とあるオタク女の受難(戦姫絶唱シンフォギア編)。   作:SUN'S

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第44話(風鳴弦十郎)

最近、歩くことを覚えた詩緒は俺の膝に座ることを最優先としている。キャロル達は「お姉ちゃんだぞぉ~っ」と言いながらクマとパンダのパペット人形で相手している。

 

料理や掃除している叶の代わりに抱っこしているクリスの腕の中は心地好いのか。

 

詩緒はクリスの前では眠っていることが多い。

 

「ぱぁーっ!」

 

ビデオショップで詩緒と一緒に映画を選んでいると詩緒がアクション映画の前で叫んでいた。

 

「だっ!」

 

そこには無敵超人シリーズが並べられていた。もしかして、これが観たいのか?手に取って詩緒に渡すとパシッとケースカバーを掴んで離さなくなった。

 

映画好きは俺の影響なのか?なんて考えながら詩緒に借りるか借りないかを聞いてみた。

 

「これを借りるか?」

 

「うっ!」

 

詩緒は借りたいと答えた。

 

しかし、無敵超人シリーズは借りたことはないからな…。どんな内容なのか、分からないワクワク感はあるな。

 

 

詩緒を背負って歩いていると調君達と出会った。二人は俺の背中に張り付いている詩緒に手を振っていたが、詩緒は恥ずかしそうに両手で顔を隠してしまった。

 

「やっぱり可愛いデスっ!」

 

「詩緒ちゃん、可愛いね」

 

「うーっ、やぁっ!」

 

二人の褒め言葉に照れているのか。俺の背中に顔を押し付けてきた。照れている詩緒を切歌君に撮って貰った。

 

これで詩緒のアルバム写真が増えたな。

 

「ばいばいデース!」

 

「また、ね」

 

「ねーっ!」

 

詩緒は背中から肩へと移り、離れていく二人に手を振っていた。くっ、この角度だと俺の腕が邪魔で上手く撮れないだと!?

 

「ぱぁ…?」

 

「詩緒、どうかしたのか?」

 

「んーっ、なぁ!」

 

「ああ、あそこは空き地だから何も無いな」

 

空き地に何かあるのか?詩緒の指差している空き地へ向かうと山を作るように土管や木材が置かれていた。遠目からでも分かっていたが、何もないな。

 

 

家に帰ると叶が出迎えてくれた。調君達に会ったことを伝えると首を傾げていた。

 

理由を尋ねると彼女達は「アニマル塾」という番組のゲストとしてアメリカの動物園へと向かう飛行機に乗っているそうだ。

 

じゃあ、大通りで照れている詩緒の写真を撮ってくれたのは誰なんだ?等と考えていると詩緒の手には食塩袋が握られていた。

 

「ドッペルゲンガー、というヤツなのか?」

 

「うっ?」

 

「詩緒ちゃん、パパは考えてるみたいだからアッチで遊びましょうか?」

 

「まぁーっ、だっ!」

 

「はいはい、抱っこねぇ~っ」

 

玄関先で立っている間に詩緒と叶はリビングへと行ってしまった。しかし、本当に、俺が話していたのは本当に誰だったんだ?

 

 

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