風花雪月 ー白蛇の学級ー   作:ユキユキさん

17 / 19
遅れたけど、

あけおめ。

今年もゆるゆるヨロシク!


第12話 ~二人に報告。

ールージュー

 

ダスカーの悲劇と呼ばれる虐殺にて多くのダスカー人が殺された、保護したダスカー人を巡りファーガス神聖王国軍と激突。出来る限り討たずに退け一人の将を捕らえるも、全ての罪をその将に着せたファーガス神聖王国に不信感を覚えた。行き場の無くなった捕虜の将を迎え入れ、さてどうするか…っていう現状ですわ。

 

…と言っても普段通り過ごすんですけどね。新人のシーサーは団員に任せ、俺はいつも通りの教育です。…カトリーヌ! まずは自分のことを考えろ馬鹿! シーサーは逃げも隠れもせんわ、それよりも己を磨け! …不真面目なら強制送還するぞ、…いいのか? と青筋を立てて言えば、送還は嫌みたいで真面目に取り組むカトリーヌ。

 

…別に邪魔する気はない、恋愛するならお好きにどうぞってね。…がやるべきことはやって貰わないと、当たり前のことです。…ああこの件をガルグ=マクへ…レアさんにも知らせないと、そちらのカトリーヌが恋をしました…ってね。沈着冷静なレアさんでも驚く件だよこれは、セテスさんに至ってはパニクるんじゃないかな? …おっとこれと合わせてダスカーの件も知らせよう、キナ臭いですよ…って。

 

 

 

 

 

 

ダスカーの件とクリストフ…、シーサーの件があるから俺は数騎の騎士とガルグ=マクへ。一応領境の守りを固めておかないと心配だからね、備えは万全に!

 

ガルグ=マクへ到着して直ぐにレアさんと面会、今回の件を俺達側の見解で説明する。ダスカーでの出来事は見えざるナニカと反国王派が絡んでいるのでは? ダスカーは利用されただけで無実の可能性が高い…と。見えざるナニカとは何か? …突っ込まれるかと思ったらスルー、…ということはそちらさんも同じ考えを持っているんだと解釈しておく。

 

そして忘れずにガルグ=マク士官学校の卒業生であるクリストフ、彼の身柄は俺が責任を持って預かっていると報告した。それに至る経緯と彼のこれからを話すとレアさんは顔をしかめ、

 

「…ルージュが反国王派が絡んでいると考えた理由はそれですね? …何と愚かなことをしてくれたのでしょう。私共からも王国側へ口添えを致します、せめてクリストフの実家…敬虔な信徒であるロナート卿に責が及ばぬように。」

 

そして最後にそう締め括って微笑んだ。…うん、それを聞けばシーサーも安堵するだろう。俺は彼の代わりにレアさんへ礼を言って頭を下げた、…頼りになるぜレアさんは。流石は大司教ってか!

 

…で最後に爆弾を、ある意味一番威力が高い情報を伝えよう。

 

「レアさん、そしてセテスさん。…お二人に報告があります、気をしっかりと持ち…聞いて頂きたい。」

 

続けて…、

 

「セイロス騎士団より我が白蛇騎士団へ出向しているカトリーヌが、…あのカトリーヌが恋をしたようです。相手は件のクリストフ、今はシーサーと名乗らせていますが彼に恋をしているのです。何でも士官学校から人知れず意識をしていたようで、…戦場での再会で燃え上がったとのこと。」

 

真剣な顔でそう伝えれば、

 

「「………は?」」

 

二人は間の抜けた顔で静止した。

 

 

 

 

 

 

暫く静止していた二人だが、

 

「…あのカトリーヌが? にわかに信じられんが…嘘でもなさそうだ。」

 

セテスさんが最初に復活し、腕を組んで唸り出す。カトリーヌに対して失礼ではあるが気持ちは分かる、私生活がダメダメな戦闘狂の部類に入る女が恋だからな。俺がセテスさんだったら同じリアクションを取るだろう、いや…爆笑するな!

 

セテスさんが唸り出してから続いて、

 

「…そうですか、…カトリーヌも恋を知る時が来たのですね。よもや士官学校の時から拗らせていたとは、愛弟子ながら気付きませんでした。世間の風潮からして彼女は生き遅れと見られています、それが解消されることは大変喜ばしいこと。ガルグ=マクへ戻った際に祝いの言葉でも贈りましょう、…フフフ。」

 

レアさんが微笑んでいる、…けど黒い笑みに見えるのは何故?

 

…大司教だからって恋をしたことがないというわけじゃないよね? …何て考えていると、

 

「…負けたなレアよ、あの娘はキミの先を行ったようだ。…故にそろそろキミも恋をしてみるべきではないか? 恋はいいぞ? 私も今は亡き妻と………っ!!?」

 

セテスさんが語り出した瞬間、レアさんの気配がががががっ!?

 

「…セテス、…この後は暇ですね? …お話があります。」

 

何の感情も籠らない無機質な声、…セテスさんの顔が青くなっとる。レアさんの気配によって動けない俺にも、

 

「…ルージュ、貴方は何も聞かなかった。…良いですね?」

 

鼻と鼻とが付きそうな程の至近距離でそう言われた。圧倒的美貌のレアさんが間近、本来であれば嬉しい限りであるけれど…ただただ恐い。俺は一歩下がって大きく頷き、回れ右をしてから逃走した。背後から、

 

「ルージュ、見捨てないでくれ!!」

 

というセテスさんの叫びが聞こえたけれど知らん! ぼそりと囁かれた、

 

「………恋をしてみますか?」

 

というレアさんの言葉も俺は知らん! …撤退だ撤退! 速やかにコーデリア領へ戻るぞ!!

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。