ザンザスが、殺し屋を目指すお話。   作:黄色いうちわ

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   衝撃を受ける四人の父親。






 憤怒、日本旅行をする。3

    目覚めは爽やかだった。

 

   隣のベットに、リボーン先生達が眠っていたので驚いた。

 

   「「「「起きたのか・ですね。おはよう(ございます)、ザンザス」」」」

 

   「おはようございます。あの、どうしてコロネロ先生、ヴェルデ先生、風先生までもが日本にいらしたのでしょうか?」

 

   「…ザンザス、お前に初めての依頼がきた。弟子で息子であるお前が最初にする一人だけの任務だ。見届けさせろ。…だが、ピンチになったら助けにいく。お前は一人じゃない。

 

   最終確認だ。マフィアとして生きる、暗殺者として生きる、一般人として生きる。どれを選ぶ?

 

   今なら、何を選んでも構わない。俺達父親がお前を守る。

 

   人を殺さないで生きる道もあるんだ。真っ白のままで生きることが許されている。父親としては、真っ白のままで生きてほしい。だが、教師としてはお前に暗殺者かマフィアを選んでほしい。

 

   お前は神様に愛されちまった。暗殺者やマフィアとしての才能と資質は神様からの贈り物だ。どうする?」

 

   「…今回は、要人二名の救出と敵アジトの壊滅だ。殺さなくても構わないし、お前にならできる。だが、万一の可能性もある。人を殺してしまうかもしれない。ザンザス、耐えれるか?」

 

   「ザンザス、武道家になって用心棒として生きていく道もありますよ。私達が導きます」

 

 

   「そ、そうだぜ。俺の弟子でもあるんだから学徒として真理の追求をしていってもいいんだ。俺達みたいな人殺しにならなくてもいいんだ」

 

 

   「ありがとうございます。お父さん。先生。だけど、俺はあの日に決めました。リボーン先生に救われた日に。絶対に暗殺者になってボンゴレの為に生きると。ディーノの力になる事、ディーノの側にいる事も。お父さん達に恩返しを必ずすると。決意は変わりません。

 

   …気遣ってくれてありがとうございます。だけど俺は既に人を殺しています。ですから既に真っ白ではありませんよ」

 

 

   「「「「…はあっ?い、今、なんて言ったっ・おっしゃいましたかっ?」」」」

 

   「既に人を殺しているから真っ白のままではありませんよですか?」

 

 

   先生方は、いきなりじゃんけんを始めた。で、勝った風先生が俺のベットの隣に来て、三人は部屋から出ていってしまった。

 

   「それで、ザンザス。私に教えて下さいませんか?いったいいつ貴方が人を殺めてしまったのかを。残酷な事を聞いてしまいますが…」

 

   「お母さんとスラムで暮らしていた頃に。五つと七つの時に。2つとも夜中でした。

 

   お母さんと眠っていた家に、押し込んできた強盗に銃で撃たれ、薬中毒者にナイフで身体を切られて…俺を庇うお母さんを守らないと…いえ、怒りで殺しました。お母さんを、俺を標的にした。殺すには十分な理由でした。

 

   五つで出した炎は小さかったけど、相手が背を向けて逃げ出すにはじゅうぶん威力がありました。置いていった銃で殺しました。

 

   七つの時は…その、殴られて押さえつけられて身体をなで回されまして…お母さんが俺だけは見逃してと泣いて暴れてお母さんも殴られたのを見て、かっとなりまして灰も残さずに燃やし尽くしました。

 

   スラムでは、その…身体を売って生きるのもおかしくなんかはないのです。知識はその時にはもうありました。お母さんは俺を育てるために、どんな事もしていました。だけど、身体を売ることだけはしなかった。俺が家計を助けるために働いても、身体を売ることだけは禁じていました。

 

   あいつらは《犯した後は殺せば良い。具合がよかったら親子揃って飼ってやろう。まあいつもの遊びだ》なんて笑って言っていやがった。だから後悔なんかはしていません。

 

   殺される覚悟は、炎を使える前に出来ていました。毎日人が理不尽な理由で殺され、死んでいく場所。それが俺が生まれ育ったスラムです。

 

   殺す覚悟?五つで敵は殺さなきゃ、自分と大切な母親が殺される。だから躊躇わないと決めました。善良な罪のない人は殺せません。ボンゴレファミリーが、九代目がディーノが、先生達が俺に善良な罪のない人を殺してこいなんて命令しないでしょう。したら、全力で抗い意見を申し上げます」

 

 

   「…つ、辛い過去を話させてしまいっ…ごめんなさいっ。あ、あのねっ。ザンザス、大好きだよっ。お父様は君を愛しているからねっ。みんなもザンザスが大好きで愛しているからねっ。お父様、今聞いた事をアルコバレーノのお父様に告げて大丈夫かな?」

 

   「ありがとうございます。俺も風お父様とお父様達が、先生達が大好きで愛しています。告げてもらっても大丈夫です。…もっと早くに話しておけば良かったですね。ごめんなさい」

 

   泣き出してしまった風先生は、俺の頭を撫でると部屋から出ていってしまった。…嫌われてはいないような気がするけど、可哀想な子供認識が更に深まる気がする。母さんに、あなた達に、ディーノに愛されていて幸せなのですと伝えるべきだな。

 

   ドアが開いて、手紙をもったリーチがやって来た。俺に手紙を渡すと、頭を撫でてくれてから退室した。先生達のペットは先生達に似て俺に優しくしてくれる。俺は手紙を読んだ。

 

 

   《  ザンザス、辛い過去を話させてしまい悪かった。お前に覚悟が出来ているのなら、俺達はお前を導き成長させよう。

 

   任務内容の正式な指令書、及び装備品は明日18時までに揃えさせておく。

 

   キャバッローネの護衛三人とディーノにも、初任務の事は伝えておいた。今日は並盛町図書館で日本の歴史を学んでから町で買い物を楽しんでいろ。このカードを使え。支払いはお前に甘えて欲しい父親と野獣三匹だから、限度額ギリギリまで使い込め。

 

   イタリア、ボンゴレの九代目とキャバッローネ九代目、野獣三匹と緊急会議をしてくる  》

 

 

   黒いカードが一枚落ちてきた。

 

   …これに手を出してしまうのは危険な気がする。なんか使った瞬間に、九代目の守護者が来て

 

   《そのカードはボンゴレファミリーボスのみに許されているカードだよ。何者かによって持ち出されてしまっていたが…。ザンザス君、使ってしまったね。さあ、本邸に帰ろうか。君の父上、兄上と弟君が待っているよ。暗殺者などにならなくても、補佐役として生きる道があるよ》

 

   なんて言ってきて強制連行されてしまうカードな気がする。うん、先生達が用意して下さったカードと入れ替わっている。犯人は家光さんだな。(大正解)

 

 

   …おじ様経由で返して頂こう。

 

   要人救出か。誰なのかな?日本に来ているイタリア人なのか。それとも、日本人なのか?顔は知られない方が良いのだろうか?

 

   控えめなノック音がした。部屋のドアを開けると、ディーノがいた。

 

   「おはよう、ザンザス。迎えにきた。リボーンから聞いたぜ。初任務だってな…喜んであげたいけど、だめみたいだ。ご、ごめん…」

 

   もうっ。この泣きそうな顔になっている可愛い生き物の製造責任者出てきなさいっ。ふざけんなよっ。マフィアのボスになるのにこんなに優しいってどうする気なんだよっ。俺が既に人殺しだと知っていて、それでも自分から手を繋いできたくせに、初任務の俺の身を案じて泣きそうになっている。

 

   どうしたら、こんなにも他人に優しくいられるのだろう。ディーノが目指す、キャバッローネファミリーの姿は民を大事にするマフィアだ。圧倒的強者でありながら、弱者に寄り添い生きると決めた強さ。

 

   酷い苛めを受けてきたのに、ディーノは両親に、ファミリーに訴えなかった。発覚してしまわない様にひた隠しにした。あの出合いの後に全てが知られてしまったけれど。

 

   自分を傷付ける者すらを守ろうとしていたのだ。優しい、優しすぎる女の子。俺が、彼女の立場なら両親にファミリーに訴える。報復を望む。…ディーノは望まれて生まれ、愛されて育った。彼女はありとあらゆる悪意から遠ざけられて生きてきた。人の悪意を知らなかった。だからこそ、外の世界で初めて受けた悪意にも、悪意で返そうと思わなかった。

 

   きっと、ディーノの中には優しくて暖かで綺麗ななにかがあるんだ。

 

 

   俺が捨てたものなのか、それとも、俺があの哀しい女性の腹に置いてきてしまったものなのか。それはもう、俺にもわからない。でも、ディーノがそれを持ち続けてくれるのならいい。

 

   忠誠はボンゴレに捧げた。

 

   友情はディーノ、お前に捧げよう。俺はお前が、いつの日にか、俺の手を振り払ったとしてもお前の友で在り続けると誓う。

 

   「初任務だな。だけど、迷子のペット二匹の捜索だよ。だから泣くなって。えっ?涙じゃない?鼻水が目から出ただけ…それ汚い以前に別の病気だからな。ほら、鼻をかんでやるからおいで」

 

   「…ザンザスは、たまにおれのおかあさまみたいだ。だいすきっ」

 

   …二個上の同性のお母様か。継母か?継父か?どんだけチャレンジャーな女で男だよ。老け専か?ディーノの護衛の兄さん達、もう笑ってくれて良いよ。俺も笑うからさ…ははっ。乾いた笑いしかでねぇや。こいつの兄貴分でいたつもりだったけど、お母さんだったのかあ……。なんで胸がモヤモヤとするんだ?そうだ、ところてん食べよう。ところてんの事を忘れていたからモヤモヤとしたんだな。

 

 

   「…ディーノ、初任務が終わって帰国したら、君が泳げるように特訓してあげるよ。心配してくれたお礼だ」

 

   「…う、うん。やっぱり水泳の特訓始まるのか。ザンザスは昔から泳げたのか?じ、自転車みたいなサバイバルだった?」

 

   「…泳げたよ。お母さんが教えてくれた。その事はいまでもお母さんに感謝しているよ。

 

  …ちなみに、サメさんがリーダーな凶暴な海のお友達の餌にならないように泳げと遊泳禁止区域を遠泳させられたよ。

 

   目的地と指定された島はお決まりの事で、敵対ファミリーの麻薬密売場所で取引を邪魔して敵対ファミリーを完全制圧するがテストだった。一対多数…武器は持たされてなかったよ。風先生の指示で、殺しは厳禁だった。後はわかるな」

 

   「可愛くウィンクしてもなっ、わかる事を拒絶するっ。また泣いていたんだろうっ。記憶にないくらいに壊されちゃったんだろうっ!」

 

   「いや、この時の俺は回収時に壊れてなかったぞ?泣いてなかったし。敵を全員浜辺に一列にうつ伏せに並べてその上を歩いて《因幡の白兎ごっこ》や《お煎餅焼けたかな?》ていうのをしていたというから。…鮫が怖かったんだろう?図書館に行けといわれたから、《因幡の白兎》と《お煎餅焼けたかな?》について調べようと思っている」

 

   「…それな、壊されているって表現されるからな。自分の事なのに、結局、また聞きになっているじゃないかっ。ザンザス、強くなるのは当たり前だ。だって、誰だって自分の命がかかったら全身全霊をかけて挑むだろう?アルコバレーノ、やっぱり怖い。ザンザス、甘口コースでお願いします」

 

   「わかった。…そうか、泣いてなくても壊れていたのか。もっと精神力を鍛えないとだめだな」

 

   「だからっ。精神力でどうなる世界でもないんだよっ…わかってよっ…」

 

   ごめん、ディーノ。お前の泣きそうな顔と泣き顔に俺は弱いから、やめて。

 

 

   俺達は壁紙ですから、ち、ちゅうとかしてもぜんぜんまったくかまいませんよ(*´ω`*)

 

 

 

 

 

 

 





   和みまくる三人の護衛。

   その、白兎はファイアボールを投げてくる苛烈な兎さんですよね?忠誠を捧げたいのですが、部下を募集していませんか?by忠鮫と忠犬忠王子忠オカマ。

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