とあるオタク女の受難(戦姫絶唱シンフォギア編)。   作:SUN'S

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第56話(マリア・カデンツァヴナ・イヴ)

私はカナエさんの異常な格闘技術やノイズを威圧だけで消失させる常識では計り知れないモノに恐怖していた。まあ、あの人は子供や年下を守るために怒るところを見ているのだけどね。

 

マムはジョンとの交際を認める条件として家事全般を習得することを指示してきた。

 

その程度の事、造作もないわね。なんて自信満々に言っていたのだけど。頑固なジョンの偏食を直すために、彼の好きな味を確かめるように味付けを変え続けている。

 

カレーも甘口じゃないと食べてくれない。

 

う~ん、肉類や魚類すら食べないのが体調不良の原因としか思えないのよね。偏食の解決方法をツバサやシラベに聞いてみようかしら?

 

ツバサ、出会った頃は家事洗濯が出来なかったけど。今も家事全般を恋人に任せてるのかしら?いや、まさか、そんなことは…無いわよね?

 

「そう言えば…渡すのを忘れていましたね」

 

ジョンに食べさせる作戦を考えているとポツリと思い出したように渡す物を取りに行ってしまった。私の料理を食べないための作戦だったらぶっ飛ばすからね?

 

悪さを働いていた頃のジョンの表情を浮かべながら戻ってきた。よし、変な物を渡してきたら殴ろう。

 

「マリア、マリア・カデンツァヴナ・イヴ。僕と結婚してくれますか?」

 

「はへぇっ!?」

 

「なんですか?そのヘンテコな叫び声は…。ナスターシャ教授には許可を得ています。この指輪、受け取ってくれますか?」

 

「えっ、あ、えと、よ、よぉひくきゅ!?」

 

あまりにも唐突なプロポーズだったせいで噛み噛みで答えてしまった。恥ずかしいけど、凄く嬉しいわ…。

 

「姉さん、良かったね♪」

 

懐かしい声が聞こえてきた。フロンティアを起動した時、聞こえてきたセレナの声だった。全世界で起こっている死者の復活事件、あの子が復活しないとは限らないじゃないッ。

 

後ろに振り返ると、小さな妹が立っていた。あの頃と変わらない死んでしまった時の肉体のまま、現世へと蘇ってきた。その姿は紛れもない私の大切な妹だ。

 

「姉さんを泣かせたら許しませんよ?」

 

「フッ、愚問ですね。僕は彼女の英雄ですよ?彼女を喜ばせる事を仕出かすんですよ!!」

 

そんなことを言いながらジョンはセレナを試験管のような物の中へと吸収してしまった。ジョンの行動に困惑しているとマムの住んでいる屋敷へと向かうことになった。

 

なにがなんだか分からないけど。彼は「彼女を喜ばせる事を仕出かす」と言っていた。多分、凄いことを仕出かすつもりなんだと思う。

 

「ナスターシャ教授、準備は出来ていますね!」

 

「ウェル博士、セレナが現れたんですね?」

 

「その通りですよっ!」

 

地下研究施設の真ん中には人を収納することが出来るほど大きな冷凍保存カプセルが置かれていた。

 

ジョン、貴方のやろうとしていることって…。

 

「さあ、神々への叛逆です!!」

 

試験管をカプセル前のタブラットに装填すると試験管の中身がカプセルの中へと流れ込んでいき、カプセルから目映い光と共に、生前の可愛らしい姿のセレナが困惑したような表情を浮かべながら出てきた。

 

「まあ、バージンロードを歩む時にはお母さんだけじゃあ物足りませんから…ね?」

 

「え、えと、ただいま?」

 

「えぇっ、お帰りなさい」

 

やっぱり、貴方は最低な英雄よ。

 

こんなに花嫁を泣かせるんだから…!

 

 

 

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