一か月一万円で生活するアルトリア・ペンドラゴン   作:hasegawa

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失われし黄金の剣(カリバーン)

 

 

『完成しましたっ! ここが我らのお家です!!』

 

 無人島に\テッテレー!/と言わんばかりの歓喜の声が響く。

 今モニターには自ら作ったお家の前でバンザイするセイバーと、共に羽を広げて喜んでいるランスロット(雌鶏)の姿が映っている。

 

「おぉ、意外とそれなりのモンになったじゃねぇか」

 

「大工仕事なんて初めてだったでしょうに。頑張ったわねセイバー♪」

 

 逃げ去った切嗣の捜索を断念した後、拠点に帰って来たセイバーが取りかかったのは家づくり。

 無人島の天気は非常に変わりやすい。一応荷物の中にはランス用の小さなテントを用意してきたものの、いつ雨が降るともわからない現状において、まず拠点に住居を作っておく事はセイバーにとって急務であった。

 

 本当はなんとしても切嗣を取っ捕まえておきたかったのだが……今は時が惜しい。

 夜が来る前に完成させるべく、セイバーはひたすら流木を探して島を歩き回り、慣れない大工仕事に四苦八苦しながら家作りをおこなった。

 

 本来はのこぎりなんかを駆使して木材をカットしなければならないのだが、そこは天下の騎士王さま。いくつもの木材をまとめてエクスカリバーで一閃! こと“斬る事“に関しては何の苦労もなかった。

 切り終わった柱や板を設置しては釘で打ち付け、設置しては釘で打ち付け……、やがてなんとか日が暮れる前には、小さくて不格好ながらもしっかり屋根と壁を備えたお家が完成したのだった。

 

『せっかくですから、持って来たペンキを使って塗装していきましょう。

 このセイバーハウスを、さらに素敵な物とするのだ』

 

 なにやらやっているうちに色々こだわりが出てきたのか、「あーだこーだ」言いながら家をペイントしていくセイバー。

 

「ん、なんですかコレは? 顔を描いているんですか?」

 

「屋根が髪、前面に目や鼻、側面に耳……。

 どうやらセイバー自身の顔を模しているようだな」

 

 扉部分を口に見立て、まるでセイバーの頭がそのまま家になったようなデザイン。無人島の一角に大きな生首がドーンと出現したような見た目だ。

 セイバー画伯による大変味のあるタッチで描かれたソレは、一目でここが彼女の住む家であるのが分かるほどの強烈な主張を放っている。

 

「ねぇ、このデザインってまるで……」

 

「キン肉ハウス……」

 

 前から見ると(〇皿〇)という感じのこの家は、もうまごう事無く某超人プロレス漫画に出てくるキン肉ハウス。そのセイバーフェイスverにしか見えない。

 著作権的な物は大丈夫なんだろうか、そう心配になる一同。

 

『完成しましたよランスロット!

 さぁ中に入りましょう。屁のつっぱりはいらんですよ』

 

「 おめぇ分かってやってんだろ!! 確信犯だろ!! 」

 

 ルール無用の残虐ファイト。そんな事も気にせず満面の笑みで家に入っていくセイバーだった。

 

 

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 ~一か月一万円生活、19日目~  (ナレーション、セラ&リーゼリット)

 

 

「リーゼットはともかく、セラさんよく引き受けてくれたわね……」

 

「あぁ、すごく嫌な顔はされたけどな。でも『お嬢様の為だ』って言ってさ」

 

 士郎めちゃめちゃセラさんに嫌われてるしね……。凛のそんな言葉に士郎は苦笑を返す。

 ただ流石はイリヤに仕える従者と言った所。渋々ながらも引き受けてもらえた。

 

 二人の息の合ったナレーションによると、昨日のセイバーは家作りを終えた後、家から持って来ていた栗ご飯のおにぎりを夕食としたらしい。

 ここには電気も無ければ冷蔵庫も無いので、痛むといけないからと持って来れたのはこの一食分だけであるが、あの赤いドレスの女の子に感謝しつつニコニコと美味しく頂いたようだ。

 

 そして朝を迎え、日課であるランスを引き連れてのアヒル歩きをこなしたセイバーは、早速漁に出るべく準備を行っていく。

 セイバーのイメージカラーである青と銀のウェットスーツを一瞬にして装着し、頭にシュノーケルを装備する。

 前日同様、勇ましくモリを掲げて「ウラーラーラーラー♪」と出発していった。

 

「ねぇ、原典の方に『マッサルマッサル!!』っていうのあったじゃない?

 あれはやらないのかしら?」

 

「そもそもアイツはマッサルじゃねぇからな。

 無理やり『ペンドラゴン! ペンドラゴン!』じゃ語呂悪ぃだろ……」

 

「流石にあのポーズをするセイバーを、私は見たくないよ……」

 

 某ハマグチェ氏の代名詞とも言えるセリフなので、是非セイバーにはアレに変わる物を考案して頂きたい。絶賛アイディア募集中である。

 そんなしょーもない話をしている内に、セイバーが「ピョーン!」と海に飛び込むシーンが映る。

 本日の漁場を探して意気揚々とザブザブ泳いで行く彼女。どうやら昨日とは違い、島の反対側の海に狙いを変えているようだ。

 

『……ん? なんでしょうかあの島は?』

 

 やがてザブザブと泳いで行く内、セイバーは自分の目線の先に、なにやら小さな島がある事を発見する。

 セイバーが住む無人島からそう遠くない距離にあったそれは、彼女が船で来た方向からはちょうど見えない位置にあったようで、その存在に今まで気が付かなかったのだ。

 

『面白い、このまま行ってみる事としましょう。

 もしかしたら、何かあるかもしれません』

 

 さぁ、レッツ冒険だ!

 セイバーはいったん漁を中断し、小島に向けて泳ぎだしていった。

 

 

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『――――出来たわよ切嗣っ♪ アイリ特製、スペシャル海鮮アラ汁!!』

 

 これは本日のカメラマンであるハサン(真アサシン)が撮っている映像だ。

 現在画面には、若奥さまにぴったりのラブリーなエプロンを身に纏ったアイリスフィール・フォン・アインツベルンさんの姿が映っている。

 

『おぉ~、美味しそうじゃないかアイリ。僕もうお腹がペコペコだよ』

 

『うふふ♪ 今テーブルに持っていくから少しだけ待っててね♪

 サラダに目玉焼き、貴方が獲って来てくれたタイの塩焼きもあるのよ♪』

 

 画面に上半身裸な腰蓑姿の切嗣が現れ、アイリの隣に並んでお鍋の中を覗き込む。

 ホンワカと立ち昇る湯気と美味しそうな匂いに、思わず彼の表情も緩んでいる。

 そんな愛しの旦那様の姿を見て、アイリさんもとっても嬉しそうだ。

 

『君が無人島に住みたいなんて言い出した時は、どうなる事かと思ったけど。

 まさかこんなにも楽しい日々になるなんてね。君に感謝しないといけないな』

 

『ううん、貴方が居るからよ切嗣♪

 貴方が一緒に居てくれるからこそ、私は毎日こんなにも笑顔でいられるの♪

 場所なんてどこだっていい、無人島だって関係ない。

 貴方と二人で居られれば、それだけで私は幸せなのよ♪』

 

『アイリ……』

 

『切嗣……♡』

 

 やがて二人の顔が少しずつ近づいていく様子が、お鍋から立ち登る湯気越しに映る。

 それを見つめる一同(特にアーチャー)は、ただただ絶句している。

 

『あん……♡ 駄目よ切嗣、料理が冷めてしまうわ♪』

 

『あはは、そうだねアイリ。せっかく君が作ってくれた料理だ。

 美味しく頂かなくっちゃ』

 

 仲睦まじく料理を運んでいくアイリと切嗣。

 今二人が居るこの立派なログハウスのリビングには、まるで無人島とは思えないような豪華な調度品や電化製品が並び、立派な暖炉も備えられているのが分かる。

 そして中央にある大きなテーブルに、美味しそうな匂いを放つ豪勢な料理の数々が並んだ。

 

『はい切嗣、あ~ん♪』

 

『あ~ん。……うんっ! すごく美味しいよアイリ!

 こんな料理上手なお嫁さんを貰えて、僕は幸せ者だな』

 

『キャッ♪ もー切嗣ったら~♪』

 

『それじゃあお返しに。さぁアイリ、あーん』

 

『あ~んっ! うふふ♪』

 

 イチャイチャ、ラブラブ。

 いま二人のまわりにハートが飛び交い、周りの背景がピンク色に染まっているのが分かる。

 もう観ているだけで砂糖を吐きそうな、バカップルその物の姿。

 士郎がいったいどんな気持ちでこの映像を編集したのかが、大変気になる所だ。

 

「ん? なにやら背後の窓に……」

 

「人影かしら? ……あ! 窓が少し開いたわ!」

 

 アイリ&切嗣が幸せそうにイチャイチャする中……突然彼らの背後にある窓がそ~っと音もなく開き、そこから二つの影が〈ニュッ!〉と顔を出す。

 

「――――せ、セイバー!?!?」

 

「それにイリヤスフィールも!! なんで!?」

 

 今そっと窓から頭を出しているのは、シュノーケル姿のセイバーとイリヤ。

 二人はその顔に憤怒の表情を浮かべ、睨みつけるようにアイリと切嗣を見つめている。

 

『美味しいよアイリ! まさか無人島でこんなにも美味しい物が食べられるなんて!』

 

『貴方が頑張って獲って来てくれたおかげよ♪ たくさん召し上がれ♪』

 

 それに気付かず、ずっとイチャイチャし続ける二人。

 般若のようなセイバー&イリヤとの対比が凄い。

 

『……なんですかあの料理……。

 こちとら魚も獲れず、朝から何も食べていないというのに……』

 

『なによこれ……なによこの優雅な暮らし……。

 わたしはずっと、ひとりで寂しかったのに……』

 

「 イカン! 二人から黒いオーラのような物がッ!! 」

 

「 どんどん膨れ上がっています! まるで怒った時の桜のようにッ!! 」

 

 幸せそうな切嗣たちの姿。それを窓から覗く二人が瘴気を放ち始める。

 セイバーは怒りで目をグルグルと回し、イリヤはハイライトの消えた瞳で実の両親を見つめる。

 

『食事の後はピクニックにでも行かないかい? 昨日立派な滝を見つけたんだ』

 

『まぁ素敵っ♪ それじゃあお弁当を持って出かけましょうか♪』

 

『怨怨怨……怨怨怨怨……』

 

『呪ってやる……呪い殺してやる……』

 

「 ――――後ろッ! 後ろだ切嗣ッ!! 」

 

「 逃げてぇ!! 二人とも逃げてぇぇーーーッッ!! 」

 

 

 背後から〈ゴゴゴゴ……!〉と立ち昇る黒い霧。それに気付かずにイチャイチャし続ける切嗣達であった。

 

 

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『ただいま帰りました……ランスロット……』

 

 あの小島を後にし、失意の内に拠点へと戻って来たセイバー。

 

『……なんですかこの家……。このボロ小屋は……』

 

 昨日、一生懸命作ったキン肉ハウスみたいな家。それもあの豪邸と見紛うばかりのログハウスを見た後では霞んでしまう。

 きっとあの家は雨漏りもしなければ、床も真っ平なんだろう。隙間風も吹かなければ、ゴツゴツした地面に直で寝る必要も無い。

 

『わたし今日、このテントで寝るの……。

 切嗣とお母様は、暖かなベッドで眠るのに……』

 

 一緒に島へと帰って来たイリヤも、自らのテントを見ながらボソリと呟く。

 この島について来る時、自分がセラに我が儘を言ってテント暮らしを許可して貰ったのだが、それを今はげしく後悔している。

 立ち尽くす二人の身体を、冷たい風がピュ~ッと吹き付ける。

 

『あの二人、幸せそうだったね……』

 

『はい。とても幸せそうな姿でした……』

 

『この世の理不尽に狂い死にしそうだわ、セイバー……』

 

『えぇ。私もです、イリヤスフィール……』

 

『……なぜわたしはお外で寝るの? 二人はあの家に住んでるのに』

 

『……なぜ私はご飯抜きですか? あんなにも料理が並んでいたのに』

 

『わたし……あの人達の子供よね?』

 

『私……あの人達のサーヴァントでしたよね?』

 

「「「……………………」」」

 

 もう言葉も出てこない。ゴクリと生唾を飲みながら、サーヴァント達はただただ二人の様子を見守る。

 

『あの二人……ピクニック行くとか言ってたよね……』

 

『はい。お弁当を持って出かけると……確かに……』

 

 やがて俯いていた顔を上げ、二人はしっかりとお互いの顔を見つめ合い、コクリと頷く。

 

『――――権利ッ!! 権利を行使するわよセイバー!! 子供の権利をッ!!!!』

 

『――――はい!! 私も行使します!! サーヴァントの権利をッ!!!!』

 

 

 今二人が「ウラーラーラーラー♪」と雄たけびを上げながら、再び海へ繰り出していった。

 

 

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「 やめろっ!! やめんかセイバー!!!! 」

 

「 何してんだお前らッ!! 止めねぇか!!!! 」

 

 無人島を飛び出し、再び切嗣たちの住む家へと戻って来たセイバー&イリヤ。

 いま一同が見守るモニター画面では、二人が暴虐の限りを尽くしていた。

 

『見てセイバー! お味噌汁よ! さっき食べてたお味噌汁の残りだわ!!』

 

『何ですってイリヤスフィール!? それはいけない! さっそくチェックします!!』

 

 窓をブチ破り、ベッドを運び出し、冷蔵庫の中を引っ掻き回し、二人が切嗣とアイリの愛の巣を蹂躙する。

 やがてキッチンにて今朝のアイリ特製海鮮アラ汁を発見した二人は、そのお鍋をリビングのテーブルに運び、中を検分する。

 

『ズズズ……美味しい! 美味しいわセイバー!!

 魚とか蟹とかいっぱい入ってる!!』

 

『何ですってイリヤスフィール!? そんな事があるわけズズズ……美味しいッ!!

 久方ぶりの味噌の風味が五臓六腑に染み渡ります!!』

 

「 なに食べてんのよアンタたち! おやめなさいッ!! 」

 

 もう両手にスプーンだのお玉だのを握って、ガブガブ味噌汁を飲むセイバー&イリヤ。

 

『とったどぉー!! お母様の味噌汁とっだどぉーー!!』

 

『泳ぎの練習法として、水を張った洗面器に顔を付けるという方法があるそうです!

 おや、なにやらここに丁度良い物が。ではちょっと失礼してズズズ……!!』

 

「 直飲みはやめなさいっ!! それでも乙女ですか貴方はッ!!!! 」

 

『もっとないかしら!? どこかに子供の権利を行使できそうな物は!!』

 

『あ、冷蔵庫に筑前煮らしき物が入っていましたよ! 権利を行使しましょう!!』

 

「 そんな権利ねぇよッ!!!! ただ飯食いてぇだけじゃねぇか!!!! 」

 

 権利を! 正しい権利をッ!! 二人の子供(サーヴァント)で良かったぁーー!!

 そう叫びながらひたすら筑前煮をパクつくセイバーたち。

 

 やがて切嗣家の冷蔵庫がカラッポとなるまで、二人が止まる事は無かった。

 

 

………………………………………………

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『――――さぁ、お腹もいっぱいになった所で、今日の漁を再開しましょう』

 

「おい坊主、コイツおめぇのサーヴァントだよな? これでいいんか?」

 

「…………………」

 

 切嗣家を後にし、再び海へとやってきたセイバー。

 その顔は満面の笑み! 清々しいまでの笑顔ッ!! ごはんを沢山食べて元気いっぱいという様子だ。

 

『身体が軽い……羽のように軽いッ!!

 沢山ごはんを食べるというのは、こんなにも素晴らしい事だったのか!!』

 

「ねぇ坊や、この子貴方のサーヴァントでしょう? なんとか言いなさいな」

 

「…………………」

 

 一生懸命に顔を逸らし、黙秘権を貫く士郎。アンタが甘やかして育てるからと、家中の者達から批難の目を向けられる。

 あのアーチャーでさえ、今のセイバーを擁護は出来ないようだった。地味に彼もずっと目を逸らしている。

 

 一応今回の件は、本来ルールから言えばまごう事なきアウト。一発で失格クラスの反則である。

 しかし、なんと原典である番組でハマグチェ氏の前例があること(・・・・・・・・・・・・・・)、それに加えて士郎たちでさえちょっとどうかと思わない事も無い切嗣たちの謎の行動を鑑みて、協議の結果“今回だけ黙認“という形を採ったらしい。

 

 切嗣にどんな事情があったのかはまったくの謎だが、あれはセイバーやイリヤじゃなくてもキレる。絶対にキレる。

 確かにいけない事はしたが、むしろ彼女達がエクスカリバーで島ごと粉砕せずにあの程度で怒りを治めた事は、実は結構評価に値するかもしれない。

 ゆえに今回に限り、黙って見逃してあげようという事となったのだ。

 

『ふむ、いけませんね……。体調は万全なものの、お腹がいっぱいでなにやら眠く……』

 

 しかしながら、士郎達が許しても神様がそれを許さない(・・・・・・・・・・)

 寝ぼけ眼のまま水中に潜り、魚目掛けてモリを発射するセイバー。そのモリがヒョイッと躱された後、後ろにあった岩盤にぶつかる。

 

 

『――――!?!?』

 

 

〈ボキィィッ!!〉という音が聞こえた気がした。水中なので聞こえるハズもないその音が、観ていた者達の脳裏にハッキリと響いた気がした。

 

 固い岩盤にぶつかったモリは、次の瞬間に先端の槍部分を根こそぎ無くしてしまっていた。

 いま驚愕に目を見開くセイバーの視界に、ユラユラふわふわと海底に沈んて行く、へし折れたモリの先っぽの姿が映る。

 

『お――――折れたっ!! 私のモリがッッ!!』

 

 ここが水中である事も忘れ、叫びによって体内の空気を全て吐き出してしまうセイバー。慌てて海面まで上がっていく。

 

『――――モリがッ!! モリが折れてしまったッ!!

 ま……まだ一匹も、魚を獲れていないのにッッ!!』

 

 荒れ狂う海に揺られる身体。それを気に留める事なくセイバーが叫ぶ。

 何故!? どうして!? Why!?

 天に向けたその叫びが、無人島の海に轟いていく。

 

 

『……わ、悪い事を、したから……?

 だからこのモリは……私を見限って……?』

 

 お味噌汁を飲んだから? 勝手に筑前煮を食べたから?!

 頭をグワングワン揺らし、呆然自失としたセイバーがただただ波に流されていく。

 

 

 

「かの聖剣、勝利すべき黄金の剣(カリバーン)は、

 アーサー王が騎士道に反する行いをした際に、折れたと聞く。

 ……これは因果応報……なのか?」

 

 

 愛槍を失い、絶望に打ちひしがれるセイバー。

 彼女の無人島0円生活に、早くも暗雲が立ち込めた。……味噌汁を飲んで。

 

 

 


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