ザンザスが、殺し屋を目指すお話。   作:黄色いうちわ

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   これから《如何にして、愛息子兼愛弟子に自信をつけさせるか会議を開く》byリボーン。

  


 憤怒、日本旅行をする。6

  

     拝啓、お母さん。

 

  お母さん、ごめんなさい。貴女に息子が一人増えました。優しいお母さんなら、俺のした事を誉めてくれると、そう思います。

 

  ベルフェゴール、ベルは家族から否定をされて生きてきた子です。王族らしいですが、俺から言わせたらベル以外の家族は滅びていい王族だと思いました。

 

   家族のなかの誰かを生け贄にして、他の家族は仲良しだなんて…いえ、もうベルの家族は俺とお母さんですから関係ありませんね。

 

   いつか、俺がお母さんに再会したら、ベルの事をたくさんお話しします。ですから、楽しみにしていて下さい。

 

   そうそう、最近の俺は日本において初任務を請け負い、これを成功させる事ができました。初任務でベルフェゴールとひばり君に出会う事ができました。

 

   ひばり君は、風先生にすごくそっくりです。風先生の遠縁にあたるそうです。

 

   ひばり君とベルは友達になりました。ディーノの護衛のお兄さん達や先生達、ボンゴレファミリーやキャバッローネファミリーの人達と仲良しになって何かの隊員ごっこをしています。楽しそうで何よりです。

 

   交ぜてほしいと、ディーノと一緒にお願いをしたのですが、交ぜてはくれませんでした。ですので、ディーノと二人と言いたいのですが、ディーノのお父さんの三人で日本を観光しました。 

 

   明日、イタリアに帰国します。

 

   帰国前に、奈々さんにお会いして謝罪を受けるのですが、まったく関係のない、むしろ被害者の女性からの謝罪を受けなければならない状況に、正直胃が痛みます。

 

   お母さんが俺を深く愛してくれたように、ディーノも深く愛されています。ディーノを愛しているおじ様の、娘を守りたい愛が今回の事態の引き金でした。悪い人はいないけど、やっぱり産院でのねちねちくどくどはやり過ぎな気がします。

 

   そうそう、今回は監視カメラに映っていた俺の戦う姿を見る機会がありました。

 

   …強くなったと慢心してしまった自分が恥ずかしいです。黒歴史です。これって、二つのファミリーと先生達のパソコンにデータとして保存されてしまったんですよ。もっと強くなって、笑い話にできる様に頑張りますね。《恥ずかしい》と感じてしまうのは、俺が自分に自信を持てずにいるからなのです。心もまだ弱いままなのでしょう。

 

 

   お母さんが、俺を護る為に自ら命を断ってしまった事。お母さんの遺してくれた遺書を読みました。

 

   本当なら、俺が気づかないままか、大人になってから知るはずだったお母さんの秘密。お母さんが俺を置いて姿を消してしまった2ヶ月後に俺は知りました。以前にも書きましたが、俺はお母さんに生きていてほしかったです。貧しいままでも、弱いままでも、ただ、俺はお母さんと暮らしていたかった。

 

   お母さんは俺を幸せにしたい。幸せに、愛されて生きてほしいと思ってくれて、たくさん考えて、その結果の事だったとわかっています。

 

   俺がボンゴレファミリー専属の暗殺者を目指す事に、お母さんは悲しむかもしれませんが、お父様、九代目とボンゴレファミリーに恩返しをするには、これが一番だと思うのです。

 

   九代目は穏健派です。ですが、九代目の慈悲がわからぬ人間やマフィアは残念ながら多数います。悲しむべき事に、ボンゴレファミリー内部にもいるのです。

 

   九代目の手足になって動ける暗殺者。リボーン先生以外にもいても良いと思ったのです。一応、ボンゴレファミリーの御曹司である俺が暗殺者であれば、ボンゴレファミリーの内側の膿は口を閉ざすとおもいます。

 

   死にたいわけではありません。ディーノの生きる道を支える事、ボンゴレファミリーの九代目と十代目を支えて生きる事が俺の希望で指針です。アルコバレーノの先生達みたいにクールで優しい男になる事が夢です。お母さん、俺を見守っていて下さい。

 

   このお手紙はまたいつものように、お母さんのお墓の前で燃やしますね。お母さんの元に届きますように。

 

     敬具 ザンザス。

 

 

   手紙を書き終えてから封筒にいれた。

 

   手紙を書いている間、俺の書く内容を見ていたリボーン先生はため息をついた。誤字がありましたか?

 

   「ザンザス、自分の強さをどう思う?」

 

   あ、実はご立腹でしたか。すみません。動きが無駄そのものでしたよね。

 

   本当は、直ぐにでも叱りたかったのでしょう。でも、人質という怖い経験をしてしまった幼い子供三人の前で叱るということは、幼い子供の心に更なる負担を押し付けてしまいますものね。流石です。俺は必ず、リボーン先生達みたいなクールで優しい男になります。

 

   「弱いです。足の早さもダメダメですね。俺が子供だからと、敵が油断してくれたから勝てただけです。もっと暗闇に同化して、音もたてない様にしないと一流の暗殺者にはなれませんね。ディーノを侮辱されて切れたのも、よくよく考えたら冷静さを失ってしまい減点ですよね。筋トレの見直しと新たに始める剣術の指導をお願いします。やっぱり拳銃やナイフのない闘いは心細かったです。得物に頼りすぎてはいけないとわかっていますが…すみません。心も弱いです。使わぬと決めた憤怒の炎も、人質が殺されてしまっていたらと思ったら、使って脅していました」

 

   「弱いか。(お前に一対一で勝てる暗殺者はもうあまりいない…これを言っても、こいつは信じねーな)ザンザス、自分が弱いと知っているお前は強くなれる。変わらずに努力をし続けろ。そろそろ、成長痛が始まる。体がガキから大人に変わる痛みだ。これからはカルシウムをたくさんとって睡眠も多くとれ。背が伸びるためにはこの二つが重要だ」

 

   「リボーン先生、ありがとうございます」

 

   「ああ。お前も風呂に入ってこい。日本の温泉なんてめったに来れねーからな。ひばりのご両親に感謝しろよ。お前への感謝の気持ちだと言ってくれているが、ベルをお前の異父弟にする手続きまでしてくれたんだ。…お前とベルが大人になったらひばり専属の護衛として雇いたいとまでいってくれた。縁は大切にしろ」

 

   「はい。ボンゴレの暗殺者に採用されなかったら、その時は頼ります。(日本の和牛は控えめ評価で最の高っ。角煮の婿になりたい)」

 

   「…なんかな、ディーノが可哀想な気がしたから、風呂からあがったらコーヒー牛乳を奢ってやれ」

 

   「?わかりました」

 

   「早めに休めよ。俺はアルコバレーノの皆と、俺の愛人のバーに呑みに行ってくる」

 

 

   「わかりました。リボーン先生、呑みすぎには注意してくださいね」

 

   「わかっている。大丈夫だ」

 

   リボーン先生は、部屋から出ていった。

 

 

   …愛人か。リボーン先生達は、たくさんの恋人や愛人を持っている。マフィアやマフィアのボス達は、当たり前の様に複数の女性を恋人や愛人にしている。

 

   例外中の例外で特例だよな。キャバッローネファミリーの九代目。

 

 

   奥さん一筋に生きて《愛人恋人?要りません。最愛の妻が永遠の恋人で伴侶で女神で心の聖域いや神域に住まわれる女神なのよ。最愛の妻に誠実に忠実に真摯に生きる事を優先していたいのよ。最愛の妻を不安にさせて不快にさせる要因は全て排除する。俺に奥さん以外の女性を進めた奴等は招待状を送っている。えっ?何の?聞きたいの?》ですものね。

 

   聞いたら送られてきてしまう恐ろしい招待状の事なんて知りたくありません。

 

   前世は破壊神か邪竜か荒神だったであろう戦闘狂バーサーカーの溺愛盲愛している掌中の珠である愛娘を苛めた人間(含む一族郎党)に出した招待状と同一なんでしょうね。

 

   優しいディーノに知れてしまうと、100%泣かれてしまうので、知られないようにしてくださいね。

 

 

   風呂上がりに、コーヒー牛乳を買おうとしたら売り切れていた。キャバッローネの九代目が涙目になりながら、ディーノに謝っていたので、かの人が主犯なのだろう。べルがコーヒー牛乳を飲みながら俺にも一本くれたので、有り難く頂戴した。

 

   愛娘と愛娘の友人ように買い占めたら、愛娘にやりすぎだと叱られているのか。ディーノがしっかり者になって嬉しい。だけど、なんか寂しい。何でだろうな?

 

 

           ※※※

 

 

   計画としては、《可愛い子には旅をさせろ。ザンザス君に安全性の高い簡単なお使いを頼むよ。でもって、リボーンに止められているあげたいお小遣い&送りたい仕送りを報酬として渡したい。勿論、初めてのお使いは録画してもらうし、万が一怪我をしてしまったら、医療班に治療させて無理矢理本邸へ強制帰還させるよ!てへぺろ》だったのだ。

 

   三人の息子達・守護者達・最高幹部達・執事・メイド長・料理長・私の主治医・ザンザス専用主治医・ザンザス専用メイド達・同盟ファミリーのボス夫妻(ザンザス君がディーノ嬢と破局してしまったら、うちの娘の婿に下さい派)の前で、初めてのお使い(リアルタイム)を上映した。 

 

 

   美しい肉食獣の強さと冷静な判断力、苛烈な怒りと弱者に対する慈悲深さが余す事なく放映されました。

 

   イエミツヨ、マタシテモキサマカ…。

 

   「す、素晴らしいっ。ザンザス様なんと慈悲深いのでしょうっ」

 

   「いいなあ。ザンザス君みたいな優秀な御曹司がいて。うちの子はどうも運動が苦手でねえ」

 

   「ザンザス様っ。なんとご立派になられてっ」

 

   「いいなあ。あの炎。僕もほしかったな」

 

   「父上、ザンザスに危険な事をさせないで下さい。ザンザスは御曹司なのですよ。あんな暗殺者の真似よくありませんよ」

 

   「ザンザスにいさまつよーい!」

 

   「あかん。キャバッローネファミリー絶対に破談なんかにしないわ。あのう、ボス・ボンゴレ。愛人でもいいからうちの娘をザンザス君の愛人にしてくれないか。あのこの遺伝子が欲しいわ」

 

   「ボス、あれを手離すのは駄目だ。だが、手元に置くためには暗殺者にするしかないのか?…残念だ」

 

   「ボス、明らかに依頼した内容と違いすぎる。…家光のアジトを全部家宅捜査する許可をくれ。だいたい家光のバカはなんで人質になっているんだ?」

 

   「格好いいっ。若様ったら素敵でございますっ」

 

   「良いものを見た。感動した。××国は駄目だな。これ、一部編集して国連に伝えてネットに拡散するべきだよ」

 

   「…あのう、ボス・ボンゴレ。ダビングして下さい。うちの息子がザンザス君に憧れているんですよ。つーか、俺がザンザス君のファンになったね!」

 

   「格好いい。だけど、これって《初めてのお使い》?どう見ても《ハードボイルド&アクション映画》なんだけど?主演男優のサイン下さい」

 

   「家光君ってさ、ボスの息子に殴りかかるってなんなの?最近の彼、大丈夫?憑かれてない?」

 

   …うん。私もそう思う次第でございます。

 

 






   ボス・ボンゴレとその守護者は、No.2に疑念を抱いた。

   俺の回収マダー?。by家光氏。

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