愉快犯?イタズラっ子?が人造人間になりまして 作:五十鈴暮月
どうもどうも、エンヴィーでございます。さて、私は今、何処にいるでしょうか?
「あらリヴィちゃん、お使い?」
「うん、油が切れちゃったから。ロゼさんは教会に行くの?」
「そうよ。リヴィちゃんも行く?」
正解はですね、リオールの街中でロゼさんとお話ししていました!!今の姿は10歳くらいの少女です。因みに三年前から孤児院暮らしをしています。
「ううん、お使いの途中だから。でも、終わったら行くよ。」
何故か?そりゃあ…火種を蒔く為。あ、私が人間じゃないって事はコーネロも知らないよ。だって私、監視役だもん。
「じゃあね、ロゼさん。」
私はそう言って市場の方に向かう。あと買うものは…包帯と消毒液か。チビ達が外を走り回るから生傷は絶えないし。孤児院じゃあ私も年長の方だからなぁ。
「おじさーん、包帯と消毒液ちょうだい。また切れたの。」
「つい先週買って行ったばかりなのにかい?チビ達は本当に元気がいい。」
「あはは…。幾らかな?」
「ええと…、2500センズだね。」
「はい。さて、今度はいつ切れるかな。」
私がそう言うと、おじさんは苦笑した。
「ただ今帰りました。」
「リヴィちゃん。お使い、ありがとうね。余ったお金はお小遣いにさはていいから。」
私はやった、と無邪気に笑う。三年前からコツコツと貯めていた貯金は、元々の倹約癖も相まってかなりの金額となっていた。因みに私はここ三年、お金を使わないイタズラしかしていない。でも、それももうすぐで終わり。コーネロが失脚したらリオールに留まる意味は無いからね。多分鋼のおチビさんを見張る事になるんだろうし。とりあえず教会に行こう。
「日が暮れる前には帰ってくるのよー?」
「はぁい!!」
ごめんね、先生。…もう帰って来ないよ。
私は自分の財産を全て回収し、古着を縫って作ったカバンに必要な物を詰め込んだ。
「さようなら。」
行こう。私がここに留まる意味は、もう無いのだから。
教会の裏口から忍び込み、彼らを探す。
「…上、か。」
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「…とえ…そ…り…て?」
私はこっそりとコーネロの部屋に忍び込み、物陰から様子を伺う。…ここじゃはっきりと聞こえないな。…これ以上近付いたら彼らの前に姿を見せる事になるけど、まあいいか。
…あれ?何でロゼさんが?って…なんかヤバそうなんだけど。
「二人共ごめんなさい。それでも私にはこれしか…これにすがるしかないのよ。」
あー、そういう。
「ロゼさん。」
「リヴィ…ちゃん…?」
「「誰?」」
「子供…?」
あ、驚いてる驚いてる。
「お前、いつからそこに?」
「ちょっと前から。…ねぇ、あなたは最愛の人を取り戻す為に沢山の人を殺せる?一人や二人じゃない。もっとたくさんの人を、自分の手で殺せる?」
「何を…」
「答えて。」
私は、ロゼさんが好きだ。彼女はすごく人間らしいから。だから私は、彼女をどうしてもあの残酷な真実に近づけたくなかった。…絶対にありえないなんて、そんな根拠はどこにもないから。原作と違って、彼女が恋人を求める可能性はゼロでは無いから。だから。
「出来るわけ…ないじゃない…。」
「うん、あなたはそういう人だもんね。」
くすくす、と私の笑い声だけが響く。
「じゃあ、さ。私を殺せる?」
「命には命を、だよ。…ねぇ、ロゼさん。…あなたが私を生贄にして人体錬成をすれば彼に会えるって言ったら、あなたはその可能性に縋るの?」
ロゼさんの顔が青ざめる。…やっぱり、あなたは優しいね。だから私は、あなたの心を折る。希望を壊す。…そうしないと、あなたは諦めないから。
「…鎧の人、中身が空っぽだよね?金髪の人も右腕と左足、
「なんで…」
「知っているから。人体錬成に失敗した人の末路を見た事があるから。」
軽く50年は前だけど。
「それで?あなたはどうするの?」
「私…私は…」
これで、いい。
「ねぇ教主さん。これで彼女があなたの思い通りに動く事は無くなったし、さっさと逃げた方が身の為だと思うよ?」
まぁ、無駄な忠告だと思うけどさ。案の定、ヤツはキメラを練成して私達を殺そうとしてきた。私?気配を殺して逃げたよ?当たり前じゃない。
コーネロはその後、鋼のおチビさんによって町の人達の信頼を失ったし。うーん、鋼のおチビさんってなんか違和感あるなぁ。まず私がチビだし。あ、そうだ。
「一件落着、か。」
「おい、お前。」
「…何かな、鋼のお兄さん。」
うん、これなら違和感ない。
「お前は…何者なんだ…?」
「私?私はリヴァイア・レヴィアート。…ただのバケモノ、だよ。」
疑ってくれていい。敵視されてもいい。それで兄妹が救えるなら、私はいくらでもあなたに情報を渡そう。
「またね、鋼のおチビさん。」
次はたっくさんイタズラさせてね。結構いい反応してくれそうだし。
「ふふっ…楽しみだなぁ。」
この後あのクズ教主に化けなきゃいけないのかと思うと反吐が出るけど。こうなったらクソ教主の性癖暴露してやる。ラストが生かしてくれればなー、色々楽しめたんだけど。
「やっぱり殺しちゃってるし。」
「エンヴィー、さっきのはどういうつもり?」
「…気に入った人間に手を出されそうになったもんだから、つい。私がやらなくても結果は変わらなかっただろうし、問題ないでしょ?」
どーせコーネロは遅かれ早かれ失脚してたよ。たまたま今日だったってだけ。
「それに、鋼のお兄さん。いいオモチャになりそうなんだ。」
そう言った私の目はさぞかし輝いていた事だろう。ラストが死んだ目をする程に。
「くれぐれも殺さないようにね。」
「殺さないよ。」
ラストは私を何だと思っているんだろう。