とあるオタク女の受難(戦姫絶唱シンフォギア編)。 作:SUN'S
ヰ月→日
浴衣に着替えて浜辺へと来たのに屋台が無かった。それどころか海面を突き破って島が現れた。
なんだ、大掛かりな設備だな。花火を見るために持ってきていた双眼鏡を持ち上げ、浮かんできた島を見るとクリスが翼さんと戦っていた。花火じゃなくて特撮の舞台だったのか…。
…なんとも言えないな…。
二挺拳銃なのは変わらないが翼さんが弾丸を斬り落とすシーンばかりだ。もしや、NGの撮り直しを行っているのか?なんて考えていると爆音と共に浮かんできた島が左側へと傾いた。
爆発演出の威力も高いな。
よく見ると月読さんと暁さんも戦っていた。プライベートでは仲良しだったが仕事中は敵対関係という訳だな。二人とも辛そうな表情を浮かべている、迫真の演技だな。
数時間ほど経過した頃だろうか?巨人みたいなキャラクターが現れ、殴り飛ばした薄い桜色の髪が特徴的な女性が出てきた。もしかして女優だったのか?
なんて考えていると太陽のような球体が巨人の口から放たれた。撮影する時にはエフェクトを投射しながら行っているのか。
随分と変わった撮影方法だな。
ヰ月₩日
あの日、私は空から落ちてくるスピリット・オブ・ファイアを見てしまった。
シャーマンキングは実在しているのか?等と考えつつ、部屋で眠っているクリスを揺すって起こす。
目元を擦りながら起き上がり、パジャマ姿のまま洗面台へと向かっていった。女の子としては身嗜みには気を付けることだな。
朝食を食べているとクリスから「アンタの技…まあ…使えたよ」と聞かせてくれた。
ふっ、ならば良しだ。
クリスは白米を口の中へと掻き込んでから「行ってきます」と手をヒラヒラと振りながら言ってきた。
何気無い仕草だが「行ってきます」は初めて言われたな。なんて考えながら米粒の残った食器を台所へ運んでいく。
ヰ月⊥日
学生寮付近にジムを設立することが決まった。なぜか、私はトレーナーとして働くことになった。
立花さんと小日向さんは最新設備の置かれたジム内を散策しており、翼さんは「自動防御人形」というスパーリング・ロボットを見詰めていた。
クリスはジムの地下に在る射的場に設備されている銃器を物色している。
視線を横へ動かすと風鳴さんがサンドバックを殴っており、ワン・ツーの打ち終わりしか見えなかった。
ふむ、更に鍛えてきた訳だな。
翼さんに視線を戻すと木刀の刀身に該当する部分をスパーリング・ロボットに受け止められており、何度も斬ろうと挑戦していた。
あの疾い剣撃を受け止めるとはスパーリング・ロボットとは侮れないな。