とあるオタク女の受難(戦姫絶唱シンフォギア編)。 作:SUN'S
∇月ゎ日
最近、近所の雑木林を一掃されて駐車場を作るという話を耳にした。あの場所は子供の頃に遊んでいた場所だったんだがな。
まあ、時の移り変わりとは、そういうモノなんだろうな。なんて考えているとポツポツと雨が降ってきた。傘はコンビニで買うとするか。
そんなことを考えていると路地裏にワインレッドより濃い赤のドレスを纏った女の子が倒れていた。なんだ、家出か?等と考えたが見覚えのある独特の髪色だった。
ああ、この前のコスプレ少女か。
とりあえず傘を買うより担いで帰った方が早いな。今夜は健康食でも作ってみるか。
コスプレ少女を背負うと立花さん達とは比べ物にならないほど軽かった。キチンとした食事を取っていないのか?等と考えつつ、アパートのドアを足で引っ張り開けて布団に寝かせる。
起きる前に着替えと軽い食事を用意しておくかな。しかし、私の下着には収まらん、むしろ溢れ落ちるな。
∇月Å日
翌朝、朝食を作っていると磨り硝子越しに部屋の中を警戒したように歩き回っている姿が見えた。
とりあえず台所と部屋の磨り硝子の扉をスライドさせ、食べ物の乗った食器をコスプレ少女の前に運んでいく。コスプレ少女は睨んでいたが、その程度の睨みなどチワワにも劣っている。
手のひらを押し合わせて「いただきます」と呟き、自身のお皿に盛り付けた和布蕪を頬張るように食べていると警戒しながらも箸を持ち、箸の先端を玉子焼きに突き刺して食べてくれた。
よく分からんが犬の耳の幻影が見えた。
やはり、この年の少女は甘い玉子焼きが好きなんだろうな。なんて考えながら豆腐と若芽の味噌汁を啜り飲み、山盛りの大根おろしを秋刀魚の丸焼きに乗せ、骨を摘出しながら食べる。
コスプレ少女は骨が刺さったのか、涙目になりながら口の中に手を入れて骨を取っていた。もう一度、手のひらを押し合わせて「ごちそうさま」と呟き、台所に食材の無くなったお皿を運んでいるとボロボロの秋刀魚とご飯粒の残っているお椀とお皿を持って来てくれた。エプロンで泡と水を拭い取り、軽く頭を撫でてから食器を受け取ると頬を赤らめて部屋へと戻ってしまった。
やはり、最近の子供の感覚は分からんな。
∇月ヴ日
私は、コスプレ少女こと雪音クリスを連れて町へと買い物に来ていた。
一応、勝手ながら彼女が家に帰るまでは面倒を見ることにした。下着や替えの服を選んでいると立花さん達と出会った。相変わらず小日向さんとは手を繋ぐほど仲良しだな。なんて考えていると立花さんとクリスが睨み合っていた。
なんだ、知り合いだったのか?
そんなことを考えているとノイズの出現を知らせるアラートが聞こえてきた。
三人を抱き上げ、シェルターへと向かっていると「おろせ、あたしは帰る!!」と言いながら行ってしまった。その後、立花さんはクリスを追い掛けると叫んで行ってしまった。
二人を連れ戻すために追い掛けようとしたが、小日向さんに止められた。
彼女は「響なら絶対に大丈夫ですから!」と自信満々に言ってきたので渋々ながらも小日向さんを連れてシェルターへと向かうことにした。