最高最善の力を継ぐ者   作:天導 優

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No.5 入試試験の裏側と合否発表

三人称視点

 

「さて、今回は優秀なヒーローの卵はいるかな」

プレゼント・マイクこと山田の言葉に、人でも犬でも熊でもない、ネズミの校長、根津校長が口を開いた。

「限られた時間と広大な敷地。そこからあぶり出されるのさ。情報をいち早く把握する為の情報力。遅れて登場じゃ話にならない、機動力。どんな状況でも冷静でいられるか、判断力。そして純然たる戦闘力……」

「その事ですがH会場でトラブルです」

寝袋に身を包んだ男、相澤が根津校長に報告していた。

「試験前に入念に準備したよね。どんなトラブルが?」

「H会場の仮想(ヴィラン)が全て壊れました」

「……は!?」

その場に居た教師全員が口をぽっかり開いていた。

「イヤイヤイヤ、前日にパワーローダー君が入念に整備をしてたじゃないか」

いち早く言葉を発したのは根津校長であった。

「ですが事実ですので」

録画映像であるH会場の試験の様子を見ていると確かに一斉に壊れていた。

「仕方ない。H会場の試験を受けた者には悪いがレスキューポイントだけで計測をしよう」

相澤はそんな事を呟いていた。

しかし、根津校長はあることに気付いた。

「もし壊れるとしても、一斉に、それも全部が壊れるなんて事はあるだろうか」

根津校長の言葉に相澤は口を挟む。

「ですが事実ですので」

「だったら映像をスロー再生してみてくれないか?」

相澤は溜め息を付きながらスロー再生すると。

「な!?」

教師達は驚いていた。

一瞬の内に0ポイント(ヴィラン)を倒した受験生がH会場の監視カメラの映像全てに写っていたからである。

時間にしてみれば、開始から0.01秒程。

次の0.02秒には自分の最初の立ち位置に戻っていたのである。

「つまり、ロボは壊れたのではなく、破壊されたのね」

教師の一人である香山はそんな感想しか出来なかった。

「だとしたら、彼の「個性」はなんなんだ?。分身とかか?」

山田の言葉に根津校長が口を開く。

「いや、違う。きっと高速で移動してるんだろうね。ただ、彼の持つ力はこれだけじゃ無いような気がするんだよ」

根津校長の言葉にオールマイトはただ、鋭いとしか思えなかった。

______________________

試験から数日後、僕の家に雄英高校から手紙が来たとお母さんが持ってきてくれた。

手紙を開けるとホログラム装置が入っており、起動すると。

『私が投影された』

オールマイトが投影された。

『私が投影された事で君は驚いているかもしれないが、私も驚かされたよ。筆記試験は1位タイ。実技試験の方は雄英高校歴代トップの940ポイント。そしてもう1つ隠されたポイント。その名もレスキューポイント。しかも審査制。君はそれでもトップの60ポイント。なぜ、レスキューポイントってのが存在してるかって。決まってるじゃないか。人救けをした正しい者を排斥しちまうヒーロー科などあってたまるかって話だよ!!。きれい事!?。上等さ!!。命を賭してきれい事を実践するお仕事だ。主席合格だってさ。来いよ、緑谷少年。雄英が君のヒーローアカデミアだ!』

この事をおじさんに報告すると。

「頑張ったな、出久」

と初めて名前で呼んでもらった。

ただ、それだけなのに物凄く嬉しかった。

その時はまだ、一人前に1歩近づいた。

その事で呼び方が変わったと思っていた。

その時は……まだ。

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