とあるオタク女の受難(戦姫絶唱シンフォギア編)。 作:SUN'S
慎次さん、彼はマネージャーであり私の大切な恋人である。それなのに、父様は交際を認めると言っていたのに結婚の許しを得るために訪ねてきた慎次さんと殴り合いを始める始末だ。
そのことを叶さんに相談すると「それだけ、翼さんの事が大事なのよ」と頭を撫でてくれた。
やはり、叶さんは頼りになる女性だな。等と考えていると父様から「翼の家事力を鍛えてみせろ!」という声が聞こえてきた。
むぅ…っ、否定することが出来ないのはダメなのだろうが、父様は意地悪なことばかりする。
天羽家墓標前、荒々しく穏やかな気配を放つ女性が立っていた。見間違うことなど有り得ない。
あれは、あの子は、私の大切な片翼…。
「奏!!」
「ん?おぉ、翼…だよな?」
「おい、何処を見て判断しようとした!?」
今では奏より大きくなった胸を両の手で隠しながら詰め寄り、力任せに天羽奏を抱き締める。氷のように冷たい、それでも奏は此処に居るんだ。
奏の匂い、すごく安心する…。
死んでるけど、救うことは出来るんだ。ウェル博士、貴方の実験を借ります。奏のお父さん、奏のお母さん、ぶっつけ本番の奏を生き返らせる実験を行うことを許してください。奏を横抱きに、お姫様抱っこで持ち上げる。
「武装錬金!!」
日本刀の武装錬金。銘は風切、その能力は吸収と放出。柄から手を離すと靴底のクラッチに柄と刀身を噛み合わせ、姪の詩緒達の待つ我が家へと集束させた風を切っ先から暴風の如く吹かせる。
「ちょ、速い速い速いッ!?」
「掴まっていろ、次の角を曲がるぞ!」
「ぶあぁあぁぁあぁぁ!!」
「くっ、ブレーキ用の風を忘れていたッ!!」
「お、おま、お前バカかぁぁぁ!?」
風切の上に乗っていた左足に力を入れ、コンクリートの通り道に切っ先を突き刺すように体勢を変える。ガゴガゴガゴッというイビツな音と共に奏を乗せていた風切は停止する。
「ツーちゃ、どしたー?」
「詩緒、この人は天羽奏。私の大切な片翼だよ」
「お、おぉおっ、目が、目が回る…」
目を回している奏をガレージの中に連れ込んでエルフナインとキャロルをガレージへと運び込み。二人に目を回している奏と複製された天羽奏の肉体へと魂を戻してもらう。二つの箱の中に運び込まれた同一人物は目映い光と共に真ん中の箱から出てきた。
未だに目を回しているようだが、生き返らせることは出来たのだな。今の奏は私より年下なだけだ。まあ、それくらいは年上として教えてあげよう。
なんてことを心の中で誓っていると奏が頭を押さえながら立ち上がり、両の肩を掴んで頭突きしてきた。
「あぁ~っ、スッキリしたぜ」
「か、かにゃで…いひゃい…!」
「アタシは死ぬかもって思うほど怖い思いをしたんだが?まあ、身体にダルさを感じるってことは生き返らせてくれたんだろ?」
「…ぅん…」
「まあ、その、なんだ?ありがとよ」
えへへっ、これから奏に慎次さんとのことを報告しなきゃね。なんて考えていると奏に「核鉄」を投げるように渡していた。