とあるオタク女の受難(戦姫絶唱シンフォギア編)。 作:SUN'S
太陽が傾き掛けて空がオレンジ色に染まりそうな時間帯、坂道を降りてくる『ネフシュタンの鎧』を纏った女の子が地面を叩き砕いて襲ってきた。
それだけなら許せた。
未来を、私の大切な親友に怪我させたッ!
「Balwisyall Nescell gungnir tron」
ガングニールを装着しながら未来に落ちていく車を殴り付け、『ネフシュタンの鎧』を纏っている女の子を睨み付ける。あの人は殴り合えば分かり合えるって言ってたけど。今の気持ちは仲良くなりたいじゃない。
これは、友達を傷付けられた怒り───。
「未来。直ぐに倒すから待っててね」
振り返って倒れている未来の頭を軽く撫でる。
やっぱり、未来の髪は柔らかくて綺麗だな。
そんなことを考えながら立ち上がり、雑木林の中で立っている『ネフシュタンの鎧』の女の子へと殴るために歩いて向かう。友達になって未来にも謝ってもらう。謝るまで殴るのは止めないッ…。
「ハッ、そんなノロノロと動いてて良いのかよぉッ!!」
ピンク色の結晶を直列に束ねた鞭を振り下ろし、私を攻撃してくる。拳の届く範囲に入れば手の甲を使って受け流し、横から攻められれば弾いて退ける。あの夜の時の襲撃に比べれば、落ち着いて見ることが出来る。
「スゥーッ、ハァーッ」
呑み込むように
それなら一直線に突き進んでぶん殴るだけ!!
「ネフシュタンを嘗めんじゃねえェ!!」
結晶を直列に束ねた鞭を突き出すように放ち、私の顔を弾き飛ばすつもりだったんだろうけど。その程度の威力じゃ私は止められない。
なにより弾丸すべりはすべてを反らせる万能な防御技だ。顔を這わせるイメージで、あの子に身体を押し付けるように左拳を顔面に叩き込んだ。
「グッ、ガハァ!?」
威力を落とし切れなかった拳を握り締め、道路の壁に埋もれている『ネフシュタンの鎧』の女の子へと歩み寄り、クイッと手招きする。それが燗に触ったのか、表情を歪めながら立ち上がってきた。
「テメェ、嘗めてんのか!?この雪音クリスを!!」
「そっか…。雪音クリスって言うんだ。じゃあ、クリスちゃん…未来に謝ってもらうよ」
「殺すッ、ぶっ殺す!!テメーは本気で叩き潰さねえェと怒りが収まらえェ!吹き飛べよッ、アーマーパージだァ!!」
次の瞬間、クリスちゃんの纏った『ネフシュタンの鎧』が弾け、焦らずに飛んできた破片を叩き落としていると歌が聞こえてきた。
…あれって、私や翼さんと同じ…シンフォギア…!?
「あたしは歌が大っ嫌いなんだよ!!だから、憂さ晴らしだ。テメーを完膚無きまでにブッ潰す!!」
そんなことをクリスちゃんが叫んだ瞬間、薄い紫色の矢が飛んできた。この程度なら弾丸すべりで受け流せる!
「全総力!最大量!受け流してみやがれえェッ!!」
弾丸やミサイルが降ってくる最中、目の前に壁のようなモノが現れた。
◆
立花へと降り注いでいた砲撃を防ぐことは出来たが、あの少女はネフシュタンの鎧を脱ぎ捨てたのか?
「テメー、死に損ないの分際でしゃしゃり出てくんじゃねえェ!!」
たしか、彼女の使っているアームドギアは機関銃という種類の銃器だったか。抜刀するように構え、迫ってくる音速を越えた銃弾の雨を見ることが出来れば斬ることも容易い。
「一文字流、烈風剣!!」
今より
少女の放った弾丸を剣圧にて跳ね返し、風に切り裂かれた道を突き進んでいく最中、背後から立花の駆け出している足音が聞こえてきた。
…フッ、ここは先輩後輩と力を合わせるか!!
「立花、合わせろ!」
「はい!」
「な…なんだよ、その技は!?」
立花と共に剣を掴みながら飛び上がり、剣を可能な限り最大まで巨大化させる。
「「斬岩先輩後輩誇羅墓剣!!」」
雑木林の一部を一掃してしまったが、ネフシュタンの少女は倒せたな。