カラテだいおうの弟子、チャンピオン目指します! 作:左回りの変態
セキチクシティはクチバシティの南に位置するが、歩いて行くには東に迂回しなくてはならない。仕方なく、11番道路を歩く。例の如くポケモンバトルを挑まれるが、全て返り討ちにし、12番道路に差し掛かったところで問題が発生した。カビゴンが道を塞いで通れないのだ。
「(どうする?遠回りするのか?)」
「ふざけんな!イワヤマトンネルなんていう暗い穴を誰が通りたがるんだ!)」
「(じゃぁ、殴り飛ばすか?)」
「待て待て、こういう時は頭を使うんだ」
そう言ってライトはモンスターボールを1つ取り出した。
「いいか、モンスターボールを投げるとカビゴンが一回はモンスターボールに入るだろ?その間に俺達はダッシュで向こう側に行く。捕獲失敗でモンスターボールからカビゴンが出て来ても、俺達は先に進めるって寸法よ」
「(なるほど)」
「じゃぁ、いくぞ」
ライトはモンスターボールをカビゴンに投げた。モンスターボールの中心が赤く点滅する。その隙にライトとリルは全力ダッシュで駆け抜け、12番道路の方へと抜けた。
「あれ?カビゴンが出てこない?」
「(もしかして……)」
恐る恐る、モンスターボールに近づくと赤い点滅は消えていた。
「捕まってんじゃねーかっ!!」
盛大に突っ込みを入れたライトはコミュニケーションをとろうとカビゴンをモンスターボールから出した。リルを通訳に立てればポケモンと会話が出来るのだ。
「なんで抵抗しなかったんだ?」
ライトがカビゴンに話しかけるとカビゴンは、なにやら言葉を発した。
「(眠いし怠かった。と言っている)」
「そんな理由で!?あー、そうだ、あれ、俺らチャンピオン目指して旅してんだけど一緒に来るか?」
「(えー、めんどそうだけど、暇だしなぁ……三食飯付きと睡眠の時間があるならついて行ってもいいゾ)」
「そんくらい、当たり前だろ!食って寝なきゃ死んじまう」
ライトはカビゴンがどれだけの量の飯を食べて、どれだけ睡眠するかを知らなかった。
「(やったー、主にマジ感謝)」
「あ、俺の名前はライトっていうんだ。よろしくなっ!」
「(ライト氏、お腹空いた)」
「自由かっ!まぁ、待ってろ。今きのみを出すから」
ライトは持っていたきのみをほとんどカビゴンに与えたが、カビゴンの空腹感を和らげる事はなかった。それもそのはず、カビゴンは1日に400キロの飯を食べる。トレーナー1人が持ってる食糧では腹の足しにもならないのは当たり前であった。このまま旅を続けたら確実に破産して飢え死ぬ。死活問題に直面したライトはクチバシティに『ポケモンだいすきクラブ』があるのを思い出し伺う事にした。
「やー、やー、君はポケモンが好きかい?」
『ポケモンだいすきクラブ』の建物に入った途端に声をかけられたライトは「好きです」と答えたばっかりに、数時間に及ぶ自慢話を会長を名乗るおじさんに聞かされた。なんとかひと段落ついた話に割り込んでカビゴンの話をすると会長は驚いたように話しを続けた。
「ちょうど、カビゴンを捕まえて世話をしようと考えてたとこだったんじゃよ。いやー、カビゴンは食費がかさむだろう?そんな君にコレをプレゼントしよう。ホウエン地方から取り寄せた特製ポロックじゃ。一粒食べれば、たちまちお腹一杯になる優れものじゃ」
「いいんですか?こんな良いもの貰ってしまって」
「元々カビゴン用だから大丈夫じゃよ」
「ありがとうございます」
「ただし、気をつけておくれよ。カビゴン以外のポケモンが食べてしまったら、どうなるかわからないからのう」
カビゴンのお腹を一杯にするポロックを他のポケモンが食べたら確かに危険だ。ライトは肝に銘じ会長にお礼を言って家を出た。外は赤く夕日に染められており、今からセキチクシティに向かったら確実に野宿する羽目になるので、ライトは今日もクチバシティに泊まろうと思ったが、一泊の制限を思い出したので先に進む事にした。
12番道路に一軒の家があったので、ライトはドアをノックした。返事をし、ドアを開けてくれた住人は見るからに釣り人というような格好をしていた。ライトは一晩泊めて欲しいという願いを伝えると、釣り人は笑顔で「君は釣りが好きか?」と質問をしてきた。
既視感を感じたライトは一瞬答えられなかったが、泊めてもらう為に「好きです」と答えたばっかりに数日間、釣り人と一緒に釣りをする日々を過ごすことになった。
意外と筋の良かったライトは釣りが好きになり、釣り人と仲良くなった。ちなみにコダックを釣ったので仲間にした。呆れたリルは数日間、水中戦闘の修行をし、カビゴンは食っちゃ寝を続けていた。
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旅に出た筈のライトがヤマブキシティで目撃されたという噂がナツメの耳に届いた。超能力で町の様子を見たが誰も気にしていない様子だ。ライトを知らない人にはどうでもいい話しだし、ライトを知っている人からしてみれば、ホームシックなんて有り得ないので、たった1つの結論に至る。どうせ、モノマネ娘の悪戯だろうと。
ナツメもその結論に至り、ライトの家では無く、モノマネ娘の家を訪ねた。
「私のマネ、しないでくれる?」
「私のマネ、しないでくれる?」
「これでは話が進まないわ」
頭をおさえたナツメがそう言うとモノマネ娘はクルッと1回転して元の姿に戻った。
「話しって何?」
「私が言わなくても検討はついてるでしょ?」
「もう噂が立ってるんだ!」
「あなたの思惑とは違って、モノマネ娘がまた変なことをやってるって噂だけどね」
「な〜んだ、残念……それで、ナツメは何しに来たの?わざわざ、それを言う為だけに来たんじゃないんでしょ?」
そう、そんな事を言う為に会いに来たわけではない。ナツメには別の目的があった。
「単刀直入に言うわ。ライトのモノマネをして」
「へっ?」
「いーから、お願い」
「そうやって頼まれるとやりたくなくなるな〜」
「タマムシシティで人形を買ってくるわ」
「やぁ、ナツメ。元気かっ!」
人形買ってきてくれるという言葉を聞いたモノマネ娘はすぐにライトのモノマネを始めた。彼女のモノマネはもはや、変装の域に達している。さながら怪人二十面相の如く、見た目も声も全く同じである。
それを見たナツメは小さな息を吐くと、モノマネ娘にお礼を言った。
「ありがとう、邪魔したわね」
「これだけでいいの?」
モノマネ娘には訳がわからなかった。これだけの為に、わざわざ来たのか。
「ええ、いいわ」
「なんで?理由を教えてよ〜」
しつこく付き纏うモノマネ娘。これ以上、踏み込まれたくないナツメはモノマネ娘をサイコキネシスで浮かせた。
「ちょ、ナツメ。待って、浮いてる。浮いてるって」
「さよなら」
「ぎゃぁあああ」
断末魔と共に家の中に飛ばされていった。悪戯のバチといえばそれまでだが、哀れである
モノマネ娘にフォーカスした二次創作も面白そう