最高最善の力を継ぐ者   作:天導 優

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アンケートに付き合ってくださった皆様、ありがとうございます。
アンケートの結果は以下の通りです。
(93) 有っても良い
(8) 無い方が良い
(28) 番外編扱いならOK
(96) 作者にお任せする
なので時折、オリジナルの話を載せていきます。
それでは本編、どうぞ。


No.8 戦闘訓練

被服控除。

入学前に「個性届」「身体情報」を提出すると学校専属のサポート会社がコスチュームを用意してくれる素敵なシステムだ。

「要望」を添付することで便利で最新鋭のコスチュームが手に入る。

だけど、僕の場合は。

「あ、デクくん。何て言うか、コートだよね。それ」

「うん。僕の師匠って言えば良いのかな?。その人に貰ったんだ」

「へぇー、でも動きやすそうだよね」

そう、僕が今、着ているコスチュームは嘗ておじさんの側近だった人の服を僕のサイズに仕立て直してくれたものだ。

ちなみに麗日さんのコスチュームは。

「要望ちゃんと描けばよかったよ…。パツパツスーツんなった」

「ヒーロー科、s」

峰田君が何か言おうとしたけど、考えるより先に手が出てた。

「良いじゃないか皆、カッコイイぜ!!」

するとロボットみたいなコスチュームを着た飯田君が挙手をして質問してた。

「先生、ここは入試の演習場ですが、また市街地演習を行うのでしょうか」

「いいや、もう二歩先に踏み込む!。屋内での対人戦闘訓練さ!!!。(ヴィラン)退治は主に屋外で見られるが、統計で言えば屋内のほうが凶悪(ヴィラン)出現率は高いんだ」

僕が思い付く屋外での戦闘は去年デビューしたMt.(マウント)レディのデビュー戦、そしてかっちゃんが人質にされたヘドロ(ヴィラン)だ。

「監禁、軟禁、裏商売…。このヒーロー飽和社会、真に賢しい(ヴィラン)屋内(やみ)にひそむ!!」

ここで咳を1つ挟んでオールマイトが訓練内容を発表した。

「君らにはコレから、「(ヴィラン)組」と「ヒーロー組」に分かれて、2対2の屋内戦を行ってもらう!!」

「基礎訓練も無しに?」

蛙みたいな少女、蛙吹さんがそんな事を聞いていた。

「その基礎を知るための実践さ。ただし、今度はブッ壊せばオッケーなロボじゃないのがミソだ」

さすがに、ロボじゃないよな。

対人って言ってるわけだし。

「いいかい!?。情況設定は敵「(ヴィラン)」が「核兵器」を隠していて、「ヒーロー」はそれを処理しようとしている」

設定、アメリカンだな。

「「ヒーロー」は制限時間内に「(ヴィラン)」を捕まえるか、「核兵器」を回収する事。「(ヴィラン)」は制限時間まで、「核兵器」を守るか、「ヒーロー」を捕まえる事」

ちなみにこの台詞はカンペを見ながら説明してた。

コンビ及び、対戦相手はくじで決まった。

コンビは麗日さん。

そして、対戦相手はかっちゃんと飯田君のコンビだ。

______________________

こうして戦闘訓練が始まった。

ルールとして捕らえる方法としては確保テープを相手に巻き付けた時点で捕らえたと証明になるとの事だ。

僕と麗日さんは今、狭い通路を歩いている。

ちなみに僕は今、オーマジオウには変身していない。

これはハンデとかではなく、オーマジオウの力に頼ってばかりじゃダメだと思った自分への戒めだ。

「麗日さん。僕の後ろから2から3歩離れて付いてきて。たぶんかっちゃんが襲撃を仕掛けてくると思うから」

「う、うん」

そう言って歩いてると建物奥の方から爆発音が聞こえてきた。

たぶんかっちゃんが通路を爆発させながら近づいてると想像が付く。

そこで僕と麗日さんは道が丁字路になっている所で待機をしていると。

「クソナードが」

予想通り、かっちゃんがやって来た。

かっちゃんが僕に向かって来たので、麗日さんを見ると黙って頷いて、かっちゃんがやって来た方向に走り出す。

これは予め決めていた作戦だ。

かっちゃんが相手なら、イラついてる相手である僕を狙ってくる確率は高い。

だったらそれを逆手に取ってしまおうというのが考えだ。

「変身しろ、クソデク。そんで俺の方が(パワー)が上だって証明してやるよ」

僕は息を吐くとかっちゃんに言っておく。

「変身は必要ないよ。それに戦いにおいて力は絶対じゃない」

「ふざけんな!!」

かっちゃんが僕に向かって飛んで来るので僕はかっちゃんに向かって左手親指を立てる。

するとかっちゃんの動きが少し落ちた。

その隙を狙って僕は右手でマフラーを外し、かっちゃんに向かって振る。

このマフラーは特別な材料で出来ていて数メートルは伸ばせる。

そのままかっちゃんに巻き付かせて地面に叩きつける。

素早くかっちゃんの背中に乗り、素早く両手を確保テープで巻き付ける。

「かっちゃん。力って脆いでしょ」

そう言って僕は麗日さんの後を追った。

後ろからかっちゃんが「クソナードが!!!」とか叫んでいたが、確保テープを巻き付けられた時点で敗北だ。

______________________

僕が麗日さんに追い付くと麗日さんは1つの部屋の前で待機していた。

麗日さんが僕に向かって話しかけようとしていたので人差し指で麗日さんの唇を塞ぐ。

大体の事は理解できた。

どうやら飯田君に気付かれたらしいけど、勝てる策がある。

僕は伏せてから飯田君が走っているであろう場所に向かって上向きに振る。

「な!?」

足と胸に僕のマフラーが巻き付き飯田君が驚いている。

「麗日さん」

「うん」

僕が飯田君の動きを封じている間に麗日さんが核(張りぼて)を掴む。

「そこまで。ヒーローチームの勝利」

オールマイトの声を聞き、僕達の勝利が確定した瞬間だった。

その後も他のペアを見ていたが、轟君はかなり凄い方法でクリアをしていた。

なんと、建物を外側から凍らせて、動きを封じて勝っていた。

______________________

「お疲れさん!!。全員、大きな怪我なし!。しかし真摯に取り組んだ!!。初めての訓練にしちゃ皆上出来だったぜ!。それじゃ、解散」

その後、僕達は反省会を雄英近くのファーストフード店でしたけど、やっぱりかっちゃんは来なかった。

そしてこの時、僕達は気付いてなかった。

真に賢しい(ヴィラン)が、動き出そうとしていることに。


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