ザンザスが、殺し屋を目指すお話。   作:黄色いうちわ

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  成長を喜ぶ保護者達。


 父親と忠臣の話。

 

 

   俺達の愛し子のザンザスは確実に、賢く強く優しく成長している。

 

 

   強さと知力は着けさせてやれた。後は幻術や超能力等の能力だ。

 

 

   俺は、当代一の幻術師バイパーを呼び出す為に、アルコバレーノを集合させる際の暗号を新聞に載せた。

 

 

   指定した、俺が愛人に経営を任せているバーには既に、ザンザスの父親になった三人がいた。

 

   三人の開口一番が「呼び出すなんて、数日会わない間にザンザスに何があった」と聞いてきたのには、嬉しくて愛しくて笑ってしまった。俺と同じくらいにザンザスを溺愛していやがる。俺は店を閉店させると愛人を帰した。

 

 

   笑ってしまった事を詫びてから、集合させる際の暗号を新聞に載せた理由を話した。

 

 

   《なんだ。ザンザスに何もなかったのなら良かった。バイパーを説得するのなら、人数的にもいたほうがい。バイパーだけ仲間外れも可愛そうだ》と返ってきた。

 

 

   三人にザンザスの近況報告をした後に、ザンザスの優しいお兄ちゃん成長を話してやった。初めての親友みたいな妹に浮かれている子供らしいところがいかに可愛いかを熱弁した。

 

 

   ディーノの恋する眼差しを見ていると自分の初恋を思い出して切なくなるとか、ディーノも成長が楽しみで教えてやりたくなると教えてやった。

 

   「お互いに恋愛に発展していく可能性があると。楽しみですね」

 

   「キャバッローネの九代目とは美味い酒が呑めそうだな」

 

 

   「向こうばかり家族同然の付き合いは不公平だ。急ぎ俺達もディーノ嬢と親睦を深めるべきだ」

 

 

   話が盛り上がってきた時だった。バーのドアが開いた。

 

 

   来客は待ち人ではなかったが、親友、家光だった。どうやら病院から無理矢理退院したみたいだな。

 

 

   「家光、出歩くな。自業自得なキャバッローネファミリーからのリンチから日が経ってねーんだ。自重しろ。奈々と九代目が心配するぞ」

 

 

   「リボーン、俺は決めた。このままじゃあザンザスは確実にキャバッローネファミリーの入り婿になっちまう。…それだけは、いや、ザンザスはボンゴレこそが取り込むべきだ。誰か、この際だ。年齢は問わん。年上でも年下でも不問だ。九代目と縁のある女性をザンザスの妻にする。ザンザスの気持ちなんか考慮しない。

 

   お前には悪いが、お前がザンザスを保護して外に逃げさせたのは間違いだった。心を壊してでもボンゴレ本邸に居させるべきだった。

 

 

   ザンザスがボンゴレと九代目に罪悪感を抱いているんだ、望む通りに今からでも暗殺者として酷使するべきだ。人殺しのプロ集団から称賛される稀有なる才能なんか持っている子供なんて所詮化物だからな。

 

 

   今は、しおらしくしていても、その内絶対に謀反を起こすね。自分の部下を引き連れて反乱起こすね。でもって九代目に氷漬けにされて冷凍睡眠で八年間眠らされるね。温情なんて糞だ。殺処分しないと。反省なんかしないで、どうせまた謀反するよ。化物らしいあの禍々しい炎の持ち主はボンゴレで飼い殺すいや今すぐ拷問して殺害するべぎゃあああああっ………」

 

 

  風の暗器、俺とコロネロの銃弾、ヴェルデの謎の液体Xは家光に命中した。家光は動かなくなった。

 

   「……俺達《ザンザスの父親》の前で良い度胸だな」

 

   「イタリアから少し離れさせるのはどうでしょうか?」

 

   「…傭兵として戦場を転戦させたくはないが、このバカが暴走すると、九代目の従姉妹の年上マダムと無理矢理婚姻を結ばれそうだからな。下手すると良くて監禁悪くて殺害されかねないな。どうする?」

 

   「俺の研究員とするか?普通の一般人として生きれる。だが、ザンザスの意思に反してしまうな」

 

 

   「…リボーン、一番最初に父親になった貴方の意見に従います」

 

   「俺も風と同じだ。でも、ザンザスが一般人として生きたいと願うのなら全力で支える。その事は覚えておいてくれ」

 

   「ザンザスが一番頼りにしているのは、リボーンお前だ。お前の考えを支持し協力しよう」

 

   「ありがとな。取りあえずは、リンチの際に頭を強打していたと報告があった家光の馬鹿を埋めるか」

 

   「「「そうだな/そうしましょう」」」

 

 

   四人で淡々と、バーの床板を外して穴を掘っていたが、スカルのアホがやって来て煩く制止を求めて来たのでぶん殴った。お前は呼んでいない。俺達が探し集合を求めたのはバイパーでお前じゃない。

 

 

    家光を処分したかったが、超直感を感じたのか《ザンザスの父親になったアルコバレーノ達がバーに集まりザンザスの成長を祝う会を開いている気がする》から私も参加させてくださいな(*´ω`*)九代目がやって来てしまったので出来なかった。 

 

   埋めかけていた理由を聞かれたので、家光の妄言を話してやった。

 

   笑顔だった九代目は、無表情になった。ステッキを家光にあてると、家光を凍らせて護衛と守護者に運ばせた。

 

   なんか、一気に疲れたようなので、俺が持ってきた《バイパーを説得する為の小道具のザンザスお手製の酒のつまみとクッキー》を分けてあげた。ザンザスの手料理にウッキウッキになる様はキャバッローネファミリーの九代目とまったく同じだった。娘でも息子でも、手料理で喜ばない親はいないということだ。

 

   スカルが《先輩方が父親なら俺はザンザスっていう奴の兄貴か。よし、兄貴も色々と教えてやるぜ》と言っていた。…いや、喜び勇んでいるがお前には色々と仕事を紹介するから、ザンザスには会わせるつもりはないからな。

 

 

 

          ※※※

 

 

    長期休暇明けの私に伝えられた言葉は衝撃的な事でした。

 

   私の大切なディーノお嬢様がお屋敷から居なくなってしまったのです。いえ、言い方が間違っておりました。

 

   ディーノお嬢様は、旦那様の跡を継ぐ為に、家庭教師の家に住み込む事になったのです。

 

   私はお嬢様が心配で仕方がありませんでした。一人くらいはメイドがいたって許されるべきだ。そう思い、旦那様にお伝えいたしました。

 

   ディーノお嬢様専任メイドの私をディーノお嬢様のお供として派遣させてほしいと。

 

 

   「ありがとう。ディーノちゃんへの忠誠を嬉しく思うよ。だけどね、お供はもう大丈夫だよ。君が今までずっとディーノちゃんを守ってくれて、私達に内緒でディーノちゃんに様々な事を教えてくれていた事。…ありがとうね。ディーノちゃんがね、帰ってきた時にね全部話してくれたよ。

 

  「クレアがボタンの付け方とアイロンの掛け方を教えてくれていました。だから、ディーノはザンザス様に誉めていただけました。嬉しかった。すごく、嬉しかった。ディーノはクラスメイトや他のマフィアのご令嬢達が言う役立たずじゃなかったのです。クレアのおかげで、ザンザス様とリボーン先生の役にたてました。クレアに今あうと泣いてしまいますから、泣かないで笑ってお礼を言える様になるまではクレアには会いません。お父様お母様、クレアが戻ってきたら、ディーノがありがとうと伝えていたと話して下さい」

 

  とね。ディーノちゃんは、毎日笑顔で過ごしているよ。自転車に乗って買い物だって出来るんだよ。

 

  ザンザス君よりも先に、ディーノちゃんの味方になってくれた君に感謝するよ。ありがとう、クレア」

 

 

   泣いた。子供みたいに泣いた。

 

 

   旦那様と奥様が、やっとディーノお嬢様の事を考えて下さる様になってくれた事を神様に感謝した。

 

 

   ディーノお嬢様が救われた事を神様に感謝した。

 

 

   ディーノお嬢様を馬鹿にしないでくれたザンザス様に感謝した。

 

   ザンザス様、貴方は知らないでしょう。ディーノお嬢様は貴方に初めて御会いになられた日から変わりはじめたのです。勝手な事ですが、私は貴方がディーノお嬢様を救って下さると期待していたのです。ありがとうございます。

 

   裁縫専用なメイドの私に、「くれあはまほうつかいみたい。あのね、ディーノにもはんかちをきれいにするまほうをおしえて。おねがい」そう言いながら、くしゃくしゃになったハンカチを泣きそうな顔で差し出してきたディーノお嬢様を思い出して泣いた。

 

 

   初めてのディーノお嬢様からのお仕事に浮かれた私は馬鹿だ。

 

   あのハンカチがなんで汚れていたかを考えて先輩にでも報告するべきだったんだ。そうしたら、もっと早くにディーノお嬢様は幸せに…いや、ディーノお嬢様はもう幸せなのだ。《希望》そのものであるディーノお嬢様は幸せに笑っている。

 

 

   …マフラーか手袋の編み方だな。よし、ディーノお嬢様、待っていて下さい。クレアはディーノお嬢様に分かりやすく教えて差し上げれる様になっておきます。新たなる決意をかためてから、私は旦那様と奥様の御前を離れた。

 

 

 

 

 




 

  …俺も参加したいのだが?不憫さに定評のあるスタントマン。
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