ザンザスが、殺し屋を目指すお話。   作:黄色いうちわ

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  リボーン先生の深まる過保護。


 憤怒、四人の父親を得る。

 

 

  リボーン先生に課せられた訓練は辛く厳しいものだった。

 

 

   だけど、これは俺が死なないために、生き抜く為に必要な事で、弱音を吐いてはいられなかった。

 

   それでも、純粋に強くなれる事は嬉しかった。訓練をこなせばこなすほど、俺の体力と技術は向上していったのだ。俺が強くなれれば、リボーン先生みたいな最強の殺し屋になれれば、あの優しい人達の力になれる。

 

   体力と気力が尽き果てたら、ちゃんとリボーン先生は休ませてくれた。俺がベットに寝て、リボーン先生が横で勉強を教えてくれた。ボンゴレの歴史やアルコバレーノの仲間とした仕事を話してくれた。俺はそれらを聞くのがすごく楽しかった。

 

    「初代はどうして、日本へと旅立ってしまったのでしょうか?」

 

    「さあな。あいつの、家光の先祖だからな、あまりロマンスを求めないほうがいいぞ。惚れた女のけつを追っかけていったとかな」

 

    「それってやっぱり駆け落ち系のロマンスですよね」」

 

    「あ、思いだした。確かな借金が膨れて返済に困って二代目に押し付けて日本に高跳びしたという文献が最近発見されたな」

 

    「えっ!本当ですか?」

 

    「ああ、全部嘘だ。ボンゴレボンゴレでなくてだな、お前はもっと自由に自分を生きても罰は当たんねぇぞ。家光の適当さを見習え」

 

    「適当さをですか?」

 

    「適当さとか困ると俺や九代目に泣きつくとことか愛妻家なところだな。ザンザス、お前はガキだ。だから、ガキのうちは大人に甘えて良いんだ。…そうだ。たまには今みたいに泣いても許されるんだって覚えておけ」

 

    「…リボーン先生、あり…がとうございます」

 

    リボーン先生は、俺の教師でもう一人の父親だった。

 

 

    お父様に、九代目に会えと何度も言って下さったけど、何の関係もないと知ってしまったからには、九代目に会うなんてできなかった。

 

 

 

    ザンザスが直ぐに音をあげると思っていた。

 

    直ぐに帰りたいと泣きついてくると考えていた。

 

    だが、ザンザスは狂った母親に育てられて、長じてからは母親を守りながらスラムで生きてきた子供だった。

 

    生きる事、強くなる事に貪欲な獣だった。

 

    血の繋がりなど欠片もないくせに、最強のマフィアの首魁としての強さを資質を俺に見せつけてきた。

 

 

   …神様は時折酷く酷い事をなさる。

 

   九代目の三人の息子よりも、同年代のマフィアのボスの後継者よりもザンザスには才能があった。人を惹き付ける魅力と人を殺す技能。大局を見る力。才に溺れずに努力を惜しまぬ勤勉さ。ボンゴレファミリーの代々のボスにしか宿らぬはずの炎。禍々しくも強く美しい炎は、憤怒の炎という。ザンザスに似合いの炎だ。これになぜ血統が与えられなかったのかっ。ザンザスの母親がボンゴレファミリー以外にザンザスを預けていれば良かったのだ。そうすればザンザスは後継ぎとはならなくても、次代の最高幹部として育ててもらえた。裏切りにあい、傷つく事もなかった。

 

 

    血反吐を吐いても、胃液を吐いても俺に俺達に挑んでくる愛しい獣。

 

    与えた課題をクリアーをしたので誉めてやると、嬉しそうに笑う。ザンザスは俺達アルコバレーノの可愛い弟子だ。

 

 

    コロネロ達にも可愛がられて鍛えられてはいたが、スカルには会わせないでいようが全員の意見だった。バイパーの奴にも、ザンザスを一流の幻術士にしてほしかったのだが、行方不明のままだ。まったく何処をほっつき歩いているのやら。

 

 

    ザンザスは七代目と同じ二丁拳銃の扱い方を仕込んでいる。

 

    ボンゴレに憧れながらもボンゴレに怯えてしまう様になってしまったザンザス。

 

    抱えちまったボンゴレへのトラウマは、憧れているボンゴレのボスへの憧憬を使って消してしまえ。

 

    ザンザスの成長記録を読んだ九代目は泣き伏した。

 

    …俺達アルコバレーノの愛弟子の成長記録を見せてやったというのに、いったい何が不満だ。

 

 

    「り、リボーンっ。君は私の息子のザンザスに何を教えているのだっ。あのこは御曹司として育て」

 

 

    俺は、殺気を込めて九代目を睨んだ。

 

    「二ヶ月だけな。その前は治安最悪な糞よりもひでぇスラムで生きてきたんだ。母親に置いていかれた子供が、置いていかれた場所から追い出されない様に、その場所にいたお綺麗で品の良い子供たちの真似をして、必死になって《ボンゴレに相応しい御曹司》を覚えた。お前が知るザンザスはその結果の御曹司だ。ザンザスはな、お前とお前の三人の息子、ボンゴレファミリーに恩を返したいんだと。その為に牙を磨いて爪を研いでいるんだ。…あんなに傷ついて可哀想?お前とあいつの母親がザンザスにしたことは残酷でないとでも言う気か?」

 

 

    「……すまなかった。ザンザスを頼む」   

 

    「ああ。任せておけ」

 

    「…ザンザスに一度会わせてくれないか?抱き締めて、その…ボンゴレ本邸に戻って君に師事を受けなさいと言いたい」

 

    「無理だ。俺はザンザスを泊めた翌日に、ザンザスを連れてここに来た。門扉に近付くにつれ、汗をかき呼吸は苦しそうになった。門をくぐって敷地内に入った時点で、ザンザスは朝飯を吐いた。ザンザスを心配していた兄弟がザンザスに駆け寄り声をかけたら、謝罪の言葉を繰返し言いながら気を失った。…ザンザスの事は、今は諦めてやれ。あいつが強くなって、自分で落とし前をつけなきゃいけねーんだ。無理に会うなんて思うなよ。ザンザスを廃人にしてぇんなら、俺は、俺達アルコバレーノはお前の敵になる」

 

 

   慟哭をあげる九代目を置いて部屋を出た。

 

 

   会わせるも何も、風とコロネロと一緒に、ザンザスは今中国大陸で体幹と反射神経強化月間だ。

 

 

   ザンザスも実際のところは、お前に会うのは嫌がったが、俺達からの説得の末に、兄弟には会いたがった。

 

   お前に似て、三人の息子はザンザス大好きっこだからな。一日、いや、半日の不在にヤンデレと化していた。こいつらは、ザンザス監禁計画を企てていたからもう会わせないでいいやがアルコバレーノの総意だ。

 

 

    …ザンザスの泣きながらの血の繋がりがない他人です発言に、なら結婚できるねと嬉しそうにとちくるった事ほざいた獣だったから会わせないがザンザスの父親になった俺達の総意だ。

 

   

 






  コロネロ氏・風氏・ヴェルデ氏・リボーン氏。ザンザスの嫁は受け付けるが婿は断固拒否だ。欲しければ俺達を倒してみろ。←無理難題すぎる。 
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