とあるオタク女の受難(戦姫絶唱シンフォギア編)。 作:SUN'S
私達はオートスコアラーに負けてしまった。正規の奏者と違っているから負けたとか言い訳するつもりはないデスけど。
負けたくない、みんなを守りたいと思ってしまう。
「オバサン、どうすれば良いデスか!?」
「さあ、自分で考えてみなさい」
都市部から数百kmも離れた森林。頭を撫でてくれるオバサンと目の前に在るのは切倒された大木と手に持っている斧だけじゃ分からないデスよ!?
なんて考えていると激流の中でキックをしている調を見てしまったデス…。よく見ると調の顔色は青を通り越して茶色かったデスよ。
アレって酸素欠乏症デスよね?
調、大丈夫かな。なんて考えながらも丸太を切り倒すために斧を振り落としても上手く切れない。オバサンは斧を、どうやって振り落としていたか。しっかりと思い出して調と一緒にご飯を食べるためデス!
足は肩幅に開き、重心を前に傾けて、振り上げた斧を一気に振り下ろす!!
ガゴォォンッ!!という音と共に大木は半分まで切れていた。でも、オバサンみたいに一撃で切り倒せなかった。もっと筋肉の伝導率と関節の連動率を引き上げないと駄目デスね。
こう、いや、こうだったデスかね?
「分からないデーーーースっ!!」
身体を大きく仰け反らせ、斧を振り落とすと綺麗に切り倒せていた。あれ?上手く出来ちゃったデス。今の感覚を忘れない内に、試してみるデス。
ガゴォォンッ!!
「やっぱり、出来なかったデス!?」
◆
切ちゃんの「デーーースっ!!」っていう叫び声が聞こえてきた。川の中でキックを放ち、オバサンの投げてくるピンボールを蹴り返していると切ちゃんの修行している方から爆発するような音が聞こえてきた。
「なんだ、気付いたのか?」
「……気付いた…?…」
「ああ、関節は衝撃を和らげるクッションだ。切歌の倒木切りは、その関節を固定して力の分散を徹底的に削いだら出来るんだよ」
そうなんだ、知らなかった。オバサンは物知りだな。なんて考えているとコツンと頭にピンボールが当たった。
あっ、私も修行してるんだった。
私は流れていくピンボールを蹴り上げてオバサンに蹴り返す。
オバサンが言ってた「好きな子へ料理する手は戦いで使っちゃダメだ。なにより料理人の手は命だ」って…私の手は切ちゃんにご飯を作るためだけに使う。
だから、ノイズを倒すのは蹴り技だけで良いんだ。
オバサンの手から投げられた三つのピンボールを蹴るために川の水を蹴り裂いて飛び上がり、回転しながらピンボールを蹴り返して陸に着地する。
オバサンからタオルを貰って斧を地面に置いて手を大きく振っている切ちゃんに小走りで駆け寄る。