爆豪ファンの方はごめんなさい。
春、それは。
「出久、ティッシュ持った!?」
「うん」
「ハンカチも!?、ハンカチは!?。ケチーフ!」
「うん!!持ったよ。時間がないんだ。急がないと」
「出久、超カッコイイよ」
「……!。行ってきます!」
それは高校生活の始まり。
毎年300を越える倍率の正体、それは一般入試で定員36名。
18人ずつで、なんと、2クラスしかない。
そこに推薦入学の2人ずつを加え、合計20人のクラスだ。
僕は自分のクラスである1ーAを探していた。
そしてクラスは見つかったのだけど。
「あったけど、ドアでか」
早速教室に入ると、かっちゃんと入試試験で質問していた眼鏡をかけた真面目そうな人が口喧嘩をしていた。
「机に足をかけるな!。雄英の先輩方や、机の製作者に申し訳ないと思わないか」
かっちゃんがそんな事を考えるわけないじゃん。
「思わねーよ。てめー、どこ中だよ。端役が!」
ほらね。
「ボ…俺は私立聡明中学出身、飯田天哉だ」
律儀に答えるんだね。
「聡明~。くそエリートじゃねぇか。ブッ殺し甲斐がありそうだな」
いや、かっちゃん。
名前を教えてもらったんだから、自己紹介ぐらいしなよ。
あ、無理か。
「君ひどいな。本当にヒーロー志望か!?」
僕が教室に入ると飯田君が僕に向かって話しかけてきた。
「俺は私立聡明中学の………」
「聞いてたよ!。僕は緑谷出久。あそこで足をかけてるかっちゃん事爆豪勝己と同じ中学出身なんだ。そろそろ席についた方が良くないかな、予鈴がもう少ししたらなりそうだし」
「それもそうだ」
早速席につく僕達。
最後に茶髪の女の子が教室に入ると、寝袋に身を包んだ怪しい人が入ってきた。
「既に席についていたか。時間は有限。君達は実に合理的だ」
「あの、貴方は?」
飯田君の質問に男の人は答える。
「担任の相澤消太だ、よろしくね」
って事はこの人もプロヒーロー。
「早速だが
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「個性把握…テストォ!?」
多数の生徒の声が重なる。
「入学式は、ガイダンスは!?」
最後に教室に入ってきた女子生徒が質問していた。
「ヒーローになるなら、そんな悠長な行事、出る時間はないよ。雄英は“自由”な校風が売り文句。そしてそれは、“先生側”もまた然り」
………?。
「ソフトボール投げ、立ち幅跳び、50m走、持久走、握力、反復横跳び、上体起こし、長座体前屈、中学の頃からやってるだろ?"個性"禁止の体力テスト。国は未だ画一的な記録を取って平均を作り続けている。合理的じゃない。まあ文部科学省の怠慢だよ。爆豪、中学の時ソフトボール投げ何mだった?」
「67m」
「じゃあ"個性"を使ってやってみろ、円から出なきゃ何してもいいよ。思いっきりな」
「んじゃまぁ、死ねぇ」
相変わらず、言葉が汚いな。
「まずは自分の「最大限」を知る。それがヒーローの素地を形成する合理的手段」
先生の持つスマホには705.2mと数字が表示されていた。
周りからは「面白そう」って声が聞こえてくる。
「どうだー!!」
かっちゃんが叫んでいると相澤先生が。
「さすが入学試験2位の実力者だな」
「はぁ!?。2位…そんな訳ねぇ! 獲得ポイント77は過去10年の記録を見たって、トップクラス」
「過去の記録は過去の記録。今年はお前の上を記録した者がいたって事。それも1000ポイントのな。それと……面白そう……か。ヒーローになる為の3年間をそんな腹づもりで過ごす気でいるのかい?よし、トータル成績最下位の者は見込み無しと判断し除籍処分としよう」
「はあああ!?」
「生徒の如何は
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「最下位除籍って、入学初日ですよ。初日じゃなくても理不尽すぎます」
生徒の一人がそんな事を言っている。
「自然災害、大事故、身勝手な
と言い、僕を指差し。
「主席合格だった緑谷、全力で投げてみろ。「変身」しても構わないぞ」
「分かりました」
僕はオーマジオウドライバーを腰に巻き付ける。
「な、なんだあれ」
男子生徒の何人かが僕に近づこうとすると先生が。
「離れていろ。危ないぞ」
先生がそんな事を言うと皆が僕から距離をとった。
僕はオーマジオウドライバーの両端を触りながら。
「変身」
『祝福の刻!最高!最善!最大!最強王!オーマジオウ!』
「おい、姿が変わったぞ!」
「なにもんだよ?」
周りの生徒から色々言われてるけど関係なく僕は意識を集中してボールを投げる。
記録は無限だった。
「どういう事だ、説明しやがれ。クソデク」
かっちゃんが近づく中、僕は親指を立て、かっちゃんのツボを刺激しつつ、背後に回り両手を押さえる。
「遅いよ、かっちゃん」
「離せや、クソデク」
そう言って爆発を起こそうとするけど、一向に爆発する気配はない。
何故なら、僕が押したツボは発汗を押さえるツボだ。
少なくとも今日の半日位は汗が止まっている筈だ。
「暴れると問答無用で除籍にするぞ、爆豪。緑谷も手を離してやれ」
「分かりました」
「チッ」
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その後も個性把握テストをやったのだけど。
立ち幅跳び
ゴーストの能力を使い、記録は無限。
50m走
入学試験の時と同じように『クロックアップ』を使って、測定不能。
飯田君は得意分野だけに落ち込んでいた。
でも走った訳でもなく、ただ、歩いただけだということは黙っておいた。
持久走
『クロックアップ』の力をまた使い、今度は走って測定不能。
握力
これは普通に握ったら壊れてしまった。
「これ、1トンまでは耐えれるように作られてんだが」
そういえば昔、おじさんの家で本格的なカレーをご馳走になった時に、オーマジオウの姿になったおじさんが鰹節を片手(利き手とは逆の手)で握り潰して粉にしてたっけ。
反復横跳び
コレも『クロックアップ』の力を使い、測定不能。
大仏みたいな頭をした男子生徒が。
「おいらの得意分野が」
とか言って落ち込んでいた。
上体起こし
コレも『クロックアップ』を使った。
足を押さえてくれた尾白君が。
「早すぎて数えきれない」
という事で測定不能。
長座体前屈
ルナジョーカーの能力を使い、無限。
そして……。
「じゃあ、1位は分かってると思うがパパっと結果発表。トータルは単純に各種目の評点を合計した数だ。口頭で説明すんのはめんd、いや、時間の無駄なので、一括開示する」
相澤先生がスマホを操作しながらそんな事を言っていた。
「ちなみに除籍は嘘な」
皆、ビックリしている。
「君らの最大限を引き出す、合理的虚偽」
「はーーー!!!!??」
「そゆこと。これにて終わりだ。教室にカリキュラム等の書類あるから、目ぇ通しとけ」
そう言って先生は職員室に帰って行った。
クラスメイトの八百万さんが。
「あんなのウソに決まってるじゃない。ちょっと考えればわかりますわ」
とか言ってたので僕も言っておく事にする。
「嘘だね」
「だからそれは先程私が……」
「除籍するってのが嘘ってのが嘘だよ。あの先生は最初から誰かを落とそうとしてたみたいだった。除籍は嘘なって言った時に視線を逸らしたのが証拠だよ」
そう言って僕は更衣室に向かった。
ちなみに個性把握テストの結果は出久が1位になり、爆豪が最下位になった以外は原作通りです。