愉快犯?イタズラっ子?が人造人間になりまして 作:五十鈴暮月
少女A
身長…146cm
体重…34.7kg
誕生日…3月28日
得意科目…理科、数学
苦手科目…古文
趣味、特技…イタズラ、人を驚かす事、ポイズンクッキング
将来の夢(生前)…スタントマン
死因…縊死
映画研究部
様々な映画がどのように作られているのかを研究する部活…だが、活動内容は運動部よりもハード。一年生は一月でパルクールを習得できなければ退部を命じられるという噂も。その為新入部員が極端に少ない。
部長(
実は警視総監の娘。生徒会長に推薦されたが辞退し、書記として活躍している。少女Aや部員など、自分の身内に売られた喧嘩は高く買って利息付きで返す人。
会計(
部長の親友で何かとイベントをやりたがる。少女Aとは全校集会を全校生徒で逃○中というイベントにして乗っ取った仲。
書記(
少女Aの信者。見た目はおっとりとした大和撫子だが本性はただのマッドサイエンティスト。実は同じ小学校に通っていたが少女Aは気づいていなかった。無自覚ストーカー。多分部内で一番やべー奴。
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気がついたら幽霊だった、なんてどんな三文小説だよ…。
「はぁ…何でこんな事に…。」
ふよふよと宙に浮いた足を見下ろして呟く。そもそも私は死んだ筈だ。目の前にある桜の木で首を吊って…。
「まて、今って何月何日だ?!」
見上げると、私が死んだ日に満開だった桜はすっかり散ってしまっていた。
そして根元には…
「これ…私への…?」
紫、白、赤…。沢山の花やお菓子、写真が供えられていた。
「…。触れない、か。」
伸ばした手はホログラムを通るみたいに、花や地面を突き抜けた。そして、私が本当に死んでいるのだという事を実感させた。
「色々試してみればいいか。」
どうせ誰にも見られないんだし、と一人頷いて校舎に近づく。窓をすり抜け、授業中の教室に侵入しても…彼らは私に気づかなかった。見覚えのあるクラスメイト達は、…私の机が無くなった教室で平然としている。
「こいつらは、何とも思わないんだ。」
薄々感じてはいたが、実際目にすると悔しくて涙が出てくる。ねぇ、いいよね。少し仕返ししたって。ほんのすこしだけ。ただイタズラするだけなら許されるよね…?
「ふふふっ…!」
力の使い方はなんとなくわかった。人を殺すと怨霊になる事も、幽霊の私が出来る事も、それをしようとした瞬間に頭に流れ込んできた。
頭の中でやりたいことをイメージし、思い切り腕を振る。
ガッシャーーーン!!!
「せ、先生!!」
「ちょっと誰よ、タライなんて仕掛けたやつ。」
「ねぇ、あれって〇〇の…」
「くすくすくす、あっははははははは!!!」
教室に響く笑い声と教壇の上に現れた私の遺影、それに
「それっ!!」
ビリビリビリッ!!!ガララララッッ!!!
カーテンが真っ二つに引き裂かれ、勢いよく窓が開く。ついでに蛍光灯をボンッと爆発させれば…あらあら、教室が大変!!
「見事な惨状だな…。片付けヨロ〜。」
私の事、思い出してくれた?だったら嬉しいな。ああ、そうだ。
「わ す れ な い で ね ?」
まぁ、させないけどさ。
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こんにちは。映画研究部書記の…そうですね、佐倉とお呼び下さい。〇〇さんが首を吊った桜の木から取った名です。本名?教える必要が有ります?…そうですか、ならば答えましょう。私の名は
そんな神のようなあの方を貶め、あまつさえその心を傷つけ、死に追いやる?…許される筈がありません。神が罰を与えないのならば、私が罰を与えましょう。あの方と同じ痛みを。あの方と同じ苦しみを。…一生かけて味わって下さいまし?ああ、罰を与えなくてはならない愚か者は此処にもいましたね。ええ、私自身です。あの方の苦しみに気付いておきながら、あの方の側にいたいが為にあの者達の所業を見過ごした。…許されぬ事です、許されてはいけない事です。私の罰はあの方の居ない世界で一生を過ごす事、死へ逃げ、あの方に逢おうなどと思う事すら厚かましい。ああ、罰を下さなくては。まずはあの方が産まれた時から虐げてきたあの二人、そしてその愛する者を。…発信機と盗聴器を複数仕掛けておいて正解でした、これで彼らの居場所がわかる。
ええ、任せて下さいまし。失敗など有り得ませんもの。
あなたはきっと、やめろと言うのでしょう。…それでも、例えあなたの頼みであっても、…彼らがあなたの生を奪った事が許せないのです。
私はそう言って桜の木の根元に紫色の花を置いた。
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〇〇が死んだ。悪友のアイツが死んだ。
「君、元風紀委員長なのに全然真面目じゃなかったよね。見た目はいかにもってカンジなのに中身はただの愉快犯だし。」
「お前も体育活動委員なのに熱血ってカンジじゃないだろ。それと愉快犯はブーメランだ。」
「そうだね、私はどっちかっていうと策士タイプだから。」
でも、流石に疲れたかな。
そう呟いたアイツの目は虚ろで…でも、私は何も出来なかった。アイツが嫌がらせに負けるとは思えなかったし、何よりいつも愉しげに笑っていたから。…それは、周りを安心させる為の仮面だったのに。
「私があの時声をかけていれば、何か変わったのか…?」
…いや、アイツの事だからきっと誤魔化して何も答えなかっただろう。だとしても考えずにはいられない。
どんなに苦しかったことだろう。それでもアイツは耐えていた。どんなに怖かったことだろう。それでもアイツはそれを隠してきた。
「ねぇ嵐、私は君と友達になれて本当に良かったって思ってるよ。」
「珍しいな、お前がそんな事言うの。」
これが最後の会話だった。アイツは、ただ微笑んでいた。なぁ、本当にこれで良かったのか?まだお前とやりたいイタズラがたくさん有ったんだ。なぁ、〇〇…。
「一人じゃ、楽しめないだろ…。」
そう言って、私は桜の木の根元に白い花を置いた。
紫の花…紫苑
花言葉
追悼、遠方にある人を思う、君を忘れない
白い花…シロバナヤブラン
花言葉
忍耐、隠された心、謙遜、無邪気な
次は部長編と少女A転生編です。
書記ちゃんのストーカー設定を上手く活かせてなかったような…。