とあるオタク女の受難(戦姫絶唱シンフォギア編)。   作:SUN'S

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第30話

ф月〉日

 

またしても都市部に不発弾が見付かったと報道していた。

 

エルフナインとキャロルには自身の大切な物を持ってくるようにと伝えたら一緒に選んだ食器や衣服を詰め込んだリュックサックとカバンを持ってきた。

 

サンジェルマン達は日本政府の人々と避難するそうだ。クリスは前回と同じように学校へと向かっていった。

 

携帯ラジオから聞こえてきたのは、前回の都市部を崩落させたモノよりも強力な不発弾ということだけだ。二人を乗せて車で移動している最中、偶然にもアイツを見付けてしまった。

 

そう、ソフト帽だけを被った全裸の男アダム・ヴァインズハウプトだ。先日、官房から幼児を連れて脱獄したと聞いていた。

 

まさか、こんなところで遭遇するとはな。

 

エルフナインとキャロルの安全な場所まで送り届けてからブッ飛ばしてやる。

 

都市部を脱することは出来たが、変態野郎を取り逃がすことになってしまった。今度は再犯しようとは思わないほど殴り飛ばしてやる。

 

ф月┗日

 

二人を乗せていた車を海岸沿いの駐車場に停止させた。ここまで離れていれば爆風は微風ほどのはずだ。なんて考えているとエルフナインとキャロルからスーツを手渡された。

 

キャロルから「仕事なんだろ?」と言われ、エルフナインから「僕達は大丈夫ですから」とサムズアップを見せられた。

 

二人の頭をワシャワシャと撫でると、海岸沿いまで先導するように避難してきていた白バイ警官からからバイクとヘルメットを借り、都市部へとバイクを走らせる。

 

流石に避難し終えているのか、行きと違って渋滞にはなっていなかった。そんなことを考えているとカリオストロと思わしき女がビルを突き破って飛んできた。

 

急ブレーキを掛け、飛んでくるカリオストロの腹に手を回して受け止める。カリオストロから「うげっ」という声が聞こえてきたが気にしている時間はない。

 

カリオストロを道路の端で寝かせ、彼女の飛んできた方角を戻るようにバイクを走らせる。すると、特撮衣装を纏ったクリス達と出会った頃と同じ服を纏ったサンジェルマンとプレラーティがいた。

 

その真正面にはアダム・ヴァインズハウプトが立っていた。バイクを最大まで加速させながら左拳を通り過ぎ様に叩き付け、バイクを急停止させる。

 

下半身の無い人形は「アダム、アダム、アダム」と呟いていた。よく見ると捕まえた日に連れて歩いていた幼児と瓜二つだった。

 

下半身の無い人形の頭を軽く撫でてから「神の力」の凄さを語りながら起き上がろうとしたクソ野郎の顔面をサッカーボールを蹴るように吹っ飛ばし、顔を押さえながら蹲るクソ野郎の髪を掴んで強引に起き上がらせ、砲丸投げのようなフォームでクソ野郎をゴミ箱に放り投げる。

 

手に絡み付いた髪の毛を払い落とし、マンホールの蓋でゴミ箱を密封して下半身の無い人形を抱き上げる。

 

この子は、あの男の被害者だ。

 

ф月Ζ日

 

色々と仕出かしたことを官房に謝罪してから辞表を提出したら破り捨てられた。

 

あの殴り飛ばす様子を撮影していた報道局の応援活動のせいとのことだ。しかし、子供の前で暴力を振るってしまったことには代わり無い。

 

そんなことを考えていると官房から「お前は子供のために拳を振るっただけだ」と言われた。

 

官房は溜め息を吐きながら2ヶ月の謹慎処分を言い渡すと告げ、出ていくように急かしてきた。

 

クリス達から怖がられる覚悟を決めよう。あんな表情で人を殴るところを見せてしまったんだ。

 

厚労省を出るとクリス達が立っていた。なぜか、風鳴さんや緒川さんもいる。クリスは臆した表情を浮かべるどころか平然と「さっさと帰るぞ」と言ってきた。

 

私が怖くないのか?

 

そう尋ねると風鳴さん達も一緒に「怖くない」と言ってくれた。なんと言えば良いのか、これは、あれだな、私が臆していたんだな。そんなことを考えながら固まっているとクリスに腕を引っ張られ、思わず苦笑いを浮かべてしまった。

 

 

 

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