガンを直撃させた。

 するとXガンを当てた二体は頭部を弾けさせて死亡し、Yガンを当てた田中星人は光のワイヤーで縛られて動けなくなった。

 再度Yガンを当てると、空へと向けて転送が開始される。

 

(なるほど。Xガンは時間差はあるけど殺傷力に優れ、Yガンは即効性はあっても殺傷力はない……しかも一度目で捕獲し、もう一度撃つ必要がある。

……使えるわね。Yガンで止めてからXガンで止めを刺すという組み合わせも出来そうだわ)

 

「ほむら、来るよ!」

 

 一体だけ逃れた田中星人は空を飛び、ほむらの近くで口を開いた。

 それに対してほむらは地面を蹴って横に跳び、数秒遅れてから彼女がいた場所を不可視の何かが抉った。

 恐らく口から超音波か何かを発して攻撃してきたのだろうが、どうも速射性には難があるようだ。

 すぐにほむらは田中星人に銃口を合わせるが、それを察知して田中星人が空を飛ぶ。

 だがそれを更に先読みして跳躍したほむらが、田中星人に銃口を押し付けた。

 発射――爆破。

 瞬く間に田中星人四体を始末してみせたほむらは地面に降り立ち、優雅に髪をかきあげた。

 

「流石だね、ほむら。ここから東300mの地点に更に八匹集まっているけど、行けるかい?」

「問題ないわ」

 

 あの程度ならば魔女の使い魔と大差ない。

 それがほむらの下した評価であり、要するに魔法などなくともまず負ける事がないほどに田中星人とほむらの実力が開いている事を示していた。

 戦いの後である事を感じさせない程にほむらは普段通りに歩き、反応がする方向へと歩を進めて行く。

 その道すがら、河の方で何か騒ぎ声が聞こえるがどうやら向こうでも戦闘が始まったらしい。

 レーダーを見れば……反応は一体だけだ。

 大して強い星人ではなかったし、向こうにはベテランの西もいるから大丈夫だろう。

 そう考え、ほむらはそのまま多くの反応があるアパートへと向かう。

 正面からドアを開け……るような事はしない。

 跳躍して窓を蹴破り、いきなり2階へと突入。胡坐をかいていた巨大な鳥にYガンを発射して拘束し、蹴りの一閃で首を砕いた。

 更にドアを蹴破ってアパートの廊下へ飛び出し、左右のドアへ向けてXガンを連射。

 一発目でドアを破壊し、二発目を中にいた田中星人へと炸裂させる。

 

「1、2」

 

 田中星人が破裂する音を後ろに聞きながら疾走。慌てたように飛び出してきた五人の田中星人を蹴り、銃底で殴り、足で払い、Xガンを撃って一体屠る。

 

「3」

 

 田中星人も口を開いて反撃しようとするが、発射までが遅すぎる。

 ほむらは壁を走るようにして田中星人の横を抜け、振り返る事なく後ろにXガンを発射。更に一体葬り去る。

 

「4!」

 

 残された三体の田中星人がほむらを取り囲んだ。

 機動力を殺し、抑え込むつもりだろう。それなりに知能は働かせているようだ。

 だが甘い。ほむらの真価は長距離のみにあるわけではない。

 むしろこの距離こそがほむらの間合いだ。

 伸ばされる田中星人の手を避け、いなし、逸らし、そのまま回避の動作を攻撃へ繋げてXガンを発射。

 成す術なく田中星人が血肉へと変えられる。

 

「5!」

 

 相手の動きを完全に予測出来れば至近距離であってもそこは安全地帯となり、最小限の動きで回避する事が可能となる。

 回避動作をそのまま攻撃動作に出来るならばそれは、自らにとっては安全であり敵にとっては必殺の死地となる。

 格闘と銃撃を両立させた動きは巴マミの得意とするもので、かつてほむらは彼女に師事していた時間軸があった。

 その上でほむらは自己流に研磨し、長い戦歴の中でこの戦闘術を完成させたのだ。

 今ならば時間停止抜きでも巴マミと至近距離で撃ち合う事だって出来るだろう。

 田中星人の腕を避け、そのまま腕を交差させるように顔へ銃口を突きつける。

 反対側の田中星人が口を開くが、その口の中に銃口を突っ込んで黙らせた。

 そして左右同時に発砲。

 片方は捕獲され、もう片方は頭が弾け飛ぶ。

 

「6、7!」

 

 そのまま捕獲されて動けない田中星人にXガンを当てて射殺し、最後に首が折れたままワイヤーを引き千切ろうとしていたでかい鳥にXガンを連続で当てた。

 そして背を向けて、少し乱れてしまった髪を手で軽く流す。

 それと同時に背後で巨大鳥が爆散して絶命した。

 

「8……これで終りね」

 

 アパートにいた八体全てを沈黙させ、ほむらは軽く息を吐いて残心した。

 まだ警戒は解いていない。

 隠れている敵がいるかもしれないし、もしかしたら死んでいない敵がいるかもしれない。

 再生するという可能性も考慮しなければならないだろう。

 だからほむらは駄目押しにもう一度死んでいる田中星人にYガンを撃ち込んで死体を転送し、その場から完全に消し去った。

 

「……終わらないわね」

「まだ残ってるんじゃないかな。調べてみるよ」

 

 まさか、まだ河の方の敵が残っているのだろうか。

 そう思って調べるが、河の方の反応は消えている。

 誰かは知らないが、しっかり倒したようだ。

 しかし圏外ギリギリの位置に反応があり、しかも他の参加者の反応まで近くにある。

 田中星人の反応は一つ、参加者の反応は五つ…………いや、四つだ。今一つ減った。

 恐らく新規参加者のうちの誰かが圏外に出て死んでしまったらしい。

 

「行くのかい?」

「ええ」

 

 ほむらはアパートの窓から飛び出し、屋根から屋根へと跳んで夜の街を駆けた。

 あの反応が玄野や加藤、西ならばいい。きっと勝つだろう。

 しかし老婆や暴走族なら駄目だ。暴走族はスーツを着ていないし、老婆と少年はスーツを着ていても元々戦えるように見えない。

 こんな状況である以上、いずれあの老婆と少年は死ぬだろう。

 だがそれでも、罪のない善良な祖母と孫が死ぬのを黙って見過ごせるほど、ほむらは人の心を捨て切れてはいなかった。

 無駄である事は分かっているのだ。仮にここを生き延びさせたとしても、あの老婆と少年ではこの先を生き残る事など絶対に出来ない。

 むしろ後に苦しんで死ぬ可能性がある以上、ここで死なせてやった方がまだ幸せという可能性だってあるのだ。

 だからこれは単なる自己満足……自分が後味の悪い思いをしたくないからやっているだけの偽善だ。

 

 

 杉本カヨはごく一般的な、どこにでもいる善良な老女である。

 一般家庭に生まれ、一般的な男性と結婚して幸せな家庭を築き、そして子宝にも恵まれて孫の顔を見る事も出来た。

 そんな絵に描いたような普通の、お人よしのお婆さんだ。

 余生の少ない彼女にとって、生き甲斐と呼べるものは可愛い孫の成長を見る事である。

 その孫が通信簿を見せに来た日の夕方、彼を家に送るために車を出したのだがそこでトラックに衝突されてガンツの部屋に転送されてしまった。

 そこからの出来事は完全に彼女の理解を超えており、今でも何が起こっているのか現状の半分も理解出来ていない。

 それでもロボットのような異星人と西が殺し合い、そして西が死んでしまった事でどれだけ自分達が危険な場所に立たされたのかは何となく分かってしまった。

 それでも何とか孫の亮太を家に帰してあげようと、目を覚ました暴走族三人の後に続くように帰路についた。

 だが、歩くにつれて妙な音がどんどん大きくなり、そして先を歩いていた暴走族の頭が弾け飛んだ事で帰る事すら出来ないと悟ってしまった。

 そして今、彼女は地獄の中にいた。

 あの恐ろしいロボットが彼女達の前に姿を現し、暴走族に襲い掛かったのだ。

 

「こ、この野郎!」

「ふざッけんな! 死んでたまるか! 死んでたまるかよ!」

 

 暴走族の二人が必死にXガンで応戦するも、田中星人には当たらない。

 空を飛び、照準から身をかわして暴走族を翻弄していた。

 田中星人はこう見えて俊敏だ。射撃の腕に秀でた西の射撃すら全て避け、殺害してみせたこの異星人に暴走族のいい加減な射撃が当たるはずもない。

 ほむらやマミといった魔法少女のような超次元の射撃能力を有するならば田中星人など敵ではないだろうが、この二人にはあまりに荷が重すぎる相手だ。

 と、いうより高層建築物から落下し、落ちながら超至近距離で銃撃戦を出来る魔法少女など参考にしてはいけない。

 田中星人が避けながら超音波を発し、それに直撃してしまった暴走族二人が身体の穴という穴から血を流して倒れた。

 その死体を踏み潰し、田中星人がカヨと亮太の前に立ち塞がる。

 

「お婆ちゃん! こわいよおお!」

「りょ、亮太……逃げるんだよ……先に行ってて」

「お婆ちゃんは……?」

「あんな奴、おばあちゃん、やっつけちゃうから」

 

 カヨは亮太を安心させるように笑顔を浮かべ、震える足で田中星人へと向かう。

 分かっている……勝てるわけがないと。

 自分よりも若くて体力もあり、武器を持っていた男が三人も死んでいるのだ。

 だというのに、こんなお婆ちゃんが勝てるわけがないという事はカヨ自身が痛いほど分かっていた。

 それでも時間を稼げば、亮太だけは助かるかもしれない。

 あのスーツを着た人の中にも優しそうな人はいた。

 亮太が逃げて彼等と合流さえ出来れば……その為にカヨはここで捨て石になる事を決意したのだ。

 だが悪い事というのは重なるものだ。

 何と、亮太が逃げた先からも更に田中星人が三体ほど飛んできたのだ。

 

「おばあぢゃああああん!」

 

 亮太はすっかり怯えてカヨにしがみつき、カヨも悟ったかのように亮太を抱き締めた。

 この世界は弱者に優しくない。

 弱い者は何も出来ずに死んでいくだけだ。

 

 だが――奇跡と魔法も、確かに世界にはあるのだ。

 月明りの夜空を舞い、黒髪の少女が降り立った。

 スーツなど着ていない彼女は、しかしスーツを着用した人間以上の脚力で田中星人を蹴り飛ばしてカヨから引き剥がす。

 更にXガンで威嚇射撃。田中星人三体に回避させ、空に飛ぶように誘導した。

 それを追って跳び、田中星人を足場にして残る二体へYガンで牽制しながら自らが足場にしている田中星人の頭部にXガンを直撃させた。

 ほむらが跳び立った後に田中星人が弾け、残る二体と空中戦をする。

 そこに先程蹴り飛ばされた一体が参戦するがほむらの優位は揺らがない。

 たとえ空を舞う翼がなかろうが、それでも少女は舞う。

 田中星人の拳を避け、蹴り、撃ち、地上に着地してからは囲まれての三対一だというのに全ての攻撃を避けながらYガンを宙に放り、キュゥべえに持たせていたガンツソードを手に取った。

 そして剣の一閃で田中星人の首を切り飛ばして剣の長さを戻し、キュゥべえに返した。

 それと同時に先程放ったYガンが落ちてきたのでキャッチして再びXガンとYガンの二丁拳銃装備になる。

 

「お婆ちゃん! あのお姉ちゃんすッげェ! かっこいい!」

 

 亮太が呑気にはしゃぐ声にほむらは少し呆れたが、まあ子供なんてあんなものだろうと割り切った。

 田中星人が離れて超音波を発しようとするが、そこに別の田中星人を蹴り飛ばして盾にする。

 見事に同士討ちしてしまった田中星人へ向けて跳び、二体を飛び越えて空で宙返りをし――すれ違いざま、上下逆さまの姿勢のままXガンとYガンを発射した。

 着地と同時に田中星人が弾け、もう一体が拘束される。

 そこに振り返りながらもう一度Yガンを発射。空へ向けて転送し、この場の田中星人を一掃した。

 

「すげえ! 全部やっつけちゃった!」

 

 亮太がほむらに向ける視線は、まるでヒーローを見る子供のものだ。

 それに居心地の悪さを感じ、ほむらは西の『偽善者』という言葉を思い出す。

 なるほど、確かに偽善だ……あの子供は、救われたのではなく苦しみが長引いただけだと気付いていない。

 あんな目を向けられる資格など自分にはないというのに……。

 ほむらは軽く自己嫌悪し、そしてカヨが少しずつ消えていくのを見て今回のミッションが終わった事を実感した。

 

「ね、ねえ! お姉ちゃん、お婆ちゃんが消えちゃうよ! 助けてよお!」

「心配ないわ。あの部屋に戻されるだけよ」

 

 雑に返答しながらほむらは、銃を入れるホルスターを買う必要があるなと考えていた。

 今は使わない武器をキュゥべえに持たせているが、正直やりにくい。

 というより、キュゥべえの状態が結構面白い事になってしまっている。

 右の耳毛にステルス用のリモコン(今回は結局使わなかった)。

 左の耳毛に星人探索用のレーダー。

 そして口にはガンツソードをくわえ、プルプルと震えていた。

 

「わけがわからないよ」

 

 キュゥべえはただ一言、そう言って自身の扱いへの不満を漏らした。




Q、何で田中星人が原作より増えてるの?
A、敵の数が多い方が無双が映えるから。
まあゲーム版でもモリモリ出て来るし……。

【ぼっちプレイヤーほむら】
現時点では仲間と連携する気が一切ない。
というより、そもそも玄野達を仲間と思わないようにしている。
仲間と認めて情が沸いてしまうと、その分後が辛くなるので意図的に心の壁を作っている。
現在のガンツメンバーの中である意味、一番付き合いやすい相手は西丈一郎。
互いに基本無関心同士なのでやりやすい。

【今回の新規参加者】
・根本鉄男
暴走族のリーダー格。
原作でもアニメでもスーツの重要性に気付いて着用するなど勘がいい。
原作では他の連中と大差ないが、アニメだと割と良識人。このSSではややアニメ寄り。
加藤達と一緒にいたので生存。

・西川信介
暴走族B。
原作ではエリア外に出てしまった為爆死。
このSSでもエリア外に出て爆死した。

・中島康介
暴走族C。
原作では西にXショットガンを撃ち、怒った西によって逆に殺されてしまった人。
このSSではミッション前にほむらに気絶させられた為に生きてミッションに参加したが、帰ろうとしたところを田中星人に襲撃されて死亡した。

・沼田春哉
暴走族D。
原作では根本と一緒に玄野を脅していたがアパートから出て来た田中ボスによって首を千切られて死亡した。
アニメでは根本が善人化した分、原作の根本の分まで彼が外道化し、玄野と根本の二人を脅してアパートへ向かわせた。
このSSでは帰ろうとしたところを田中星人に襲撃されて死亡した。

・杉本カヨ
人のいいお婆さん。何でガンツに連れて来られたか分からない人。
原作では孫の亮太共々田中星人によって殺されてしまうが、このSSではほむら乱入によって一応今回は生存した。

・杉本亮太
カヨの孫。やや我儘だが、この年頃の子供ならこんなもの。
原作では祖母のカヨ共々田中星人によって殺されてしまうが、このSSではほむら乱入によって一応今回は生存した。

【田中星人】
玄野達にとって2回目の敵。
スーツがあれば素手で余裕勝ち出来たねぎ星人と比べると質も数も段違いであり、一気に難易度が上がった。
とはいえ後の敵と比べるとまだそこまで手強くはないが、不気味さと得体の知れなさではトップクラス。
「スーツがオシャカになった!」の名台詞は田中星人との戦いで生まれたもの。

【西丈一郎死亡】
ほむらは「ベテランだから大丈夫でしょう」くらいに思っていたが、田中星人にスーツをオシャカにされて死亡した。
ステルスを駆使しての生存能力に長けており、後のぬらりひょんやラストミッションでも高得点を取りつつ生き残るだけの実力はあるのだが、ステルスが効かなければ脆いという弱点を露呈してしまった。
ほむらにとってベテランと言えばマミと杏子なので、ベテラン=強いとどこかで思っていたのかもしれない。

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