特区警察警備部特別対応部隊 SRU   作:Jdeath0930

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前回までのあらすじ
中央区で起きた人質立て篭もり事件はSRUの投入により、犯人4人のうち3名を射殺1名を拘束したが、警察側も1名の殉職者と2名の負傷者を出す結果に終わった。

用語解説:SRU
正式名は特区警察警備部特別対応部隊。SRUは英語の「Special Response Unit」の頭文字を取ったもの。
警備部に所属し、通常の警察官や機動隊では対処が難しい事件の解決に投入される。平時には巡回も行い犯罪発生を防いでいる。
所属する隊員は厳しい選抜試験を通過した精鋭揃いである。また元自衛官や本土のSATやSITに所属していた人物も何人か所属している。
ワッペンにはナイフを加えたケルベロスが描かれている




第2話 襲撃

2025年4月28日 深夜 飛鳥特別行政区旧港湾地区

深夜の静まり返った港湾地区の埠頭に、数人の男が海の方を眺めていた。ただ景色を見たいのでは無い、ある人物を待っているようだ。

しばらくすると、海の方から1隻のボートが男達のいる埠頭に向かってきた。ボートが埠頭に到着すると、ボートから外国人の女性が降りてきて。それに続くように彼女の護衛らしき人物も降りてきた。

 

リーダー格らしき人物が、女性に近づき話しかける。

「モノは揃ってるのか?」

「ええ、持ってきましたよ。しかしつい3日前にも同じ品を納入したのに、なぜまた同じものを?」

「3日前の立て篭もり事件知ってるか?あの時の犯人がうちの部下でな、その時に押収されてな」

「成る程ね、まぁ私は金さえ貰えればさで十分なので」

 

女性が指パッチンをすると、船に残っていた彼女の部下が次々と大きなケースを下ろし始めた。彼女が部下の一人にケースを開けるように命じると部下がケースを開けた。その中にはAK-74が入っており、彼女はそれを手に取った。

「3日前とモノは同じよ、ロシア製の最高級品で紛い物は一切なし。今回はオマケで拡張アイテムも一緒にさせてもらったわ」

彼女が商品の説明を終えると、男は彼女の護衛に2つのスーツケースを渡す。彼女がスーツケースのうち1つを開けると中には、ドル札が大量に詰まっていた。

「片方に6万ドル、両方合わせ12万ドルある」

「いつもご利用ありがとうございます」

「なあ、いつも思うんだがあんたはどこからこんな代物を仕入れているんだ?」

「それは、企業秘密ですよ。では私達はこれで失礼させていただきます」

 

彼女はそういうと護衛と共にボートに乗り込み、暗闇に包まれた海へと消えていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2025年4月29日 11時12分 飛鳥特別行政区警察本部 内務調査部第1調査室

「以上が、現場で自分がとった行動です」

俺は4日前の事件に関する調査を受けていた、自分たちの行動に違法性がないかを調べるためだ。俺は調査官に現場での行動と部下に出した指示を細かく説明し、今ちょうど説明を終えたところである。調査官がレコーダーの録音スイッチを切ると、俺の方を向き口を開いた。

「では、これにて白瀬悠木巡査部長に対する聞き取り調査を終了します。なお今回の調査で我々が質問したことは外部に漏らさないようにお願いします」

「了解しました」

「お疲れ様でした、退室してください」

「失礼いたしました」

俺は調査官に一礼すると、部屋から退室した。

 

部屋から出ると、扉の横にある待合用の椅子に白髪でロングヘアーの女性が座っていた。4日前の事件の時に、狙撃で犯人を射殺し俺を助けてくれた隊員だった。

「瑠璃、次はお前の番か」

「…そうです」

彼女はボソッと俺の質問に答えた。彼女は宮野瑠璃巡査、SRUチャーリーチームに所属する隊員で狙撃を担当しており、警察の射撃記録で全国1位の実力を持っている。ちなみに元国防軍兵士でもある。

 

「チャーリーチームの聞き取りも進んでるのか?」

俺が瑠璃に話しかけると、彼女は。

「…今日は私と伊沢さんと今井さんだけです…」

「そうか、お前の判断は正しかったんだ気にすることはないさ」

「宮野巡査、聞き取りを始めます中にお入りください」

俺と宮野が話していると、さっきの部屋から調査官が出てきて瑠璃を呼んだ。俺は彼女に「がんばれ」と声をかけると、彼女は「…はい」と小さく返事をして部屋へと入っていった。

俺はそのまま部隊のオフィスへと戻ることにした。

 

飛鳥特別行政区警察本部SRU事務室

オフィスに戻り俺は自分の席に座って仕事を始めようとしたら、真向かいの席に座っている赤髪の女性が話しかけてきた。

「聞き取りはどうでしたか?」

彼女は十六夜葵巡査、俺と同じブラボーチームの所属で俺の部下でもある。

 

「特に何もかな、守秘義務で話せないのは知ってるだろ」

「そうでしたね」

そんな会話をしていると俺の左隣の席にいた茶髪の隊員が話しかけてきた。

「内務調査部の事なんて一々気にしてたら、ハゲますよ」

彼は佐々秋人巡査部長、同じくブラボーチームの所属で葵と同じく俺の部下だ。彼は元京都府警の機動隊員だったが、特区警察に誘われここにきたらしい。

 

「それもそうだな」

「そうですよ、気にしない方が楽ですよ」

「それもそうね」

3人でそんな会話をしていると。

「お話もいいが、お前ら巡回の時間だぞ」

40代前半で長身の人物が俺の後ろに突然現れた。

 

彼はこのSRUの実働部隊長の笠原佑磨警部だ。

「隊長、いきなり後ろに立たないでくださいよ」

「そんなことはいい、白瀬お前は十六夜と佐々は榊原と一緒に行け」

隊長はそう言うと、自分の席に戻っていた。

 

「また怒られる前に行きますか」

「そうしましょう」

俺がそう言うと葵、秋人も同意して、準備のために俺たちは部屋を出た。

 

俺と葵は武器保管庫から大型の銃器を受け取り、地下駐車場にある車へと向かった。そこで準備をしていると。

「なんだ、お前らも巡回か?」

「葵久しぶり〜♪」

防弾ベストを着た黒髪の男と金髪の女が、俺と葵に話しかけてきて、金髪の女はそのまま葵に抱きついている。

 

男の方は葛西翔太郎警部補で俺とは同期だ、金髪の女は浅井琴葉巡査で葵と同期だ。二人とも刑事部の機動捜査隊の所属である。

「そうだよ、今日はどこを回るんだ?」

「俺たちは東区の住宅街と学園地区の担当さ、そっちはどこを回るんだ」

「今日は、中央区の中心部と東区の境辺りだな」

「そうか、なんかあったら呼ぶからそん時はよろしくな。おい!琴葉いつまで抱きついてんだ、そろそろ行くぞ」

「え〜、私まだ葵と、いたいですぅ〜」

「え〜と、早く離れてほしいんだけど…」

 

葵が困った顔をして、琴葉は翔太郎に顔を膨らませて抵抗する。翔太郎は「はいはい」と言うと葵から琴葉を引き剥がして、彼女をズルズルと引きずりそのまま車へと押し込み地下駐車場から出て行った。

俺たちも準備を整えると、車に乗り込んで地下駐車場から出て本部を後にした。

 

12時35分 中央区延壽通り

巡回を始めてしばらく経った時に運転している葵が俺に話しかけてきた。

「4日前の事件に関する報告書見ました?」

「いや見てない、机にあったけどその前に隊長にせっつかれたからな」

「なら、少し説明した方がいいですか?」

「ああ頼む」

 

俺が説明を頼むと、葵が4日前の事件の報告書の内容を話してくれた。容疑者4人は指定暴力団八雲会の構成員だったこと、そして唯一逮捕した1人は八雲会が最近この特区に興味を持っていることを取り調べで話したそうだ。しかし俺は次に葵が話したことに恐怖した。

「押収した車に大量の武器だと!?」

「はいAK-74が10丁、AEK-918が8丁、サイガ12が5丁にMP-443が30丁。後は5.45mm弾60発入りの箱が100箱と9mm弾60発入りの箱も100箱分、12ゲージ弾も600発分も。殆どがロシア製で、粗悪品じゃなくしっかりとしたものだったそうです」

「そんなに大量の武器を所持していたとはな」

俺が驚いていると、葵は更に話を続けた。

「でも問題はここからなんです。逮捕した奴によるとまだ他にも仲間がいて、まだ大量の武器を持っているらしいんです」

「おいおい、奴ら戦争でもおっぱじめるつもりなのかよ」

俺がため息をつく、そして葵が話を再開する。

「だけど、逮捕した奴を含め仲間全てが陸路で来たらしいんです」

「おい、だけどそれなら大橋の…」

「ええ、検問所で引っかからないとおかしいんですよ。あそこは車を丸ごとX線スキャンできる装置や重量計がありますから、不審な車はそこで抑えられる」

「てことは、奴らはこの特区で武器を仕入れたことになるな」

「刑事部はそう見ているようです」

 

葵は車を右折させ、東区の方に進路を変更した。俺は逮捕された組員の身柄について気になったので葵に質問した。

「今日の12時30分ごろに拘置支所へと移送されるようですよ、もう本部をでた頃じゃないですかね」

「そうか」

 

 

 

 

 

 

 

12時47分 東区木津町

「本部、こちら3号車。木津町に到着、あと10分で飛鳥拘置支所に到着する」

<本部了解>

「楽な仕事ですね、容疑者の輸送だけなんですから」

「そうだな、毎日これだけならいんだがな」

 

護送車に乗っている警官が、同僚の警官と話している。しかしその時。

”ドガーン”

突如、護送車の前方を走っていたパトカーにミニバンが衝突、更に白のセダンも護送車の前に現れた。そして2台の車から武装した男女が合わせて5人程降りてきた。

「あぁ、マズイ」

警官が呟くと同時に、襲撃犯は銃の引き金を引いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

しばらく走った時に、車載無線から応援要請が入った。

<パトロール中の各車へ、緊急応援要請。拘置所へ容疑者を輸送中の車列が襲撃を受けた、付近の車両は至急東区木津町1番地2付近へ迎え>

「こちら特警03、了解した直ちに急行する」

俺は本部に現場へ向かう胸を通達した。

<特警03こちら本部、了解>

 

<警ら22了解、5分で向かう>

<警ら13、こちらも現場へ向かう>

無線からは次々と他の車両も現場に向かうとの応答が流れて来た。

「本部、こちら特警03現場の状況は?」

俺は本部に現場の状況確認するため、無線を入れた。

<襲撃犯は6名でいずれも自動小銃やボディーアーマーで武装している、車列に同伴していた警察官4名が銃撃により負傷。警ら6と警ら24が先に到着し現在応戦中>

「本部了解した」

「護送の話をした途端にこの騒ぎとは」

「ああ、襲撃者は間違いなく捕まえた構成員の始末のために送られたな」

俺たちの乗ったパトカーはサイレンを鳴らしながら、事件現場へと向かった。

 

12時56分 東区木津町襲撃地点付近

俺と葵は、護送車が襲われた付近に到着した。車で襲撃地点まで行くと危険と判断した俺は、近くに車を止めてここからは徒歩で行くことにした。

車を降りると、まるで戦場にいるかと錯覚しそうな位の銃声が鳴り響いていた。

 

トランク開け、俺はREC7、葵はP90を取り出して準備していると、俺達の後ろに覆面パトカーが停車した。車の中から本部で別れた翔太郎と浅井が降りてきた。

「悠木、俺と浅井も一緒についてく。人は多い方がいいだろ?」

「お前が来てくれるとは、心強いな」

翔太郎はトランクからレミントンM870MCSを取り出した。俺と葵も準備を整えると、4人で襲撃地点へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

ババババ

バンバンバン

俺たちは襲撃地点に続く小さな道を走った。現場に近づけば、近づく程に銃声は大きさを増していく。

俺は自分の無線機を取り、現場にいる警察官と連絡を取ろうとした。

「護送車付近にいる奴で、聞こえてる奴は応答しろ」

すると無線から声が聞こえて来た

<こちら警ら24の三橋だ、こっちは撃たれまくって身動きが取れない。弾も切れそうだ、早く来てくれ!>

無線からは助けを呼ぶ声が聞こえて来た。

「警ら24、状況を教えてくれ」

俺は無線の主に状況を教えるように求めた。

<警官4人が負傷、今は俺と大野と警ら6の武田と水樹の4人で応戦してる、ミニバンに突っ込まれたパトカーの警官は安否不明。容疑者は5人程だ>

「わかった、もうすぐで着く。それまで持ちこたえてくれ」

<了解!、急いでくれ>

 

しばらくして俺たちは襲撃地点に到着した。物陰から現場を見ると、そこはまさしく戦場だった。

応援の警官や襲撃犯はパトカーや車を盾にして撃ち合いを続けていた。応戦する警官の近くには負傷した警官もいた。

「俺と翔太郎で、あの警官たちの所に行く。葵と浅井は援護してくれ」

「「「了解!」」」

「よし、行くぞ!」

俺と葛西は物陰から飛び出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

物陰から飛び出すと同時に、葵と浅井は援護射撃を始めた。襲撃犯達もこっちに気づいたのか、何人かがこっちに向けて銃撃ってきた。

俺と翔太郎は車に隠れつつ迅速に行動して、何とか警官達の元に着くことができた。

「やっと来てくれたか」

無線に応答したと思われる警官が、俺に話しかけた。

「待たせたな、援護するから合図を出したら、負傷した警官を運び出せ」

俺はまだ無事だった警官達に、負傷した警官を運び出すように指示した。

「今だ行け!」

俺と翔太郎は、犯人達に向けて銃を撃った。それと同時に警官達が負傷した仲間を抱えて、後ろに下がって行った。

 

「おい、これからどうする?」

翔太郎が俺に話しかける。

「奴らを、始末する以上!」

「いい考えだ」

バンバン

翔太郎はショットガンから腰のホルスターにしまっていたP30に持ち替えると、襲撃犯の男に向けて2発発砲した。翔太郎の銃から放たれた2発の銃弾は犯人の胸に命中し、犯人はそのまま倒れ込んだ。

 

俺もREC7のセレクターをセミからフルオートに切り替えて、引き金を引いた。

バババババ

REC7から銃弾が複数発射され、発射された銃弾は犯人の胴体に次々と命中。着弾した箇所から血が吹き出て、そしてその犯人も地面へと倒れ動かなくなった。

 

「2人始末したが、まだ3人も残ってるのか」

「クソ、厄介だな」

俺と翔太郎が話していると、無線機から葵の声が聞こえた。

<誰かが護送車の中に入り込もうとしてます!>

車から少し顔を出して護送車の方を見ると、銃を持った女が車の中へと入って行くのが見えた。

「クソ、翔太郎突っ込むぞ!葵と浅井もこっちに来い」

<了解>

俺と翔太郎は、盾にしていたパトカーから飛び出して、護送車に向けて走った。

残った襲撃犯がこっちに向けて銃を撃って来た、俺は再びREC7の引き金を引いた。銃弾は襲撃犯の頭部に命中し襲撃犯は地面に倒れた。

翔太郎も銃弾を避けながらもう片方の襲撃犯の男へと接近した。そして近づくと、ショットガンを襲撃犯に向けて撃ち込んだ。近距離で撃った散弾は男の右腕に命中、そして襲撃犯の男の右腕を吹き飛ばした。襲撃犯は痛みからかその場に倒れ込み叫んでいる。

 

護送車に到着し俺はSW1911、翔太郎もP30に持ち替え、乗り降り口から中に入る。奥には拳銃を持った女が立っていた。

「警察だ!武器を捨て投稿しろ!」

俺が、女に武器を捨てるように言う。

「聞こえないのか!武器を捨てろ!」

翔太郎も女に、武器を捨てるように促す。

女はこちらに振り返ると、右手に持っていた銃をこちらに向けた。

バンバン

バンバン

俺と翔太郎は拳銃を2発ずつ発砲した。銃弾は女に命中、女は倒れ込みそのまま動かなくなった。翔太郎は倒れた女に近づき、女が生きているかを確認する。

「死んでる」

翔太郎が女の死亡を確認を伝える。俺は護送車の奥に進み、奥で倒れている男を確認する。

「護送中の容疑者だ、こいつも死んでる」

倒れていた男は4日前の事件で逮捕し、今日拘置所に移送される予定だった男だった。俺は本部に連絡を入れる。

「本部、襲撃犯は片付けた、だが、護送中の容疑者は死亡」

<こちら本部、了解した>

 

「2人共、大丈夫ですか?」

護送車の中に、葵と浅井が入ってきた。それと同時に応援に駆けつけたパトカーや救急車が次々と到着し、救急隊員や警官が慌ただしく動く。襲撃され、戦場となった街の中を。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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