家光氏はザンザス氏を気にかけてます。
今日は、リボーン先生が本邸に行かれた。
俺は毎日、学校から帰ってきたら、宿題と予習復習を終える。そうしたら、軽く家の掃除をしてから夕御飯を作る。作り終えたら、明日の授業の準備をする。そして、ヴェルデ先生から渡されたプリントや計算ドリルをする。
一日三枚と五ページ。二週間分が終わったら、ヴェルデ先生が来てくれてわからなかった所を教えてくれる。科学とか数学は楽しい。
プリントと計算ドリルが終わったらリボーン先生&風先生の特製のトレーニングメニューをしはじめる。晴れと曇りの日はトレーニングをするけど、雨と雪の日はコロネロ先生監修のビデオを見ている。重火器の組み立て方・壊し方・威力・撃ち方等興味深い。アルコバレーノはすごいと思う。でも、まだ三人のアルコバレーノに会えていない。どんな人達なのだろうか?
考えていたら、チャイムが鳴った。
「おーい、ザンザスっ。ちょっと玄関を開けてくれ。リボーンと俺は、これから両手が塞がっちまうんだ」
家光さんの声がした。
耳を澄ませば、リボーン先生の声もした。
「往生際が悪ぃぞ。助けは来ねぇよ。諦めろ」
「っ。嫌だあっ。お前に習ったらマフィアになる前に死ぬじゃんかっ!体が蜂の巣みたいになって死ぬじゃんかっ。嫌だけど、スッゴク嫌だけどマフィアになるよっ。だから教師のチェンジをっ!」
??なんだろう。お客さんかな?新しい弟子なのかな?
慌ててドアを開けた。
ああ、確かにリボーン先生と家光さんの両手がふさがっていました。
簀巻きな少年をお姫様抱っこした家光さん。雪車に化けたレオン(少年の荷物が乗っている推定)を引いているトナカイコスのリボーン先生。
「お、お帰りなさいリボーン先生。いらっしゃいませ家光さん。今日は、シチューとサンドイッチです。沢山作りましたから、沢山食べて下さい」
「そこの少年っ。助けてくれっ。こいつらは人さらいだっ。拐かしで誘拐犯だっ。警察に通報してくれっ。謝礼ははずむからっ」
全部同じ言葉の意味ですね。
「あのさ、リボーン先生に習えるのはすごく幸運な事だよ。だってあの伝説のアルコバレーノだ。確実に強くなれるよっ」
「騙されているっ。騙されているっ!あんたはこの二人に騙されているんだっ。きらきらした目で嬉しげに強くなれるなんて言っては駄目だっ!洗脳?…っこんの極悪人どもがっ。俺だけならまだしもこんな民間人の少年まで拐って洗脳するだなんて絶対に許さないぞっ。いつからボンゴレファミリーの門外顧問とボスの親友の暗殺者は外道マフィアになったんだっ。恥を知れっ。俺はともかく少年はマンマと親父の所に今すぐに返してやれっ」
えっ?なにこの正義の味方みたいな少年。
「返すも何も、こいつ、ザンザス自身が望んで此処にいて俺の弟子になったんだ。…それにな、こいつにはもう、マンマと実の父親はいねぇ。こいつを残して死んじまった。俺と俺の親友達がザンザスの親父で教師で家族だ」
「で、俺が今は親戚の伯父さんで将来のお義父様だな」
「「…家光・さん。気が早い・ぞ・です。白の結婚期間・だろ・でしょうに」」
「ち、違ぇしっ。奈々と俺はもうラブラブバカップルだしっ。リボーン俺はもう親父だ!くそっ。ディーノ、もう下ろすぞっ。なんで奈々じゃない人間をお姫様抱っこしなきゃなんねーんだっ」
下ろされた簀巻きなディーノ君は、ボロボロと涙をこぼしながら泣いていた。ホームシックかな?
「ご、ごめんっ。ごめんなさいっ。お、俺知らなくてっ。マンマと親父がいないなんて…死んじゃったなんて悲しいよなっ寂しいよなっ」
えっ?なにこの優しすぎるきらきらな生き物。天の国から落ちてきちゃった神様の御使い様?俺と同世代みたいだけど、もっと幼いのかな?なんで他人を思いやれるの?もしかして優しいアルコバレーノの先生みたいに幼いけど大人なの?それとも、楽しくなるお薬をキメてらりらり中なの?
…そうだ。きっとそうに違いない。可哀想に。綺麗で可愛い顔をしているから薬浸けにされちゃって、慰み者にされちゃう直前の所を助けてもらったのだ。薬を完全に抜くのって大変だからな…違う大変さを、リボーン先生の特訓を当てて相殺する気なんだ。流石です、リボーン先生、家光さんっ。
「…リボーン先生、家光さん。俺は、大人になったら貴方達みたいな優しくカッコいい大人に必ずなりますね。目指せハードボイルドっ。で、俺は何をおてつだいすれば良いのでしょうか?」
「…ザンザス、なんかお前、一週回って深読みしすぎてねぇか?子供特有の思い込みで突っ走ろうとしてないか?落ち着け、なっ?」
「…(くそっ。素直さんかっ可愛いじゃねーかっ)ザンザス、お前は今まで通りの生活で良い。ただ、同居人、こいつが増えるだけだ。名前はディーノだ。パーティーで一度くらいは会っているはずだが、覚えているか?」
「…糞野郎ども、民間人の可哀想な少年が俺と知り合いのわけないだろっ。だいたい俺はマンマと親父と一緒にマフィア主催のパーティーに出る事しか外の世界を教えてもらえてねーんだよっ。それなのに、なんで今さら家庭教師の家で住み込み合宿なんざしなきゃなんねーんだ…甘えだ。傲慢だ。ごめん、ザンザス君?…糞リボーンに糞家光、お前らはさっきからこの少年をザンザス君と言っていませんでしたか?」
「おうっ。言っていたぞ。お前らマフィアの御曹司が憧れているボンゴレファミリーの四番目の御曹司だぜ?人見知りで引きこもりなお前がボンゴレファミリー主催のパーティーには必ず出たがったのは一目惚れしたザンザス少年に会いたいからだもんなぁぎゃあああっか、噛むなっ指を噛むなよっ!」
「ザンザス、まだ思い出さねーか?」
「いえ、リボーン先生、ですが俺が会ったのはディーノ嬢でした。ご令嬢達に意地悪をされて、…ドレスを汚されてしまって泣いていらっしゃったので、メイドに頼んで着替えさせてもらってから、図書室にお連れして絵本を一緒に読みました。…失礼いたしました。美しく伸ばされていた髪が短くなっていたので気づきませんでした」
「…無自覚たらしホストジゴロめ。まあ、キャバッローネファミリー唯一の継承者だ。婿を取らせて継がせる気でいたが、愛娘可愛さにな、愛娘の好きな男を婿にする気だった。だけどな、噂でディーノの好きな男はマフィアを嫌って家出をして、生死不明になっちまったんだと。ご令嬢達も嘆き悲しんでいる。で、ディーノは女ボスだがボスとして生きる。婿は取らないと断言して髪を短く切った。で、俺に家庭教師になってくれと依頼がきた」
「男冥利につきるねぇっ。よっ!女泣かせの色男っ憎いねっだ・か・ら・噛むなっ痛いっーのっ」
「ひへみふがわひゅい!おれっわたしのこい…べらべらとしゃべるなっ」
「可愛いけど可愛くねーぞっ。ほら、いい加減簀巻きから解放してやるからっ。大人しくしろって。だいたいあのデブいやふとましやかな丸太がこんなガリガリまな板美少年になっちまったら誰も気づかねーよ。深窓の泣き虫でおしとやかな少女かこんな口の悪い悪童にジョブチェンジを果たすなんて思い付かないっての。いいか、男はみんなマザコンなんだ。ザンザスの亡くなったマンマはどっちかといったらふとましやかでしとやかなレディだ。ディーノ、お前がやった努力は水の泡だな。そもそも縁なんてなかっヽ(;゚;Д;゚;; )ギャァァァま、マジて撃つなよっ!!!」
「…家光、お前は喋りすぎた。俺の恋の成就の為にも消えてくれ。ザンザス君、俺の名前はディーノだ。女に戻るのは、大人になってボスとして胸を張れる様になってからと決めている。だから、俺の親友になってほしい。さ、支えてほしい。男友達として側にいてほしい」
「よろしく、ディーノ。俺は親友の君を支えると誓うよ。君の選んだ道は苦難の道だ。それでも、逃げずに後継者となる事を選んだ君に敬意と友情を誓います」
片膝をつき、ディーノ君の手の甲にキスをした。
ディーノ君はぶっ倒れた。
家光さんは「やるねぇ!」と言ってから口笛を吹いた。
俺はリボーン先生に「この、たらしがっ」と怒られピコピコハンマーで頭を打たれた。…解せぬ。
リボーン氏&家光氏「だってなぁ、家光に・俺に娘が生まれたならザンザスを婿にしたいし」