とあるオタク女の受難(戦姫絶唱シンフォギア編)。   作:SUN'S

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第2話

♡月ゐ日

 

早朝、立花さんはキリッとした目付きの女性と共に来ていた。なんでも学校とバイト先の先輩らしい。彼女も武術を習っており、手合わせを願いたいそうだ。他流試合を望む女の子なんて居ないと思ってたんだけどな。アップライトスタイルに構え、先輩さんが構えるのを待っていると竹刀を取り出した。

 

なんと言えばいいのか、見た目通りというのか。剣術や剣道を習っているんだろうな。なんて考えていた予想が当たってしまった。カッチリとした正道を往く剣の持ち方であり、虚を突くような攻撃には対処し切れないような感じだ。

 

試してみる価値はある。

 

右手を前へ突き出し、左手はヘソを隠すように腹部に添えて軽く踵を浮かせた状態を維持する。

 

灘神影流の返し技の一つ夜叉燕だ。

 

ジリジリと間合いを詰めてきた先輩さんの竹刀を握る両の手の下を突き抜け、前蹴りが丹田に押し当てられる。ヒットした感触が残る右足を引き戻し、そのまま腹部を押さえようとした先輩さんの顎を蹴り上げ…られなかった。意地でも止めるつもりだったのか。竹刀の柄で蹴りを止められていた。

 

つまり、引き分けということだ。

 

♡月∧日

 

昨日、手合わせした先輩さんから謝罪と感謝の言葉を貰った。なんでも自分は強いと慢心していた心を正せたとのことだ。イマイチ、この子の言っていることが分からないんだよな。

 

アニメ拳法ならぬアニメ剣法に関することは分かるけど。この子の使ってるのって実践剣道とかなんだろうな。彼女もアニメ拳法を習いたいと言ってきた。

 

立花さんには徒手空拳を主体としたモノだって教えた筈なんだけど。なんで剣術小町まで引き連れて鍛練しないとイケないんだろうか。頼み込まれれば断れる筈も無くて、承諾してしまった訳だけど。

 

風鳴翼さん、彼女は風鳴さんの姪に当たるそうだ。

 

なんとも御都合的な展開だね。

 

あとはヒロイン役の女の子でも連れて来れば完璧なんじゃないか。一応、知っているアニメ剣法の技を教えていこうと思う。

 

天下無双と謡われた剛剣、一文字流の技を。

 

立花さんには悪いけど。今日だけは翼さんに斬岩剣を教えることにした。公園の端に在る私よりも大きな岩石の前に立ち、翼さんの竹刀を軽く握って一瞬で横に振り抜いて翼さんに竹刀を返却した。二人は困惑していたけど。私の後ろで滑り落ちる岩石を見てギョッとしていた。

 

これこそ「この世に斬れぬものなし」と謡われた一文字流の基本技にして極意である。

 

♡月。日

 

翼さんは岩石の多そうな山へと籠るそうだ。修行僧になりたいのか?等と考えていると立花さんから「翼さんみたいな技を教えて下さい!」と言われた。

 

一文字流に類するモノを所望している訳じゃない。徒手空拳を主体としたモノを欲しているんだろう。舞い落ちる木の葉を見て思い付いた。

 

立花さんに見せるようにアップライトスタイルに構えて右ストレートを突き出した瞬間、舞い落ちる木の葉は暴風と共に水平に吹き飛んだ。

 

立花さんはキラキラと目を輝かせており、ボクシングは紳士淑女のスポーツである事を告げてからマッハ・パンチを教えた。

 

流石に、これは一発では成功しなかったが微風を放つ程度には成長していた。急成長とは言うけれど、ここまで成長速度の速い子供はいないと思う。立花さんが拳を振るう毎に尋常ではない風切り音が聞こえてくる。

 

なんでも有りな女の子だね。

 

 

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