カラテだいおうの弟子、チャンピオン目指します! 作:左回りの変態
釣り人と涙の別れをしたライトはセキチクシティに向かって旅を再開した。カビゴンの戦闘能力を見たいので、セキチクシティに着くまでは積極的にバトルさせたいとライトは思った。
「カビゴン。セキチクシティに着くまで、ふっかけられたバトルは全部お前な」
「(なっ、ライト氏!それは横暴ですぞ!)」
「おいリル、ホントにそんな言い方なのか?」
「(一言一句違わずに訳している)」
「……そうか。カビゴン。お前、散々食っちゃ寝したろ。もし、やらないっていうなら飯抜きだぞ」
「(ライト氏!それは契約と違いますぞ!僕は三食飯付きっていうから付いてきたのに!)」
「じゃぁ、飯抜きな」
「(待たれよ!まだやらないとは言ってない。否、やりますぞ。やる気に満ち溢れてきました)」
カビゴンは意外と戦闘力が高く、立ち塞がる敵を次々と薙ぎ倒していった。結局無敗で13番、14番、15番道路を抜けてセキチクシティについた。
「おつかれカビゴン。今日は休んで明日ジム戦な」
「(なっ、明日のジム戦も僕が戦うんですか!?無理無理無理無理、あと3日は寝ないと無理ですぞ)」
「はぁ、しょーがねぇな。明日はリルな」
「(元からそのつもりだ)」
「(ふぅ、危ない所だった。明日も戦わなきゃいけないなんてたまったもんじゃないでゴザル。あっ……リルのアニキ!ここは訳さなくても……)」
「なるほど、なるほど。俺はお前を追い詰めすぎたようだ。ほれポロックだ。明日はゆっくり休めよ」
「(え?ライト氏神ですか?やったー。一生ついていきます)」
ポロックでこんなに懐くカビゴンが可愛く見えてきた。喋ると残念だが……。
セキチクシティのジムリーダーは毒タイプ使いという情報を得ていたライトは、リルとタイプ相性が悪いのは承知していた。だが、バッジはまだ2つ。リルならば問題ないだろうという思いもあった。
ライトは取り敢えずポケモンセンターに泊まり、明日のジム戦に備えた。
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清々しい朝だ。リルに挨拶すると無言で頷く。きっとジム戦に向けて集中力を高めているのだろう。邪魔しないように朝食をとり、身仕度を整えた。
「さぁ、3人目ジムリーダーだ。この辺はチャチャっと片付けんぞ」
「(油断してると足元すくわれるぞ)」
「油断はしてないさ。それに緊張してるよりマシだろ?」
「(はぁ、いい緊張をしてほしいのだがな)」
話しているうちにセキチクジムの前に着いた2人は自動ドアを抜けて中に入った。そこは何もない殺風景な正方形の部屋で、部屋の真ん中にジムリーダーが立っていた。
「ファ、ファ、ファ!ようこそ挑戦者よ。拙者はジムリーダーのキョウ!今に生きる忍びよ。この見えぬ壁、お主に突破できるか?」
「あ、こんにちは。俺はライトでこっちがリルっていいます。よろしくおねがいします」
挨拶をしながら、クチバジムで行ったように波導のソナーを使って見えない壁を感じ取り、簡単にキョウの元へたどり着いた。
「な!?お主どうやって正解を!?」
「波導でちょちょっとね」
「まさか、お主も忍びであったか」
変な勘違いをされているが、説明するのが面倒だったライトは無視してバトルを申し出た。
「手持ちがリル……リオルとコダックの二体なんですけど、1対1のシングルバトルでもいいですか?」
「ではルールは、先に1体倒した方が勝ちというルールで問題ないか?」
「ええ、こちらとしてもそっちの方が助かります。コダックは昨日捕まえたばかりのポケモンなので」
「ファ、ファ、ファ!では行くぞ!忍びの技の極意、受けてみるがよい!」
キョウの出したポケモンはベトベトン。毒タイプのポケモンでとても臭い。ライトが出すのは当然リルだが、格闘タイプのリルにとっては相性の悪い相手だ。
審判が声を上げる。
「これより、ジムリーダーのキョウ対挑戦者ライトの試合を始めます。始め!!」
「ベトベトン!【どくどく】攻撃!」
キョウの指示でベトベトンは【どくどく】を放った。リルは開幕で速攻を仕掛けようとしていた為、かわしきれずに毒状態となったが、怯むことなく【はっけい】を打ち込む。しかし、流動体のようなベトベトンの体に衝撃が緩和されたのか、たいして効いた様子が無い。醜悪な笑みを浮かべたベトベトンはキョウの指示で【とける】を使い、より一層流動的な見た目になった。
「ファ、ファ、ファ!お主の攻撃など効かぬ。さぁ、どうする?挑戦者よ」
リルは片膝をついて苦しそうにしている。
不利なタイプ相性、毒状態、【とける】によって防御力の増したベトベトン。状況は最悪だ。
「(リル、【きあいだん】は撃てそうか?)」
「(【きあいだま】で十分だ。一撃で沈める)」
リルはきあいを両手に貯めて【きあいだま】を発動しようとするが、黙って見ているキョウでは無い。すぐにベトベトンは【のしかかり】をして発動を阻止しようとする。
毒状態で且つ、技の発動に集中しているリルが躱せるはずが無かった。そう、躱せるはずが無いのだ。しかし、リルはベトベトンの背後を取り【きあいだま】を直撃させた。
「何故だ!?何故そんなに速く動ける!?」
キョウの叫びにライトは答える。
「すいません。実はリルの毒は〔モモンの実〕で回復してるんです」
ライトはタマムシジムでの失敗から学び、リルにあらかじめ毒状態を回復する木の実を持たせていた。
リルに毒状態の演技をさせて隙を突いたのだ。
「ぐぬぬ、戻れベトベトン。ゆけっ、マタドガス」
「待ってください!1対1のシングルバトルじゃないんですか!?」
「拙者は先に1対倒した方が勝ちとしか言ってないぞ。ベトベトンはまだ気絶してはいなかった。よって、お主はまだ勝利条件を満たしてはいない!」
なんという屁理屈。汚いなさすが忍者きたない。
「マタドガス!【えんまく】」
マタドガスの体から煙幕が噴き出し、リルの視界を遮る。リルは波導で探知しようと試みるが、煙幕中の細かい粒が邪魔をして、上手く探知出来なかった。
「(リル!一旦下がれ)」
「(わかってる。離れて【はどうだん】をチマチマ当てる)」
そう言ってライトの前に戻ってきたリルは毒に侵されていた。
「既に【どくどく】を使わせてもらった」
今度は演技ではなく、本当に苦しそうなリル。そんなリルに、ライトは思いつきの策を伝える。
「(どうだ?乗るか?)」
「(無論だ。毒で倒れる前に決着をつけたい)」
「(オーケー、じゃぁ、行くぞ!)」
掛け声と共に走り出す2人。ライトの目的はキョウ本人。
「ルールは先に1対倒した方が勝ちってだけですよね!」
ライトの攻撃を体術で受け流すキョウ。忍者としての修行を積んでいたからこそ、咄嗟でも反応出来た。しかし、ポケモンの攻撃は別だ。反応出来たとしても受け切れるかわからない。故にマタドガスの【まもる】で盾をはり、リルの攻撃を受け止める。否、受け止めてしまった。
「待ってましたよ。キョウさん!」
ライトが狙ったのはキョウを守りにきたマタドガス。ライトの拳がもろに入りマタドガスは呻いた。更に、虚を突かれたマタドガスが体制を立て直す前に、リルが【からげんき】を打ち込んだ。
「戻れ!マタドガス」
「させませんよ!」
ライトは尚もキョウへの攻撃の手をやめない。別に攻撃を当てる必要は無く、審判がマタドガスの戦闘不能をジャッジするまでの間、キョウにモンスターボールを使わせなければよい。そしてその時は直ぐにきた。
「マタドガス戦闘不能。よって勝者、挑戦者ライト」
【からげんき】の後も【はどうだん】で容赦なく追い討ちをかけていたリルは拳を高々と突き挙げた。
「これで勝利条件を満たしました」
「ぐぬぬ、お主、やりおるな。拙者と同じ土俵で戦い、勝利を掴むとは。そら!ピンクバッジだ!」
「ありがとうございます。この戦いで勝負の奥深さを学びました」
「皮肉か?小童が!……勘違いするな。いつもやる訳では無い。お主のリオルが想像以上に強かったからな、便宜上の屁理屈を言わせてもらっただけだ。試すのがジムリーダーの仕事なのでな。まさか、それを逆手に取られるとは思わなんだ」
成る程なと納得したライトは思った。他の挑戦者ってどういうジム戦なんだろうかと。思い返せばタマムシからクチバ、セキチクと3人のジムリーダーと戦ったが、どいつもこいつもバッジ所持数以上のポケモンを出してきている。やはりジムリーダーともなるとバトルジャンキーなんだろうか。
ピンクバッジを貰い、セキチクジムを後にしたライトは次の目的地に決めたグレンじまに行く方法を悩んでいた。
「コダック。俺を乗せて泳げる?」
「コダッ?」
頭をかかえて、首をかしげるコダック。
「かわいい……」
「(会話になってないぞ)」
「やっぱり空路だよなぁ」
「(取り敢えずポケモンセンターに行きたい。モモンの実を食べたとはいえ多少の疲れがある)」
「そりゃそうか。今日はポケモンセンターに泊まれないし、リルを預けたら泊めてくれそうな家を探すかぁ」
死んでも野宿したくないライトは、今日も宿探しを始める事にした。
セキチクシティにはサファリゾーンというポケモンの捕獲を楽しめる娯楽施設があるが、ライトは一切の興味を示さずに宿探しを始めた。
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ライト「おやじ。一晩泊めてくれ」
忘れおやじ「1000円」
翌朝
ライト「おやじ。ありがとな」
忘れおやじ「ああ(誰だっけ?)」
どっかの世界ではロケット団だから多少はね汗