愉快犯?イタズラっ子?が人造人間になりまして 作:五十鈴暮月
ハロハロ、エンヴィーだよ。ただ今イシュヴァール戦真っ只中。鉛玉の雨の中、遠い目をして突っ立っている私はとても目立っている…ワケなかった。能力使ってドラ○もんに変身して透明マント被ってるからね、見つかるわけないよね。
でも一つ言いたい。
どうしてこうなった(いやマジで)。
そもそも事の発端はお父様からの一つの命令に有った。
「そろそろ本格的な準備を始めなくては。…エンヴィー、お前は東部だ。」
「…え、あ、はい。」(偵察かな?)
なんで偵察だと思ったんだ私のバカ!!!実行に決まってんだろアホンダラ!!!
でもワザとじゃないんだ。いやこの内乱の原因は私なんだけれども!!!でも!!全ては!!奇跡的な!!偶然です!!!私だけが悪いんじゃないもん。強いて言うなら早とちりした彼ら全員が悪い。
一体どこから説明したものか…。
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1時間前
「ふぅ…。イシュヴァール人の幼女になって潜入したはいいものの、ピリピリしてて何かを聞き出せる雰囲気じゃないし、かといって何もしないわけにもいかないし………ん?」
ふと路地裏を見ると、穏便派で有名な軍の将校が…私の方をジィーっと見ていた。よく観察すると鼻息が荒い。…はっきり言おう、めちゃくちゃキモかった。というか完全に興奮していた。どこがとは言わないが。エンヴィーになってからの経験則からこういう手の輩は山ほど相手をしてきたが(勿論潰す方向で)、未だに慣れない。というか軍に変態がいていいのか?身内が性犯罪とか笑えないぞ?まあ、だが…
「ロリコン死すべし慈悲は無い。」
これに尽きる。
私はそっとヤツに近付いた。
「ねぇねぇおじさん、さっきからリヴィの事じっと見てどうしたの?」
真逆バレていたとは思わなかったのだろうヤツは明らかに狼狽えてこう言った。
「娘が君によく似ていてね、つい見てしまったんだよ。」
はいダウトー。お前娘どころか結婚すらしてねーだろ個人情報は事前に調べてあるんだよ。ま、今は見た目はイイコな幼女だからな。適当にふーんって返事したけど。ロリコン確定ですお巡りさんコイツです。
あ、リヴィっていうのは私の偽名な。リヴァイア・レヴィアート。リヴァイアサンとレヴィアタンからもじっただけだが、あからさま過ぎて逆に怪しまれないんだ。それでいいのか。
とりあえず私はこのペド野郎を社会的にぶっ潰す事にした。いつまでもその鬱陶しい視線をこっちに向けんてんじゃねぇよ。
「ねぇおじさん、コレ、なーんだ?」
そう言って私の手の中にある物を見せると、ヤツは分かりやすく青ざめた。
「何故…それを…」
「何でかな?何でかな?」
私が見せたのは写真だった。コイツが幼児を誘拐した瞬間の写真。
「コレ、軍にバレたらどうなるんだろ。すっごく気になるなー。」
くすくすと笑ってヤツの不安を煽る。…正直、やり過ぎたかなとは思った。ここが人通りの少ない、しかもかなりややこしい路地裏だった事も影響したのだろう。…真逆あんな事になるとは。
「あ、あそこに誰かいるよ?制服だから軍人だねぇ。おーい!!」
…ただのハッタリだった。軍人どころか人一人居なかった。でもヤツは焦った。このままでは自分は終わりだと。だからヤツは…。
「すまない…。」
パンっと音が響く。ヤツが撃った弾は正確に私の心臓を撃ち抜いていた。…普通の人間なら死んでいただろう。でも私は
「(再生してる所見せるわけにもいかんし、死んだフリするしか無いかぁ。うわメンドー。)」
なんて呑気な事を考えられたのだ。だが私は忘れていた。私の今の姿がイシュヴァール人の子供だということを。私を撃ったのがアメストリス軍の将校だという事を。そして、イシュヴァール戦が始まるきっかけを。
「今の音は何だ!!?」
「こっちの方だったぞ!!」
「おい!子供が…」
「早く医者を呼べ!!!」
「アメストリス人だ!!!ヤツらやりやがった!!!」
あっという間に騒ぎは大きくなり、暴動は内乱へと発展した。それから私は頃合いを見てその場から無事脱出し、建物の影でドラ○もんに変身して透明マントを被ったというわけだ。
どうしてこうなった(二度目)。
あの時ヤツを煽らなければよかったのか?そもそも接触しなければ…。
「そもそも軍が変態を入れるのが悪い。うん、私は悪くない。私は被害者、私は被害者。」
人はそれを責任転嫁と言う。
「揶揄うだけのつもりだったのになぁ…。」
そんな私の嘆きは誰にも届かず、轟音に掻き消された。
まぁ、ヤツでひたすら遊んだら襲われた風を装って通報する予定だったけどね?よくある嫌われテンプレみたいな感じで。真逆撃たれるとはなぁ…。うん、本当に。
「どうしてこうなった(三度目)。」