ールージュー
俺が貴族となって1年、特に何事もなく活動しております。普通に傭兵稼業を続けながら、貴族としての教養を身に付ける毎日。特に荒んだ生活をしていないし、荒んだ心も持ち合わせていない。けれど義妹であるリシテアと顔を合わせると、可愛いすぎて…荒んだ心が癒されるという表現しか出来なくなる。
彼女は生まれながらに極めて高い魔力を持ち、その影響を受けて白髪で色白の病弱美少女になってしまった。激しい運動が出来ず、魔力も高いことから彼女は魔法の道へ。常に魔法関連の書籍を片手に勉強の毎日、幼いながらにしっかりと先を見据えて生活をしている。大人っぽくあるもののやはり幼子、甘いお菓子をチラつかせればフラフラと寄ってくるわけで。…俺の膝の上で嬉しそうにお菓子を頬張る姿は小動物そのもの、その愛らしさに俺はいつの間にかシスコンを拗らせていた。
故に可愛い義妹を外へ連れ出すこともしばしば、屋敷に籠りがちってーのは健康に悪いし可哀想だからね。適度に陽を浴びて自然の風と戯れるのも重要、特に馬上からの景色がリシテアのお気に入りさ。鼻歌を口ずさみながらキョロキョロと周囲を忙しなく見る姿は天使そのもの、その姿を見た後ならばパルミラ如き一人で駆逐出来るのでは? と思う程に気力が
まぁリシテアは体力が少ないから長居が出来ないんですけどね、それには可愛い義妹もしょんぼりですよ。そんな姿に拗らせた俺は心を痛める、故に俺は義妹の為に依頼の傍らで色々と探すのだ。健康に良くて身体の成長を促す貴重な食材を、生命の木の実とか黄金のリンゴ等を入手しては彼女に食べさせています。勿論、この俺自らの手で調理して。リシテアの為ならば料理の勉強も何のその、義妹愛が止まらない。そのお陰で少しずつ少しずつ、彼女の体力…身体能力が上がってきているような気がする。
義妹が可愛いすぎる件は語り足りないけれど置いといて、対パルミラもゴネリル公爵家の方々に依頼されては戦っていたりする。互いに協力して押し返し、両家の親交も深まるばかり。年下のホルスト君と戦場を共にすればする程仲良くなり、今では親友みたいなものです。人のことは言えないけど、小さい内から頑張るよね? ホルスト君は。
後、ホルスト君の妹であるヒルダちゃん。失礼ながらリシテアには劣るけれども彼女も可愛い、何かと俺を褒めるんだよね。
「ルージュ様の髪型はいつ見ても素敵!」
「ルージュ様は武勇だけではなく教養もおありなんですね、凄いです!」
「ルージュ様はとてもご器用ですね、尊敬します!」
とか色々、だから俺は甘やかしてしまう。お菓子をあげるのはいつものこと、稀にドレスやら手作りアクセサリーやらをプレゼントしてしまう。…貢いでいるよう見えるかもしれないがヒルダちゃんを妹として見ているからね、それにヒルダちゃんはおねだり上手だ。…将来小悪魔にならないか心配ではある、他家のことだけど。
後はあれだ、ガルグ=マクの士官学校にいたカトリーヌ。アイツ、何かセイロス騎士団に入団したっぽい。よく依頼を共にするアロイスさんが言ってたよ、
「ルージュに敗北して以来、驕りは鳴りを潜めて真面目に鍛練をするようになったのだ! レア様が感謝の言葉をおっしゃっていたぞ? それにカトリーヌもお主に会いたがっていた、変わった彼女に今度会ってやってはくれぬか?」
…と。真面目になったことは良いことだが、会いたがっていたってーのはアレだ。どうせ再戦を狙っているんだろう? …ヤだよおっかない、
カトリーヌが再戦を企んでいると決め付け、ガルグ=マクへ行っても会わないよう立ち回った。それが後に厄介事となるとは、この時の俺には分からなかった。
…ああそういえば、なかなかに重要な依頼があったな。アドラステア帝国の政変、…確か七貴族の変だっけ? それに負けたのか犠牲になったのかは分からんけど、帝国貴族のファーガス神聖王国への亡命を手助けしたっけ。何か腹黒そうなおっさんだったな、連れの子は可愛かったけど。亡命ってことだから速やかに、あまり関わらずに依頼を終えた。
関わらないと言っても、連れの子だけには多少…絡んだっけ。まだ小さいしさ、ヒルダちゃんぐらい? 容姿もリシテアに似ているから妹感覚で絡んだんだ、…まぁ怯えられたよね。知らない人で傭兵、更にモヒカンだから仕方がない。しかも亡命することから何かあったのだろう、…それに少なからずの嫌悪感もあったと思う。
別れる際はモヤついた、…過去の俺とダブって見えたから。この現象…何を示していたのかは謎、…いずれ分かる日が来るのだろうか?