ザンザスが、殺し屋を目指すお話。   作:黄色いうちわ

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  憤怒の元へ帰る守護者達。


 憤怒、嫉妬から忠誠を誓われる。

 

   マフィアの子弟が通う学校に転入…大学院までの学業は修め終わっていたが、ディーノとベルと同じ学校に通って子供時代を楽しめと言われた。

 

   愛だと思う。愛されていて幸せだ。早くボンゴレファミリーの殺し屋にならないといけない。そう焦っている気持ちを見透かしたかの様に、逃げ道を与えてくれる。あの養父達のような優しい大人になりたい。

 

 

   全寮制の男子校だったが、ディーノの本来の性別を考慮した結果、通学を認めてもらった。

 

   理事長先生と校長先生が可哀想だった。

 

   武闘派ファミリーのキャバッローネファミリーが、学校の周りや自宅周辺を黒塗り高級車や戦車で取り囲っていたら、どんな無理難題でも飲まざるを得ない。アルコバレーノとボンゴレファミリーとベルの元実家もさりげに混ざっていたし。

 

   ディーノ専用の着替え室にシャワールームにトイレを…うん、キャンピングカーを学校の敷地内にいれて、専属メイドのクレアさんをつけての学園生活。

 

   虐められてしまう事を警戒しても、あれだけ堂々と脅しをかけていたら誰も俺達を虐めないと思います。

 

   ええ、虐めはありませんでした。

 

   …そりゃあそうですよね。

 

   《貴方の学校に転入してきた三人には、絶対に逆らってはダメ。虐めてはダメ。無視をしてもダメ。報復で家族と一族ファミリーが消されてしまうからっ。×××××ファミリーの一家惨殺事件の二の舞なんて絶対に嫌っ。良い?ディーノ様ザンザス様ベル様に逆らってはダメよっ》

 

   《ボンゴレファミリーの御曹司であるザンザス様の命令にはけして逆らうな。お祖父様に送られてきた極秘映像をお前も見ただろう。あの御方がザンザス様だ。あの悪名高き××××ファミリーを素手で壊滅させて人質四人を無傷で救出したのだ儂らのファミリーなんぞ赤子の手を捻るようなもんだ。けして逆らうなっ。逆鱗に触れてしまったら、儂はお前を殺して一族とファミリーの助命を懇願しなくてはならん》

 

   《ベル様に逆らってはダメ。ベル様は××国の王族よ。あの王族以外の国民はゴミ扱いの王族。外国籍のマフィアの私達なんて虫けら扱いよ。あなたの命もママの命も消すことに躊躇いなんか持たないわ。良い、ベル様には逆らってはダメよ》

 

   両親祖父母姉兄親族から伝えられたら、幼い子供達は逆らいませんよね。あ、これ楽しい学校生活は望めませんね。お互いに。

 

   クラスメート達には悪いけど、ディーノとベルが虐められなければ良いや。うん、あの二人は虐められてきたから、他者を虐めないし他者を弱者を思いやれるから大丈夫だ。

 

   問題は俺だ。どうしよう。

 

   「あのさ、レヴィ君」

 

   「はい!何でありましょうかザンザス様っ。俺の事はどうか以前の様に、レヴィと呼び捨てにして下さいっ」

 

   「いやその…レヴィ。跪くのはやめて」

 

   「いいえっ。再び家臣にして頂きたいとの申し出にまだ御言葉をもらっておりません!以前の様に、幹部クラスなどとは望みませんっ。臣の末席で構いませんっ。一番したっぱで構いませんっ。俺の忠義と活躍でザンザス様に認めてもらうまでであります。俺は絶対にザンザス様のお役に立ちます!」

 

   …ああ、どうしよう。

 

   脳内のオッタビオさんが喜びの歌を歌ってリボーンさんに突っ込みを入れられている。…もっと頻繁にお見舞いにいきたいな。

 

   …ボンゴレファミリー本部にいたNo.3のオッタビオさんが、暗殺者に銃撃を受けるなんて。リボーン先生とモスカが駆けつけてくれて本当に良かった。凄腕暗殺者が逃げてくれて良かった。オッタビオさんの命が助かって良かった。モスカを初めて見たけど、凄いよな。メカってドキドキするよな。これは強いってわかったもの。でも、何でリボーン先生に怯えるのかな?

 

   「…わかりました。死にま「レヴィ・ア・タンっ。臣に迎えるっ。以後は俺に、地獄まで付き従えっ。俺の命令にはyesのみで答えろ。使えないカスにはなるな。俺を裏切ったら必ず殺す。自分の命は大切にしろ。危なかったら撤退する勇気を持て。2つ下に転入したディーノと幼稚舎のベルを全力で守れ。将来俺の女になる愛しい男と異父弟になった可愛いガキだ。お前も俺のファミリーになったからには自分のことも絶対に守れっ。失敗は許すが怠慢は許さん。悩みがあるなら、抱え込まずに俺やベルに相談しろっ。自殺だけは裏切りよりも許さん。女性は大切にしろでなきゃかっ消す。

 

   おいおいっ。冷静になれっ。ベルの可愛い前世ごっこの設定を勝手に使うなよっ。殺し屋になる俺の部下になりたいんじゃないだろ?こいつにちゃんと教えてやって諦めさせないとっ。俺はお父様の、ボンゴレファミリーの九代目の血縁ではないって。ボンゴレは継げないって。俺に着いてきてもお前は出世できないって!だいたい、ディーノに対して隠してきた想いを自分から暴露するなんてどうした俺っ。冷静になれ冷静になれっ。でもってレヴィとクラスメートの記憶をかっ消す方法を考えないとっ。って、何でクラスメート全員と教師がびびっているんだ?」

 

   「ザンザス様、思考がすべて尊きお言葉になっております。…今生もオッタビオが世話役でしたので、奴めの癖がまたお移りになったのでしょう。

 

   レヴィ・ア・タン、今生もザンザス様の守護者として一の家臣として誠心誠意お仕えいたします。

 

   唯一の主君にお仕えできる。その事だけが俺の望み、俺の幸せでございます。

 

   もとより、俺は、ボンゴレファミリーではなく、ザンザス様ご自身に帰属すべき存在です。ベルもオッタビオも、他の皆もそうでしょう。

 

   俺としては、些か複雑ではありますが、ザンザス様が選ばれたのでしたらディーノ様にも忠誠を捧げます。(まあ、スクアーロは愛人枠でも狂喜しているからな。特に困るまい)

 

   ザンザス様、レヴィ・ア・タン、今、帰参致しました」

 

   レヴィ・ア・タンは、そう言うと俺の手をとると、忠誠の誓いのキスをした。

 

   ああ、レヴィが帰ってきたのだなとなぜか思った。

 

   そう、オッタビオさんがリボーン先生と家光さんと一緒に俺達を迎えに来てくれた時と同じだ。あの時も、懐かしく思ったっけ。

 

   「…そうか。戻ってきたのか。レヴィ、よく戻った。以後も俺に忠誠を誓い忠勤に励め。カス共、俺の女のディーノと弟のベルに今言った内容を喋るなよ。喋ったらかっ消す。噂が広まったら、俺はお前達を一番最初に疑う。わかったな?」

 

   乱暴な口調で、クラスメートに強くお願いした。こういった場合は弱気でいるよりは強気になる方がいい。

 

   ……いや、だからおかしいだろ。クラスメート全員と教師が床に平伏しおった。

 

   レヴィは恍惚としているし。いや、こいつはこれが平常運転だったな。ああ、今日も空が青いな。(現実逃避)そうだ、ディーノに会いに行こう。

 

 

         ※※※

 

 

   転入した学校はつまらなかった。帰ったら、俺を元の学校に通わせてほしいとリボーンに頼もうと思った。

 

   つまらないから、授業をボイコットした。まあ、サボりだ。サボり。

 

   ボスは最強の王様だから大丈夫。だけど、姫は泣き虫の女の子だから様子を見に行ってあげる事にした。

 

   騒がしい姫の教室。嫌な予感がしたので、ナイフとワイヤーを準備しながら教室に駆け込んだ。

 

   夢の中の同僚が、修羅と化したクレアさんに血だるまにされていました。ディーノは予想通りに泣いていた。殴られ腫れてしまった頬が痛々しい。両手で胸を隠して…シャツが破れて上半身見えてる。あれ、スクアーロは生きているのかな?あ、王子が鮫先輩を押し退けて隊長になるチャンスじゃね?(狂おしく現実逃避)

 

   「あっはっはっはっ。ねぇねぇ、今さあどんな気持ちぃ?クレアお姉さんにお話ししてみようかぁ~?ねぇねぇ、スクアーロ君だっけぇ?あんたさあ、あたしのディーノ様に何をしたかぁわかってまちゅか~?《女みてぇな面しやがって》なんて暴言吐いたよねぇ~?でもってやめてと言ったディーノ様に手をあげて《女だろ。女じゃなきゃ上半身脱いでみろ》と言ってシャツを破いたと。ね、そうだよね?クラスメートの皆さん?」

 

   あ、察した。スクアーロは窓からみていたんだな。王様が姫をエスコートしていた姿を。嫉妬をレヴィから譲ってもらえば良いのに。頷くクラスメート達が可哀想だ。殺気に怯えている。

 

   「…あー、殺したい。どっちみち旦那様に処分されそうだし、あたしがやっても良いよね?あ、ベールちゃん!お願いっ。ディーノ様をザンザス様の所へエスコートしてくれない?ロマーリオさん達を呼んできてくれるのでもいいけど」

 

   「(笑顔だけど、目が怒ったまんまだ。…鮫、御愁傷様)クレアさん、クレアさんしか姫を任せられないよ。ボスはこの状態の姫を見たら、俺の時よりキレるよ。ボスがこいつを殺しちゃう。そしたらディーノとボスは離ればなれになる。俺はね、まだ三人で楽しく笑って過ごしていたい。姫を一番最初に助けてきたクレアさんなら、姫の気持ちわかるよね」

 

   「クレアっ。おねがいっ」

 

   姫っ。頑張ったねっ。ナイスアシストっ。怒れるクレア神の怒りを宥めてっ。鎮まりたまえクレア神よっ。何故そこまで昂るのかっ…もののけ姫またひばりとみたいな。

 

   俺が姫の立場だったら、クレアさんに処刑を命じるね。姫ったら優しいよね。

 

   おい、カス鮫先輩、生きていたかったら口パク止めろよ。《女とガキに庇われて恥ずかしくないのかよ》か。姫の本当の性別が女性だと知ったら、お前この責任とって姫と結婚するしかないんだぞ?王子は強いし、姫の義弟になるんだから守るのは当然だし。クレアさんは姫の守護者なんだから守るのは当然なんだよ。

 

   あ、空気が変わった。

 

   そうだよね、王子が来たのに王様が来ないわけがないよね。チャイムが鳴ったら着いたって事は、ボスも授業中に抜け出して来たのかな?クレアさんは姫を連れていった。

 

   「…ベルか。久しぶりだな。俺がわかるか?」

 

   「うん。オッタビオを見たら繋がってきて、スクアーロ先輩とレヴィをみて完全に繋がったよ。久しぶり、というのがおかしいけど、よろしくね、レヴィ。レヴィはいつから?でもって、再会そうそう、スクアーロ先輩の人生が終了のお知らせです」

 

   「俺の両親は九代目の別荘の管理人としてお仕えしている。昔、オッタビオを遠目で見た。そしたらいろいろとわかった。いっつも無表情か人を馬鹿にしていた奴がへらへら満面笑顔になったからザンザス様にお会いできたのだとわかった。…後で、二人でオッタビオをしばこう」

 

   「うん。やっぱりさ、殴ってやんないと気がすまないよね。バカ兄貴め、俺達とボスの涙を返せよだよね」

 

   「ああ、まったくだ。…ボスの怒りは、憤怒の炎は相変わらずに美しいな。苛烈な炎そのものだ。美しいっ」

 

   「うん。でもって、人間が人間に惚れる瞬間って見ていて恥ずかしいよね。あーあ、スクアーロ二度目の人生が終了しましたっ。また、《自分の為に生きる》を選ばないで《主君ザンザスの為に生きる》を選びましたっ。解説のレヴィ・ア・タンさん、どう思いますか?」

 

   「そうですね。俺のザンザス様への忠誠心ををさんざんに馬鹿にしていた二個下の幼馴染みの生意気後輩が今どんな気持ちなのかを聞いてみたいですね。…はぁ。さて、止めにいくか」

 

   「いこっか。行きたくないけど。あのさ、姫、ディーノはマジで女の子だからね。特殊弾で男になっている、ボスの婚約者だから。レヴィも姫を守ってあげて」

 

   「マジか。わかった。スクアーロ、後で後悔するがいい」

 

   「だよね。俺達は再会記念日だけどスクアーロだけ黒歴史爆誕記念日だよね」

 

   二人でため息をついてから、スクアーロだったものの助命嘆願を主君にした。

 

 





  フルボッコスクアーロ氏 「正直、ディーノに悪かった。あと、怒りに惚れた(*´ω`*)」

  フルボッコ確定なオッタビオ氏 「リボーンさん、助けて下さいっ・・・(;´Д`)」

  リボーン先生 「だが断る( ´_ゝ`)」

  ルッスリーア氏 「あらやだ、予想が当たったわ(;゜∇゜)」

  大人ザンザス氏 「カス鮫、スクアーロ、泣くな。俺の伴侶はお前だ。(こいつらまで夢を見るようになりやがった。家光のアホは戻らねーし、どうするかな)」

  大人スクアーロ氏 「俺だけ扱いが酷すぎるっ。でも、俺に俺のザンザスが優しいからいいや(*´ω`*)」

 
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